渡島大島調査に行って来ます

  • 2012.06.24 Sunday
  • 06:56
これから渡島大島の調査に行って来ます。
この調査が始まったのが1990年ですから、今年でもう23年目になります。始めた頃はまだ30代で、髪の毛も真っ黒だったのですが、もうすぐ還暦だというのに、いつまでも付き合わされるのはなかなか大変です。

位置図

渡島大島は、松前沖に浮かぶ火山島で、日本最大の無人島でもあります。大島は9.7平方kmありますが、最近話題の尖閣諸島魚釣島でさえ3.8平方kmですから、いかに大きな島であるかおわかりでしょう。1700年代の終わりに大噴火を起こし、檜山沿岸を襲った大津波によって、数千人もの死者を出したことがあります。そんな島に避難港を作ることになったのですが、貴重な自然環境の中での工事を行うにあたり、環境保全に細心の注意を払うことが求められていること、工事ヤードを造成しているのですが、工事終了後にはすべて元の自然に戻さなければならないのです。

大島
避難港は右端にあるトリカラスノ浜に造られています

まだ何もない時から島に行き始め、工事ヤードが出来たり、少しずつ防波堤などができて、現在では行き来も含めてずいぶん楽になりましたが、初めの頃は本当に命がけでした。磯渡しの船が大波でひっくり返り、時化の海を泳いで命拾いをしたこともありました。小山のような波浪の中で、死ぬほどの船酔いをしたことが何度もあります。
工事資材を運ぶ台船に乗ると、片道6時間もかかりましたが、最近は近海号という船足の速い船を使っているので、一時間半ほどで渡ることもできるようになりました。

近海号

この島は近海区域という、外洋に指定されているので、普通の船では行くことができません。海図を見ると、深さ2000mの海底から富士山のような形の火山が突きだしており、その上部700mが海面に見えているのです。島が近づくにつれ、火山島で樹木が全くない姿が現れてくると、胸を締め付けられるような恐怖感というか、緊張感というか、背筋がひやっとしてくるのです。

近景

避難港は8割方できているのですが、公共工事の抑制や政権交代などの要因からストップしてしまい、ようやく今年は5年ぶりに工事が再開されています。環境保全や植生復元の試験などのために、工事が止まっている間も毎年二回島に渡っていました。

漁港

工事ヤードには事務所や宿泊棟も建てられているので、テント生活をする訳ではないのですが、工事が止まっているため、水も電気も全くないところでの生活になります。今年も陸上工事がないので、同じ状況だそうです。

ヤード

島には、難破船から逃げ出したとみられるドブネズミが無数いるのです。天敵がいないせいか、巨大化する傾向があり、今までの最高は、頭からしっぽの先まで48センチという、ちょうどビールビンくらいのがいました。最初の年はテント生活でしたが、食料を求めてテント内を走り回るので、恐怖を覚えたほどです。

ドブネズミ

もう一種、戦時中に毛皮を取ろうと、漁師がイエウサギを13羽放したものが猛烈に増殖し、島の植生を荒らしまくっています。ピーターラビットですから見た目はかわいいのですが、アナウサギの名の通り、巣穴を掘りまくって島を荒らしています。この時期に行くと、冬の間に飢えや寒さで死んだウサギの死体が、無数に転がっているのです。

ウサギ

今回は、私の担当は侵入植物の調査だけなので、現地には2泊3日くらいで帰ってくる予定ですが、どんな発見があるか楽しみです。それにしても松前までの往復も含めて、だんだん体にはきつい仕事になってしまいました。事業開始からずっと携わっているのは私だけなので、最後まで面倒を見なければならない役回りになっているのです。衛星携帯しか通じない無人島は、久しぶりの息抜きでもあり、うまくいけば満天の天の川が見られるかもしれません。
帰ってきたら、また報告させていただきます。それじゃ行ってきます(^o^)/
コメント
僕も一度でいいから行ってみたいです!!!!
  • ありー
  • 2013/11/10 1:09 AM
ブログ管理人さま


初めまして。
突然のコメントで失礼いたします。
私、本を制作しております株式会社風来堂の青柳と申します。
ブログを拝見し、コメントを送らせていただきました。

現在、世界の辺境を取りあげた書籍『世界辺境案内(仮)』を制作しております。
その中で、渡島大島を紹介するにあたり、管理人さまにご協力頂きたいと考えております。

依頼内容は、
・渡島大島に行った際の体験に関する原稿の執筆
・渡島大島に関するお手持ちの写真のご提供
です。

原稿の〆切は、理想的には5月末です。または、6月1週目の前半でお願いしたいと考えております。
写真をお借りした場合、ご要望に応じてクレジットの記載をいたしますので、ご指示ください。

ご協力頂けましたら、薄謝ではありますが、謝礼をお支払いいたします。
また発刊後、1冊献本させていただきます。

以下に、企画書内容を添付いたしますので、ご確認ください。

ぜひご協力賜りたく、ご検討のほど宜しくお願い申し上げます。

■企画書■

【タイトル案】
洋泉社MOOK
『世界辺境案内(仮)』

【仕様】B5版/144p(カラー128p・モノクロ16p)/カバー・帯なし
【予価】本体価格1600円
【刊行時期】2015年7月上旬

【企画趣旨】
実際には立ち入ることが不可能または困難な国内外の辺境の地をピックアップし、写真や地図などのビジュアルを用いて紹介します。非現実的な旅に出た気分が味わえる書籍です。

【構成案】
1章 立ち入り禁止エリア(軍事施設や実験施設など)
2章 秘境(過酷な自然環境の場所や地図に載っていない場所など)
3章 廃墟(ゴーストタウンや民間施設など)
4章 未承認国家(海上要塞を占拠した独立国家など)
その他、著名人の対談・インタビュー、テーマにまつわるコラムなどを掲載予定です。



★★★住所が変わりました!★★★
____________________________________________

『世界辺境案内(仮)』編集受託
株式会社 風来堂(担当:青柳・今田)
〒171-0022
東京都豊島区南池袋2-9-15 フォーディアル南池袋303
tel  03-5654-7184  fax 03-3984-5333
mail info@furaido.net HP http://furaido.net/
____________________________________________
  • 『世界辺境案内(仮)』制作ご協力のお願い:株式会社風来堂
  • 2015/05/22 10:03 PM
風来堂青柳さま

コメントと依頼ありがとうございます。

ですが、あまりに急すぎます。
今日はこれから東京、以降予定がずっと詰まっており、体が全く空いておりません。
せっかくの依頼ですが、お答えできなくて申し訳ありません。
  • こまめ
  • 2015/05/23 6:29 AM
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