コハマギクとピレオギク

  • 2012.10.13 Saturday
  • 07:19
道内産のノギクでは、最も遅く開花してくるのがコハマギクとピレオギクでしょう。コハマギクは太平洋岸、ピレオギクは日本海岸という違いがありますが、両者は大変よく似ています。
コハマギク
(滝野公園のドライウォールで咲いてきたコハマギク 2012.10.10)

根室から、太平洋岸に沿って渡島まで自生しているのが、コハマギク(Chrysanthemum arcticum subsp. maekawanum)で、本州に渡って竜飛崎から太平洋岸を下り、茨城県まで分布しています。本種はアラスカからアリューシャン半島、千島列島を経て根室まで分布しているチシマコハマギク(Chrysanthemum arcticum subsp. arcticum)が基本種です。
チシマコハマギク
(梅沢俊さんのカレンダーは、今ちょうどチシマコハマギクです)

これから亜種として区分したのが、研究室の初代教授であった前川徳次郎先生だったので、学名にmaekawanumと名を残しているのです。圃場には昔からコハマギクがありましたが、現在は無くなってしまっているので、私の庭に避難している株を戻さなくてはと思っています。これを元に研究した株かもしれないからです。
コハマギク
(昔大学の圃場から分けてもらったコハマギク 2012.10.13 自宅で)

これに対してピレオギク(Chrysanthemum weyrichii)はもっと複雑です。道内では石狩から後志、渡島などの日本海岸に生えていますが、本州では加賀白山や大台ヶ原山など山地に点々と隔離分布し、長崎の海岸まで分布しているイワギク(Chrysanthemum zawadskii)と一緒にされることもあります。
ピレオギク
(かなり典型的なピレオギク カントリーガーデン峠の庭で)

イワギクは、東アジアからシベリアを経て、ヨーロッパ東部のカルパチア山脈まで分布があるので、それぞれの地域のものでは、本当に同じなの?と思えるほど形質が違っていることがあるので、とても悩ましいのです。カントリーガーデンに植えてある‘クララカーティス’というキクも、学名はイワギクと同じになっているので、本当かなぁと疑ってしまいますが。
クララカーティス
(クリサンテムム‘クララカーティス’ カントリーガーデン花のテラスで 2001.8.19)

日本海岸でも小樽付近のものは、昔からエゾノソナレギクの名で別種にされていたこともあります。子どもが小さいころ小樽水族館によく行きましたが、トドなどのプールがある海岸に下りていくと、崖にたくさん咲いていたのがこれです。
小樽水族館
(20年以上前に撮したもので、日付が行方不明でした…)

ピレオギクの葉は、かなり細かく切れ込んでいるのですが、エゾノソナレギクはあまり切れ込まず、コハマギクと見分けが付きにくいです。典型的なピレオギクの花弁は、かなり細いのですが、これは重ねも厚く、見分けが付かないですねぇ…
エゾノソナレギク
(カントリーガーデン峠の庭で咲いているエゾノソナレギク 2012.10.8)

ピレオというのは、カラフトの地名に由来しているそうですが、カラフト系のピレオギクには、7月に開花するピンク色の花を咲かせるものがあります。こうなると、何がなにやら分からないというのが本音ですね…(>_<)
樺太系

だいたい学名にしても、学生の頃はChrysanthemum(クリサンテムム)だったのに、その後細かく分けなければということで、Dendranthema(デンドランテマ) に変わっていたと思ったら、最新分類ではまたChrysanthemumに戻っているという、訳の分からない状態です…
まぁ分類なんかは学者○○に任せておけばいいことで、秋遅くまで咲き続けるコハマギクをしばらく楽しみたいものです。
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