北方山草会の講演会

  • 2013.03.18 Monday
  • 07:13
昨日は、先日ご案内の通り、北方山草会の総会と講演会がありました。
会誌である『北方山草』が第30号になり、創刊以来表紙を飾っていた坂本直行さんの絵が、これでいよいよ最後になりました。最後はマムシグサ(絵にはえぞ天南星)の果実でした。
   第30号
前会長が病を得たので、今回から北大博物館の高橋英樹先生が会長になり、鮫島惇一郎さんが顧問になっていただくことになり、次号から鮫島さんの植物画が表紙になることも決まったそうで、これまた楽しみです。

総会は、会員の半分ほどの45名の参加者でした。旭川や苫小牧、十勝など、地方からの参加者もたくさんあり、本当に熱心な方が多いのです。会誌の小特集は、今回はスミレでしたが、貴重な文献も多く、惜しげもなくネットで公開しているのがもったいないくらいです。
高橋先生
記念講演会は、会長となった高橋先生から、「千島列島の植物 -最近の北方領土調査から」というテーマで講演いただきました。千島での調査といえば、宮部金吾と舘脇操の師弟コンビが、長らくフィールドにして、画期的な成果をあげてきたところです。その歴史を丁寧に解説いただき、目からうろこが落ちる思いでした。最近ようやく、北方領土にビザなしで調査に入ることができ、色丹や択捉などを一通り見てきた報告がありましたが、オオアワダチソウやオオハンゴンソウなどの帰化植物が、近年急速に侵入しているようで、とても残念に思いました。近年盛んにインフラ整備が行われるようになり、ロシア本土などから持ち込まれたのではないかと…日本に返ってきた時に、荒れ放題になっていないか、とても心配です。
いがり
いがりさんは、植物写真家・シンガーソングライターという肩書きでしたが、土曜には滝野公園で写真講座をやっていたはずです。昨年には音楽イベントもやり、なかなか多彩な方で、わが国のスミレの第一人者としても知られています。講演では、日本だけでなく、世界各地の珍しいスミレをたくさん見せていただきました。

入り口には、エコネットワークの図書販売のブースが。早速、辻井先生の絶筆となった『湿原力』を購入しました。
  dz:@yl)h

北海道新聞社から、15日に発売になったばかりです。先生は、この原稿を書き上げた直後に入院され、ぎりぎりまで校正等をされたのですが、出版までにはとうとう間に合いませんでした。あの軽妙な語りが聴けなくなったのは、とても寂しいことですが、この本で再び先生に会えるような気がします。

北方山草会

  • 2013.03.13 Wednesday
  • 06:55
ようやく寒さも緩んできたようです。明日はまた寒が戻って来ますが、行きつ戻りつ春に近づいていくのでしょう。

私もいろいろな会に入っていますが、北方山草会もその一つ。
別に山草に詳しいわけでもなく、特に好きというわけでもないのですが、入ってからもう14,5年になるでしょうか。今度の日曜日に、総会と会誌の第30号記念の講演会があります。
   6号
(この号だけは、植物画でなく山の絵になっています。)

この会は、1980年(S55)に創設されているので、もう33年目ですか。かつての小樽山草会の方が中心になっているので、山好きであることはもちろんですが、実際に栽培している方もかなりいたようです。顧問が坂本直行さんだったので、会誌の表紙はずっと坂本さんの作品が飾っています。中身が結構面白かったので、昔の会誌は古本屋で結構買っていました。この頃のカラーページは、プリント写真が貼り付けられているという、ある意味豪華版です。

その後の顧問には、かつて植物園にいらっしゃった原秀雄先生を初め、先日亡くなられた辻井先生や現北大博物館の高橋先生などが名を連ねています。現在事務局を引き受けられている五十嵐博さんに誘われたのが、この会に入ったきっかけです。ほとんど幽霊会員状態でしたが、ここ数年ようやく総会などには出られるようになった程度です。
ずっと会誌を飾っていた坂本さんの絵がとうとうなくなり、今回の30号が最後になるとか。次回からは鮫島惇一郎さんの絵になるというので、それはまた楽しみなことです。
   29号

会は100名に満たない小さなものなので、会誌の発行もぎりぎりという状態。運営委員をされている梅沢俊さんの話もよく聴けますし、道内各地の現地見学会を年数回やっているので、とても勉強になるはずです。なにせ詳しい方が多いので、図鑑がいらないのが楽かもしれません。今度の日曜の講演会は、一般に公開されていますので、誰でも聞くことができます。その折りに会に入ってみたい方は是非っ!!会費は年4,000円です。よろしくお願いいたします。

■北方山草第30号発行記念        北方山草会講演会

「千島列島の植物 〜最近の北方四島調査から〜」北大総合博物館教授 高橋 英樹氏
「北海道のスミレ」 植物写真家、シンガーソングライター いがり まさし氏

[日時]2013(H25)年3月17日(日)15:00〜17:00
[場所]札幌市中央区北8条西5丁目
    北海道大学学術交流会館小ホール(正門を入って左側)
[会費]入場無料、申し込み不要

 主催:北方山草会
 後援:北海道大学博物館
 協賛:北海道新聞野生生物基金
※今回の講演会は、北海道新聞野生生物基金の助成を受けた、一般公開講演です。

マンネンスギ

  • 2012.12.12 Wednesday
  • 06:54
ここ数日、うんざりするほどの雪が降ってます。本州やオホーツク方面ほどではないにしても、年内としては久しぶりに雪の多い年になりました。先が思いやられます…

先日調査で山に入ったとき、雪の中からかわいいマンネンスギが顔を出しているのを見つけました。
マンネンスギ
(雪から顔を出したマンネンスギ 2012.12.8)

この時期には、こんな緑でも見つけるとうれしくなります。もっとも、山に入らなくても、町の寿司屋に入って寿司ネタケースを覗くと、多分見つけることができるでしょうが。マンネンスギの名前の通り、スギの稚樹と間違えそうなくらいよく似ています。
ドライにしたものは「タチカズラ」の名前でも流通しているので、いろんな使い道があるようです。

これがシダだと言われても、ちょっと?となってしまいますが、夏になると胞子嚢を伸ばして、たくさんの胞子を飛散させます。近縁のヒカゲノカズラは、もっとうねうねと地面をのたくっていますが、やはり夏になると胞子嚢をたくさん伸ばしてきます。
ヒカゲノカズラ
(無秩序であまりかわいくないヒカゲノカズラ  当別医療大 2008.7.26)
胞子
(無数の胞子嚢を伸ばしているヒカゲノカズラ  当別医療大 2008.7.26)

この胞子は石松子(せきしょうし)と呼ばれ、湿気を吸わないので丸薬をまるめるときの衣にされたり、果樹に授粉をするときの、花粉の増量剤として重宝されているのだそうです。化学製品に取って代わられない、珍しい物質なんでしょうか。

こんな地味なものでも、しっかりと世の中では役に立ち、商品として流通しているのですから、立派なものです。

北海道のササ

  • 2012.11.24 Saturday
  • 07:19
このところクマイザサチシマザサと来たので、こうなれば道内にあるあと二つのササについても、紹介しないわけにはいきません。

ササの分類は学者によって大きく違い、私も講義を受けたI教授によると、道内のササは2属14種あることになっています。他の分類では、3属5節43種11変種とめちゃくちゃ細かく分けているものすらあるのです。しかし、一般的にはそんなに細かく分けても仕方ないので、クマイザサ、チシマザサの他に、ミヤコザサ(Sasa nipponica)とスズタケ(Sasamorpha borealis)を加えた4種に区分するのが分かりやすいでしょう。(スズタケは別属ですが、他の3種はササ属です。)

1983年に林業試験場北海道支場がまとめた、『北海道ササ分布図』という貴重な資料があります。全道くまなくササの分布を調査し、5枚の大きな地図にまとめているので、どこにどんなササが分布しているのか、一目で分かります。これをかなり苦労してデータ化し、1枚にまとめているので、こっそりと公開してしまいます。
分布図
(『北海道ササ分布図』 林業試験場北海道支場、1983 より)

細かいところはよく分からないでしょうが、緑色がクマイザサ、赤紫色がチシマザサ、黄色がミヤコザサ、紫色がスズタケとなっています。全道くまなく分布しているのがクマイザサですが、十勝と釧根、胆振日高の沿岸部だけが黄色のミヤコザサになっています。これは、この地域が寡雪寒冷地という、積雪があまりなくて保護されないために、常緑のクマイザサでは越冬ができない地域なのです。このため、冬に地上部が枯れても平気なミヤコザサが生き延びて(そのように進化して?)いるのです。

ミヤコザサ法面
(ミヤコザサの成長点は地下にあり、地上部が枯れても平気なのです 標茶町内で 2001.4.18)

ミヤコザサは、なにもこの地域だけに生えているわけではなく、本州から四国、九州と広く分布しています。比叡山で初めて発見されたのでこの名があり、種小名もニッポニカと、わが国を代表するササといえるでしょう。毎年地中から新芽を伸ばす性質があるので、雪の少ない地域でも平気なのです。

ミヤコザサ
(風当たりが弱い林内では、いくらか緑は残っているミヤコザサ  同 )

クマイザサとチシマザサは重なっているところが多いのですが、より標高の高いところにチシマザサが分布しています。クマイザサは雪が積もると完全に雪の中に埋もれてしまいますが、チシマザサは背が高いので、雪の上に出ても平気なんですね。その意味では最も耐寒性の強いササかもしれません。

この地図ではほとんど分かりませんが、スズタケは胆振・日高を中心に、釧路や十勝などにも点々と分布しています。これは基本的に太平洋岸に分布する傾向があり、本州から四国、九州まで点在しているようです。

スズタケ
(スズタケの稈はすらっと背が高く、葉はかなり細いので見分けやすい 白老町内で 2008.5.3)

日本の国土は、様々なササに覆われているからこそ、こんなに雨が多い地域なのに、土砂の流出をしっかり食い止めています。だから決してササの悪口をいったり、粗末にしてはいけないのです。

コハマギクとピレオギク

  • 2012.10.13 Saturday
  • 07:19
道内産のノギクでは、最も遅く開花してくるのがコハマギクとピレオギクでしょう。コハマギクは太平洋岸、ピレオギクは日本海岸という違いがありますが、両者は大変よく似ています。
コハマギク
(滝野公園のドライウォールで咲いてきたコハマギク 2012.10.10)

根室から、太平洋岸に沿って渡島まで自生しているのが、コハマギク(Chrysanthemum arcticum subsp. maekawanum)で、本州に渡って竜飛崎から太平洋岸を下り、茨城県まで分布しています。本種はアラスカからアリューシャン半島、千島列島を経て根室まで分布しているチシマコハマギク(Chrysanthemum arcticum subsp. arcticum)が基本種です。
チシマコハマギク
(梅沢俊さんのカレンダーは、今ちょうどチシマコハマギクです)

これから亜種として区分したのが、研究室の初代教授であった前川徳次郎先生だったので、学名にmaekawanumと名を残しているのです。圃場には昔からコハマギクがありましたが、現在は無くなってしまっているので、私の庭に避難している株を戻さなくてはと思っています。これを元に研究した株かもしれないからです。
コハマギク
(昔大学の圃場から分けてもらったコハマギク 2012.10.13 自宅で)

これに対してピレオギク(Chrysanthemum weyrichii)はもっと複雑です。道内では石狩から後志、渡島などの日本海岸に生えていますが、本州では加賀白山や大台ヶ原山など山地に点々と隔離分布し、長崎の海岸まで分布しているイワギク(Chrysanthemum zawadskii)と一緒にされることもあります。
ピレオギク
(かなり典型的なピレオギク カントリーガーデン峠の庭で)

イワギクは、東アジアからシベリアを経て、ヨーロッパ東部のカルパチア山脈まで分布があるので、それぞれの地域のものでは、本当に同じなの?と思えるほど形質が違っていることがあるので、とても悩ましいのです。カントリーガーデンに植えてある‘クララカーティス’というキクも、学名はイワギクと同じになっているので、本当かなぁと疑ってしまいますが。
クララカーティス
(クリサンテムム‘クララカーティス’ カントリーガーデン花のテラスで 2001.8.19)

日本海岸でも小樽付近のものは、昔からエゾノソナレギクの名で別種にされていたこともあります。子どもが小さいころ小樽水族館によく行きましたが、トドなどのプールがある海岸に下りていくと、崖にたくさん咲いていたのがこれです。
小樽水族館
(20年以上前に撮したもので、日付が行方不明でした…)

ピレオギクの葉は、かなり細かく切れ込んでいるのですが、エゾノソナレギクはあまり切れ込まず、コハマギクと見分けが付きにくいです。典型的なピレオギクの花弁は、かなり細いのですが、これは重ねも厚く、見分けが付かないですねぇ…
エゾノソナレギク
(カントリーガーデン峠の庭で咲いているエゾノソナレギク 2012.10.8)

ピレオというのは、カラフトの地名に由来しているそうですが、カラフト系のピレオギクには、7月に開花するピンク色の花を咲かせるものがあります。こうなると、何がなにやら分からないというのが本音ですね…(>_<)
樺太系

だいたい学名にしても、学生の頃はChrysanthemum(クリサンテムム)だったのに、その後細かく分けなければということで、Dendranthema(デンドランテマ) に変わっていたと思ったら、最新分類ではまたChrysanthemumに戻っているという、訳の分からない状態です…
まぁ分類なんかは学者○○に任せておけばいいことで、秋遅くまで咲き続けるコハマギクをしばらく楽しみたいものです。

秋の到来はススキから

  • 2012.09.03 Monday
  • 07:21
昨日は、余市から娘も駆けつけてくれ、誕生日を祝ってくれました。家族全員が揃わなくなりましたが、いつも無理ばかりかけているかみさんへの感謝も込めて、改めて長生きすることと、生活の有り様を変えていくことを誓いました。
贈っていただいた花やお酒に囲まれ、たくさんの人に支えられて生きてきたことを実感させられた誕生日でもあります。コメントをいただいたたくさんの方にも、改めて感謝申し上げます。
ケーキ

この暑さが、まだ2週間も続くとの予報にげんなりしましたが、いずれは寒い冬が来るのですから、少しでも夏を満喫するよう、気持ちを切り替えていかねばなりませんね。

ところで、北海道に来て、いろんな植物の違いにびっくりすることがよくありましたが、ススキがとてもかわいいのと、花が咲くのがえらく早いのもその一つでしょう。
四国あたりでは、十五夜の頃ですから、10月の初め頃にちょうど咲いてきていました。草丈も大人の背丈くらいあったと思います。ところが道内では、お盆にはもう花盛りになり、十五夜の頃にはもうタネが散りそうなくらい、ふわふわの穂になってしまうのです。
尾花

『植物の生活誌』(堀田満編、平凡社、1980)によれば、ススキは日平均気温が10℃を越えると生育を始め、開花までの期間が栄養生長期間とされています。北海道ではその期間はわずかに60日程度に対し、南九州では4倍の240日ですから、なんと8ヶ月間もあるのです。だから草丈もどんどん大きくなるわけです。この図は、いわばススキ前線のようなもので、サクラと違って北から徐々に南下していく様子を表しているといえるでしょう。
ススキ前線

札幌の町は、「広く乾いた土地」を意味するサッポロ ペッから名付けられたといわれています。サッポロペッ(今の豊平川)が形成した扇状地の上につくられた町なので、一面川原の荒れ地だったのでしょう。明治元年に作られた札幌の絵図には、あちこちに「茅野」と書かれているので、秋にはススキの原っぱになっていたと想像されるのです。
札幌地図

滝野公園も、造成し始めた頃は一面ススキの原っぱでした。この写真は今から30年ほど前の、現在中央口の駐車場になっているあたりで撮しました。渓流ゾーンから上は、放棄農地にススキやシラカンバが生え始めた、まさに一面が荒れ地だったのです。
滝野のススキ

カントリーガーデンでは、今でもちょっと油断すると、どこにでもススキが生えてきます。まきばのせせらぎに植えられているタカノハススキの横で、もう花が満開になっているのは、知らぬ間に大株に育ったススキです。
比較
(まだまだ花の咲かないタカノハススキと、花の咲いているススキ 2012.8.31)

園芸植物として植えられているタカノハススキやシマフススキは、本州産のススキから改良されているので、北海道に植えても花が咲いてくるのは、やはり10月になってからというのも面白いものです。郷に入っても郷に従わない植物もあるのです。

シマフススキ
(涼しげな葉がさわやかなシマフススキ(縞斑薄) 2012.8.31)

やっぱりススキが穂を出すと、いやが応にも秋を感じてしまいます。いくら暑い日が続こうと、植物はちゃんと秋を感知しているのですから、私たちものんびりしているわけにはいきません。北海道の秋はとても短いので、ぬかりなく仕事も片付けていかなければなりません。

レンゲショウマとキレンゲショウマ

  • 2012.08.31 Friday
  • 07:04
いやはや昨日は暑かったですねぇ…もう9月になるので、いい加減涼しくなってほしいです。

滝野公園では、野草コーナーがにぎやかでした。一番人気があるのはレンゲショウマ。味わいのある花がひっそりと咲く様子が、なんとも言えない静謐さを醸しだしています。
大きく開いている淡紅紫色の花被片がガク片で、中央にすぼまっており、先が濃紅紫色に色付いているのが花弁です。
レンゲショウマ1

レンゲショウマ(Anemonopsis macrophylla)はキンポウゲ科の植物で、わが国特産の一属一種の珍しい植物です。道内には自生しておらず、本州(福島県から奈良県)の主に太平洋岸に分布していますが、道内でも普通に栽培可能です。サラシナショウマによく似ている葉で、細い花茎の先に、大きな花をいくつも吊り下げるように咲かせます。この花が、ハスの花(蓮華)をひっくり返したような形なので、この名前になったようです。
レンゲショウマ3

なかなか写真を撮すのが大変で、カメラを下からあてがい、何枚か撮すとようやく写るといった具合。日差しが弱く、霧雨の降る天気だったのは幸いでしたが、ちょっとした風でも大きく揺れるので、結構大変な被写体です。
レンゲショウマ2

そのすぐ隣で、かなりにぎやかな感じに花を咲かせ始めているのがキレンゲショウマです。
キレンゲショウマ1

キレンゲショウマ(Kirengeshoma palmata)はユキノシタ科の植物で、これも一属一種の植物ですが、分布域は少し広く、本州(大和山脈)、四国、九州、朝鮮半島、中国(浙江省、安徽省)に自生していることになっています。属名が Kirengeshoma になっているように、東京帝大の初代植物学教授である谷田部良吉博士が、わが国では始めて発表した記念すべき属だったのです。palmataは、掌状のという意味で、葉の形を意味しています。
レンゲショウマに似て、花が黄色いことからこの名があるようですが、一体どこが似ているというのでしょうね?

かなり肉厚の花弁をもち、つぼみの時に触るとかなりの弾力があり、マシュマロのようなとか言われますが、私はまるで黄色いなすびのように感じます。花弁は満開になっても大きく開くほどではなく、ほんのり先を広げる程度ですが、これにも個体差があるようです。
キレンゲショウマ2

ガッチリとした大きな草姿や、濃緑の葉を幾重にも重ねた上に、たくさんの黄色の花を咲かせる様子は、大変存在感があり、半日陰地ではよく目立つ野草といえるでしょう。
キレンゲショウマ3

どちらも樹林下で、適湿でよく肥えた場所を好み、場所が合えば長く楽しむことができるでしょう。

トリカブトの季節です

  • 2012.08.29 Wednesday
  • 07:05
今のところに住むようになって、30年近くになりました。最初は古い借家だったのですが、回りが殺風景なので、あちこちから苗木や植物を取ってきて植えました。近くの空き地に家が建つときには、必ず何かないかと見て歩き、野草はできるだけ移植したのですが、その中にトリカブトがあったのです。

ちょうどその頃に起きたのが、「トリカブト殺人事件」だったので、かみさんの怒ること怒ること…(^_^;) でもきれいな花なので、以来ずっと、我が家に秋の到来を告げる花になっています。

トリカブト1
(自宅で 2012.8.24)

この辺りにあるのはエゾトリカブトで、花茎が長く垂れ下がり、たくさんの青い花を咲かせます。今年は特に花着きがよく、ウドンコ病にも冒されていない、きれいな姿で楽しませてくれています。

トリカブト2
(自宅で 2012.8.24)

鳥兜という名前は、鳥が兜をかぶっているようだ…なんて書かれてあるものもありますが、鳥が兜なんかかぶりますか!舞楽の伶人や神楽で被るかぶりものから来ています。英名もmonkshood(僧侶の冠りもの)ですから、雰囲気は同じですね。

兜
(「K爺の日々是好日」ブログより借用 m(__)m)

同じトリカブト属のエゾノレイジンソウと、由来は同じわけです。

トリカブトは極めて強い毒をもっていますが、アイヌの人達は、当然クマやシカを捕るときに矢尻に塗って使っていました。アイヌ語ではスルクといい、トリカブトを指すのではなく、毒のある根を指しています。クマに対しては、弱い毒では危険なため、できるだけ強い毒を求めていたようです。『コタン生物記』によれば、「掘り取った根を折ってみると、、最初白い折口が次第に赤味が差し、さらに紫から黒くなるのは毒性が強いもの」だったそうです。エゾトリカブトよりも、花茎がもっとガッチリしているオクトリカブトの方が毒性が強く、中でも銭函産のものが道内では最も毒性の強いものだったようです。

オクトリカブト
花茎がガッチリしているオクトリカブト (北大植物園で 2011.10.9)

毒矢で捕った獲物の肉には、毒が回らないのか気になりますが、死後に傷口のところに集まるので、その部分だけを切り取り、スルク・カムイ(毒の神)にお礼としてあげるんだそうな。
アイヌとトリカブトについては、『アイヌの矢毒 トリカブト』門崎允昭著、北海道出版企画センター、2002 にとても詳しく調べられており、大変面白いです。

今年も春先にトリカブト中毒で死者が出ましたが、まだ茎が伸びていない早春には、ニリンソウと間違いやすいのです。
比較
さてどちらがトリカブトでしょうか?

ニリンソウはすべて根生葉なので、茎が立ってきませんが、トリカブトはすぐに茎が伸びてきます。雪解け直後の、どちらも根生葉だけの時に、間違って採取してしまうのです。私たちの回りには有毒植物はいくらでもありますので、気を付けて付き合っていくことが大切です。こんな美しい花に罪はありませんからね。
(正解は右ですよ)

イタドリ 追伸

  • 2012.08.16 Thursday
  • 07:08
昨日は終日滝野公園の仕事でした。最近雨がほどよく降ってくれているので、植物の状態はよかったのですが、コスモス畑の一部に生育不良があり、また頭の痛い季節になったなぁと溜息をついてました。

お盆には、向かいにある滝野霊園に墓参りに来る車で、前の道路が大渋滞になってしまいます。その流れの家族連れも結構来るので、フラワーガイドボランティアも忙しそうでした。
園内
花人の隠れ家の前で (2012.8.15)

昼休みにガイドのUさんから、メイゲツソウの白花ってあるんですか?と聞かれました。今朝のブログを見たのかい?と言ったら、いいえって…
今日はイタドリの日だったのかな?

まきばのせせらぎの裏手の、ヤブのようなところに、メイゲツソウそっくりでもっと大きく、花が白いイタドリがあるんですとのこと。早速行ってみると、背丈ほどもある大きなイタドリに花が咲いていました。

不明種
勝手に生えてきた?謎のイタドリ (2012.8.15)

確かに、オオイタドリでないことは確かだし、葉の大きさは全くメイゲツソウと同じくらいだけど、草姿は普通のイタドリのように大きくなり、花は真っ白でした。
すぐ近くのメイゲツソウのところに行くと、葉の区別はほとんどつかないくらいよく似ていました。イタドリとオノエイタドリとは、連続変異があるようなので、背の高いものもあるのかもしれません。でもなぜ、あなたはここに生えているの?

表

カントリーガーデンの中にはオオイタドリは生えていないので、斑入りのオオイタドリと比べてみようかと、植えてあるところに行ってよく見ると、あれっとなってしまったのです。葉の形が、今朝ブログに書いたイタドリの形質そっくりだったのです。

斑入り
葉のお尻は丸くないし、葉先は尖っているし、葉の裏も白くないぞ (2012.8.15)

これは小別沢の山中で見つけたものなので、そんなところにイタドリが生えていれば全く問題ないのですが、クマに出くわす危険を冒して、現地確認に行ってくるのもなぁ…

滝野からの帰り道、路傍のオオイタドリを再度確認してきました。どれを見てもやっぱりお尻は丸いし、葉先は尖らないよなぁと帰ってきました。

表

裏

私は、植物分類を専門にしているわけではないので、これ以上深入りしたくないですが、身の回りにもいろんなものがあるのですねぇ。びっくりで悩ましい一日でした。

イタドリあれこれ

  • 2012.08.15 Wednesday
  • 07:09
今日がお盆でしょうが、我が家では昨日で子供達も帰ってしまい、静かな毎日が戻ってきました。とはいえ、こまめがまだやっと半年だというのに、あちこちマーキングを始めて大騒動に。またこまめ中心の生活になりそうです。

この時期、道端ではオオイタドリ(Fallopia sachalinensis)の白い花が咲いてきています。

開花
家のすぐ近くで (2012.8.14)

道内では、どこにでもオオイタドリが繁っていますが、大きく育ったものでは3m以上にもなり、子どもが小さな頃には、この茎を近くの空き地からたくさん集め、小屋を作ったこともありました。

イタドリを漢字で書けば「痛取」であり、抗菌、鎮咳、利尿などの薬効があるそうです。最近はやりの、膝の関節痛に効くと宣伝しているページもありましたが、漢方の本には痛み取りとは書いてありませんが…
漢名は「虎杖」ですが、なんで虎の杖なのかよく分かりません。清少納言も、枕草子に「杖なくともありぬべき かほつきを」と書いているそうですから、昔から虎の杖は変だと思われていたようです。
アイヌ語では、中空の茎のことを「クッタル」といい、オオイタドリがたくさん生えているところが多かったので、あちこちに屈足や 倶多楽などの地名があるわけです。中でも大群落があったところは、クッタル・ウシと呼ばれ、これに漢字を当てたのが虎杖浜です。

この時期に花をよく見ると、オオイタドリが雌雄異株だと言うことがよく分かります。小さな花を咲かせている花序が上を向いているのは雄株で、花序が垂れ下がっているのが雌株です。

雄花
小さな花が集まった花序が上を向く雄株の雄花 (2012.8.14)

雌花
花序が垂れる雌株の雌花 (2012.8.15)

開花期
雄株(左)雌株(右)が隣り合っている様子 (家の近くで 2012.8.15)

道内にはオオイタドリが圧倒的に多いのですが、道南に行くと、ちょっと様子の違うものを見かけることがあります。これがイタドリ(F.japonica)で、葉の基部(お尻)がほとんど丸くならず、葉先が細く尖っています。オオイタドリは本州北部から北海道、千島、カラフトに分布しているのに対し、イタドリは沖縄を除く全国から朝鮮、中国に広く分布しているそうです。

イタドリ
葉の基部と先端の形が違うイタドリ (松前町で 2007.6.25)

葉
オオイタドリの葉のお尻は丸く、葉先が尖らず、葉の裏が白い (2012.8.15)

四国では、イタドリのことをスカンポと言います。春の遠足には必ず塩をもっていき、スカンポの茎を折り取って皮をむき、塩を付けて食べながら歩いてました。まだおやつが貴重な時代だったのです。
道内ではイタドリのことを「どんぐい」と言いますが、これは嫩茎(どんけい)から来たものでしょうか。嫩茎とはアスパラやウドのような軟白化した茎のことを言いますが、どんくきが訛ってどんぐいになったのかな?

数年前に、当時は小別沢から盤渓への山越えの山道を早朝に歩いていたのですが (今ではクマだらけでとても行くことができませんが)、山中で斑入りのオオイタドリを見つけました。これは北大薬学部の見本園にもあるので、時々出るのかもしれませんが、きれいなので掘り取ってきて、滝野公園のカントリーガーデンに植えています。

斑入り
西区小別沢の山中で見つけた斑入りオオイタドリ (2008.8.24)

オオイタドリの高山系で、全体に小さな株になるものをオノエイタドリ(F.japonica var. compacta)といい、その中で花が赤くなるものをメイゲツソウと呼んで、庭園などで栽培されます。

メイゲツソウ
カントリーガーデンに植えられているメイゲツソウ (滝野公園 2012.8.1)

日本人は、このようにいろんなものを庭園で栽培しているものですが、日本のイタドリを初めて見たヨーロッパの人は、広いガーデンの中で、がっしりとした存在感のある素敵な草と思ったのでしょう。大量のイタドリを持ち込んでしまったのです。
今ではヨーロッパ各地でイタドリが野生化し、深刻な被害を引き起こしてしまい、イギリスではとうとう日本から、生物農薬として特定の害虫(イタドリマダラキジラミ)を導入することにしたそうです。そんなことして大丈夫かなぁ…怖いですねぇ。

白実のワイルドストローベリー

  • 2012.07.16 Monday
  • 06:56
先日植物園に行ったときに、芝生の中でヘビイチゴ(Duchesnea chrysantha)の実がたくさん実ってました。
ドゥケスネアとは、フランスの植物学者ドゥシェーヌ(Duchesne)にちなみ、クリサンタとは、黄色い花のという意味です。

ヘビイチゴ
芝生の中のヘビイチゴ (北大植物園 2012.7.8)

ヘビイチゴには黄色い花が咲き、丸く赤い実が成りますが、まずくて食べられません。毒があるともいわれますが、先日食べてみると、まずいだけで毒性はないようです。ヘビもこんなものは食べないはずですが、イチゴを食べに来る小動物をヘビが狙うことからつけられたという説もあります。
先日立ち寄ったIファームでは、これが立派に商品として作られているのにはびっくりしましたが。

ヘビイチゴ2
観賞用としては面白いかも (北大薬学部見本園 2011.7.5)

これとは別に、大変紛らわしい名前ですが、エゾノヘビイチゴ(Fragaria vesca)という植物があります。なんでこんな名前が付けられたものか分かりませんが、ヘビイチゴとは無縁で、イチゴの仲間であること、エゾと付いていますが、道内に自生があるのではなく帰化種なのです。(フラガリアとはラテン語で薫るという意味で、ウェスカとは食べられるという意味。)

実はこれは、ワイルドストローベリーの名前でよく植えられています。実は小さいのですが、香りのよい甘いイチゴが成ります。私たちが普段食べているイチゴ(オランダイチゴ)が出回る前は、本種が栽培されていたのです。
ちなみにオランダイチゴとは、北米産のバージニアイチゴとチリ産のチリイチゴを交雑して、18世紀にオランダで作られたものです。

先日植物園では、これの白実の品種がたくさんなっていたのです。誰もこんなものに気付かないので、せっせと食べてしまいましたが・・・(^_^;) これは商品として通販で売られているのです。
ちゃんと
アルペンイエローという品種名のあるものもありました。

白実1
白実のエゾノヘビイチゴ

この白実のエゾノヘビイチゴは、札幌の円山近辺にのみ野生化していると、昔聞いたことがありました。なんでもロシア革命から逃れてきた白系ロシア人が持ち込んだものだと・・・
真偽の程は確かめようもありませんが、遠い昔円山の麓に住んでいたときに、山裾で見つけたことがありました。今では環状通ができているので、跡形もありません。北海道神宮境内にあるという情報もありますが、まだ確認していません。

白実

辻井先生は、これで白いジャムを作ればいいとおっしゃってましたが、煮てしまえば白くはならないでしょうね・・・赤実と白実をケーキに載せればかわいいかもしれません。誰か栽培してみませんかねぇ。

なお、フラガリアの仲間には、エゾノクサイチゴ(北海道東南部)とノウゴウイチゴ(山地から亜高山)が道内に自生しています。

エゾノクサイチゴ
エゾノクサイチゴ (新得町で 2012.6.14)

オオウバユリ開花

  • 2012.07.13 Friday
  • 07:24
今日は飲み会なので、車を置いてとことこ事務所まで歩いて下りてきました。家から円山の事務所まで約35分。時々歩きますが、いろんな発見があって面白いのです。今日はアレチマツヨイグサ?を一株見つけたし、花盛りになったシナノキにしばらく見とれてました。途中から夏の日差しになったので、事務所に着いたときには汗だくになってしまいましたが。

昨日はたっぷりと降りました。これでもう、水不足からは完全に解放されるでしょう。
この雨のおかげで、星置緑地の作業講習会は中止になり、来週に延期になりましたが、まぁありがたい雨だったので、がまんすることにしましょう。

星置緑地ではキツリフネやオニシモツケと共に、オオウバユリ(Cardiocrinum cordatum var. glehnii )の花が開き始めていました。少し不気味な感じもする花ですが、なかなか存在感のある花を咲かせます。

花のアップ
独特の花の色をしているオオウバユリの花 (星置緑地で 2012.7.10)

オオウバユリは、かつてはユリ属に入れられていたこともありましたが、網状葉脈を持っていることや葉の付き方から、現在は独立した属に分けられることになっています。基本種は本州以南にあるウバユリで、花の咲くときには葉(歯)がないので、姥百合になったそうです。

オオウバユリ
オオウバユリは花の時期でも葉が残っている (星置緑地で 2012.7.10)

オオウバユリは本州北部から北海道、南千島、カラフトに自生し、ウバユリよりもはるかに大型の草姿を持っています。図鑑では10〜20花とありますが、30数輪咲いているものも珍しくありません。この属にはもう1種あり、ヒマラヤの麓には、カーディオクリヌム・ギガンチウムという巨大な仲間が自生し、昔から欧米のガーデンでもてはやされていたようです。

ギガンチウム
巨大なギガンチウム種の草姿 (ネットから拝借m(__)m)

こちらの方が花の色も白く、よりユリに近い感じがしますが、草高が3m以上にもなる豪快な草姿をしています。私もぜひ植えてみたいと思っているのですが、なかなかタネの入手が難しいようです。

滝野公園
2m以上になることもあるオオウバユリですが、ギガンチウムには負けますねぇ…
(滝野公園カントリーガーデン 2004.7.17)

昔北区のポプラ通にある、オオウバユリ群落の調査をしたことがありました。あそこは少し異常なくらい高密度で、オオウバユリが生育しているところです。
オオウバユリは、タネが発芽して開花するまでに、約8年程度かかる生育史を持っています。開花するまでは根生葉だけを広げ、少しずつ枚数を増やしながら球根を充実させていき、ようやく8年くらい経ってから、ぐんぐんと花茎を伸ばして開花します。他の球根植物と異なり、開花するとその株は枯れてしまうのが大きな特徴です。こんな不思議な生活史を持って移植物は、ほかに聞いたことがありません。
この時は正式な調査ですから、各年代の株を集めて集合写真を撮っています。今となっては貴重な写真と言えるでしょう。

生育ステージ
様々な世代のオオウバユリの株 (北区ポプラ通で 1999.7)

花が終わると大きな櫺(さくか)を着け、たくさんのタネを作ります。これを完全にまき散らしてからでなければ、次世代の株ができなくなりますので、ドライフラワーにしたい場合でも、あまり早くから取らないようにしたいものです。

タネ

わりと身近な野草にも、いろいろな不思議が隠されていることが分かります。植物とのつきあいは、だからやめられないのですね〜

キツリフネが咲いてきました

  • 2012.07.12 Thursday
  • 07:11
キツリフネが咲いてくると、夏が来たんだなぁと思ってしまいます。
いつも仕事で行く星置緑地では、キツリフネ(Impatiens noli-tangere)が満開になっていました。半日陰で湿り気のある星置緑地は、キツリフネの生育には最高の条件と言えるでしょう。

群生
群生するキツリフネ (星置緑地で 2012.7.10)

キツリフネはユーラシアから北アメリカにかけて、広く分布している一年草で、わが国でも広く自生していますが、九州では絶滅危惧種に指定されているところもあるようです。全身黄緑色で、なんともなよなよと瑞々しい草姿をしており、たいてい群生していますが、風が吹いて倒れてしまわないか気になるほどのか細い茎です。
花は釣船草の名の通り、長く伸びた距を持った独特の形をしています。夏から秋になるとどんどん果実が稔り、触るとパチンと勢いよくタネを飛ばします。学名はインパチェンス・ノリタンゲーレ(英語でいえば I am impatient,don't touch me)  つまり、私辛抱できないの、私に触らないで、という悩ましい学名が付けられているのです。

キツリフネ
キツリフネの花 (星置緑地で 2012.7.10)

キツリフネは比較的どこにでも見られますが、ツリフネソウ(I.textori)の方は少し場所を選ぶのでしょうか。あるところにはたくさん群生していますが、星置緑地には一株もないし、やや珍しい部類に入るでしょうか。滝野公園では厚別川沿いの、特にアシリベツの滝近くに群生しているし、盤渓では両者が混生しています。こちらの方が草姿がしっかりしており、茎もたくましく感じます。花の色にはかなり濃淡があるようです。

ツリフネソウ
かなり濃い色の花のツリフネソウ (滝野公園 2010.8.27)

これらはかなり湿り気のあるところでないと育たないのに、町中の街路樹ますなどでツリフネソウの仲間をよく見かけます。

ハナツリフネソウ

これはハナツリフネソウ(I.balfourii)という名前が付けられている、ヒマラヤからヨーロッパにかけて自生のある帰化植物です。これは1999年に、札幌市内で採取された標本をもとに、国立科学博物館報告によって初記録とされたものですが、私が札幌に来てすぐには(70年代には)、既に植物園周辺に帰化していました。
学生時代、農学部から植物園によく通っていましたが、途中にある伊藤邸の塀際にこれがたくさん咲いており、いくら調べても名前が分からなかった思い出があります。
とても丈夫で、札幌市内のどこにでもといっていいほど、あちこちで見かけるようになりました。やはりインパチェンスですから、当然パチンパチンとタネを飛ばして増えていきます。

さて今日も、星置緑地のボランティア作業の指導ですが、雨がひどいので微妙なところですね。とりあえず行ってきます。

エゾノレイジンソウ…その後

  • 2012.06.18 Monday
  • 07:18
日曜の雨は、行楽地には残念な雨になったかもしれませんが、植物には恵みの雨になりました。そろそろ芝も傷んできており、本当はもっとしっかり降ってほしかったです。

新得で見たレイジンソウがどうにも気になったので、盤渓にある自生地のものを確認してきました。

ばんけい
盤渓で咲いているエゾノレイジンソウ(?) (2012.6.17)

やはり新得で見たものと違い、花がかなり白くなるのと、草丈が倍以上大きくなり、1m以上あるものがたくさんありました。新得のものは、生育環境にもよるのでしょうが、草丈はせいぜい50センチ、花の色もほとんど黄緑色でした。

新得
新得山で見た株 (2012.6.15)

新得のものは花の中まで調べなかったのですが、盤渓のものは花を一つもらってきて、さっそく分解してみました。
キンポウゲ科の植物の多くは、花弁状になっているガクが着色しています。この花にも5枚のガク片があり、烏帽子状の上ガク片の中に花弁があり、その大きさと形が問題になるようです。

花器
盤渓のものを分解してみました

図解が最も分かりやすい滝田謙譲氏の『北海道植物図譜』(2001年発行)から引用させていただきました。

解説図
A、B、Cがエゾノレイジンソウ、D、E、Fがオオレイジンソウ

上ガク片の中に隠れている花弁の形が、エゾノレイジンソウでは長さが3.5〜4.0mm、距(きょ)の部分は0.5〜2.0mmであり、オオレイジンソウでは花弁の長さが7〜8mm、距の部分が3〜4mmで、距の先が巻くようです。
盤渓のものでは、花弁の長さが約8mm、距の部分が4mmであり、この記載からではオオレイジンソウと言うことになります。しかし距の形が巻いているかどうか?という点では判断できません。

レイジンソウを含むトリカブト属は、分類が大変面倒なグループです。道内では梅沢さんによってハゴロモレイジンソウとマシケレイジンソウが‘発見’されていましたが、今年には梅沢さんと五十嵐さんによって、コンブレイジンソウ、オシマレイジンソウ、カムイレイジンソウ、ニセコレイジンソウが新たに新種として登録されたばかりです。私たちが見慣れているものの中にも、この様なものが隠れているのかもしれません。

日本スズランあれこれ

  • 2012.06.09 Saturday
  • 07:07
札幌市のシンボルフラワーがスズランに決まったのは、人口が50万を超えた記念に実施した昭和35年の市民投票によってです。当時はまだスズランは、市内のどこにでも見られたことがよくエッセーなどに書かれていますが、今では手稲区の富丘西公園でしか見られないほど、希少な植物になってしまいました。
ちなみに、スズランはダントツで一位になりましたが、二位以下はチューリップ、バラ、ダリアだったそうです。うーーん。
保全区域
富丘西公園のスズラン保全区域。

現在庭などに植えられているのはドイツスズラン(Convallaria majalis)で、名前の通りヨーロッパからロシアにかけて自生しています。ドイツで改良が進められたのでこの名前があるようです。アメリカにも一種あり、世界には3種しかない小さなグループですが、1種にまとめて、日本とアメリカのものは変種扱いする分け方もあります。

わが国に自生するスズラン(Convallaria keiskei)は、北海道から東北、北関東、中部山岳などに分布し、わずかに奈良、中国山地、阿蘇などに飛び飛びの自生地があります。道内で道東に多く、石狩から胆振日高、函館近辺などが主要分布域です。道北には沿岸部に多いようです。

スズランは、葉の陰にひっそりと花を咲かせる地味な花であり、全くといっていいほど自己主張しません。葉をかき分けてようやく花が見えるしとやかさですから、あえて庭に植えられることもありませんでした。
スズラン2
ひっそりと咲くスズランの花。これでは上から見ても分からない…(富丘西公園)

植物園には斑入りスズランがあり、ロックガーデンに植えられていますが、これがどのような経緯でここにあるのかは不明とのことでした。
斑入りスズラン
草丈が低く、葉が丸いので、ドイツスズラン?と思ってしまう植物園の系統

農学部の花卉圃場には、三倍体のスズランが昔から植えられており、草丈が60cmもある豪快な草姿ながら、やはり花は葉をかき分けないと見られないのが残念です。でも花の大きさはスズランやドイツスズランの比ではなく、見事な花を咲かせるのです。これも、昔ある人からもらったと言うだけで、正確な由来は分かりませんが、遺伝研究室で調べてもらったら、確かに三倍体だったそうです。
4倍体スズラン
草高が60センチもある三倍体スズラン

四倍体花
花はやはり草むらの中にある

比較
(左)三倍体スズラン、(中)スズラン、(右)ドイツスズラン

花の比較
(左)三倍体スズラン、(中)スズラン、(右)ドイツスズラン

ドイツスズランとは異なる味わいをもった野草として、これからも大切に守っていきたいと思います。

地生ラン あれこれ

  • 2012.06.06 Wednesday
  • 06:55
この時期には様々な地生ランが咲いてきます。
ランの仲間は、熱帯から寒帯まで、膨大な数の仲間が自生していますが、多くは樹木などにくっついて空気中から養水分を吸収する着生ランです。地面に生えているものは地生ランと呼び、むしろ少数のようですが、これはランの生育には菌類との共生が必要であり、生育できる環境が限られるからでしょうか。このほかにも完全に菌根に依存して自分で養分を作らなくなった腐生ランのグループもあり、オニノヤガラ、モイワランなどがあります。

ノビネチドリ白
富丘西公園に生えていたノビネチドリの白花

最近では○○ランと名が付けば、すぐに盗掘されるのが当たり前で、日曜に自然観察会をやった富丘西公園でも、スズランの保全区域に生えていたノビネチドリ(延根千鳥:Gymnadenia camtschatica)の白花は、その2日前に姿が消えてしまってました…
ランを盗掘して庭に植えても、菌根がなければ生きていくことができないので、どうせすぐに枯れてしまいます。盗掘者なんてそんなことを知らない馬鹿者ですから、本当にもったいないものです。

ノビネチドリ

このノビネチドリは、わりとどこにでも生えてくるランで、我が家の庭にもよく発生してました。どこからかタネが飛んでくるのでしょうが、家が建ち並んでくるにつれ、最近では生えてこなくなりました。

ノビネチドリによく似ていますが、より高山型と言えるハクサンチドリ(白山千鳥:Dactylorhiza aristata)も、町内のゴミステーションの目の前に生えてきたこともありましたが、富丘西公園ではスズランの保全区域内で今も花を咲かせています。これもどこかの馬鹿者に盗掘されてしまうのでしょう。

ハクサン
富丘西公園で咲くハクサンチドリ

札幌近辺の山地で、最もよく見かける地生ランはサイハイラン(采配蘭:Cremastra appendiculata)とコケイランでしょう。
戦の時に大将が振る采配のようなことからこの名がありますが、地味な花の多いこの時期の林床では、よく目立つ花かもしれません。そのせいもあって、家の裏に続く自然歩道の目に付く株は、数年のうちになくなってしまいました。自然歩道を歩くのをやめた理由の一つには、あまりにもマナーの悪い輩が多いこともありました。

サイハイラン
采配のような花を咲かせるサイハイラン

それに比べればコケイラン(小瀝:Oreorchis patens)は葉も細く、花がなければスゲと間違えるくらいだし、花も黄色であまり目立ちません。それでも個体数はずいぶんと少なくなったように感じます。

コケイラン
よく見ると気品のある花を咲かせるコケイラン

もっと地味な花を咲かせるのがエゾスズラン(蝦夷鈴蘭:Epipactis papillosa)でしょう。花が咲いていてもさっぱり目に入らず、ササの中に紛れ込んで隠れてしまいます。豊平公園に行けば、鬱陶しいくらい繁りまくっている林の中に、エゾスズランばかりが異様に生えています。耐陰性がとても強いためか、他の植物が生えない環境でも生えているようです。

エゾスズラン
エゾスズランしか生えない林床(豊平公園)

道内のランでも希少性の高いものにエビネの類があります。道南四季の杜公園の建設予定地の調査で、数株のエビネが見つかりましたが、たちまち盗掘されてしまいました。サルメンエビネ(猿面海老根:Calanthe tricarinata)も標的になりやすい植物ですが、意外なところでひっそりと咲いていることがあります。こんな植物ですから、在処を教える訳にはいきませんが、いつになったら山荒らしがなくなるのでしょうねぇ…悲しいことです。

サルメンエビネ
某所でひっそりと咲くサルメンエビネ


胆振から日高の花、サクラソウ

  • 2012.05.25 Friday
  • 07:22
昨日は日高方面に出張でした。
日高と言えば牧場景観ですが、その中でもトップクラスの広い牧場です。あまりの広さに頭がくらくらしてきますが、道央とは全く景観要素が違うのが面白いところです。

牧場

この時期の楽しみと言えばサクラソウです。苫東辺りではまだエゾヤマザクラが咲いていたので、サクラソウには少し早いかな?と思っていたのですが、強い日差しを受けて満開になっていました。

防風林

サクラソウはわが国を代表するプリムラですが、江戸時代には高度に園芸植物化され、膨大な品種が作成されていました。わが国の園芸植物は、他の種との交雑によるものはなく、あくまで単一の種から根気よく品種分化を行ってきたのが特徴と言えるでしょう。瀬戸焼の陶器の鉢に植え、強い日差しを遮ったよしず張りの段に並べて鑑賞するのが、作法になっています。(これが本来の「花壇」です)

花壇
これがサクラソウ鑑賞のための花壇(高知県立牧野植物園 2009.4.11)

サクラソウは北海道から本州、九州にかけて分布していますが、北海道といっても胆振から日高にかけてのごくわずかな地域に限られています。しかし、そこに行けば落葉広葉樹林の林床が赤く染まるほど、どこに行ってもわさわさと生えているのには驚かされます。

サクラソウ

よく見ると、花の色の濃い薄いは相当な幅があり、じっくり探せばいろいろな形質のものもあるのかもしれません。サクラソウの名前の通り、桜色の花弁の形もすっきりしていて見事です。一茶の句の『わが国は草も桜を咲きにけり』そのものかもしれません。

花のアップ

もちろん他の植物もたくさん咲いてきているのですが、林床にこんな派手な色彩がちりばめられていると、どんなものでも影が薄くなってしまいます。その意味では、野草の中で最も派手な存在と言えるでしょう。まさに春爛漫の景色でした。
その点シダの葉は、その形態や存在感から決して負けずにしっかりとアピールしていました。

オシダ
葉を広げているオシダ

新得植物記

  • 2012.05.20 Sunday
  • 10:06
道内各地の様々なところの現場に行きますが、何と言ってもその場所の野草などを見られるのが最も楽しみです。
札幌に住んでいると、植生ががらりと変わる道南や道東に行くと、思わぬ発見があるものです。今回は時間の制約から、現場周辺など限られたところにしか行くことができませんでしたが、それでもいくつかの植物との出会いがありました。

狩勝園地の梅林では、足元の草地の中にセンボンヤリ(Leibnitzia anandria)がたくさん咲いていました。白花のタンポポのミニチュア版といったかわいい草姿です。この植物は春と秋に開花し、春の花はこのようなかわいい花を咲かせます。秋の花は花茎が30cm以上にもなるのですが、このような舌状花がない閉鎖花になります。草姿の割に、長い花茎を何本も突き出すところから、こんな名前が付けられたものでしょう。

センボンヤリ

梅園に隣接するカラマツ林には、林床が紫の絨毯になるほどのスミレが咲いていました。スミレは似たような種類が多くて頭の痛い仲間ですが、多分タチツボスミレ(Viola grypoceras)だと思います。以前はササヤブに被われていたのを、ササ刈りをやることによってこんな植生になったと聞きました。

タチツボスミレ

敷地内には幾筋もの流れがあり、エゾノリュウキンカが点々と咲いていました。よく見るとそのあたりに白い小さな花がたくさんあり、コミヤマカタバミ(Oxalis acetosella)が群生していました。稀にピンクの花もあるとのことでしたが、道内の山野にもこんなかわいいオキサリスがあるのです。

流れ

コミヤマカタバミ

その近くにはヒメイチゲ(Anemone debilis)も咲いていました。ニリンソウやキクザキイチゲのようにわさわさと群生するのではなく、山道などにひっそりと咲いているアネモネの仲間です。札幌ではとっくに花が終わっているのですが、こんなところで見ることができました。

ヒメイチゲ

その近くの草地に不気味なきのこが…猛毒のシャグマアミガサタケです。こんなきのこは、さすがに誰も食べたいとは思わないでしょう。

シャグマ

シャグマ大
※ シャグマというのは、赤熊と書き、白熊がハグマ、黒熊がコグマで、これがセットになります。官軍が進撃する時に、指揮官が分かりやすいようにかぶっていたヤクの毛で作られた被り物がこれです。土佐がシャグマ、長州がハグマ、薩摩がコグマだったそうです。

お昼は二日間とも、園地から5分ほど下がったところにある「そばの里」で食べました。なかなか美味しい蕎麦を食べることができます。

そばの里

このすぐ裏には、かつての根室本線の跡地がサイクリングロードになっています。その脇の草地にたくさんのオオバナノエンレイソウが咲いていました。十勝に行くとエンレイソウが見当たらず、どこに行ってもオオバナばかりです。その中に花弁の広いタイプが多いのも特徴かもしれません。まだ広尾の群生地に行ったことがないのですが、こんな大型のものばかりが群生しているそうです。

エンレイソウ

ここにもいくつかのスミレが咲いていましたが、白花のスミレが特に目立ちました。ツボスミレ(Viola verecunda)だと思うのですが、ずいぶんガッチリとした草姿なので、(?_?)と思ってしまいました。

ツボスミレ

新得の町中には、新得神社のある新得山というシンボル的な山があります。いつものように早く目が覚めたので、朝ぼらけの中登ってきました。札幌だとこんな時間でもたくさんの方に出会いそうな場所ですが、人っ子一人いなかったです。

神社の裏あたりでは、オオバナノエンレイソウとミヤマエンレイソウの両方が見られましたが、登るに連れてミヤマしかなくなります。やはり住み分けがあるのでしょう。
クマイザサに被われている山なので、思ったほど植生は豊かではありませんでしたが、道端にフクジュソウがわさわさと密生しているのには驚かされます。そばの里の裏でもそうですが、普通の草むらの中にフクジュソウがびっくりするほど生えているのです。本当にうらやましくなりました。

道端には、ニシキゴロモ(Ajuga yezoensis)が小さな花を咲かせていました。アジュガの仲間で、同じように葉が赤紫色になっています。

ニシキゴロモ

神社裏に、まだサンカヨウ(Diphylleia grayi)の花が残っていました。ルイヨウボタンと同じくメギ科の草本ですが、真っ白のよく目立つ花です。紫黒色の実もよく似ています。

サンカヨウ

狩勝園地にもありましたが、この神社の参道では『釧路八重』が咲き始めていました。この品種は、エゾヤマザクラの唯一と言っていい品種もので、かつて釧路の造園家が、気候の厳しい釧路で何とか八重の桜を楽しませてあげたいと、苦労の末に作り出したものです。エゾヤマザクラより少し遅く開花し、花は小さいものの、弁数の多い美しい花を咲かせるのです。
札幌でもたまに見かけますが、ノーザンホースパークの駐車場脇にも何本が植えられていますよ。

釧路八重

ここでちょっと異様なものを見つけました。こんな町中でもシカの食害がものすごいのです。神社の境内のイチイは届くところすべて皮を食べられていましたが、民家の生垣が丸坊主に食べられているのです。そんなにイチイが好きなのかとびっくりしましたが、町中までこんな状態では安心して家庭菜園も作れないですね…

食害

最後に踏切の横で面白いものを見つけました。少し坂になっているので凍結防止剤を自動でまく機械のようです。ロードヒーティングは電気代が高いので、こんなものが開発されたものでしょうが、吹き出すところを見てみたいものだと思いました。それにしても「まくゾウくん」ねぇ…(^_^;)

まくぞう




春の楽しみ

  • 2012.05.15 Tuesday
  • 07:21
昨日は日差しも暖かくなり、ようやく本来の春に戻った感じでした。

午前中は白石駅の花壇管理ボランティアの指導に行き、午後から打合せのあと夕暮れまでに少し時間があったので、この時期にしか見られない秘密の場所に行って来ました。円山にある事務所からわずか15分あまり、こんなに近いところなのにこんな場所があるなんて…、いまだに信じられない思いです。札幌の町の奥深さかもしれません。

シラネアオイ
シラネアオイが満開でした

シラネアオイ(Glaucidium palmatum)は、昔はキンポウゲ科とされていましたが、現在はシラネアオイ科として独立しています。わが国の中部日本海側から東北〜北海道にのみ自生する特産種であるだけでなく、1科1属1種の特異な植物です。日光白根山に多かったことからこの名がありますが、道内では南西部に多く、道東や道北にはほとんど分布していないようです。

群落
斜面を埋めるシラネアオイ

人気のある山草として盗掘の対象になりやすい植物ですが、ここにはびっくりするくらいの群落が今でもあります。タネからでも容易に増やすことのできる植物ですが、花の色の濃い薄いがかなりあるようです。それにしてもこんなところが残されていることは奇跡としか思えませんが、大切にしておきたいものです。

沢の中なので、残雪がかなり遅くまで残っていたようです。ようやくスミレサイシン(Viola vaginata)が葉を広げ、大きな花を咲かせていました。今年は見損なったかと思っていたので、得した気分になりました。

スミレサイシン
まだ葉が小さいが、この3倍くらいの大きさになるスミレサイシン

ふと上を見ると、アカイタヤとエゾイタヤが隣同士で張り合っていました。この時期ならではの彩りの競演です。
少し経つと遠目には区別できなくなりますが、今の時期にはこのようにはっきりと違いがあるのです。

カエデ
アカイタヤの若葉は鮮やかに色づく

すぐ横にはハウチワカエデもありました。葉の形の違いがよく分かることと思います。

葉の比較
(左)エゾイタヤ、(中)アカイタヤ、(右)ハウチワカエデ

若葉の萌える季節、最初に赤く色づいたのはシウリザクラやナナカマドですが、これらの葉が緑色に変わるこの時期には、さらに燃え立つような赤い色はアカイタヤやエゾヤマザクラに変わってきています。そんな目で山を見渡すとまた違った見え方がしてきませんか。

北大構内の花畑

  • 2012.04.28 Saturday
  • 09:08
昨日は明け方には風も収まり、すかっと晴れました。ようやく春らしい陽気に包まれました。

道新の連載の画像を撮すために北大に行きましたが、以前から気になっていた植物の確認をしたかったので寄り道を。

農学部と理学部の間には、ハルニレの大木の生えるローンが広がっているのですが、ここに小球根が野生化しているのです。以前から知っていたのですが、きちんと見ていなかったので訪れたところ、キバナノアマナ(Gagea lutea)が満開で、まず圧倒されました。

キバナノアマナ
キバナノアマナ

図書館横
農学部の横手のローン

そうしたら、旧昆虫学教室(現在はグッズを売っている売店)の裏手に赤い葉が。よく見るとアズマイチゲ(Anemone raddeana)ではありませんか。こんなところに群落が残っているのには驚きでした。この場所ではさすがにジンギスカンをやる輩はいないので、何とか生き延びたものでしょう。

アズマイチゲ
アズマイチゲ

旧図書館の横手に目指す青い花がありました。以前はチオノドクサとシラーの区別がよく分からなかったのですが、改めてよく見れば、確かにスキラ(シラー)・ビフォリア(Scilla bifolia)でした。これはチオノドクサに混じってよく生えてくる球根で、我が家にも紛れ込んでいます。理学部の温室に付属している圃場から逸出したものでしょう。そのあたりにはキバナノアマナと混じったすばらしい小径があるのです。

ビフォリア
スキラ(シラー)・ビフォリア

理学部
キバナノアマナとスキラ

自生植物であるキバナノアマナやアズマイチゲが、ケンタッキーブルーグラスのローンの中に共生し、それに混じってスキラやチオノドクサが逸出帰化しているのは、さすがに北大ならではの風景かもしれません。
早春の一瞬の出来事ですが、こんな風景もあるのです。

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
<< February 2020 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM