小石川植物園

  • 2015.05.24 Sunday
  • 06:13
昼前に羽田に着き、2時からの会議に少しだけ時間ができたので、小石川の植物園に行って来ました。この時期はほとんど花も咲いておらず、見どころも余りなさそうですが、時間もないことだしちょうどいいかと。住宅地の中にある入り口には、国指定の名勝及び史跡の新しい看板が着いていました。3年前の指定だそうです。
門

入ってすぐのところにあるソテツには、精子発見の記念碑があります。約100年以上も前に、池野成一郎によってイチョウと共に種子植物にも精子があることが発見され、その記念すべき株から分けてもらった株とのこと。本家は鹿児島にあるのだそうです。
ソテツ

少し奥には、平瀬作五郎によって精子が発見されたイチョウが立っています。
イチョウ

薬草園でひっそりと咲いていたのがナルコユリ。アマドコロのことをナルコユリと呼ぶ方が多いのですが、ナルコユリの葉は細く尖り、花が2〜5個着くので賑やかです。一番分かりやすいのは、ナルコユリの茎は丸いのに対し、アマドコロの茎は角張ってごつごつしています。
ナルコユリ

林床を覆っているのはクマザサ。この時期新しい葉には隈がまだないので、コントラストが面白い。北海道にあるのはクマイザサ(九枚笹)で、道民はほとんど熊笹だと信じています。
クマザサ

池の縁にはメタセコイアと共にヌマスギが植えられており、膝根(しっこん)と呼ばれる気根がにょきにょきと伸びていました。梅雨前のためか水が干上がっていたので、初めて池側からよく見ることができました。
ニー

池の回りに点々と生えるオオハンゴンソウ。寒冷地に多いと言われるので、こんな町中に生えるものなのかと意外でしたが、そんなにたくさん生えている訳でもないのに、特定外来生物を大切に育てて?抜き取らないでいるのは、何か意図があるのかただのご愛敬か…
オオハンゴンソウ

蒸し暑い中、汗だくになりながら小石川まで行ったのに、この程度なら…と思いかけた時に見つけたのがこれ。
ニワゼキショウ
私の一番好きな植物だったニワゼキショウ(Sisyrinchium rosulatum)を、その近くで見つけたのです。アメリカ原産のアヤメ科の植物で、芝生などの雑草として広まったものです。この花に出会ったのは小学5年の春。新しく増築された鉄筋校舎に向かって、田んぼの中に新しく広げられた道路脇に生えていたのを見て感激し、家に持ち帰ってずっと育てていました。大学時代のペンネームを庭石菖にするほど思い入れがありましたが、北海道では近似種はあるものの、これがなくて残念に思っていたのです。数十年ぶりの再会に、ちょっと感激でした。

植物園 開園

  • 2015.04.30 Thursday
  • 05:58
北大植物園は昔から4月29日開園で、11月3日閉園となっています。一時期この日がみどりの日だった時には、無料入園日になるため、開園と同時にものすごく賑わっていたのですが、今は5月4日になってしまいました。私も最近開園日には行ったことがなかったのですが、今年のような特異年には見ておきたいと、忙しい中を無理してすき間を作って見てきました。

ライラック
宮部記念館前にある、「札幌最古のライラック」は、つつましくつぼみを堅くしていました。まだ4月だからね。

エゾノウワミズザクラ
花木園の端にたくさんあるエゾノウワミズザクラ(Padus racemosa)は、早くも花がほころんできています。例年より約3週間早い開花ですが、その足元にあるクロフネツツジも同じくらい早く咲いていたので、もう驚かなくなってきました。

オオバクロモジ
クリーム色の花をびっしり咲かせているのはオオバクロモジ(Lindera umbellata var. membrancea)。道南に行くとありふれた低木なのでうらやましい限りです。クスノキ科の植物で、香り高い枝を利用して高級品の爪楊枝が作られます。

ナギイカダ
葉のまん中につぼみをつけているハナイカダ(Helwingia japonica)も道南要素の一つ。雌雄異株なので、これは雄株だったはず。かつてはミズキ科でしたが、現在はハナイカダ科として独立しています。

リョクガクザクラ
ライラックウォークの脇に、真っ白に飾られた花木がありました。花時に行かないと、こんな目立つ木があることなんて全然気付きません。ラベルを見るとリョクガクザクラ(ミドリザクラ)(Cerasus incisa f.yamadei)とあります。

花のアップ
これは富士山周辺などに自生するマメザクラ(フジザクラ)の品種で、新葉やつぼみなどが普通赤く色付くのに対し、この品種はアントシアンを持たないために緑が際立ち、花も真っ白になるようです。

シラネアオイ
中央の湿地は、かつては幽庭湖と呼ばれるほど、大正時代まではこんこんと湧き出る水をたたえていたそうです。ここにかかる煉瓦造りの橋を渡ると、シラネアオイ(Glaucidium palmatum)の群落が満開になっていました。山の中ではこんなに大きく育たないのに、みごとな大群生なので圧巻でした。

バラ園
バラ園はまだひっそりしているけれど、ここのシンボルだったハクモクレンが真っ白に咲いていました。整形式庭園の森からの入り口の両脇に植えられていたので、春のシンボル的な存在だったのです。昔の写真を探してみると、27年前の1988年5月11日のがありました。
88年
2004年9月8日に北海道を襲った18号台風によって、このあたりの樹木は壊滅的な被害を受け、左側のハクモクレンは地際近くから折れてしまいました。いくらか回復していますが、かつてのようなシンメトリーな美しさは失われましたが、それでも昔の姿を求めてくる方は多いようです。
植物園は月曜日は閉園ですが、5月4日はみどりの日なので無料開放日となります。4月から入園料が420円になっているけれど、この時期こんなにたくさんの花が見られることも珍しいので、ぜひご覧になって下さい〜

冬の植物園(その2)

  • 2015.02.11 Wednesday
  • 05:49
昨日は事務所の前の道路排雪が入りました。去年は3月3日に来たので、今年は随分早いです。何度も暖気が来て雪が沈み、今年は少ないかなと思っていたら、案の定あっという間に片付いてしまいました。多い年なら夕方暗くなるまでかかるのに、なんと今年は3時間弱で片付き、11時過ぎにはいなくなってしまいました。このあとそんなに降らなければいいのですがねぇ。

さて、もう少し植物園の温室を見ていきましょう。
入り口左のやや寒い部屋には、本州では越冬できるけれど、札幌ではぎりぎり越冬できそうもないものなどが収められています。その中で真っ赤な実を付けたセイヨウヒイラギの一種(Ilex sp.)。これは25年ほど前に、ヘルシンキの公園に育っていたものからタネを拝借し、ここで育てていただいたものです。なので、札幌でも戸外で越冬できるかもしれません。
セイヨウヒイラギ
この葉っぱのトゲはとっても痛いけれど、どこかで見たことがあるような…

高温多湿で弱光線下に維持されているベゴニア室では、根系性や木立性などたくさんの花が咲いていましたが、一番目だったのがベゴニア・シレテンシス(Begonia siletensis)という根茎性の大きな株。よく見ると雄花ばかりだけれど、雌雄異株のベゴニアなんてあるのかな?
ベゴニア

いったん外に出て南側の展示室に回ると、たくさんの食虫植物が元気に育っていました。たくさん種類のあるネペンテス(ウツボカヅラ)が次々と新しい捕虫嚢を作っている中で、ネペンテス・ウェントリコサ(Nepenthes ventricosa)の捕虫嚢がピカピカで美しい形でした。どう見ても便器の形ですが、こんな姿だと座るのが怖くなりそうです…(^^;)
ネペンテス

毎年この時期に、たくさんの花を咲かせてくれるブラッソカトレア・マイカイ‘マユミ’(Brassocattleya Maikai 'Mayumi') なんでマユミなんだろう?といろいろ調べても、(B.nodosa×C.bowringiana)の交雑によって作出された品種で、1944年に登録されたことしか分かりませんでした。1944年と言えばまだ戦争中ですからねぇ。
ブラッソカトレア

小さな花が尾状花序になっているのも、よく見るとやっぱりランでした。ネジバナよりは大きいですが、数本だと目立ちません。大株仕立てにしたものが、花フェスタのラン展に出ていたような。赤い花を咲かせるデンドロキルム・ウェンツェリー(Dendrochilum wenzelii)と白花のデンドロキルム・グルマケウム(D.glumaceum)が咲いており、どちらもフィリピン原産とのことです。
デンドロキルム2

デンドロキルム1

葉はエビネのようで、大きな花を下垂させているのがチシス・チェルソニー(Chysis chelsonii)。地味な色ですが、なかなか見応えがありました。
チシス

ノビネチドリを大きくしたようなアルポフィルム・カルディナーレ(Arpophyllum cardinale)も、暖かい花色です。このような原種のランには、豪華な園芸種にはない気品を感じます。
アルポフィルム

最後のサボテン・多肉室では、珍しくちょうど花がない時期になったようです。唯一花盛りなのが、通称「金の成る樹」と呼ばれているクラッスラ・オワータ(Crassula ovata)正式な和名はフチベニベンケイですが、ほとんど使われず、多肉植物名の‘花月’が一番知られているかもしれません。夏に乾かしてしっかりいじめた株では、きっと花盛りなんでしょうね。
金の成る樹

冬の植物園(その1)

  • 2015.02.10 Tuesday
  • 05:59
長い冬もようやく折り返しを過ぎ、日差しが少しずつ強まっていくのが分かります。ついこの間まで、朝下りてくる時には真っ暗だったのに、ここ数日かなり明るくなってきました。とはいえ緑が萌えてくるのはまだ二ヶ月以上も先の話で、回りは相変わらずの白い世界、。たまには鮮やかな植物たちを紹介しようと、先日植物園に行って来ました。
北大植物園に向かう途中、STVの角にあるカシワの樹の枯葉もかなりくたびれてきたようです。
カシワ
新芽が出るまで葉を落とさず、代が途切れないことから縁起物とされるのはユズリハと同様。だから柏餅だといわれても、関西ではつるつるして香りの高いサルトリイバラしか使わないので、ごわごわしたカシワの葉にくるまれているこちらの柏餅は、とても不気味でした。カシワは潮風に耐えるので海岸に多く、石狩浜の海岸林は世界最大のカシワ林となっています。冬芽を守るために、葉を落とさないで守っているという説が有力ですが、本当の理由の究明はなかなか難しいみたいです。(詳しくはこちらから)

植物園の温室に入ると、天気がよかったのでさすがに温室らしく感じました。真っ先に目に入る真っ赤なアンスリウム(Anthurium andreanum)の花は、いつ行っても咲いているので造花じゃないかと触ってしまいそう… ミズバショウと同じ仲間といわれても、頭の中ではなかなかイメージが重ならないものです。
アンスリウム

その横で咲いているストレリッチア(Strelitzia reginae)も、丈夫さが取り柄でよく花が咲きます。ゴクラクチョウカ(極楽鳥花)の和名は言い得て妙ですが、肝心のゴクラクチョウは正式和名になれず、フウチョウが正式和名だとか。
ストレリッチア

これも花が途切れない熱帯スイレン(Nymphaea sp.)は、昨年そろそろ植え替えないと、鉢から根がはみ出しそうと言ってました。心なしか葉が小さなものが多いので、まだ植え替えられないまま、調子がよくないのかもしれません。
スイレン

一番奥の琉球コーナーでは、リュウキュウアセビ(Pieris koidzumiana)が満開になっていました。花はアセビにそっくりですが、アセビに比べて葉がかなり細く、アセビの変種であるヤクシマアセビ、最近新種になったアマミアセビ、そしてリュウキュウアセビと、どんどん葉が細くなる連続的な変異になっているのかもしれません。
リュウキュウアセビ

マングローブを形成するオヒルギ(Bruguiera gymnorhiza)にも花が咲いていました。赤いのはガクで、あんまり目立つ花ではないけれど、果実が大きくなればなかなか面白いものになります。
オヒルギ

株元には、かわいい子株が芽を出していました。細長い果実が落下し、足元の泥に突き刺さることによって新しい株が形成されていきます。うまく刺さらないと、海の中を漂ってしまうので、定着できる確率はかなり下がるみたいです。海中で育つための適応形態がこのしくみなので、植物もいろいろ苦労しているのですねぇ〜
マングローブ
(つづく)

植物園の雑草

  • 2014.09.09 Tuesday
  • 05:50
北大植物園は、世界中の植物園と種子交換を行っているので、様々な植物が世界各地から入ってきます。このため、中にはそこから逃げ出すものもある訳で、植物園付近でしか見かけないものがいくつか知られています。
マルバフジバカマ
その代表がマルバフジバカマ(Ageratina altissima)。名前の通り以前はヒヨドリバナ属でしたが、再編されて現在はアゲラティナ属となっています。我が国には1896年に渡来し、箱根周辺で野生化していたそうですが、札幌のものとは別の系統かもしれません。札幌のものは戦後記録されているものの、正確な年代は分かっていないのです。植物園の周辺約1キロくらいの範囲に見られますが、今後確実に広まっていくでしょう。最近では銅葉の品種がユーパトリウム'チョコラータ'等の名前で売られているので、ますます拡散しそうです。

もう一つ植物園雑草として知られているのがこのオオスズメウリ(Thladiantha dubia)。中国から朝鮮半島原産の植物で、雌雄異株のうち我が国には雄株のみが入っているそうです。タネもできないのにやたらはびこるのは、地下茎を伸ばすのでしょうか?植物園内や農学部の裏手で、昔から猛烈にはびこっている割りには、他のところでは見かけないのが不思議です。
はびこり状態

別名をキバナカラスウリとも呼ばれることがあるけれど、全然似てもいないのに紛らわしい呼び名は不適当。カラスウリの仲間ではありません。
オオスズメウリ

カラスウリの仲間にはキカラスウリ(Trichosanthes kirilowii var. japonica)があり、道内では渡島半島の日本海岸の数カ所で確認されている程度です。豊平公園には昔から植えられており、小さいけれど繊細な花がかわいいです。
キカラスウリ

植物園に限らず、最近市内で猛烈に増えてきているのがこのヤブガラシ(Cayratia japonica)。姿の通りブドウ科のツル植物で、猛烈にはびこって藪に覆い被さり、やがて枯らしてしまうのでこの名前があります。富丘西公園でも一部に侵入しているし、事務所の隣にも生えてきたのであわてて駆除したほどです。こんなにはびこらせていいのかなぁ?
ヤブガラシ

意外と見落としがちなのがナツヅタ(Parthenocissus tricuspidata)。ツタが正式名で、常緑のフユヅタ(アイビー類)と区別するためにナツヅタと呼ばれます。道内にも自生があることにはなっていますが、壁面緑化用に導入されたものからの二次拡散が大部分で、最近市内の街路樹やビルの隙間などで猛烈な繁殖ぶり。円山原始林などにもかなり進入してきているので、あまりいい気はしないものです。
ナツヅタ
宮部記念館前にある「札幌最古のライラック」(日本最古のライラックは函館公園にあります。)に取り付いていました。数年前にはなかったので、最近発生したものでしょう。これをむしり取るのは根気のいる仕事ですが、植物園もそろそろボランティアを導入して、このような雑草対策から始めなければならないのではと心配になりました。

初秋の植物園

  • 2014.09.08 Monday
  • 06:02
土曜の朝、ある高校の放送部からハルニレプロジェクト宛にメールが入り、札幌の町とハルニレの関係について番組を製作していたら、ハルニレプロジェクトの活動を新聞で知ったので、是非取材させて下さいとのこと。いきなり日曜日にと指定されたけど、次男の母校だったのでまぁ仕方ないと出かけてきました。昔と変わらぬ素朴な雰囲気の高校生で、ていねいに説明をしてあげました。私にとって意外な発見もあり、実り多い取材になったことは感謝です。その中身についてはまた報告したいと思います。
取材

取材は資料館で受けたので、終わってから植物園に行ってみることにしました。こんな時期にはあまり行かないので、何か違う植物に出会えるかもしれません。正門前ではタカノハススキとハチジョウススキ?の斑入りの大型のススキの間に、グンネラ(Gunnera)が大きな葉を広げていました。
グンネラ
南米原産の巨大な草本で、最大のものでは直径が2m、草丈が3mにもなるという巨大さです。ラワンブキでも負けそうかな。北海道では戸外越冬できないので、そんなに大きくなることはありませんが、それでも結構なサイズに育ってきています。

ハス
上野ファームでハスを見たので、温室裏のプールに行ってみると、鉢植えにして水中に置かれているので、もうほとんど花は終わり、黄色い花が一つだけ咲いていました。十年くらい前、唐招提寺展を近代美術館でやった時に、奈良から持ち込まれて展示された株を譲り受けたものです。

サルスベリ
バラ園の横では、サルスベリが咲いていました。大通公園や町中の街路で使われている一才サルスベリではなく、樹高4mにもなる高木性のサルスベリです。寒さの厳しい年にはかなり枯れ込みますが、ちゃんとまた元気になってくるそうです。ここには薄紫のものと白花の2本があり、白花の方はかなり傷んでいました。

イヌキクイモ
草本分科園ではイヌキクイモが満開に。札幌以北ではキクイモしか見かけませんが、後志以南では今の時期に車を走らせると結構道端で目立ちます。キクイモの開花は10月中旬になるため、霜との競争になってしまいます。

オオタカネイバラ
ロックガーデンでは、オオタカネイバラの実が赤々と熟して来ました。ハマナスだけでなく、道内に自生のあるヤマハマナスやオオタカネイバラなどの野生のバラも、もう少し光を当てたいものだと思います。

オオカメノキ
オオカメノキ(ムシカリ)の真っ赤な実は、そろそろ黒く熟してきました。よく見ると熟した実には野鳥が突いた跡があるので、熟して美味しくなるのを待っているのでしょう。赤い実のまま食べるものもあれば、赤から黒く熟していくものもあるので、野鳥によってそれらを見分けることができる種類がいるのかもしれません。

ロゼットビオラ

  • 2014.04.23 Wednesday
  • 05:49
北大植物園で、大変珍しい植物が開花しました。ひょっとしてわが国初ではないかといわれるくらいの珍しさです。ところがショクダイオオコンニャクのような巨大な花であれば、話題性もものすごいでしょうが、如何せんあまりにも小さな草姿。今日あたり新聞にも載るようですが、来てみてがっかりにならなければいいですね…
ビオラ
知らせを聞いて駆けつけると、入ってすぐ左の部屋はこざっぱりと片付けられ、小さな台の上にポツンと鉢が乗っかっています。これはロゼットビオラという、南米チリの高山帯に分布する特殊なビオラで、セダムやセンペルビブムのような多肉質のロゼット葉を付ける仲間です。世界中に約400種あるビオラ属のうち、日本と同じく約50種ものスミレがあるスミレ王国が南米のチリ。そのうち約30種がロゼットビオラという特殊な形態をしているようです。高山の砂礫地に生育しており、高温多湿を嫌うために本州以南では全く栽培できず、多分まだ満足に育ったことすらないのではというくらい気むずかしいのです。現在博物館に籍を置くYさんは、共生菌の助けがなければ栽培できないランの仲間など、とても難しい種類の植物の栽培に成功している凄腕の方ですが、このロゼットビオラに挑戦して、難なく開花に至ったものです。
花のアップ
このビオラはウィオラ・コティレドン(Viola cotyledon)という種類で、ネットで調べてみると原産地では随分紫色が濃いものから淡いもの、白いものまであるようです。確かに花はスミレそのものですが、かなり肉厚なのと、随分毛深いのが特徴のようで。つぼみが5個できて、現在3個が開花中。来週一杯くらいは見られそうですので、29日のグリーンシーズンの開園にあわせて、是非ご覧になって下さい。(28日までは温室のみ開園ですが、土日は閉園となっています。)

その背後にはシャクナゲが満開に。左の派手な真っ赤のシャクナゲは、マグノリアの‘ワダズメモリー’に名を残す和田弘一郎氏が作出した‘太陽’(Rhododendron 'Taiyo')という、耐暑性が極めて強い画期的な品種です。右の淡いブルーの花は、ラベルを見るとロドデンドロン・アウグスティニー(R.augustinii)の品種でした。
シャクナゲ

その向こうにすらりと伸びているのが、ジュラシックツリーと呼ばれるウォレマイパイン(Wollemia nobilis)。現在まだ雄花が開花中で、上の方には十数個の球果の赤ちゃんもついています。これだって、我が国ではほとんど見られない希少なものなんですよ〜(これも地味ですねぇ…)
   ウォレマイパイン

正門のすぐ左にあった守衛室は、文化財の修理が入って足場に囲われていました。その右にはシナマンサクが満開となり、池の縁ではエゾノリュウキンカも咲いてきています。植物園にもようやく春がやってきましたね〜

植物園の温室(その2)

  • 2014.03.27 Thursday
  • 06:00
北大植物園の温室で見かけた、へんてこな植物編。
入り口を入ってすぐ右にあるのは、サトイモ科の植物たち。ゾウコンニャクやショクダイオオコンニャクなど、花が咲けば大変な話題になるコンニャク類が大きな鉢に植えられています。その中で鮮やかな花を咲かせているのがアンスリウム・アンドレアヌム(Anthurium andreanum)。オオベニウチワという和名もありますが、ほとんど使われません。まるで蝋細工のような質感を持っています。
アンスリウム
熱帯スイレンの横にある鉢物の幹からは、鋭い棘が… ラベルを確認するのを忘れましたが、これはトックリキワタ(Ceiba speciosa)でしょう。南米原産ですが、広く熱帯地域に植えられています。沖縄でも街路樹にされているそうですが、よくこんな恐ろしい幹をしているのに、町中に植えられているものです。「鬼に金棒」という愛称もあるとか…
    鬼に金棒
温室内には雑草化している植物がいくつもありますが、これもその一つです。あちこちの木に絡みついて、本体より目立つ鮮やかなブルーの花をたくさん咲かせていました。英名がバタフライピーなので直訳して蝶豆という和名になっていますが、今一つピンと来ません。それよりも学名そのもののクリトリア(Clitoria ternatea)の方が知られていますが、あまりにもストレートすぎて、かわいそうな植物名の筆頭によくあげられるそうです。
クリトリア

奥にある食虫植物室は、今後内容を充実させていくようで、すでに結構な種類が集まって来ていました。びっしりと粘毛を密生させたモウセンゴケ類(Drosera sp.)は、一番分かりやすい食虫植物かもしれません。今度行く時にはハエでも持っていくことにしましょうか…(^_^;)
モウセンゴケ
その横ではムシトリスミレ(Pinguicula sp.)の仲間が次々と花を咲かせていました。確かにどれも花を見るとスミレそっくりですが、葉の方はそれぞれ全く異なっています。これはやや多肉化したロゼット葉を持っていました。
虫取りスミレ
ウツボカズラ(Nepenthes sp.)の仲間も、暖かくなって元気を取り戻してきたと見え、葉の先に次々と新しい捕虫器を作り始めていました。しかしその形は本当に面白いというか、これなんかまるで便器だよなぁ…と思ってしまいます。
ウツボカズラ1
種によってその形態は実に様々で、コレクターがはまる気持ちがよく分かります。
ウツボカズラ2 ウツボカズラ3
多肉植物室には、どれここれもけったいな植物ばかりだと思いますが、これもその一つでしょうか。タマネギのような大きな球根からひょろひょろと茎がサボテンの間に伸びてます。ソウカクデンというラベルが付いていますが、多肉植物には‘奇想天外’とか‘亜阿相界’のように独特の漢字の名前が付けられるので、今一つ意味がつかみかねるところがあります。これも‘蒼角殿’といわれても全然イメージできませんねぇ… 一応和名はタマツルクサ(Bowiea volubilis)という分かりやすい名前があります。仲間的にはアスパラガスに近く、葉が退化して茎が葉の代わりになっています。
    ソウカクデン
こんな不可思議な植物がたくさんありますが、これらも解説されなければ、その面白さに気付かれないままになってしまいます。植物園もようやくボランティアの必要性には気付いてくれたようですが、その園長がこの春に交代されることに。新しい園長には、せっかくの財産をもっと生かすことを考えてほしいものです〜

植物園の温室(その1)

  • 2014.03.26 Wednesday
  • 05:45
昨日の昼休み、久しぶりに植物園の温室に。事務所から歩いて行きましたが、途中では水たまりがひどく、歩道が歩けないくらいの所もありました。こういう時には長靴でなければダメですね。
園内はまだまだ雪がうずたかく残っているものの、雪山の端っこにフキノトウを見つけました。今年の初物なので、やっぱり嬉しいものです。
フキノトウ
館内は若い外国人男性の二人連れとおばさまが一人のみ。静かでいいけれど、ちょっと寂しいです。真ん中の池では相変わらずブルーの熱帯スイレンが。この株は本当に一年中花が咲き続けます。でもそろそろ茎が鉢からはみ出してきているので、少し切り詰めて植え替えてならないといけないんだそう。
熱帯スイレン
その横では、ちょっとグロテスクなクダモノトケイソウ(Passiflora edulis)が、大きな花を咲かせていました。これはキリンガーデンが閉鎖されたときに持ってきたものかもしれませんが、あそこではたくさん花が咲くものの、とうとう一個も実が成らなかったのが不思議でした。売られているパッションフルーツは、どうやって受粉させているのでしょうか?(植物園のH技官からの指摘で、これはよく似ていますがクダモノトケイソウではなく、パッシフロラ・アラータ(Passiflora alata)で、円山動物園の熱帯温室から来たものとのことでした。)
果物トケイソウ
2mほどの枝先にはオオゴチョウ(大胡蝶)(Caesalpinia pulcherrima)の真っ赤な花が。西インド諸島の原産ですが、熱帯地方では広く植えられ、沖縄ではデイゴやサンダンカと共に3大銘花の一つにされているそうです。(これは、私がグァムに行った時に取ってきたタネから育ったものとのこと。すっかり忘れておりました…)
オオコチョウ
一番東の端の部屋では、以前つぼみだったセンカクツツジ(尖閣躑躅)(Rhododendron simsii var. tawadae)が、淡い紫の花を咲かせていました。花はミヤマキリシマ程度の小ささで、まぁ地味な花でしたが、なにせ自生地である魚釣島には立ち入ることができなくなってしまっているので、現在も生き残っているかすら分からないのです。尖閣諸島では、ヤギが野生化して植生を荒らしていることが危惧されていますが、ツツジ類は毒があることが多いので、なんとか生き残っていて欲しいものです。
センカクツツジ
多肉の部屋ではアロエ類などの花がすべて終わっており、ちょっと寂しくなっていましたが、非耐寒性のオーニソガラム・ダビウム(Ornithogalum dubium)が鮮やかな花を咲かせていました。たまに園芸店でも出回っているそうです。栽培法を調べていたら、何と金子さんのYouTubeが引っかかりました
オーニソガラム
いつも気にしているウォレマイパイン(Wollemia nobilis)には、大きな尾状の雄花がぶら下がっていました。昨年は雄花が少しと、雌花が2個だけつき、今年はその雌花がかなり成熟してきているので、うまく受粉できるかなぁ?という感じでした。今年は10個くらい丸い雌花が出来はじめています。
    ウォレマイパイン
脚立を借りて2年目の雌花をよく見てみましたが、まだどこにも穴が空いておらず、成熟するのにもう一年かかるのかもしれません。雄花からは大量の花粉が出てくるので、あとは雌花次第のようです。なにせ国内での開花は数例しかないので、よく分からないのです。入ってすぐ左の部屋にありますので、是非ご覧になって下さい。
松笠
久しぶりにたくさんの花を見ることができたので、凝り固まっていた背中の張りも少し軽くなってきます。日差しが陰っていたので、ほどよい暖かさでしたが、一昨日のような日差しだとかなり気温が上がったのではないでしょうか。(つづく)

熱帯植物園

  • 2014.03.19 Wednesday
  • 05:42
函館には、札幌ではほとんど絶滅してしまった熱帯植物園が生き残っています。それはもちろん、温泉熱というエネルギー源が豊富にあったおかげですが(※現在はボイラーで加熱しているそうです。)、湯の川にある熱帯植物園には、前から寄ろうとして、いつも横目で見ながら通り過ぎてしまっていたのでした。今回はちょうど冬と言うこともあり、ようやく見てくることができました。

といっても、ここの目玉はなんといっても温泉猿。野生のサルで唯一温泉に入るのは、小春が以前いた信州中野の少し奥にある地獄谷温泉のスノーモンキー。ここに行く長野電鉄の特急も、愛称はスノーモンキーになったくらい人気の的です。湯の川のは冬季間(12月1日〜5月6日)温泉が入れられるので、その間温泉に入りっぱなしのサルがいるそう… どんな状態なのか、興味津々で見に行きました。
温泉1
確かに温泉に入ってだらりと腕を伸ばし、恍惚とした表情で真っ赤になっているお猿さんたちがずらり。でも、ちょっと毛がなさ過ぎない?って思ったら、たまに出てくるサルの毛がほとんど抜けて、あわれな状態になってしまっているのです。これは皮膚炎とかではなく、絶対にお湯に浸かりすぎでしょう。以前新聞で、どうして湯冷めしないんですか?という質問に対して、「ずっと入りっぱなしなので、湯冷めしないんです!」と飼育員が答えてましたっけ。こりゃちょっとかわいそうになりました。
温泉2
でもよく見ると、全然温泉に興味なく、あちこち走り回っているサルの毛はふさふさになっているのです。やっぱり年寄りや寒がりだけが、温泉に入ったまま出られなくなってしまったのでしょうねぇ。昔来た時は夏だったので、全然気にもしなかったのですが。
サル

サルばかり相手にしてる暇もないので、早速温室に。ムッとする暖かさが懐かしいです。(札幌にはこんな温室はなくなってしまいましたからねぇ…)入った所では、クンシランが満開に。ダルマ系の形質の揃ったいい株ばかりなので、とても見応えがありました。
クンシラン
キバナクンシランもちらほらありますが、こちらはあまりいい系統ではありません。でもアクセントにはちょうどいいくらいでしょう。
キバナクンシラン
ブーゲンビレアやハイビスカス、エンゼルストランペットなど、一通りの温室花木が咲いていました。ヤシ類やゴムの木、ストレリッチア・オーガスタなど、観葉ものも結構充実しているのですが、ラベルがあまりないので、これではちょっとねぇ…もったいないです。
エンゼルストランペット
バナナや柑橘類、マンゴー等、果樹類も一通りそろっている充実ぶり。ちょっと予想以上でした。次々と咲き上がっている地湧金蓮花(Musella lasiocarpa)が咲いていました。チャイニーズ イエロー バナナの名の通り、よく見るとバナナの花にそっくり。200日から300日も咲き続けるというので、この株もかなり以前から咲いていたようです。百合が原公園の温室にもありますが、こちらの方がはるかに元気がいいような。
地湧金蓮花
出口のところには「春の小川」が。ここの指定管理者は函館エコロジー倶楽部という団体で、結構いろんな特技を持った人がメンバーになっているようです。この小川ではカワニナを育てており、夏にはホタルが飛び交うそうな。こういう独自性を持っているのが、このグループの強みです。
ホタル水路
日曜なので結構家族連れが来ていました。夏になると広い水遊び場がにぎわうので、レトロな雰囲気ながら、施設的には健闘している印象を受けました。

植物園の温室(つづき)

  • 2014.01.17 Friday
  • 05:33
大学の植物園は、もちろん研究施設であることは確かですが、北大の場合、市民の園芸振興に与えた影響力には、多大のものがありました。バラやキク、ダリア、洋ラン、山草など、様々な園芸グループの拠点としての時期が長く続いたのです。東京であれば、小石川の東大植物園は研究施設であり、神代植物園はより市民向けの園芸植物の拠点と認識されています。北大の場合には、その両方の意味合いを持ち続けてきたわけですが、現在では市民向けの意識がかなり薄れてきたように思います。それは担当教官の考え方というより、予算の削減によって方向を絞り込まざるを得ないというのも現実のようです。ちょっと寂しい気持ちはありますが。

現在の植物園の使命の一つに、生物多様性の保全があります。それぞれの地域にある希少植物の保全のために、例えば北大ではレブンアツモリの増殖に成功していますが、温室内でも種子交換によってかなり希少なものが栽培されているのです。
センカクツツジ
例えばこの‘センカクツツジ’(Rhododendron simsii var.tawadae)。あの尖閣諸島魚釣島の山頂付近にのみ生えているという希少なツツジが、なんとここにあるのです。米軍統治下の時代に、調査で入った県職員が持ち帰った株から、少しずつ増殖されているもので、現地は野生ヤギが増殖しているために、絶滅が危惧されているというものです。今では立ち入って確認することもできない場所になってしまいました。3月末頃には咲くというので、また見に行かなくては。

もちろん、この時期にもたくさんのお客さんが見えられるので、それなりにきれいな花も咲いていないと文句が出そうです。このためちゃんときれいな花もあちこちで咲いています。一際鮮やかなブルーの花には、‘ブルーキャッツアイ’のラベルが。
ブルーキャッツアイ
オオバコ科(旧ゴマノハグサ科)のオタカンサス(Otacanthus caeruleus)という、南米原産の植物で、花の中にある白い筋が、ブルーの人造キャッツアイによく似ているのでこんな名が。

‘アッサムニオイザクラ’の名で売られているルクリア(Luculia)も春らしい花の色を見せてくれています。アカネ科の植物なので、流通名とはいえあんまりいい名前ではありません。
ルクリア

一番奥の(一度ホールから外に出て、入り直さなければなりません)多肉植物室では、マユハケオモト(Haemanthus albiflos)の花が終わりかけ、果実が着いていました。ハエマンサス二は赤い花のものが多いのですが、これは眉刷毛ブラシのような花を咲かせます。
ハエマンサス
そのすぐ近くには、似たような姿でしわくちゃの葉をしたマッソニア(Massonia pustulata)が。
いずれも南アフリカの砂漠地帯の原産です。
マッソニア

手前のラン室の入り口に食虫植物コーナーがあり、モウセンゴケやサラセニアなどがたくさん展示されています。勢いよくつるを伸ばしているのがネペンテス(ウツボカズラ)の仲間。たくさんの捕虫器をぶら下げています。
ネペンテス
こんなにたくさんぶらぶらしてるけど、この時期に虫なんか飛んでないので、腹を空かせないの?って聞いたら、にやにやしながら鉢皿を持ってきて、袋の中身をひっくり返しました。すると消化されないで残った羽やら足やらがたくさん…)^o^( なんとゴキブリが捕まっていたのです。しかも羽が大きいので、クロゴキブリでした。
ゴキブリ
チャバネならびっくりしませんが、最近ではここや動物園でもクロが主流になってきたとか。いやはやこんなところにも生物多様性が進んでいるようで。

植物園の温室

  • 2014.01.16 Thursday
  • 05:47
昨日夕方珍しく家から電話があり、JRタワーの上から真っ直ぐ変な雲が上がって行くのが気持ち悪いんだけど…というので、それは坂本さんの魂が、札幌駅とタワーにお別れに来たんだよ〜と言ったら、そのニュースを知らなくてびっくりしてました。以前遠軽で「花のくに日本運動推進大会inオホーツク」が開かれた時に、北海道観光振興機構の会長としてこられており、ご挨拶したことがありました。度量の広い、とても人望のある方だっただけに、とても残念な気持ちになりました。

このところ引き籠もって仕事に没頭しているので、さすがに煮詰まりかけてきてました。お昼を食べて、一番手近なところと、植物園まで行くことに。日が差しているのがなんとか救いでしたが、相変わらずの真冬日なので、手も足も冷たくなってしまいましたが、事務所から歩いて30分ちょっとで到着。やっぱり温室の鮮やかな緑は、目にも鮮やかでした。
熱帯スイレン
池の中の熱帯スイレンは、相変わらずいくつもの花を咲かせています。高そうなカメラをかついだおじさんが、盛んにバシャバシャ写してました。
パキラのタネ
通路に落ちているのはパキラのタネ。よく見ると植え込みの中にもたくさん落ちており、発芽しかけているものもありました。このタネはカイエンナッツと呼ばれ、食用にされていたこともあったようですが、微量ながら有毒物質が含まれているので、現在では原産地でも食用禁止になっているそうです。
鉢物でもよく流通しているので、家庭にも置かれているかと思いますが、小さな鉢植えで実が成るのでしょうか?その昔、千歳のキリンビールの温室に地植えにしたら、たちまち大きくなって手に負えなくなり困ったことを思い出しました。握り拳大の大きな果実が成り、中にこのタネがたくさん入っているのです。
パキラの果実

温室担当のHさんにちょっと用事もあったので、あれこれ話しながら回ってみました。廊下ではコショウ科の植物展示が。なんでこんな地味な展示をやってるの?と聞いたら、結構また人気も出ているし、いろんな種類が出回るようになっているんだとか。
コショウ
この左の植物がコショウ(胡椒)ですが、確かに毎日お世話になっていながら、どんな植物なのかは知らないですからね。
スイカぺぺ
これは、ペペロミア・アルギレイア(Peperomia argyreia)。久しぶりに見て懐かしかったです。最近このような観葉植物が見られるところがなくなってしまい、寂しい限りです。これにはシマアオイソウという立派な和名がありますが、そんなものは誰も使わず、スイカペペ(ロミア)と呼ばれています。本当にぴったりの名前でしょう。
ぺぺロミアにはたくさんの種類がありますが、ぺぺロミア・クルシフォリア(P.clusiifolia)は丈夫で育てやすかったけれど、緑葉のものはあまり面白味がなく、斑入り系のものが人気がありました。これは新しい‘ジュエリー’という品種です。
ジュエリー
展示の一番最後のところに、ピレアがありました。これはピレア・カディエレィ(Pilea cadierei)、普通はアルミニウムプランツという流通名で呼ばれ、不思議な葉の模様を持っています。ベトナムの森では、こんな草が生えているのですねぇ。
(もう一つよく出回っていたコショウ科の植物に、と書いてしまいましたが、これは勘違いで、本当はイラクサ科でした。「コショウ科コーナーでコショウ属とペペロミア属を紹介した続きに、Pilea peperomioides「ペペロミアのような葉」と言う種小名を持つ一見ペペロミアみたいな奴がおるのですが、グラデーションのようにいつの間にかイラクサ科の展示にしてしまう趣向でした。」とのことで、まんまと引っかかってしまいました…(^。^;;)
ピレア
昨年も書いたように思いますが、このような高温性の植物を楽しめる所が、札幌市内でも本当にここしかなくなってしまったのです。百合が原も豊平も、なんだか寒々しい冷室になってしまい、気持ちがほわっとする温室はここが最後の砦かもしれません。ここも裏話的にはかなり厳しい状態のようで、油断はできないのです。町に出かける時には、ちょっと足を伸ばして、たくさんの植物を見てやって下さいね〜

植物園 秋の見どころ(2)

  • 2013.11.04 Monday
  • 07:08
日本シリーズがようやく決着付きました。すっかり「田中劇場」になってしまいましたが、近年まれに見るいい勝負だったと思います。野球の話は、またやらなければならないですね。

植物園は、この時期でも結構見どころがあったので、もう少し続けます。
草本分科園から樹木園に上がる坂道の脇には、バージニアマンサク(Hamamelis virginiana ハマメリス・ウィルギニアナ)がありました。
バージニアマンサク
ここにマンサクがあるのは、数年前の夏に堅い特有の果実が成っているので気付きました。でも春に花が咲いていたかなぁ?と、そのままになっていたのです。今年の春に、滝野に植えられているマンサクの種類が違っていたことに気付いた時、こんな秋咲きのマンサクもあるんだ、って改めて認識した次第。でも真っ黄色に黄葉している中に、黄色い花が咲いているので、まず誰も気付かないで通り過ぎてしまうでしょう。なんで昆虫も飛ばなくなるこんな時期に、わざわざ花を咲かせるのでしょうね?
花

樹木園は本当に見事に色付いていました。よちよち歩きのこの子どもの目には、どんな風景が映っていることでしょう?
樹木園

幽庭湖を渡るレンガの橋を渡った両側には、オオバアサガラ(Pterostyrax hispida)が目立つ果実をぶら下げています。
オオバアサガラ
エゴノキやハクウンボクの属しているエゴノキ(Styrax)属に近縁で、北海道には自生していません。以前三吉神社の境内で見つけ、随分悩んでようやく判明しましたが、それ以外ではまだ見たことがありません。ここにあるのは分かっているのですが、いまだに花の時期に見ていないのが残念です。写真で見る限り、とっても魅力的な花のようです。

灌木園では、真ん中あたりに真っ赤に色付いている木がありました。マルバノキ(Disanthus cercidifolius)というラベルが立っていましたが、道内に自生しないマンサク科の樹木のようです。
マルバノキ
真っ赤な葉に気を取られていたのですが、よく見ると枝に小さな花が咲いているのです。別名ベニバナマンサク。関東から中四国まで分布する、マンサクに近縁の樹木でした。いろんな花があるものですねぇ…
花

すぐ横には、ヒロハヘビノボラズの真っ赤な実が、干しぶどうのようにドライになりかけていました。メギ科の低木で、渡島大島にも結構生えており、鳥散布によってあんな離島にも運ばれるようです。
ヒロハヘビノボラズ

一番端に、ナツハゼがたわわに黒い実を成らせていました。ブルーベリーと同じ属であり、コケモモのように赤く熟すものと、ナツハゼのように青黒く熟するものがあり、いずれも食べることができます。このくらいびっしり成れば、実を集めてジャムにするのは簡単かもしれません。ブルーベリーほどではありませんが、結構甘みもありました。
ナツハゼ

植物園は、来年春(4月29日)までは閉園ですが、温室は土日を除いて公開されています。今年も息抜きに通うことにしましょう。

植物園 秋の見どころ(1)

  • 2013.11.03 Sunday
  • 07:06
植物園は今日で夏期期間の閉園。確認を頼まれたものがあったので、昨日の昼間、晴れているうちにちらっと覗いてきました。最後の紅葉を楽しみに、結構な数の来園者が。特に花がなくても、やはりいいものです。

いつもと反対回りしようと、真っ先に温室に向かいました。温室の玄関ではフランクリニアの花が一輪、紅葉した葉の中に咲いていました。フランクリンツバキ、アメリカツバキ、アメリカシャラ、セイヨウシャラなど、様々な和名がつけられていますが、フランクリニア(Franklinia alatamaha)で構わないでしょう。
フランクリニア
アメリカのジョージア州原産ですが、自生地では絶滅してしまったとか。簡単に増殖できるので、国内でも苗は普通に出回っているようです。札幌でもぎりぎり越冬し、ある程度枝が残れば、秋遅くに開花できるようです。

その前の花壇では、ツワブキの花が咲き始めていました。円山のお菓子屋さんの玄関先にも植えられているのを昨年発見したので、きっとあちこちで植えられていることでしょう。
ツワブキ

温室の裏手のカキの木は、今年は成り年のようで、枝が垂れ下がるほどのたくさんの実を付けていました。成り過ぎたせいか、ピンポン球程度の小さな実が多く、まだまだ熟れていないために、とても食べられるものにはならなさそう…木にくっついたまま寒くなれば、少しは渋も抜けて、野鳥の餌になれるでしょうか。
カキ

その横の池では、枯れたハスの実が水面にたくさん並んでいます。昨年まで鉢を土の上に並べていたのを、今年は池の中に入れたところ、とてもたくさんの花が咲いたとのこと。どこか目立つところで、思い切り咲かせてみたいです。
ハスの実

博物館前のローンでは、ハンカチノキにたくさんの実が成っていました。この木は毎年よく咲くようになりましたが、こんなにたくさんの実が付いたのは初めてのようです。一体どんなタネが入っているのか、熟すのが楽しみです。
ハンカチノキの実

バラ園ではまだ残り花がちらほら。昨日盤渓では真っ白に霜が降りてましたが、町中では全く霜に当たった様子がありません。隅の方にあるサワフタギの大株には、まだ瑠璃色の実が残っていました。あんまりたくさん実が付く木ではありませんが、本当に不思議な色をしています。
サワフタギ

この近くにある木を確認して納得。そういえば、先日11丁目通を車で通った時に、職員総出で塀際の木を伐採していました。よく道路側に倒れるので、危険なことが多いのですが、それにしては随分とさっぱりさせたものだと…
伐採
塀際にはエゾノウワミズザクラやアーノルドサンザシが昔たくさん植えられていたため、白い花や赤い実がよく目立っていたのです。これで信号待ちの楽しみが減ってしまいそうです…(>_<)

植物園の見学会

  • 2013.07.28 Sunday
  • 07:07
昨日は、緑関係の私的研究会の見学会。この集まりは、今から25年前、元号が平成に代わって一週間後にスタートしています。緑化樹生産、流通、施工などの各業界やコンサル、役所、研究機関など、多彩な人達の集まりで、年に2回程度、夏は現地の見学会、冬にはそれぞれの話題を提供し合う研修会を行っています。私が一応代表なので、あれこれ連絡し合ってやってきていますが、仕事がパンクすると途切れてしまったり…昨年も夏の見学会はできなかったので、今年は近場でやることにして、道庁赤れんが庁舎前に集まりました。
赤れんが
外国人観光客が圧倒的に多い場所ですが、私たちは道庁構内の樹木を地味〜に観察して歩きました。もともと開拓使時代には、本庁構内は外国からもたらされた果樹の見本園になっていました。その名残かもしれないクリの大木を見たり、南側の池のたもとに植えられているシダレヤナギを見て歩きました。
シダレヤナギ
シダレヤナギはもともとは中国原産で、遣唐使が持ち帰ったとか諸説が入り乱れ、正確な渡来年は不明ですが、わが国に入っているのは雄株だといわれ、確かにタネができないのです。ところが道庁前のイチョウ2本は雌株で、ちゃんとタネができるのです。昔偶然見つけてびっくりしたら、梅沢俊さんも佐藤孝夫さんもちゃんと気付いていて、どちらも図鑑にちゃんと載せてありました〜

それから一同植物園に。私はちょくちょく行ってますが、みなさん10年ぶりだ、20年以上来ていないだとか…せっかくこんな財産があるのだから、ちゃんと活用してほしいものです。玄関のところの植えますは、屋根がかかっていて何を植えても育たないので、センペルビブムがパッチ状に植えられていました。これでもスズメなどの野鳥が掘り返し、砂浴び場にしてしまうのだそうです。
センペルビレンス

宮部記念館のすぐ後ろには、ラワンブキが植えられています。足寄町螺湾に自生しているアキタブキは、軽く2mを超えるほど生長します。一番大柄なNさんを物差しに、記念写真を。
ラワンブキ

北のローンでは、芝草が消えて、見た目は芝生のようですが、ヘビイチゴやカタバミ、ベロニカ・レペンスに置き換わっているのにびっくり。低刈りを続けていると、芝草はとてももたず、このような草本に代わってしまうのですね。その横には、珍しいカワシロナナカマドが。ナナカマド属には、ナナカマドとアズキナシがありますが、これらが自然に交雑してで来たものです。ここ以外で見たことはないのですが、自然にできることもあるのだとか。
カワシロナナカマド

南側の博物館前のローンには、かなり大きくなったハンカチノキが。年々花の数が増えて、今年は数百輪も咲いて見事だったそうです。ところがそのあとはあんまり注目していないものですから、大きな実が成っていることには気付かなかったのです。中にはクルミのような大きな種子が入っていました。今年の秋が楽しみです。
ハンカチノキ

3時間以上じっくりと見て歩き、充実した時間を過ごすことができました。早速居酒屋に行き、冷たいビールで乾杯。久しぶりの息抜きにもなった一日でした。

カナディアンロックガーデン

  • 2013.05.14 Tuesday
  • 06:56
北大植物園には、植物画を描いて、ポスターやレターセットなどを販売し、その収益を植物園の社会教育活動に役立てようとする後援会があります。(北大生協くらいでしか買えないのが、もったいないところですが…)その後援会が、新しい卓上カレンダーを作成しました。
カレンダー

こんな時期にカレンダーなんか作っても…?という疑問は当然ですが、「Perpetual (永遠の) Calender」と銘打っているように、万年カレンダーなので、いつからでも、エンドレスに使えるものです。
おや?と思ったのは、植物園の中でも一番マイナーで、その存在すら気がつかないような『カナディアン ロックガーデン』の植物が対象になっているのです。これは、ブリティッシュ・コロンビア大学の植物園との姉妹提携を記念して、2001年に整備されたもので、まだ10年ほどしか経っていません。既存のロックガーデンの一番奥に、中が見えないような石積みの壁がありますが、その横を通ると現れるのです。
ロック1

最初はそこからしか入れませんでしたが、今は博物館前のローンからも入れるようになったので、もう少し入りやすくなったかもしれません。札幌硬石を荒々しく積んだり敷き詰めたところに、すべて種子から養成した植物を植えたので、初めのうちはとても殺風景でした。それが今では、背丈を超えるような樹木も現れており、逆にこのままでは、木が大きくなりすぎるのではと心配になるほどです。
ロック2

このカレンダーは、2日で1枚、全部で16枚からなっています。そこを開いていても、一体今日が何日なのかは分からないですけれど…(^_^;)

Houstonia-1

これはヒナソウの和名のあるホウストニア・カエルレア(Houstonia caerulea)。芝生の雑草にもなるくらい丈夫な草で、やや湿った場所を好みます。(英語風に言えばフーストニア・セルレア)
Houstonia-2
(トキワナズナの別名もありますが、アブラナ科ではなく、アカネ科です。 2011.5.17)

園芸植物としてもよく使われるエノテラ・テトラゴナ(Oenothera.tetragona)は、現在ではエノテラ・フルティコーサ(O.fruticosa)とされているようですが、園芸種とは違い、かなり野生種の雰囲気を持っています。
Oenothera-1

マツヨイグサの仲間は北アメリカが分布のセンターで、ものすごくたくさん種類があります。二年草の種類は帰化植物として嫌われ者になっていますが、宿根性の本種は昼咲きで、ボーダー花壇に向いており、一番普及しているかもしれません。
Oenothera-2
(英名はナローリーフ イブニングプリムローズとなっていました。 201.7.2)

植物園に行かれる機会があれば、ロックガーデンの奥に「秘密の花園」が隠れているので、是非覗いて見て下さい。カレンダーは、多分北大生協の書籍部でないと入手できないと思いますが、今度調べておきますね〜

植物園開園

  • 2013.04.30 Tuesday
  • 06:52
昨日も朝からどんよりと曇り、雨もぱらついてましたが、昼過ぎからようやく日が差してきました。29日が植物園が夏の開園日なので、あんまり花もなさそうだけど見てこようかと、自転車で出かけました。しっかり着込んでいたのに、手袋をしていかなかったのです。その時はよかったのですが、すぐにまた曇ってしまい、強い北風が吹いてくると、手が冷たくてたまりませんでした…失敗です…(>_<)

大通の13丁目にある、一番早く咲くライラックを見てみると、つぼみがかなり大きくなっていました。地下鉄の排気が吹き付けるので、この木が最初に花を開くのです。大通公園にはもうベンチがセットされていましたが、この天気では誰も座る人もなく、閑散としてました。
ライラック

植物園の門を入ると、すぐ右手にマルバマンサク(Hamamelis japonica subsp. obtusata)が咲いています。本種は、道南から本州の日本海岸多雪地に分布し、私の大好きな「まんさくの花」もこの木の本場秋田の生まれです〜「まず咲く」からマンサクになったとのとおり、本当に早く花を咲かせる木です。
マルバマンサク

この時点で既に、体がこわばるほど冷え込んでいたので、すぐに温室に向かいました。温室前の植え込みでは、ヘレボルス類が咲いています。イコロの森でも咲いているというチベタヌス種(Helleborus tibetanus)は、もう盛りを過ぎていました。雪の中で咲いていたんかいな?
チベタヌス

元祖クリスマスローズのニゲル種(H.niger subsp.niger)は、植物園では原種の種子から苗を作っているので、自信を持ってニゲルと言えるので安心です。
ニゲル

温室で少し体を温めてから、再び園内へ。中庭ではマンサク科のヒュウガミズキ(Corylopsis pauciflora)とトサミズキ(C.spicata)が並んで植えられており、トサミズキはまだまだほんの咲き始めでしたが、枝の細いヒュウガミズキの方が満開になっていました。さすがマンサク科です。
ヒュウガミズキ

高山植物園は5月10日からの公開なので、奥の草本分科園に行きましたが、本当に開花が遅れているのですね…エゾエンゴサクやキバナノアマナがまだほとんど咲いておらず、まともに咲いていたのはフクジュソウくらい。最近では最も遅い春の足取りになっているようです。葉っぱばかりのニリンソウの横には、つやつやして美味しそうなオクトリカブトが。葉っぱばかりに目が行ってしまうと、つい紛れ込んでしまうこともあるのでしょう。昨年も道南で亡くなりましたが、本当に気を付けなければいけません。
ニリンソウ

オクトリカブト
(上の方がニリンソウで、トリカブト類は茎が立ってくるので、間違えないはずですが…)

分科園のカタクリ(Erythronium japonicum)はまだつぼみでしたが、バラ園寄りに逃げ出して生えている株がようやく開き初めというところ。3日には、手稲区の稲穂ひだまり公園で観察会があるので、暖かくなって早く開いてほしいなぁ…
カタクリ

植物園の温室(つづき)

  • 2013.01.23 Wednesday
  • 07:11
植物園の温室は、今の建物になってからは、入り口の左側だけが公開され、右にある三つの部屋は、バックヤードとして非公開になっていました。現在は右側も公開されているのですが、手前に作業室があるので、建物の中を通っていけず、一度外の中庭へ出て、吹雪の中でも雪の中を通っていかなければなりません。このため、ここに展示室があるのを気がつかない人もいるのでは?と思うほどです。
孟宗竹

その通り道の建物寄りに、なんと竹林ができてしまいました。孟宗竹は、函館公園や松前などには立派なものが育っていますが、さすがに札幌では育たないと言われていました。ここなら建物に囲まれているので、何とかもつのではと技官の方が植えたところ、毎年少しずつ大きくなっていき、とうとう建物よりも高く育ってきました。さすがに稈(かん)は細いですが、こんなに寒くてもちゃんと枯れないで育っているのです。

こちらの展示室は、まずランの部屋。北大植物園のランは、戦前(昭和7年)に廬貞吉氏から寄贈を受けた300種27,000株という、わが国有数のコレクションを誇っていましたが、戦中戦後の燃料不足により、多くが失われてしまったそうです。現在あるものも、札が落ちてしまったものが多く、珍しいものが眠っている可能性もありますが、○○の仲間…というラベルも多く、ちょっともったいない存在です。これも‘シンビジウムの仲間’です。
シンビジウム

これはちゃんとラベル付きで、ブラッソカトレア‘マユミ’という名前でした。この時期には、このような暖かい花色の花を見るとホッとします。
カトレア

食虫植物のウツボカズラが横にあるので、なんだかこれもそんな感じに見えてしまいます。パフィオペディルムは、地味ながら、人気の高いランでしょう。
パフィオ

一番奥には、サボテン・多肉植物の部屋があります。気を付けないと、振り向きざまに頬を刺すところでした…
入っていきなり、リュウゼツランの花が咲いているのにびっくり。数年前に、百合が原公園でリュウゼツランの仲間(アガヴェ ヴィクトリア-レギナエ)が開花したと、かなりの話題になりました。こちらは多分アオノリュウゼツランでしょう。数十年かけてから開花するので、センチュリープランツの名があり、開花すると株は枯れてしまいます。豪快な花を咲かせますが、なにせ天井につかえて、窮屈そうに花を咲かせているので、写真映りも悪く、マスコミに流さなかったのでしょうか。
リュウゼツラン

この部屋は、なにせ鋭い棘のある植物ばかり、一体どうやって植え替えや手入れをしているのでしょうかねぇ…?
多肉

サボテンの仲間はそんなになく、アガヴェやアロエ、ユーフォルビアなど多肉植物の方が目立ちました。私は多肉はさっぱり分からないので、これは多分アロエの仲間かなぁ?と首をかしげるばかり…
アロエ?

こういうものは、よほど広い家でなければ自宅で栽培できるものではありません。店舗のティスプレイなどに使われていることがありますが、ちっとも手入れされなくてかわいそうなことが多いのです。少し手間をかけるだけで、すごい存在感があるのですけれどねぇ。
アロエ?

この季節に、いろいろな植物を楽しめるのですから、こんなに行きやすい場所にある植物園の温室は、もっと利用されてもいいと思いました。(冬期の入園料は110円です!!)

北大植物園の温室

  • 2013.01.22 Tuesday
  • 07:08
寒さこそ少し緩みましたが、気が滅入りそうなくらい雪が降り続きます。ぐんと暖かくならないと雪が沈まないため、雪山も高くなるばかりです。
先日気晴らしの温室巡りに、北大植物園に行って来ました。冬季間は温室のみの開園ですが、平日は10時〜15時まで、土曜日は12時まで開いています。きっとガラガラだろうなと思っていたら、結構来園者がいるのにびっくり。台湾人とおぼしき家族連れやべたついてるアベックなど、意外と賑やかでした。

入ってすぐの所に置かれている大きな植物は、何もラベルが付いていないので、誰も気がつかないでしょうが、世界一大きな花を咲かせる植物です。
こんにゃく
世界一大きな花というと、大阪花博なんかではラフレシアが人気を博してましたが、最近これが国内で花を咲かせるようになって、すっかりお株を奪われてしまいました。これはショクダイオオコンニャクという名の植物で、2m以上にもなる巨大な花を咲かせますが、満開はわずかに一日ほどと、非常にはかない命です。ここ数年、筑波の実験植物園や小石川植物園、フラワーパークかごしまなどで相次いで開花し、見学者が殺到してパニックを引き起こしています。これがあと何年で開花するか楽しみですが、なにせ熱帯植物、こちらでは開花までには時間がかかりそうです。

その横では、アンスリウム・アンドレアヌムがくっきりとした花を咲かせていました。いかにも熱帯植物という雰囲気を持っていて、昔から大好きな植物です。
アンスリウム

小さな池の中には、夏だとオオオニバスが葉を広げているのですが、この時期には休眠中。その横で熱帯スイレンが鮮やかな花を咲かせています。大阪の咲くやこの花館のシンボルの花でした。この時期はあんまり花がないので、一番目立つ花かもしれません。
スイレン

廊下の北側には、強光線を嫌うシダ植物やアナナス類、ベゴニア類などが展示されています。決して目立つものはありませんが、大学の植物園らしく、結構なコレクションがあるのです。あんまり来園者に対するサービス精神がないので、華やかな温室を期待してくる人には、さっぱり訴えるものがないかもしれませんね。エアープランツとして知られるチランジアの中では、一番花の目立つのがこのキアネア種でしょう。
チランジア

ベゴニアは、植え替えが遅れているため、かなり弱っているものばかりでした。レックスベゴニアもいくつかありましたが、この渦巻き葉系の葉を見ていると目が回りそうになります…
レックスベゴニア

最後の部屋は、目立つものが何もなく、なんだかごちゃごちゃしているためか、みんな足早に通り過ぎてしまいます。これにもラベルが付いていないのですが、とっても珍しい植物があるのです。
ウォレマイパイン

これはウォレマイ・パインというナンヨウスギ科の常緑針葉樹で、オーストラリアのウォレマイ国立公園で発見されたのが1994年という、ごく最近の大発見でした。しかも、2億年のジュラ紀には、既に存在していたことが化石から分かっているので、ジュラシックツリーの別名があります。わずか数十本しか存在せず、ヘリを使って採種されたタネを、積極的に世界中に販売増殖させ、原生地の保護を図るという方式がとられています。数年前からここにあるのですが、よく見ると花が付いていました。これは雄花でしょうか?
雄花

耐寒性はないので、屋外では栽培できませんが、本州でも高温多湿や強光線には弱いので、かなり場所を選んで地植えにされているようです。このままではどんどん大きくなるので、こんな小さな温室では、いつまでも置いておけないよなぁ…?

北大植物園の近況

  • 2012.07.10 Tuesday
  • 07:20
日曜日は薄曇りだったので、カメラを持って久しぶりに植物園に行って来ました。今年は春からバタバタしているため、なかなか行くことができません…(>_<)

灌木園はさすがにこの時期には花が少なく、アジサイ類やクロバナロウバイ程度。ウツギやオオバオオヤマレンゲは終わりかけになってました。奥にある草本分科園では、ノハナショウブやカセンソウ、エゾノシモツケソウ、ムシャリンドウなどが満開です。カセンソウを見ると、昔モエレ沼公園建設前の植物調査を手伝ったときに、今のモエレ山があるあたりの農道脇に、この花が群生していたことを思い出します。

カセンソウ
カセンソウ(イヌラ・サリキナ・アジアティカ Inula salicina var. asiatica)

隣のバラ園は、古い品種ばかりですが、中央の池とのバランスがよくて、とても好きな場所です。これでもかと様々なバラを詰め込んだバラ園とは違い、緑に包まれた空間がとても気持ちいいのです。

バラ園
昭和30年代に作られたというバラ園

アーチになっているつるバラは、ランブラーが半分くらいですが、今を盛りと満開の様相でした。全く記録が残ってなく、品種名が分からないようですが、かなり古い品種であることは間違いないでしょう。今年の春に、バラの剪定と誘引をやっていた技官のH氏は、跳ね返ったバラの棘が黒目に刺さり、救急車騒ぎになったそう…後遺症がなかったのが不幸中の幸いでしたが、みなさん気をつけて下さいね。

つるバラ

なお、10月第一週になると、このアーチから隣の苗圃にかけて、秋咲きのクロッカスが満開になります。これは絶対に見物ですから、是非見て下さい。

クロッカス
秋咲きのクロッカス・プルケルスの群生 (Crocus pulchellus) (2007.10.3)

ロックガーデンの中では、メタカラコウの黄色い花が目立っていました。本種は道内には自生しておらず、本州〜四国〜九州〜中国にかけて分布があります。タカラコウ(宝香)とは、竜脳香のことで、その香りがするそうです。少し草姿がごついのがオタカラコウとなっています。

メタカラコウ
メタカラコウ(リグラリア・ステノケファラ Ligularia stenocephala)

本種と同じく、やはり東北以南に自生のあるマルバダケブキ(リグラリア・デンタータ)は、共に海外で改良され、園芸植物としてUターンしています。野生種の栽培は、暖地ではかなり難しいそうなので、そういう面での改良も行われたものでしょうか。わざわざ山に花を見に行く国民性と、なんとしても庭で楽しみたい国民性の、執念の差なんでしょうね。

ザロケット
リグラリア・ステノケファラ‘ザ・ロケット’ メタカラコウとは葉の形も違うし、なんか別の植物のように思えてしまいます。 (滝野公園カントリーガーデンで)

温室の前では、タケシマユリが咲いていました。タケシマユリは韓国鬱陵島の原産ですが、昔は磯竹島とか竹島と呼ばれたこともあったので、この名が付けられたようです。領土問題になっている竹島とは違うので要注意です。紛らわしいのでウツリョウユリにすればよかったものを…
ラベルを見た国粋主義者?が、タケシマユリだから、韓国原産ではなく日本産だと怒鳴り込んできたことがあったとか…(^_^;) 名前を付けるときは気を付けなければなりませんねぇ。

タケシマユリ
タケシマユリ(リリウム・ハンソニー Lilium hansonii)

植物園に行けば、どんな季節でも様々な発見があってやはり楽しいところです。園芸植物のあふれるガーデン巡りだけでなく、こういうところにこそ植物の面白味が隠されているように思います。

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