外来植物との付き合い方

  • 2017.07.02 Sunday
  • 06:00
大島調査の際には、松前港を早朝に出港するので、前日は松前に泊まる必要があります。初めの頃は町中の旅館に泊まっていましたが、そのうちに、かつて渡島大島を管轄していた江良(旧大島村)にある民宿に泊まるようになりました。随分と世話になった大島漁港期成会の漁師さんが、弟が戻ってきて民宿始めたので、そこに泊まればいいべや〜となったのです。そのすぐ近くの海岸には、結構珍しい植物が生えているので毎度散策していたところが、10年ほど前に珍しい植物を見つけました。2年後にようやくその正体が、国内で数例しか見つかっていないトキワアワダチソウという帰化植物だったことが分かったのです。
図鑑
   (「日本帰化植物写真図鑑 第2巻」 全国農村教育協会、2010 より)

ところが、その後も観察を続けていると、周辺に自生している道南特有のオオアキノキリンソウと交雑し、雑種を作り始めているらしいことが分かってきました。これは遺伝子汚染という点で、極めて危険なことなのでなんとかしなければと焦ってきたのです。簡単に抜き取れる株数ではなくなってしまっており、どうしたものかと思っているうちに、どんどん生育範囲が広がって参ったなぁ…と。ところが今回行ってみると、海岸に簡単に下りられるよう、土砂を押し広げて斜路が作られ、これらの生育地がきれいに押しつぶされていたのです。
自生地

よくみると、土砂をかぶらなかった株はほんの数株で、地中深くからようやく芽を伸ばした小さな株がちらほら見つかる程度。これならなんとかなりそうだということが分かったのです。
埋まった株

そこで島から戻って再び現地に行き、トキワアワダチソウと雑種と思われる株をすべて抜き取ってしまいました。
抜き取り

造成前であればこの何十倍もの数だっただけに、ある意味とてもラッキーでした。実は北大の先生に遺伝子分析してもらおうと、それぞれのサンプル株は札幌の某所で栽培しています。今年はそれを分析してもらい、その顛末を何かに報告しようと考えています。
抜き取られた株

帰化植物を水際で発見し、それらをすべて駆除することができたというのは極めて珍しい事例になりそうです。園芸や緑化植物として大量に持ち込まれている外来種の中で、このような遺伝子汚染が発見されること自体、極めて珍しいことなので、しっかりと確認をする必要があるのです。
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