穂咲きのサクラあれこれ

  • 2012.06.10 Sunday
  • 07:03
盤渓小学校を過ぎて、信号のT字路の正面に、シウリザクラが咲いてきました。遠目に見るとアイスキャンディーが散らばっているように見える不思議な花です。

ばんけい
4時半なのでピンぼけになってしまいました…

サクラの仲間は、かつてはモモ、アンズ、スモモ、ウワミズザクラ、バクチノキと共に大きなプルヌス属とされてきましたが、近年ではこれら六つを別々の属に分けるのが一般的になってきています。このため、道内にあるシウリザクラ、ウワミズザクラ、エゾノウワミズザクラの3種の穂咲きのサクラは、バズス属(Padus)というグループ(属)になっています。

シウリザクラ(Padus ssiori)とは、アイヌ語のシュ・ニ(苦い・木)から付けられた名前です。病気の時にこの木でお守りの木幣を作って病人の上から吊したり、槍や銛の柄を作ったといわれます。(「コタン生物記」更科源蔵著、法政大学出版局 より) 和名どころか、学名にまでアイヌ語の残っている唯一の植物でもあります。
シウリザクラは落葉広葉樹の中では真っ先に葉を開いてくる樹種ですが、花の方はずいぶんと遅く、(広義の)サクラの仲間では最も遅く、ミヤマザクラが散ってからようやく開花してきます。

シウリ花
他の二種に比べると密に花が咲く

早く開花するのはエゾノウワミズザクラ(P. padus var. commutata)で、5月の上旬には満開になっています。花穂の数が大変多く、木全体が真っ白になるほど花が咲きます。

エゾノウワミズ花

エゾノウワミズザクラ
満開のエゾノウワミズザクラ(北大農場、2012.5.12)

ウワミズザクラの花を最近よく見ていませんが、何とか実の写真だけありました。札幌近辺にもあるのですが、なかなかいい時に巡り会わないできています。

ウワミズ実

道内産の穂咲きのサクラはこれら3種ですが、外国産のものも導入されています。
滝野公園のカントリーガーデンを作った時に、ベニバスモモを設計に入れていたのですが、その木に花が咲いてみると花が穂咲きで変だ!ということになりました。

バージニア花

よく調べてみると、アメリカ産のバージニアザクラ(Padus virginiana subsp. melanocarpa 'Canada Red' )のカナダレッドという品種であることが分かりました。業者が間違って入れてしまったようです。
この木は、花が咲く頃は普通の緑色の葉をしているのですが、ある時急に赤紫色に変わってしまうのです。これが徐々に変わるのか、一晩で変わってしまうのか、いまだに謎のままですが、知らぬ間に真っ赤になってしまうのです…

バージニア葉
新しく伸びた枝には緑の葉が付いている

札幌にはもう一つ、大変珍しいアメリカ産の穂咲きのサクラがあります。
円山公園の中に、樹種のさっぱり分からない大木が以前からあり、下枝もないことから困ってました。2年前にここで巣作りをしたエゾリスをNHKがドキュメンタリーを作成し、ところでこの樹種は何ですか?と公園事務所に聞いてきたのです。

セロチナ樹

これは困ったと、風の強い日に落ちてきた枝を拾ってもらったところ、穂咲きのサクラのようなのです。あれこれ調べまくった結果、アメリカ産のブラックチェリー(P.serotina)という樹種であることを突き止めることができました。

セロチナ花
(この写真はネットから借用しました…m(__)m)

この場所は、明治13年に開拓使が設置した『円山養樹園』と事務所の裏手に当たっています。ここにはユリノキやヒッコリー、ヨーロッパクロマツ、ストローブマツなどの大木が現在でも点在しており、どうもこの当時にアメリカから導入した名残の木だったようです。少なくとも、札幌ではこの1本だけという珍しい木が、こんなところにあるとは…
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