オオシマザクラ

  • 2013.03.05 Tuesday
  • 07:10
桜餅を包む葉は、オオシマザクラというサクラが用いられています。葉を塩漬けにすると、独特のクマリンが香るため、このような使い方が考えられました。オオシマザクラ(Cerasus speciosa)の名の通り、伊豆大島などの伊豆七島が主な自生地で、本土にあるものは植えられたものとの記載もあります。海岸地方に生育できるよう、葉にクチクラ層が発達しているようで、葉がつやつやとして毛が生えていないことも、食べやすい理由になっています。

オオシマザクラそのものは、花の色がほとんど真っ白で、決して見栄えがするわけではありません。いろいろなサクラの中にあると、逆に目立つともいえますが、それだけを植えたとしても、あまり目立たないことでしょう。
オオシマザクラ
(松山城の広場に一本だけ咲いていましたが、紛れ込んだものでしょうか?  2010.4.10)

ほんのりですがピンクを帯びており、開き始めた葉が緑色。エゾヤマザクラのように赤紫色をしていません。その点ではカスミザクラに近い感じですが、カスミザクラが楚々とした雰囲気を持っているのに対し、もっと感じがごついというか、男性的な感じのする樹形です。
花

オオシマザクラは、花ではなく葉が、私たちの嗜好に役立っていますが、もう一つ大きな枠割りを果たしていました。それは、サクラの中のスーパースターである、ソメイヨシノの親の一つだったのです。ソメイヨシノは、江戸の末期に染井村(現在の豊島区駒込あたり)の植木屋の苗畑から出回ったとされています。2007年に千葉大学の研究により、オオシマザクラを父(花粉)親に、エドヒガンの品種を母親にして交配されたものであることが、遺伝子分析によって分かっています。ここでもオオシマザクラは、地味な役割をしていたのですね。
ソメイヨシノ
(道内のソメイヨシノはもっと白っぽく感じますが、向こうではピンクが強いように思います。  松山城の広場で  2010.4.10)

ソメイヨシノは一代雑種のため、タネ播きなどの有性繁殖では増やすことができず、接ぎ木による無性繁殖で莫大な数の個体が百数十年の間に増殖され、日本全国どころか世界各地にまで植えられてきています。しかしその遺伝子は全く同じで、極めて珍しい存在といえるでしょう。ただ、すべて同じクローンのため、何か致命的な病気でも広まれば、一斉に枯死する可能性もあるそうです。
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