ばらの勧銀

  • 2016.11.04 Friday
  • 05:57
今年の春に松山から母を連れてくることになり、家の中から必要なものを大急ぎで荷造りしました。もともと私が住んでいた家ではないので、どこに何があるのやらよく分からず、2階の物置部屋で片っ端から箱を開けて、いるものいらないものに分けていました。古い写真が一箱出てきて、よく見て行くと戦時中に結婚した両親が、軍刀を片手にした写真が出てきたり、祖父の兄は鹿児島からアメリカに移住したのですが、ある程度落ち着いてからシアトルで撮した家族写真だったりと、びっくりするようなものが出てきて、そんなものを山ほど持ってきました。

その中に懐かしいものを見つけました。ペラペラの日本手ぬぐいですが、「ばらの勧銀」とだけ描かれています。
バラの勧銀

勧銀とは日本勧業銀行の略で、私が小学生の頃、支店長がオヤジの旧制中学時代の同級生だったこともあり、何かとつきあいがありました。毎月診療報酬の書類を医師会に持っていくのですが、その時にくっついて町に出かけたことがあります。三番町にある勧銀の支店長室に通され、白いソファーに落ち着かなく座って、二人が話しているのを見ていました。そのあと銀天街から少し入った路地にある「京六」というなじみの鮨屋に行くのが楽しみだったらしく、ひとしきり飲んで、帰りはタクシーで家まで帰りました。妙にはっきりと覚えているものです。

当時都市銀行で松山に支店があるのは勧銀しかなく、北海道に来る時に銀行口座は第一勧銀にして今に至っています。(今はみずほに変わりましたが) なので勧銀には妙に思い入れがありました。シンボルがバラで、しかもカレンダーとか手帖の表紙とか、絵はずっと熊谷守一(くまがいもりかず)が描いていました。年末のカレンダーの入れ替えは私の仕事だったので、診察室のカレンダーは必ず勧銀のもの、待合室には地元の伊予銀行のものと、それぞれ置き場所が決まっていたのです。

    バラ1
  (ネットで探してみましたが、さすがに勧銀のカレンダーは出てきませんでした。)

昭和天皇が熊谷の絵を見て、「これは何歳の子が描いたものか?」と聞いた話は有名ですが、シンプルだけど、力強い絵がとても印象的です。この手ぬぐいの絵柄は、線だけでバラを表現していて見事です。よれよれの手ぬぐい一枚ですが、額に入れておこうかな。
コメント
勧銀のバラの手ぬぐいのデザイン、すごく素晴らしいです。眺めて飽きないですね。いいものを見させていただいてありがとうございます。
藤川さま

今年もあちこちお疲れさまでした。
勧銀のカレンダーでも保存されていればよかったのですが。
とてもすっきりして味があります。
  • こまめ
  • 2016/11/06 8:59 AM
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM