クマザサ異聞

  • 2012.11.16 Friday
  • 07:19
これまであちこちでササ刈りをやってきていますが、何もササのことが嫌いなわけではありません。
若くして亡くなった緑化関係の先輩から、「なぁ笠君、ササの悪口は絶対に言っちゃいかんぞ。足を向けても罰が当たるからな!」と脅されたことを思い出します。急峻で雨の多いわが国の国土は、ササがあるからこそしっかりと護られているんだからな、ということだったのです。
葉の落ちたこの時期になると、林床に生き生きとしたササが現れます。常緑のササには古来生命力を強く感じたようで、門松や注連飾りにもササが登場することになるわけです。

とはいえ、私の現場では、場所によっては刈り取りを行わなければならないこともあります。そういうときには、刈らせていただくところと、手を付けないところの区域分けをしっかりとやり、すみませんがここは刈らせて下さいとお願いして作業をやっているのです。
ササ刈り
(星置緑地で行われているササ刈り 2012.10.21)

札幌近辺で一番普通に見られるのは、葉の葉の広いクマイザサです。これは別名をチマキザサといい(葉の裏に毛のないものをチマキザサとする場合もあります)、チマキなどを包むのに使われます。ところが、道内では99%くらいの方が「熊笹(くまざさ)」だと思い込んでいることと思います。そりゃ私だって、家の裏山にクマが住み着いてしまったため、ササがガサゴソいうたびに、ビクッとしながら毎日走っているわけですから、熊と笹はとってもなじみがいいというか、ぴったりのイメージがあるからです。
熊笹茶
(すみませんが、ネットからお借りしました…m(__)m)

でも本当の名前は、「クマイザサ」です。決して熊肝笹ではなく、『九枚笹』が本当の名前です。なかなかよく育ったササヤブでしか見つけられませんが、確かに九枚あるササを見つけることができます。しかし、わざわざ九枚のものがあったからといって、それが普通でもないのに、なんでこんな紛らわしい名前を付けなければならないのでしょうね。学者○○のやることは理解しかねます…
九枚笹
(たまに見つかる九枚の葉があるクマイザサ  円山公園で 2011.8.19)

もう一つ紛らわしいクマザサがあります。本州の庭園に行くと、必ずといっていいほど植えられている、葉の縁が白く縁取られているササがクマザサです。要するに、白く隈取りされているササというわけです。
隈笹
(白く隈取りされたクマザサ(隈笹) 須磨離宮公園 2007.4.16)

ササヤブに入るとマダニがいるので、山では絶対に入りたくありませんが、手稲区の公園では今のところ大丈夫なようです。ササ刈りをしていると、時にこんなものが見つかります。これは『笹魚(ささうお)』といって、ササウオタマバエが卵を産み付けたために変化した虫こぶなんだそう。古来、笹魚がポトンと流れに飛び込んでイワナになるという迷信があったそうで、ネット検索をかけると、見間違いそうな笹魚がたくさん出てきます。
笹魚
(まだ小さな笹魚  星置緑地で 2011.7.27)

ササと魚のなじみが特にいいわけではありませんが、ササの葉には強い殺菌作用があるので、食べ物の保存にいろいろと使われてきました。確かに、プラスチック製のものでは、絶対に代わりが効かないものがまだまだあるようです。
ますのすし
(富山名物ますのすし 2002.3.9)

明治の開拓期に本州から渡ってきた農民は、みんなササで作った小屋で冬を過ごしたわけですから、決して足を向ける訳にはいきません。雪に覆われるまでの少しの間、ササの緑を楽しみたいものです。
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