松前の桜

  • 2018.05.08 Tuesday
  • 05:58
道内でサクラと言えば、函館ではソメイヨシノ、その他の地域ではエゾヤマザクラとなりますが、松前ではどちらも主役にはなれません。もともと江戸時代から、京や江戸などから持ち込まれたと考えられるサトザクラ系の品種が、町内にあったことに加え、戦後松城小学校に赴任した浅利政俊先生が、『花守』としてたくさんの品種を育成したことによるのです。
浅利政俊先生

この時期に、圧倒的な存在感を示すのが『血脈桜』から接ぎ木で殖やされた‘南殿(なでん)’です。本当にどこを向いても南殿だらけと言ってもいいくらい。札幌でサトザクラと言えば99%‘関山(かんざん)’しかありませんが、ところ変わればなんですねぇ。関山は遅咲きなので、普賢象(ふげんぞう)と共にまだつぼみでした。
南殿

ある墓地の横に、南殿なんだけれど、枝によって真っ赤な花と白っぽい花とか混じっている木がありました。あえて名付ければ「源平南殿」とでもいうのでしょうか。枝変わりによって、いろんな形質が発現することは十分考えられます。
源平南殿

一際目立つ濃い紅色の花は、‘紅豊(べにゆたか)’。浅利先生が、‘南殿’に八重咲きのサクラを交雑して作られた品種だそうです。どのくらい耐寒性があるのか分かりませんが、札幌にも植えてみたくなる花です。
紅豊

南殿と共に満開になっていて、色的にもすごく調和していたのが‘雨宿(あまやどり)’。ほんのりピンクが差していて、品のある花を咲かせていました。本数もたくさんあったので、きっと人気があるのでしょう。
雨宿

ここには、全国各地のサクラの名所から導入された品種があります。日本花の会の圃場や、通り抜けで有名な大阪造幣局、各地の桜研究家から導入されたものなどです。この‘東錦(あずまにしき)’は、その名の通り江戸系の古い品種だそうです。
東錦

シダレザクラは、札幌でもあちこちに植えられるようになってきました。あまり大きな木はありませんでしたが、きっとどんどん大きくなって存在感を放つようになるでしょう。これは八重咲の‘八重枝垂(やえしだれ)’。色が濃くて見事でした。
八重枝垂

城内の、立ち入りできないところにあった枝垂れ系のサクラは、‘仙台枝垂’という品種だそうです。あまり見たことのない形でした。
仙台枝垂

札幌でも稀に植えられていて話題になるのが、‘御衣黃(ぎょいこう)’と共に黄緑色の花を咲かせる‘鬱金(うこん)’です。江戸の荒川堤のシンボルだった御衣黃に対し、江戸時代から京都知恩院に植えられていたのが鬱金だそうです。
鬱金

サトザクラを中心に、これだけのサクラの品種が町中で見られるのは、多分全国でもここだけでしょう。浅利先生も高齢になられましたが、今でも技術指導に来られているそうです。先生の技術を受け継ごうと、役場の職員や町民のボランティアががんばっているからこそ、これだけのサクラが維持されているのですから、北の造園遺産に認定して、本当によかったと改めて思ってしまいました。
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