春を迎えた植物園(2)

  • 2016.05.05 Thursday
  • 05:51
植物園の中をゆったりと流れる川には名前がありませんが、北5条通でせき止められるためにしばらくすると大きな池のようになります。これは昔から幽庭湖と呼んでいましたが、園内のマップにはなぜか書かれておりません…
幽庭湖

この横にあるミズナラの枝は、誰かのいたずらなのか自然にこうなったのか分かりませんが、お互いの幹を繋ぐ形に枝が渡されて『連理の枝』になっています。もっと宣伝すればたくさんの入園者が来るようになるのに、今の植物園は学術以外には興味を示さなくなってしまいました。
連理の枝

エンレイソウ園もかつては見事だったのに、ほとんど植えますも空っぽになり、寂しいかぎりです。これならもっと公開園地を増やしてもいいでしょうに。辻井先生が作った北方民族植物標本園は、狭いところに高木から草本までを桝形に並べているので、とてもへんてこな雰囲気になってしまいました。植えられているものよりも、回りから進出してきたプリムラの方が勢いがあります。これはアコーリスタイプ(花茎が伸びないタイプ)のポリアンタ種なので、湿った場所のグラウンドカバーには最適かもしれません。
プリムラ

バラ園に出ると、ハクモクレンが満開になっていました。奥の樹木園から出てくる園路の両側に対に植えられていたのですが、西側の木が2004年の18号台風によってへし折られてしまい、東側の木にのみ込まれて一本の木のようになっています。
バラ園

約30年前の写真を見ると、西側の木の方が大きいくらいでした。GWにはこれを目当てにやってくる人がたくさんいた名物木だったのに、すっかりバランスが崩れてしまいました。
880511ハクモクレン
(28年前のハクモクレンの様子  1988.5.11撮影)

自然林の中を通り抜けて南ローンに出ると、右手に名物木の一つであるグイマツの大木が、緑の芽を広げていました。若木の時ならなかなかカラマツと区別がつかないけれど、老木になるとこんな樹形になると教わりましたが、滅多にグイマツの老木がないので、樺太に行って見ないとなんともいえません。
南ローン

ロックガーデンでは、早くもチョウノスケソウが咲いていました。ロシアの植物学者マキシモビッチの助手として多大な貢献をした須川長之助氏に因んで名付けられました。名付けたのは牧野富太郎ですが、人が間違ったことをいえば激しく抗議するくせに、木なのに草なんて間違った名前付けていいのかしらん。
チョウノスケソウ

流れの縁に赤い茎を伸ばしているのはエンコウソウ(猿猴草)。長く伸びる茎がテナガザルの腕のようだと名付けられたとのこと。全道に分布があるけれど、釧路湿原など道東に行くほど多く見られるように思います。
エンコウソウ

ここの池に注がれている水は、道庁で汲み上げている水の余りだったけれど、いまでもそうなのでしょうか。ここは元々ピシクシメムの湧いていたところ。湧水こそ無くなってしまったけれど、昔の地形がそのまま残されている貴重な空間です。これから花の数もぐんと増えてきますので、のんびり散策を楽しんで下さい〜
ピシクシメム

春を迎えた植物園(1)

  • 2016.05.04 Wednesday
  • 05:56
ようやく暖かくなったと思ったら、札幌の最高気温がいきなり24.1℃と、ちょっと極端なほどの暖かさ。しばらく円山公園で過ごしていたエゾヤマザクラ前線が、ようやく我が家にも到着し、昨日午後からぱらぱら咲き始めました。事務所の辺りでは葉桜になった木もあるのに。
そんなポカポカ陽気に誘われて、昼の散歩は植物園まで行ってきました。北3条通を自転車で東に進んでいくと、14丁目で人だかりが。裏千家茶道会館前ののソメイヨシノが満開になっていました。歩道脇の狭いところにありますが、樹形は本当にきれいです。電柱や信号柱がなければもっといいのですがねぇ…
ソメイヨシノ

植物園の東側にあるハクモクレンの街路樹も、もう少しで満開というところでした。東側の木がまだつぼみなのはどうしてなんでしょう。
ハクモクレン

植物園前には自転車がずらりと並んでいたので、市内各所からチャリをこいできた方が多かったようです。門を入ってすぐ右にあるギャップは、ロックガーデンのところにあるかつてのピシクシメムから湧き出た流れが、ここを通っていったん道路の向かい側に流れ、その先でまた植物園に戻ってきた名残の地形です。向かい側にはかつて大きな屋敷がありましたが、今はS不動産によってマンションになってしまいました。
入り口

いつものように右手に回り、反時計回りに歩いて行くことに。どうしても逆回りができないのです。灌木園ではヒュウガミズキやトサミズキ、タカネザクラやオオカメノキなどが満開になっている中に、異彩を放っていたのがこのオオバクロモジの花です。道南に行けばごく普通に見られる低木で、この枝から楊子を作る香り高い木です。
オオバクロモジ

姿は地味ながら、なかなか他には見られない花を着けるハナイカダ。花序の軸が葉の主脈と癒合した様子が、この時期であればよく分かります。雌雄異株の木で、実が付いたのを見たことがないので、これは雄株なんでしょう。
ハナイカダ

北5条通の歩道のすぐ脇を通って、ライラックウォークの北の端から北ローンに入ると、カワシロナナカマドの隣に真っ白な花を咲かせているのがミドリザクラ(リョクガクザクラ)です。普通サクラ類の萼や花柄(かへい)は赤くなるのに、これは緑色のため特に花の白さが引き立ちます。
リョクガクザクラ

大学に入って植物園に初めて来たのも多分この時期だったのでしょう。芝生の緑色が全然違うのと、芝生を踏んでもいいことに感激しました。内地の芝生はながめるもので、中に入ることができないのです。北ローンのちょうどこの辺りで、芝生に座って思わず飛び起きました。芝生が濡れていると思ったのです。日本芝はいつも乾いてチクチクするほどなのに、西洋芝はしっとりと濡れているような柔らかさ。いろんなカルチャーショックの一つでした。サクラ園にはいろんなサクラが満開で、静かに花を楽しんでいました。円山公園の馬鹿騒ぎとはえらい違いです。
北ローン

樹木園に入ると、林内に生えていた稚樹から柔らかいブナの若葉が開いていました。ブナの新緑は水が滴るようなといわれるのがよく分かります。落葉広葉樹林では、一番気持ちのいい季節がやってきました。
ブナ

温室の花たち

  • 2016.01.17 Sunday
  • 05:55
冬の間に何回か植物園の温室に行きますが、微妙に時期がずれているのか、これまでとは違う初めての花にも巡り会いました。日当たりのよい南側では、ノボタン科のケントラデニア‘カスケード’(Centradenia inaequilateralis 'Cascade')が満開に。隣のヒメノボタンとは少し違う樹形で、カスケードの名前の通り長く垂れる枝先に花が咲いています。
ケントラデニア

似たような色の花が満開になっているのは、斑入りのブーゲンビレアで、花のやや小さなサンデリアナ系の斑入り品種です。(Bougainvillea glabra 'Sanderiana Variegata')咲いた時は見事でも、なかなか四季咲きにならないので、キリンやいわみざわ公園の温室では苦労させられました。
斑入りブーゲン

奥の方にひっそりと咲いていたのがコエビソウ(Justicia brandegeana)。以前の学名がベロペロネ・グッタータ(Beloperone guttata)なので、今でも園芸名はペロペロネで通用し、園芸屋さんはベロベロなんて呼んでいました。結構耐寒性は強く、松山の家では庭でなんとか越冬していた、懐かしい植物です。
ベロペロネ

ハマユウのように大きな葉を広げていて、紫色の花が咲いている植物は、中米原産の着生植物で、ツユクサ科のコクリオステマ・オドラティッシムム(Cochliostema odoratissimum)という舌をかみそうな植物。あまり出回っていない珍しいものだそう。
カクリオステマ

これに花が咲いたといえば、遠くからわざわざ見に来る人もいるくらいだとのことですが、今の植物園はそのような人寄せはやらない方針なので、ひっそりと咲くことになりそうです。
花

その隣で不思議な花を咲かせているのは、ソテツ科に近縁だというスタンゲリア科のオオバシダソテツ(Stangeria eriopus)。裸子植物なので松笠状の花を咲かせますが、その名の通り葉の様子はシダそのものという原始的な形質を持っています。南アフリカとオーストラリアに自生し、アルゼンチンには化石があるという、ゴンドワナ大陸が分裂して移動していった痕跡を残している植物だとか。
スタンゲリア

奥の部屋の窓際に、ひっそりとスイゼンジナ(水前寺菜)(Gynura bicolor)があるのを見つけました。昔一度だけスーパーで買ったことがありましたが、それ以来全く見ないので、きっと売れなかったのでしょう。
水前寺菜

そういえば今年初めての植物ネタになったようで、植物を見て歩くとうれしいというか、ホッとさせられます。日長も少しずつ長くなっているとはいえ、寒さと雪はこれからが本番。時々息抜きに来て、なんとか乗り切ろうと思います。

植物園の温室へ

  • 2016.01.16 Saturday
  • 06:00
町中に用事もあるし、しばらく植物園にも行っていなかったので、散歩がてら歩いて行くことに。最低でも5千歩は歩かなくちゃと昼食後などに歩いているので、あの地震も全然気が付きませんでした。でも昨日は、しばらく歩いて少し後悔… ピーカンに晴れているので少し暖かいのかと思ったら、顔の皮膚がチリチリするほどの冷え込みでした。あとで気温を調べてみると、昼前でも−7℃なので寒いはず。知事公館裏のツルマサキも、かなりしばれて霜焼け状になっていました。
ツルマサキ

北3条通の中央分離帯に植えられているアカナラは、秋遅くに高所作業車で強剪定していました。中央区の担当の方に聞いてみたら、ドングリが落下してかなりの車に傷が付いたのだそう。そういえば信号待ちしている時に、パンパラパンと威勢よくドングリが落ちてくるので、こりゃすごいなぁと思っていたのです。まさか車の屋根が凹むほどひどいとは… その車、鉄板が薄いのじゃないのかなぁ。
アカナラ

なんとか植物園にたどり着いて温室に飛び込むと、日差しも強いのでホッとするほどの暖かさ。入り口に咲いているアンスリウムは造花じゃないの?と思わず触ってしまいたくなるほど、いつ行っても花を咲かせている植物です。
アンスリウム

プールの中の熱帯スイレンも、次から次へとつぼみを伸ばして年中咲いており、カメラマンには一番人気があるようです。
熱帯スイレン

ヤタイヤシやパキラなどもたくさん実を付けていましたが、やはりバナナの房の存在感は大きいです。でも台湾バナナはかなり上に実が付くので、以外と気付かないで通り過ぎる方もいそうです。
台湾バナナ

多肉室では、昨年の冬にたくさん花を着けていたアロエの仲間に花がなく、サボテンも強く剪定しているので、「金の成る木」(正式な多肉名は「花月」)だけが真っ白な花を満開に咲かせていました。(ほかの花たちは別途紹介することにします。)
金の成る木

冬の間にもう一度見に来ようと温室の表に出ると、なんとこの寒さの中で絵手紙グループの方達が熱心にスケッチしていました。根性ありますねぇ…{{{(^。^)}}}
絵手紙

昼をかなり過ぎてお腹が空いたので、向かいの緑苑ビルの地下に飛び込み、温かいうどんを食べて人心地。相変わらずうどんばかり食べているうどん人でした。
うどん

秋晴れの植物園(2)

  • 2015.09.23 Wednesday
  • 05:50
植物園の続きです。

園路脇の草の中に、びっしりとキノコが生えていました。真ん中に切り株が残っていたので、なんの樹種か分かりませんが、切り株回りと根の伸びている先にびっしりと生えているのです。この出方と色・形からはナラタケ(ボリボリ)だと思いますが、植物園から採取するわけにはいかないのでねぇ…
キノコ

ブナとヒッコリーの林を通り、幽庭湖の橋のたもとにオオバアサガラの大きなタネが。エゴノキの仲間ですが、かなり繊細でふわっとした花を房状に咲かせます。
オオバアサガラ

西側の草本分科園では、トリカブト類が盛りを迎えていました。ここにあるのはエゾトリカブトではなく、より毒性が強いといわれるオクトリカブト。ウゼントリカブトとの交雑種も合間に植えられていますが、見た目では区別がつきません…
オクトリカブト

早くも満開になっていたのがピレオギク。コハマギクが太平洋岸に自生し、開花期がやや遅く葉の切れ込みが浅いのに対し、ピレオの方は日本海岸に自生し、葉の切れ込みが深いのですが、開花期は実に様々なので分かりにくい植物です。自生地の範囲がとてつもなく広いので、各地に変異種が多いのが原因のようです。
ピレオギク

アメリカノウゼンカズラのアーチをくぐり、バラ園側に入ると、サルスベリが満開になっていました。右側の下部は一昨年の寒さで傷んでしまい、まだ回復しておりませんが、左側は旺盛に咲いていました。市内でも最大級の株でしょう。
サルスベリ

バラ園の芝生にびっしり生えていたのがカタバミです。最近タチカタバミばかり目立ってしまい、久しぶりに見たように思ってしまいました。この方が色も濃く落ち着いて、芝生雑草という気がしませんでした。
カタバミ

回りをきょろきょろ探してみると、まだ部分的ですが、秋咲きのクロッカスが咲き始めていました。あと一週間もすれば、このあたりはものすごい花のカーペットになることでしょう。
クロッカス

カナディアンロッキーの方からロックガーデンに入ると、間の仕切りの岩山にヒダカミセバヤがたくさん咲いています。自生地では盗掘で絶滅が心配されているようで、本当に困ったものです。ロックガーデンはあちこちで植え替えが行われているので、今はちょっと寂しい状態でした。
ヒダカミセバヤ

温室の前まで来ると、鉢に植えられたフランクリンツバキ(Franklinia alatamaha)が数輪花を着けていました。札幌でもぎりぎり冬を越せるようですが、ナツツバキのような短命な花ではないし、紅葉も美しいので、見どころが多いかもしれません。これも自生地では絶滅してしまったのだそうです。
フランクリニア

さて今日は集中講義の二日目。世の中は連休最終日なので賑わいそうですね〜

秋晴れの植物園(1)

  • 2015.09.22 Tuesday
  • 05:58
いよいよ今日から集中講義、だいたい目途が付いてきたので昨日の昼に、息抜きを兼ねて植物園に行ってきました。途中の知事公館裏にあるキミノオンコを見てみると、今年は豊作でたくさんの黄色い実が付いていました。といっても手の届く高さではないので、ほとんどの人は気がつかないでしょう。三岸好太郎美術館から入って、右手に進んで10mほど行ったところにあります。
キミノオンコ

植物園の入り口に植えられているグンネラは、今年は雨が多かったせいか、今までになく巨大な株に成長していました。昔東大の日光植物園に行った時に、あそこではほとんど雪が積もらないので、冬越しするのが大変だと技官の方から聞いていたのですが、雪の布団をかぶる場所だとちゃんと冬を越すことが出来るのだそうです。ブラジルが原産地ですが、意外と北海道には適応できるのですね。
グンネラ

株の中をのぞき込むと、大きな花が二つも咲いていました。ソテツの雄花序のような花を初めて見ました。北海道では滅多に見られないので、ぜひご覧になって下さい。
花

園内に入って右手に進むと、旧植物学教室の向かいに、並んで立つ三本のハルニレがあります。辻井先生が「ハルニレ三姉妹」と名付けていたものですが、2004年の18号台風で右端の長女?が途中で折れて建物側に倒れ、最古のライラックをへし折ってしまいました。それでもだいぶ樹形が戻ってきたので、根はまだしっかりしているのでしょう。
3姉妹

川を渡って灌木園の方に向かうと、エゾリスが活発に走り回っていました。そろそろクルミが落ち始めているので、忙しい毎日を過ごしているのでしょう。
エゾリス

道端にヤマゴボウ(左)が生えていましたが、なんとその横にはヨウシュヤマゴボウも(右)。ヤマゴボウは中国原産で花序が直立するのに対し、ヨウシュヤマゴボウはアメリカ原産で花序は垂れ下がるので区別できます。一緒に生えているのは初めてで、さすが植物園です〜
ヤマゴボウ ヨウシュヤマゴボウ

灌木園の端っこには、アーノルドサンザシの木に真っ赤な実が成っています。花も実もとても魅力的なので、鋭い棘がなければもっと使われると思いますが。
アーノルドサンザシ

灌木園の真ん中あたりには、ボケとクサボケが並んで植えられており、どちらにも大きな実が成っていました。クサボケの実(右)を初めて見たので、棘だらけの枝をかき分けてよく見ると、ゴルフボール大でほとんどまん丸の形をしていました。ボケ(左)の方がやや大きく、長細い形でしたが、これが標準なのかは分かりません。クサボケ(シドミ)はわが国に自生があるのに対し、ボケは中国から渡来したものです。
ぼけ クサボケ

この辺りにはオオスズメウリが猛威をふるっています。農学部裏と植物園内が主産地になっている「北大雑草」の一つで、はびこると大変厄介です。キバナカラスウリという別名もあるようですが、こういう紛らわしい名前は使わない方がいいでしょう。これだけでも問題なのに、ここにはヤブガラシが一緒に絡み合ってひどいことになっていました。富丘西公園でも徐々にはびこり初めて来ており、ヤブガラシはそろそろ真剣に退治が必要になってきているようです。(つづく)
オオスズメウリ

小石川植物園

  • 2015.05.24 Sunday
  • 06:13
昼前に羽田に着き、2時からの会議に少しだけ時間ができたので、小石川の植物園に行って来ました。この時期はほとんど花も咲いておらず、見どころも余りなさそうですが、時間もないことだしちょうどいいかと。住宅地の中にある入り口には、国指定の名勝及び史跡の新しい看板が着いていました。3年前の指定だそうです。
門

入ってすぐのところにあるソテツには、精子発見の記念碑があります。約100年以上も前に、池野成一郎によってイチョウと共に種子植物にも精子があることが発見され、その記念すべき株から分けてもらった株とのこと。本家は鹿児島にあるのだそうです。
ソテツ

少し奥には、平瀬作五郎によって精子が発見されたイチョウが立っています。
イチョウ

薬草園でひっそりと咲いていたのがナルコユリ。アマドコロのことをナルコユリと呼ぶ方が多いのですが、ナルコユリの葉は細く尖り、花が2〜5個着くので賑やかです。一番分かりやすいのは、ナルコユリの茎は丸いのに対し、アマドコロの茎は角張ってごつごつしています。
ナルコユリ

林床を覆っているのはクマザサ。この時期新しい葉には隈がまだないので、コントラストが面白い。北海道にあるのはクマイザサ(九枚笹)で、道民はほとんど熊笹だと信じています。
クマザサ

池の縁にはメタセコイアと共にヌマスギが植えられており、膝根(しっこん)と呼ばれる気根がにょきにょきと伸びていました。梅雨前のためか水が干上がっていたので、初めて池側からよく見ることができました。
ニー

池の回りに点々と生えるオオハンゴンソウ。寒冷地に多いと言われるので、こんな町中に生えるものなのかと意外でしたが、そんなにたくさん生えている訳でもないのに、特定外来生物を大切に育てて?抜き取らないでいるのは、何か意図があるのかただのご愛敬か…
オオハンゴンソウ

蒸し暑い中、汗だくになりながら小石川まで行ったのに、この程度なら…と思いかけた時に見つけたのがこれ。
ニワゼキショウ
私の一番好きな植物だったニワゼキショウ(Sisyrinchium rosulatum)を、その近くで見つけたのです。アメリカ原産のアヤメ科の植物で、芝生などの雑草として広まったものです。この花に出会ったのは小学5年の春。新しく増築された鉄筋校舎に向かって、田んぼの中に新しく広げられた道路脇に生えていたのを見て感激し、家に持ち帰ってずっと育てていました。大学時代のペンネームを庭石菖にするほど思い入れがありましたが、北海道では近似種はあるものの、これがなくて残念に思っていたのです。数十年ぶりの再会に、ちょっと感激でした。

植物園 開園

  • 2015.04.30 Thursday
  • 05:58
北大植物園は昔から4月29日開園で、11月3日閉園となっています。一時期この日がみどりの日だった時には、無料入園日になるため、開園と同時にものすごく賑わっていたのですが、今は5月4日になってしまいました。私も最近開園日には行ったことがなかったのですが、今年のような特異年には見ておきたいと、忙しい中を無理してすき間を作って見てきました。

ライラック
宮部記念館前にある、「札幌最古のライラック」は、つつましくつぼみを堅くしていました。まだ4月だからね。

エゾノウワミズザクラ
花木園の端にたくさんあるエゾノウワミズザクラ(Padus racemosa)は、早くも花がほころんできています。例年より約3週間早い開花ですが、その足元にあるクロフネツツジも同じくらい早く咲いていたので、もう驚かなくなってきました。

オオバクロモジ
クリーム色の花をびっしり咲かせているのはオオバクロモジ(Lindera umbellata var. membrancea)。道南に行くとありふれた低木なのでうらやましい限りです。クスノキ科の植物で、香り高い枝を利用して高級品の爪楊枝が作られます。

ナギイカダ
葉のまん中につぼみをつけているハナイカダ(Helwingia japonica)も道南要素の一つ。雌雄異株なので、これは雄株だったはず。かつてはミズキ科でしたが、現在はハナイカダ科として独立しています。

リョクガクザクラ
ライラックウォークの脇に、真っ白に飾られた花木がありました。花時に行かないと、こんな目立つ木があることなんて全然気付きません。ラベルを見るとリョクガクザクラ(ミドリザクラ)(Cerasus incisa f.yamadei)とあります。

花のアップ
これは富士山周辺などに自生するマメザクラ(フジザクラ)の品種で、新葉やつぼみなどが普通赤く色付くのに対し、この品種はアントシアンを持たないために緑が際立ち、花も真っ白になるようです。

シラネアオイ
中央の湿地は、かつては幽庭湖と呼ばれるほど、大正時代まではこんこんと湧き出る水をたたえていたそうです。ここにかかる煉瓦造りの橋を渡ると、シラネアオイ(Glaucidium palmatum)の群落が満開になっていました。山の中ではこんなに大きく育たないのに、みごとな大群生なので圧巻でした。

バラ園
バラ園はまだひっそりしているけれど、ここのシンボルだったハクモクレンが真っ白に咲いていました。整形式庭園の森からの入り口の両脇に植えられていたので、春のシンボル的な存在だったのです。昔の写真を探してみると、27年前の1988年5月11日のがありました。
88年
2004年9月8日に北海道を襲った18号台風によって、このあたりの樹木は壊滅的な被害を受け、左側のハクモクレンは地際近くから折れてしまいました。いくらか回復していますが、かつてのようなシンメトリーな美しさは失われましたが、それでも昔の姿を求めてくる方は多いようです。
植物園は月曜日は閉園ですが、5月4日はみどりの日なので無料開放日となります。4月から入園料が420円になっているけれど、この時期こんなにたくさんの花が見られることも珍しいので、ぜひご覧になって下さい〜

冬の植物園(その2)

  • 2015.02.11 Wednesday
  • 05:49
昨日は事務所の前の道路排雪が入りました。去年は3月3日に来たので、今年は随分早いです。何度も暖気が来て雪が沈み、今年は少ないかなと思っていたら、案の定あっという間に片付いてしまいました。多い年なら夕方暗くなるまでかかるのに、なんと今年は3時間弱で片付き、11時過ぎにはいなくなってしまいました。このあとそんなに降らなければいいのですがねぇ。

さて、もう少し植物園の温室を見ていきましょう。
入り口左のやや寒い部屋には、本州では越冬できるけれど、札幌ではぎりぎり越冬できそうもないものなどが収められています。その中で真っ赤な実を付けたセイヨウヒイラギの一種(Ilex sp.)。これは25年ほど前に、ヘルシンキの公園に育っていたものからタネを拝借し、ここで育てていただいたものです。なので、札幌でも戸外で越冬できるかもしれません。
セイヨウヒイラギ
この葉っぱのトゲはとっても痛いけれど、どこかで見たことがあるような…

高温多湿で弱光線下に維持されているベゴニア室では、根系性や木立性などたくさんの花が咲いていましたが、一番目だったのがベゴニア・シレテンシス(Begonia siletensis)という根茎性の大きな株。よく見ると雄花ばかりだけれど、雌雄異株のベゴニアなんてあるのかな?
ベゴニア

いったん外に出て南側の展示室に回ると、たくさんの食虫植物が元気に育っていました。たくさん種類のあるネペンテス(ウツボカヅラ)が次々と新しい捕虫嚢を作っている中で、ネペンテス・ウェントリコサ(Nepenthes ventricosa)の捕虫嚢がピカピカで美しい形でした。どう見ても便器の形ですが、こんな姿だと座るのが怖くなりそうです…(^^;)
ネペンテス

毎年この時期に、たくさんの花を咲かせてくれるブラッソカトレア・マイカイ‘マユミ’(Brassocattleya Maikai 'Mayumi') なんでマユミなんだろう?といろいろ調べても、(B.nodosa×C.bowringiana)の交雑によって作出された品種で、1944年に登録されたことしか分かりませんでした。1944年と言えばまだ戦争中ですからねぇ。
ブラッソカトレア

小さな花が尾状花序になっているのも、よく見るとやっぱりランでした。ネジバナよりは大きいですが、数本だと目立ちません。大株仕立てにしたものが、花フェスタのラン展に出ていたような。赤い花を咲かせるデンドロキルム・ウェンツェリー(Dendrochilum wenzelii)と白花のデンドロキルム・グルマケウム(D.glumaceum)が咲いており、どちらもフィリピン原産とのことです。
デンドロキルム2

デンドロキルム1

葉はエビネのようで、大きな花を下垂させているのがチシス・チェルソニー(Chysis chelsonii)。地味な色ですが、なかなか見応えがありました。
チシス

ノビネチドリを大きくしたようなアルポフィルム・カルディナーレ(Arpophyllum cardinale)も、暖かい花色です。このような原種のランには、豪華な園芸種にはない気品を感じます。
アルポフィルム

最後のサボテン・多肉室では、珍しくちょうど花がない時期になったようです。唯一花盛りなのが、通称「金の成る樹」と呼ばれているクラッスラ・オワータ(Crassula ovata)正式な和名はフチベニベンケイですが、ほとんど使われず、多肉植物名の‘花月’が一番知られているかもしれません。夏に乾かしてしっかりいじめた株では、きっと花盛りなんでしょうね。
金の成る樹

冬の植物園(その1)

  • 2015.02.10 Tuesday
  • 05:59
長い冬もようやく折り返しを過ぎ、日差しが少しずつ強まっていくのが分かります。ついこの間まで、朝下りてくる時には真っ暗だったのに、ここ数日かなり明るくなってきました。とはいえ緑が萌えてくるのはまだ二ヶ月以上も先の話で、回りは相変わらずの白い世界、。たまには鮮やかな植物たちを紹介しようと、先日植物園に行って来ました。
北大植物園に向かう途中、STVの角にあるカシワの樹の枯葉もかなりくたびれてきたようです。
カシワ
新芽が出るまで葉を落とさず、代が途切れないことから縁起物とされるのはユズリハと同様。だから柏餅だといわれても、関西ではつるつるして香りの高いサルトリイバラしか使わないので、ごわごわしたカシワの葉にくるまれているこちらの柏餅は、とても不気味でした。カシワは潮風に耐えるので海岸に多く、石狩浜の海岸林は世界最大のカシワ林となっています。冬芽を守るために、葉を落とさないで守っているという説が有力ですが、本当の理由の究明はなかなか難しいみたいです。(詳しくはこちらから)

植物園の温室に入ると、天気がよかったのでさすがに温室らしく感じました。真っ先に目に入る真っ赤なアンスリウム(Anthurium andreanum)の花は、いつ行っても咲いているので造花じゃないかと触ってしまいそう… ミズバショウと同じ仲間といわれても、頭の中ではなかなかイメージが重ならないものです。
アンスリウム

その横で咲いているストレリッチア(Strelitzia reginae)も、丈夫さが取り柄でよく花が咲きます。ゴクラクチョウカ(極楽鳥花)の和名は言い得て妙ですが、肝心のゴクラクチョウは正式和名になれず、フウチョウが正式和名だとか。
ストレリッチア

これも花が途切れない熱帯スイレン(Nymphaea sp.)は、昨年そろそろ植え替えないと、鉢から根がはみ出しそうと言ってました。心なしか葉が小さなものが多いので、まだ植え替えられないまま、調子がよくないのかもしれません。
スイレン

一番奥の琉球コーナーでは、リュウキュウアセビ(Pieris koidzumiana)が満開になっていました。花はアセビにそっくりですが、アセビに比べて葉がかなり細く、アセビの変種であるヤクシマアセビ、最近新種になったアマミアセビ、そしてリュウキュウアセビと、どんどん葉が細くなる連続的な変異になっているのかもしれません。
リュウキュウアセビ

マングローブを形成するオヒルギ(Bruguiera gymnorhiza)にも花が咲いていました。赤いのはガクで、あんまり目立つ花ではないけれど、果実が大きくなればなかなか面白いものになります。
オヒルギ

株元には、かわいい子株が芽を出していました。細長い果実が落下し、足元の泥に突き刺さることによって新しい株が形成されていきます。うまく刺さらないと、海の中を漂ってしまうので、定着できる確率はかなり下がるみたいです。海中で育つための適応形態がこのしくみなので、植物もいろいろ苦労しているのですねぇ〜
マングローブ
(つづく)

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM