ハルニレ3姉妹

  • 2016.09.06 Tuesday
  • 05:52
日曜日に母を連れて植物園に行って来ました。車椅子を押して宮部記念館の横を通り過ぎる時、芝生の中にこんもりとした場所が。とうとう伐られてしまったんだなぁと、ちょっとしんみり。
痕跡

ここには、辻井先生が園長時代、ハルニレ3姉妹と名付けた立派なハルニレが3本、きれいに横に並んで立っていたのです。3兄弟にしなかったのはさすが辻井先生。アイヌの世界では、ハルニレは暖かい火を提供してくれる女神なので、女性でなければならないのです。
マップ

そんな3姉妹の長女?が、伐られそうだという話は春から聞いていました。安全第一に考えれば、このような「危険木」は真っ先に伐られても仕方ないのです。そこで開園して間もなく、この木にお別れを言いに行ってきました。一度は台風でへし折られながらも、よくここまで持ち直したなぁ…と感慨にふけってしまいました。
3姉妹
 (在りし日のハルニレ3姉妹。赤丸部分の枝が、新たに伸びた枝です。  2016.5.3)

というのは、12年前の2004年9月8日の台風18号によって、道内の樹木は大被害を受けてしまいましたが、このハルニレも上から1/3くらいのところからへし折られてしまいました。これだけの被害を受けたのに、すぐに伐採されなかったのは、辻井先生がまだご健在だったからなのでしょうか?
台風直後
 (台風の被害直後のハルニレの様子   2004.9.11)

さらに、あろうことか記念館前にある札幌で一番古いライラックを直撃し、重たい枝葉で押しつぶしてしまいました。この頃はまだ「日本で一番古くて大きい」と自慢のライラックだったのです。
ライラック

そんなハルニレは、残った幹からたくさんの枝を伸ばし、ほとんど元通りの大きさまで新しい枝葉を伸ばしてきていたのです。それでもこの幹の状態を見れば、いつ倒れてもおかしくない!とびびってしまうのでしょう。枝を軽く切り詰め、不要な枝を強めに透かして風圧を軽減すれば、風で倒れることもなくなるのですが、高所作業車を入れて作業をするのは結構お金がかかるのでしょう。あっさりと伐採されてしまったのです。
空洞

園内を一回りして博物館の前に戻って来た時に、メタセコイヤの隣に立っていたハルニレが、先日の台風の強風で倒れてしまったのでしょう。メタセコイヤの枝を巻き込んで、どっさりと横たわっておりました。この木もついでに伐っておけばよかった…と思ったことでしょう。
倒木

でもその幹を見てびっくり。中に大量のコンクリートが詰められていました。半分くらいで折れていたので、合わせれば2トンくらいのコンクリートになりそうです。こんな乱暴な「治療」が、植物園でもまかり通っていたのですからびっくり。ちゃんと正しい治療をしておけば、こんなことにはならなかったろうに… 冷たいコンクリートを腹一杯詰め込まれていたハルニレがかわいそうになってしまいました。なんとも情けなくなるような出来事です。
コンクリ詰め
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