山笑う

  • 2012.05.06 Sunday
  • 08:28
桜前線が町から少しずつ登ってきて、我が家のあたりを通り過ぎつつあります。
今年はコブシが裏年のため、あんまり花を見かけませんでしたが、エゾヤマザクラのピンク、イタヤカエデの黄色、カツラの赤、シラカンバの早緑と、この時期の山は日本画に描かれているかのような美しさです。

ばんけい1
盤渓峠付近(2012.5.6)

俳句の季語になっている「山笑う」というのは、まさにこの時期の落葉広葉樹林の山のことだと思うのですが、はたして私の故郷である四国の山も、春先にはこんなに笑ったのかな?と考えてしまいます。

  故郷やどちらを見ても山笑ふ  子規

というのは、子規は秋山兄弟たちと同じく城下の育ちで、間近に見たのは松山城のある勝山しかないからです。この山は常緑広葉樹であるカシやシイ、タブなどに被われた真っ暗な森で、今時期に新芽が開いていくらか変化がありますが、北国の鮮やかな落葉広葉樹林を見慣れてしまった私には、ただただ鬱陶しいとしか感じられません。

松山城
勝山登山道(2011.4.10)

東京で長らく臥せっていた子規は、故郷を思うあまり、このような少し美化した句を残したものでしょうか。

もともとの出所は、Wikiによれば、「郭熙の画論『臥遊録』の「春山淡冶にして笑うが如く、夏山蒼翠にして滴るが如く、秋山明浄にして粧うが如く、冬山惨淡として眠るが如く」からきているとされる。」とあります。「淡冶(たんや)」とは、色が淡く艶めかしいことを意味しているとあるので、まさにこの時期の北国の山のようだと言えるでしょう。

ばんけい7
イタヤカエデの多い林(2012.5.6)

それにしても、こんな言葉は絶対に英語では表現できないだろうと思います。直訳すれば当然「Mountain laugh」になってしまうし、はたしてどう意訳できるでしょう…

このような、微妙な色彩の変化が味わえるのもあとわずかです。北国の春は本当にあわただしいです。


峠の向こうの盤渓は、サクラがちょうど満開になり、今日が一番の見頃という感じです。

ばんけい3
ばんけい苑付近(2012.5.6)

ここのエゾヤマザクラのうち、1本すばらしく美しい木がありました。このような個体を増殖すれば、もっと北国の桜のイメージも変わることでしょう。

ばんけい5
花が特に艶やかなエゾヤマザクラ(ばんけい苑の駐車場)
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