ラベンダーあれこれ その2

  • 2012.07.21 Saturday
  • 06:59
滝野公園のラベンダーは、1996年に皇太子ご夫妻をお迎えして行われた、全国『みどりの愛護』のつどいがきっかけです。
こちらもひょんなことから、会場修景を一手に引き受けてくれと、当時建設省から来ていたI専門官から懇請され、よく実態が分からないまま引き受けてしまったのです。開発局が行う始めての皇室行事ということで、力の入れ用はものすごいものがありました。最後の2ヶ月間は現場に常駐して陣頭指揮してくれと所長にいわれ、会社には夜に出勤するという状態になりました。

会場修景のコンセプトは、やはり北海道らしさの表現です。でも6月5日に行われるため、修景材料がこれといってありません。そこで、比較的促成ができやすいラベンダーを筆頭に、スズランやデルフィニウムなどを使った修景を行うことにしたのです。
みどりの愛護2
記念植樹に向かうご一行。私はすぐ手前のニオイヒバの影に隠れていました。(1996.6.5)

そこで目をつけたのが、小樽のT農園にある‘バイオレットメモリー’だったのです。こちらは促成の実績があったのでなんとかなるだろうと思いました。会場へのアプローチの両側に植えられたラベンダーに、ご夫妻はかなり感激されたと後で聞きました。
みどりの愛護3
アプローチを飾る‘バイオレットメモリー’(1996.6.10ころ)

ところが、大面積の修景に用いるラベンダーが道内にはなかったのです。ようやく芦別の農家が、‘ヒドコート’のタネを播いてみたけれど、あまりに形質がバラバラなので使えないと、半分捨てたようになっているものを見つけたのです。
その数一万株、かなり無理矢理咲かせましたが、思ったほどにはラベンダー畑にならず、こちらはちょっと失敗でした。
みどりの愛護1
あんまり華やかにならなかったヒドコートの実生株 (1996.6.10ころ)

でもその後株が大きくなるにつれ、形質がバラバラなのがかえって面白く、カントリーガーデンの一番大きな畑に植えることにしたのです。
実生
形質がバラバラなので、一面べったりとしないので、かえって面白いと思っています。

公園の資料やラベルでは、これを‘ヒドコート’としていますが、これはあくまで「ヒドコートの実生株」としなければなりません。

実生株の少し上に、色の揃ったラベンダーがありますが、これが正真正銘の‘ヒドコート’です。
ヒドコート

『ラベンダーブック』(小松美枝子・小松紀三男著、グラフ社、2008)によると、‘ヒドコートブルー’の説明はありますが、‘ヒドコート’は濃い紫色の花としか記載されていません。花穂の形質などはブルーと同じようです。
ヒドコートアップ

みどりの愛護の修景は、ご夫妻も大変喜ばれ、「まるでマサチューセッツにいるようだ」と(ハーバード出身の)雅子様がおっしゃられたと、あとで聞かされました。この結果、それまで他のコンサルが手がけていて問題が多く、中断していたカントリーガーデンの設計を、私の手によってすべて見直すことになったのです。
ラベンダーを見るたびに、当時の苦労や、その後のいろんなことを思い出してしまうのです。
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