梅俊図鑑

  • 2018.12.24 Monday
  • 05:45
もう買わないと言いながら、今年買った本やいただいた本はかなりの数になりました。その中では、梅沢 俊さんが6月末に発行した『北海道の草花』は、最もセンセーショナルなものでしょう。とにかく梅沢さんの仕事の集大成として発行されたのですから。
梅俊図鑑
 (道新WEB 2018.6.26 より拝借…m(__)m)

なにがセンセーショナルかと言えば、分類体系が従来のエングラー体系から、最新のAPG体系に完全に切り替わったことです。配列もがらりと変わってしまった上に、旧科名が書かれていないので、どこに何があるのか、索引なしに見つけることができません。いずれ覚えなければいけないと分かっていても、頭に染みついているものはなかなか切り替わらないものです。もちろん全部変わった訳ではなく、全体から見れば一部とはいえ、例えばユリ科の大分裂などとてもついていけません。大きく8科に分裂してしまいました。ツクバネソウやエンレイソウはシュロソウ科になっています。
シュロソウ科

オオアマドコロやヒメイズイによく似ているチゴユリやホウチャクソウは、なんとイヌサフラン科に放り込まれてしまってます。
イヌサフラン科

そのオオアマドコロやヒメイズイ、スズラン、ギボウシ類などかなりの数が、クサスギカヅラ(キジカクシ)科になりました。それなのに、よく似ているオオバタケシマランは、ユリ科のまんまなのです。うーーん。外来種ながら、スキラ(シラー)も同様ですが、チオノドクサもスキラ属に吸収されてしまいました。
クサスギカヅラ科

アリウムなどのネギの仲間は、一時はネギ科として独立したこともありましたが、今度はなんとヒガンバナ科に取り込まれ、スイセンなどの仲間になりました。元のユリ科は覚えるのが本当に大変です。
ヒガンバナ科

大きく変わったものに、ゴマノハグサ科があり、大半がオオバコ科に含まれてしまいました。クガイソウの花の感じは、確かにオオバコに似てなくもないですが、どうもピンと来ません。
オオバコ科

スイカズラ科も大きく変わりました。ガマズミ属やニワトコ属が一度はレンプクソウ科に組み込まれたのです。1属1種で全く目立たない地味な草であるレンプクソウが、ずいぶんと出世したものだなぁ〜と話題になったほどです。ところが昨年になって、レンプクソウ科よりも早くガマズミ科が登録されていたことが分かり、あえなくガマズミ科に組み込まれてしまいました。
ガマズミ科1ガマズミ科2

この本を買ったのは、秋も遅くだったので今年は出番があまりありませんでした。来年は春から少しずつ慣れていかないとと考えていますが、もうこの歳になると新しいことがなかなか覚えられないので、気が重いです。74歳の梅沢さんでもがんばったのだから、泣き言は言えませんねぇ…(^^;)
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