リンデンバウム

  • 2019.07.23 Tuesday
  • 05:51
昨年からおつきあいしている新琴似まちづくりセンターの事業では、昨年樹木調査を実施し、リストと配置図を作りました。今年はそれを元に、小学生の夏の事業として樹名板作りをやることになっています。ところが、外国産のシナノキの仲間として不明のままになっていた木があり、これを確定しなければなりません。昨日打合せの前に再度見てきました。
全体

樹高は20m近く、幹周が120cmと、植えられて30年くらいは経っていると思います。今年はシナノキ類も花着きがよかったので、この木にも鈴生りに果実がぶら下がっていました。
結実状態

ところがこの木には下枝がなく、全然枝に届きません。校内に恐る恐る入り込み、木の下で見上げていた時に、ごぉっと強風が吹いて枝が大きくたわんだのです。素早く枝先を掴んで、一枝いただくことに成功しました。ラッキー。
枝の採取

こういうサンプルは、写真を撮しても細かい特徴がうまく撮せません。私がいつもやるのは、コピー機のスキャン機能を使い、データ化するのです。必ず葉の表と裏が写るようにし、強めに押さえつけてスキャンしてしまえば、こうすると葉の裏の毛までよく見えるのです。
スキャン

外国産の樹種の調査では、上原敬二の「樹木大図説」が古いものの、いろんな記載が載っていて便利ではあるけれど、図や写真がないので、ある程度目星が付いてから確認するために使うことが多いのです。一番分かりやすいのが、いつどこで買ったのかも記憶がないけれど、「Field Guide to the TREES AND SHRUBS of BRITAIN」という本です。これを見ていくと、ヨーロッパで最も普及しているセイヨウシナノキ(Tilia × europaea)がまず候補に浮かびますが、葉の裏の毛や果実の特徴(円形でなく五肋あり)などの特徴は満たしているものの、葉の鋸歯の入り方など細かい点が違うような…

セイヨウシナノキ

我が国にもよく植えられるフユボダイジュ(T.cordata)は、果実が円形で肋がない点で明らかに違い、もう一つよく植えられるギンヨウボダイジュ(T.tomentosa)が、「綿毛のある」という種小名の通りの葉裏だし、鋸歯の入り方もそっくりだし、果実の特徴も似ています。

ギンヨウシナノキ

シナノキの仲間には、○○シナノキか、○○ボダイジュという名前が付けられており、上原図説でセイヨウボダイジュやギンヨウシナノキでない理由はよく分かりません。この仲間は英語ではライムツリー(Lime Tree)だし、ドイツ語ではリンデンバウム(Lindenbaum)なので、限りなくギンヨウボダイジュに近いけれど、ここではシューベルトの歌曲にも出てくるリンデンバウムとしておきましょう。それにしても、この木がなんでここに植えられているのか?どなたか記憶がある人はいないでしょうかねぇ…
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