シャガ・ヒメシャガ

  • 2019.02.12 Tuesday
  • 05:48
北国のグラウンドカバープランツ  その10  シャガ・ヒメシャガ

今回は、和風のグラウンドカバープランツであるシャガとヒメシャガです。
シャガ(Iris japonica)は常緑性の多年草なので、札幌のようにある程度の積雪があれば越冬可能ですが、道内ではかなりマイナーな存在かもしれません。イリス・ヤポニカなんて学名が付いているので、わが国を代表するアヤメのように感じてしまうけれど、残念ながら原産地は中国で、かなり古い時代に渡来したようです。なので、この学名を付けたチュンベリー(Thunberg)は、やたらあちこちに生えていたので当然日本原産と勘違いしたものでしょう。

シャガ

日本のものは3倍体なのでタネが出来ず、その代わりランナーを四方に伸ばして猛烈に広がっていきます。ヒガンバナも我が国のものはすべて3倍体とのことだけど、どうして3倍体だけがやって来たのでしょうか?このため日本中の株は、すべて同じ遺伝形質の可能性があるとのこと。花は一日花なので、花期そのものは長くはありませんが、半陰地の樹林地のカバーには最適で、密なカバーを形成します。滝野公園にもなぜか平成の森に植えられていたのですが、あんな所で増えられては困るので、カントリーガーデンのこもれびの庭に少し持ってきています。

群落

これに対してヒメシャガ(Iris gracilipes)は我が国特産種で、北海道南部から本州、四国、九州北部に自生しています。種小名のグラキリペスは、細長い柄をもったという意味なので、シャガと違ってか弱い花茎をさしているのでしょう。葉も薄く細長くて黄緑色をしており、花がなければイネ科と間違えそう。こちらの方が花は小さいけれど、色が濃くてきれいです。

開花株

この花は昔から大好きで、ずっと庭に植えていたのですが、このところほったらかしにしていることが多くて、知らぬ間に消えてしまいました…(>_<) 数年前に小樽のある古い庭園の調査をしたことがありましたが、その庭はほとんどヒメシャガに覆われていて、花時にわざわざ見に行ったときのものです。これはランナーを伸ばさないので、タネで増えているのでしょう。これが似合う場所がなく、ガーデンなどには植えていませんが、いつかチャンスがあればたくさん植えてみたい植物です。
ヒメシャガ
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