ナツヅタ

  • 2020.02.08 Saturday
  • 05:42
この時期は植物の話題もほとんどなく、与太話ばかりなのも気が引けるので、昨年この時期にやったグラウンドカバープランツの続きとして、つる性のグラウンドカバープランツといえる「つるもの」を紹介していくことにします。これらのつるものは、壁面緑化に使われるので、広い意味ではグラウンドカバープランツに含まれます。第1回目はやはりナツヅタでしょう。

北国のつるもの  その1 ナツヅタ

ナツヅタ(Parthenocissus tricuspidata)は、植物学的には「ツタ」でいいのですが、利用面からはナツヅタとフユヅタという使い分けをするので、ナツヅタとしておきます。属名のパルテノキッススとは、「処女の ツタ」という意味で、アメリカ産の同属別種のアメリカヅタが Virginia creeper と呼ばれていたことから付けられたのだそう。種小名のトリクスピダータとは、葉が三つのとんがりを持っていることを意味しています。葉をよく見ると、1枚のものの中にちらちらと3枚に分かれたものが混じっています。本来は3枚の葉が、くっついて1枚になっているためで、秋になると葉柄だけを遺して落葉していきます。
ナツヅタ

秋にはまるでヤマブドウとそっくりな果実を付けるので、ブドウ科に属していることが分かります。これが干しブドウになった頃には、たくさんの野鳥がこれをついばみ、あちこちに糞としてばらまくために、あちこちからツタが生えてくるのです。
ブドウ果

たくさんあるつるものには、フジやツルウメモドキのようにツルを絡ませるもの、ブドウやロニケラ類、クレマチス類のように巻きひげや葉柄で絡みつくもの、ツルバラやホップのように棘で絡みつくもの、ツタやノウゼンカヅラ、ツルアジサイのように吸盤やひげ根で付着するものなどがありますが、壁面への付着性ではナツヅタが一番で、ガラスや鉄板、コンクリート面でも難なく登って行くことができるのは、無数の吸盤で植物体を支えられるからです。
吸盤

ナツヅタは、秋には紅葉して一際美しくなりますが、「最後のひと葉」のように、やがてハラハラと散っていきます。四季の変化があることから、常緑のフユヅタ(アイビー類)よりも圧倒的に使われる機会が多かったものと考えられ、甲子園球場のような特徴的なものが知られています。ここは真駒内にある「六花文庫」。普通の民家でこんなにツタを這わせていたら、お化け屋敷とか言われてしまうでしょうが、こういうところで素晴らしい例を見せてくれています。
六花文庫

ナツヅタで一番懐かしいのは、今はなきロフトでしょう。ここができた時に、歩道際のほんのわずかな植えますに植えられているのを見て、これでどこまで登っていけるのかなぁ…と思いました。見事に予想ははずれ、7〜8年で屋上まで登っていき、やがて壁面が覆われてしまったのです。
ロフト

これをずっと見ていたので、ナツヅタの生命力を改めて認識し、いろんなところで使い始めたきっかけを与えてくれた場所でした。今こんな粋なことをしてくれる経営者がいるとは思えないですけれど。
西武

北大博物館の北側も、素晴らしい壁面を持っていたのですが、残念ながら改修工事が入った時にすべて剥ぎ取られてしまいました。でも近くにたくさんツタが生えているので、そのうち野鳥がせっせとタネ播きをしてくれることと思います。
北大博物館
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