名月とススキ

  • 2014.09.11 Thursday
  • 06:12
いやはやひどい天気。雨はそれほどでもないのですが、雷がひどくて寝られず、こまめも目をまん丸にして逃げ回っています。3時前に雨が強くなった頃から避難勧告のエリアメールがどんどん入り始め、なんと12本も。とりあえずハルニレの苗を取り込んでおきましたが、どこに逃げるといってもねぇ。南区の方がひどそうなので、被害のないことを祈りたいです。

今年の中秋の名月は、なんと9月8日だったとは。日曜日に買い物に行ったときに、やたらとススキがおかれているのでなんだろうと思っていたのです。中秋の名月とは旧暦の8月15日に見る月なので、たいてい9月中旬〜10月上旬という意識がありました。なのでこんなに早くやってくると、不意を喰らったようでびっくりしてしまいます。本州ではまだススキの穂が出ていないので、大変だったのではないでしょうか。
ちなみに来年以降は、ちゃんと元に戻っていくようです。
  2014年(平成26年):9月8日
  2015年(平成27年):9月27日
  2016年(平成28年):9月15日
  2017年(平成29年):10月4日
  2018年(平成30年):9月24日
  2019年(平成31年):9月13日
  2020年(平成32年):10月1日

ススキ
道内では8月になればススキ(Miscanthus sinensis)の穂が出始め、8月末には既に盛りを過ぎ、そろそろほほけて来る頃です。北国のススキは、芽が伸び始めてから約60日で開花してきますが、これに対して本州以南のススキでは、関東では160日、南九州では240日もかかってしまうのです。なので桜前線の逆に、8月初めに道北を出発した薄前線は、まだ東北地方を南下しているくらいではないでしょうか。
ススキ前線
 (「植物の生活誌」堀田満編、平凡社刊、1980)

生育期間が短いので、北国のススキはずいぶんと背が低いのにびっくりしました。こんなに短くては茅葺き屋根が葺けないぞ!と思ったほどです。南の方では背丈を超えるのが普通ですから。私たちの身の回りでも、本州からやってきた園芸種のススキは、まだのんびりと栄養生長を続けており、一向に穂が出る気配はありません。タカノハススキやシマフススキでは、10月上旬にならないと穂が出てこないのです。
タカノハススキ

先日見てきた植物園前に植えられている斑入りのススキは、葉の幅が広いので、多分ハチジョウススキ(M. condensatus)の園芸品種である‘コスモポリタン’ではないでしょうか。タカノハススキよりも大きく育っています。
ハチジョウススキ

さらに巨大になるススキもあります。イコロの森に植えられているものは、ススキの品種扱いになっていましたか?(メモが見当たらないのでごめんなさい) ‘ギガンテウス(Giganteus)’として出回っているものだったかな。
イコロの森

ススキの近縁種にオギ(M. sacchariforus)があります。ススキが乾燥した場所に生えて大きな株を作るのに対し、オギは湿った排水溝のような所を好み、株を作らずに地下茎を伸ばします。昔当別ダムの調査であの辺りを走り回っていたときに、随分と多いのに改めてビックリしたことがありました。同じ形の穂なので、ススキだと思ってしまうのです。ススキの遺伝子は2倍体であるのに対し、オギの遺伝子は4倍体。それを交雑することによってできる3倍体植物が「ジャイアントミスカンサス(Giant Miscanthus)」(M. × giganteus)として近年注目され始めました。
ジャイアントミスカンサス
短期間に巨大に育つために、バイオマス(バイオエタノール)資源として俄然脚光を浴びているのです。北大農学部にその第一人者の先生がいるので、農場内にはあちこちにこの巨大なススキが繁っています。でもこれは、効率よくエタノールを生産できるように遺伝子操作を行っているために、みだりに持ち出すと大変なことになりかねません。

私たちの回りには、イトススキやヤクシマススキのようなかわいいものから、ジャイアントミスカンサスのように圧倒されるほど巨大なものまで、実に様々なススキが植えられています。名月を愛で、ススキを添える感性だけは、いつまでも失わないようにしたいものだと思います。
コメント
かつて,九州沖縄農業研究センターで,オギとススキの種間雑種について研究していました。残念ながら,研究課題が消滅し,引退前に隠居状態となっています。北大山田先生の圃場と推察しました。阿蘇はススキの遺伝資源が豊富ですが,あまり注目されていません。菊池市泗水町に住んでいます。笠様の先祖の墓所の近くかもしれませんので,驚いています。公的メールアカウントは使いたくありませんので,よろしくお願いします。
  • 山下 浩
  • 2017/11/07 10:06 AM
コメントありがとうございました。
実は熊本と松山の墓参りから帰ったところです。

古い墓は旧七城町台に、もう一つが旧西合志町江良にあります。
墓参りを終わって熊本に向かう途中、カントリーパークや九州農研の横を通ってきました。

阿蘇を超えて大分までバスで行ったので、山肌の荒れた様子をあちこちで見かけました。野火はそんなにないでしょうから、地震なのか大雨のせいなのか、攪乱がしょっちゅう起きることから、あんなにススキ草原が発達するのでしょうか。

それにしても、里の山が竹林化している様子には驚かされます。モウソウチクのバイオマス化はできないものなのでしょうかねぇ…
  • こまめ
  • 2017/11/07 11:14 AM
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