不明の桜

  • 2018.05.22 Tuesday
  • 05:57
こういう仕事をしていると、よく植物の名前を聞かれます。身の回りにあるものならだいたい分かるのですが、たまにはう〜ん…となってしまうものがあります。先月の末に富丘西公園で行った作業の際に、毎度参加してくれるHさんが、うちの近所の道路に誰かが勝手に植えたサクラが咲いてるんだけど、今ころ満開になるのってなんてサクラか分かるかい?と聞かれました。終わってから行ってみると、本来ナナカマドの街路樹なのに、ここだけに2本の白っぽいサクラが満開になっていました。4月29日なので、エゾヤマザクラやソメイヨシノよりかなり早咲きです。
富丘の桜

株元からたくさん発生しているひこばえ状の小枝にも、花がたくさん咲いているという不思議さ。サクラの品種は数百種もあり、道内にもいろんな品種が持ち込まれているのでしょうが、こうなるととても分かりません。多分植えたであろう地先の人に、ヒアリングするのが近道でしょうね。
株元の花

そうしたらその数日後、テレビ塔の運営会社から電話がありました。テレビ塔の真下に植えてあるサクラのうち、1本が品種不明なので調べて欲しいというのです。昨年も依頼があったのですが、花を見なきゃ分からないので来年電話ちょうだいねと言っておいたら、忘れずに連絡してきました。左はソメイヨシノ、真ん中はサトザクラ ‘関山’であることは間違いないのですが、右端の木を調べて欲しいとのこと。樹形からすると、セイヨウミザクラ(いわゆるサクランボの木)だろうとの見当は付いていましたが。
テレビ塔の桜

この木には以前、「オオシマザクラ」のラベルが付いていました。なんでこんなラベルが付いていたんだろうとあとで聞いたら、ある「専門家」に調べてもらったので付けたものだそうです。オオシマザクラがどんなものなのか、その方はちゃんと分かっていたのかなぁ? 松山城の天守閣の前に植えられていたり、今回も松前の桜見本園でも咲いていました。本物のオオシマザクラは、矢印のように花柄が途中から分岐しています。
オオシマザクラ松前

松前に行く前の日に早速見に行くと、既に開花が始まっており、花を観察することができました。セイヨウミザクラと観賞用の各種サクラの違いはいくつかあり、その一つがガク片が、開花と共に大きく反り返る点です。間違いなくその特徴を示していました。
ガク片の様子

もう一つの特徴が、花芽を包む鱗片葉が、サクラ類では開花時にはほとんど散ってしまうのに対し、セイヨウミザクラでは残っている点です。これも間違いありません。
花の咲き方

葉の特徴では、サクラ類では葉の縁の鋸歯が鋭く尖るのに対し、セイヨウミザクラでは鈍鋸歯(どんきょし)といって、丸みを帯びた鈍い鋸歯になっています。これも間違いありませんでした。
葉の比較

セイヨウミザクラは自家不和合性が強く、一本だけではサクランボが成りません。何品種かの花粉をかけてやると、サクランボが成るので、品種まで確定することができるかもしれません。これがサクラの品種の一つであると、富丘のサクラのようにまず確定することは難しくなりますが、これは明確な違いを持っているので、容易に確定することができ、費用もうんと安くしてあげたのでほとんどボランティアになってしまいました…(^^;)

関山満開
先日のガイド研修の際には、ソメイヨシノとセイヨウミザクラは既に花が終わり、まん中の関山が満開に。でもそのうち両側の木はどんどん大きくなっていくので、関山は挟まれて衰退してしまうでしょう。今だけの艶姿を楽しんであげて下さい。
コメント
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2018 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM