追悼 東三郎先生

  • 2019.12.24 Tuesday
  • 05:51
北大名誉教授で、道内のいろいろな場所で砂防や緑化での実績を積み重ねられてきた東(ひがし)三郎先生が、13日に亡くなられていたと、昨日朝に連絡がありました。93歳ですから、天命ともいえるでしょうが、大変お世話になった方だけに、寂しさは禁じ得ません。

        東先生

林学の授業は幾つか取っていたのですが、先生のは受講していなくて、直接のつきあいはありませんでした。以前在籍していたコンサルの社長がやはり林学出身で、定年退官後あれこれ支援組織を作ったり、はては会社の技術顧問として、定期的に社内講義をしていただいたりして、その窓口になっていました。この本のうち、左の2冊はその時にいただいたものです。
著書

社長の肝いりで作ったのがこのマンガで、森の役割や川の働きを子どもでも分かるようにと作られており、大人にも理解されやすいので、いつも持ち歩いて配っていました。学者然としているのではなく、一般の方にも分かりやすく接するのが先生の特技なので、ある意味ピッタリの本だったかもしれません。
はずみちゃん

先生の作品で一世を風靡したのが『カミネッコン』でしょう。大通公園で行われている花フェスタでは、ホーマックが毎年これを出展しています。「紙で根っこをコンパクトに守る」という意味から名付けられたこの仕組みは、我が国だけでなく、世界中に採用されたと言われます。今でもいろんな緑づくりの現場で、これが採用され続けているようです。
カミネッコン1
カミネッコン2

段ボールで作られたキットを組み立てて、中に用土を入れて苗を植え、これをいくつか寄せて並べておくだけでよいという触れ込みでした。しかし、地面がカチカチだったり、砂利ばかりだとうまく活着できず、決していい成績だとはいえなかったようです。
完成

私はカミネッコンを使ったことがありませんが、その前に開発された『ハードルフェンス』には大変世話になりました。これは、日本海岸の風雪の厳しいところでの緑化を助けるために開発されたもので、カラマツの間伐材を使うために、森の手入れにも繋がる画期的なものでした。強い西風で雪が吹き飛ばされ、地面がむき出しになってしまうようなところでは、どんな樹種を植えてもいい成績を残せません。これを組み合わせて設置することにより、風が乱されて吹き溜まりを作りやすくなり、苗木が積雪に保護されて成林しやすくなるのです。
ハードルフェンス

ここは稚内にある道立宗谷ふれあい公園で、ここの緑化だけは私にやってと指名が来たのでした。声問の丘の上にあり、まともな樹木のないところだったので、迷うことなくハードルフェンスを採用し、彩りに銀葉ヤナギを植えています。これで植栽後3年くらいだったか。最近全く行っていないので、現状は分かりませんが、ここまでくればかなり環境は改善されているはずです。
効果

現場でものを考え、それを実地に移してその効果を検証し、現場に結果を残していくという、農学部の伝統を体現した方といえるでしょう。はげ山になって飲み水にも困っていた天売島に樹林と水源を復活させたり、有珠山の大噴火によって広範囲に火山灰が降り積もった地域に、元のような樹林を回復させたことなど、先生の業績は道内至る所に見られるのです。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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