ムラサキシキブ

  • 2019.10.17 Thursday
  • 05:44
先日圃場にあるムラサキシキブ(Callicarpa japonica)を紹介しましたが、町中で見かけるのはたいていコムラサキ(C. dichotoma)です。売られているコムラサキは、ほとんどが「紫式部」の名前で売られていることから、もともと混乱が生じているのですが、両者はかなり似ているので混同しやすく、私の画像フォルダーの中にも間違って入っているものがありました。

ムラサキシキブはかつてはクマツヅラ科でしたが、最新のAPG分類体系では、クサギ属やカリガネソウ属と共にシソ科に移されています。北海道から沖縄まで、さらには台湾や朝鮮半島まで広く分布しており、北海道といっても渡島半島から胆振・日高の暖かい地方にのみ自生があります。
分布
 (『FLORA OF HOKKAIDO』Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN より)

函館にある道南四季の杜公園の仕事をしていた時、私たちの担当だった里の森には、ムラサキシキブやオオバクロモジ、サルトリイバラなど、南方系の樹種がたくさん生えていて、やっぱり違うなぁと驚きの連続だったことを思い出します。(2004.10.16 四季の杜公園で撮影)
四季の杜公園

札幌では圃場のムラサキシキブくらいしか見たことがなかったけれど、コムラサキの画像フォルダーの中に、間違って入っていたものがありました。この木は大通西20丁目のマンションの植え込みの中にあり、2年くらい前にひどく冬枯れしたけれど、またよみがえって実が生り始めているものです。(この画像は2012.11.19撮影)
大通

見分け方の一つが葉の鋸歯の付き方で、ムラサキシキブは葉の大部分に入るのに対し、コムラサキでは葉先の方だけにしか鋸歯が入らないのだそうです。実付きがいいので単純にコムラサキだと思い。こちらのフォルダーに放り込んでおりました。
葉

これに対してコムラサキは、福島以南の日本各地から、朝鮮半島、台湾、中国にまで広く分布し、樹形がかなり小さく、実付きもたいへんよく各葉腋にずらりと付くので、庭木として植えられているのは大半がこちらでしょう。
コムラサキ

果実は葉腋に付くのですが、コムラサキでは葉腋から数ミリ上に離れて付くのが特徴となっています。葉の鋸歯の入り方はけっこう微妙なものがあり、こちらで見分ければ間違わないようです。
実の付き方

名前の由来については、牧野図鑑では「優美な紫色の果実を才媛 紫式部の名をかりて美化したものである」と書かれていました。しかしこれには異論があり、江戸時代の本草書には一名をムラサキシキミと書かれているものがあるそうです。枝に実が重なり合って付いていることから、シキミとは重実(しげみ)の意で、これが転訛したものという説の方が正しいようで、Wikiでもこれを採用していました。
 (参考:「植物名の由来」中村 浩著、東京書籍発行、1998 より)
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