気象害

  • 2019.05.29 Wednesday
  • 05:52
3日間続いた高温によって、紫竹ガーデンのチューリップ10万本がドライフラワーになってしまったと、全国ニュースで報じられていました。38.8℃の熱風に晒されていれば、チリチリと干からびてしまうでしょう。
紫竹さん

今年の十勝の冬は、記録的な少雪に見舞われて、秋播き小麦などにも被害が出たほどでした。十勝ヒルズは丘の上なので、ただでさえ雪が溜まらず吹き晒しになるため、今年の冬はバラに雪の布団が被せられなかったのです。このため、これまでになく大きな被害が出てしまいました。
雪解け直後

こんな状態でもちゃんと芽が出てくるからと言ったものの、どのくらいの割合になるのかとっても心配でした。2週間ほど経ってから、植栽エリアと品種ごとに、株の状態を調べてデータと画像を送ってもらうと、回復不能な株は全体の13%ほど。3割はだめかもと思っていたので、まずはホッとしました。
だめな株

全体の7割は、地際からたくさんの芽が吹いてきているのですが、すべての芽を伸ばさせてしまうと、肝心の骨格になる枝が充実しない恐れがあります。このため、いい芽だけを残して、余分なものを芽かきをしてもらいました。残した枝は花を咲かせないで、来年の骨格になってもらわなくてはいけません。本当は現地で一緒に作業したいけれど、それがかなわないので、画像に書き込みをしてこんな風にやってね〜と送ったのが20日のことでした。
バラの芽1

するとさっそく作業をやってくれて、四方にいい枝が伸びている画像が送られてきました。これから平年並みに気温が下がってくるし、雨が全然降らないので、却ってガッチリと育ってくれることでしょう。
28日

もちろんあまり被害のなかった株も2割近くあるので、これらは通常通りに花を咲かせることができるでしょう。例年のような花がもりもりとはいきませんが、なんとか寂しくない程度になれば嬉しいです。今度行くのが6月20日なので、またドキドキだなぁ…
正常株

ここにバラを植えられて7年目。本来少雪で土壌凍結ががっちり入るのが十勝の冬なので、むしろ異常なくらい例年より雪の多い年が続いていただけだったのかもしれません。いろんな試練を乗り越えながら、工夫を重ねてまたみなさんに素晴らしい景観を提供できるようがんばっているガーデナーたちを、これからも暖かく見守ってあげて下さい。

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コメント
成育に難しい条件を人の手を借りて克服するより、その土地の気候条件に合った植物を成育させるほうがいいように思っています。身近なところでは、プンゲンストウヒである必要はなくアカエゾマツで十分だよね。そんな感じです。バラでなくてもハマナスで十分です。ハマナスもバラなのですが、ハマナスだったら管理する側も楽ではないでしょうか。そうでもないのかな。なぜ外来種にこだわるのか少々疑問を感じています。
  • 豊平マイスター
  • 2019/05/29 9:03 PM
豊平マイスターさま
いつもありがとうございます。
まさにおっしゃる通りですが、厳しい環境にいると、ない物ねだりが強くなる傾向があるようです。
私が関わる以前から植えられていたのと、今のガーデナーたちもその後入った人達なので、正直なところ面倒に巻き込まれた感が強いのも確かですが、いろいろチャレンジできるのも、面白いと割り切ってます〜
  • こまめ
  • 2019/05/30 7:18 AM
返信ありがとうございます。観る側、作る側、育てる側といろいろな視点があるから、多彩になっていくのはしようがないのですね。それも園芸の楽しみというか、それがあるから園芸に携わる人も多いのでしょうね。失礼しました。
  • 豊平マイスター
  • 2019/05/30 7:29 PM
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