釧路八重

  • 2016.05.28 Saturday
  • 05:59
先日滝野公園に行った時に、ここのパークゴルフコース沿いに植えられている‘釧路八重’が何本あるのか確認してみました。奥の方まであちこちに6本点在しており、つどいの森の植栽後、このコース整備に合わせて植えられたものであることが分かりましたが、意図的に植えられたものかどうかは分かりません。でもガーデンでもないところなので、おそらく普通のエゾヤマザクラに紛れ込んだものとしか考えられませんでした。あまりにももったいないので、カントリーガーデンに移植しようと画策しています。
滝野公園

‘釧路八重’がまとまって植えられているところといえば、なんといっても十勝ヒルズが一番です。ここには普通のエゾヤマザクラはガーデン内にはほとんどなく、あとはソメイヨシノが1本とか、小さなシダレザクラが数本しかありません。よほど前のオーナーが気に入って集めたものでしょう。釧路の方が、釧路でもまとまって見られる場所がないので〜と毎年のように見に来るとか。
十勝ヒルズ

この品種は、その名の通り釧路で生まれたものです。園芸業を営んでいた稲澤六郎さんが、釧路の厳しい環境でも楽しめるいい品種が作れないものかと、色の濃いエゾヤマザクラのタネをせっせと播いている中から、八重咲きで色の濃い株を見つけたといわれます。このように突然変異から生まれたものなので、その増殖は栄養繁殖によるしかなく、苦労の末エゾヤマザクラを台木に接ぎ木して増殖されていったのです。そして1981年には、農林水産省の品種登録を受け、正式にエゾヤマザクラの品種と認められています。
   品種登録

私はこの木のことは知っていましたが、実物を見たことは最近までなく、ノーザンホースパークの整備のお手伝いをしている時に、植えられたエゾヤマザクラの中に八重咲きのものが紛れ込んでいるのに気付きました。2007年のことです。あれから10年経ったので、それなりに大きくなっていることでしょう。
ノーザン

その次に出会ったのは、2012年に新得町の狩勝園地でウメの調査や剪定の指導をしている時に、エゾヤマザクラの中に数本混じっているのに気付きました。でも植えられている環境がよくないため、ほとんど気付かれることもないことでしょう。
狩勝園地

その時には新得駅前の旅館に泊まっており、毎朝早くに町中をうろついていたので、新得神社の参道にまとまって植えられているのを見つけました。こちらは木の状態もよく、樹形もこの品種特有のコンパクトなものがありました。
新得神社

札幌市内にも多分あちこちに植えられていることと思いますが、私が気付いたのは手稲駅前でのみ。手稲区のタウンガーデナー「ノンノ」の方達が駅前のロータリー内の花壇整備を始めたので見に行った時に、ふと見上げると‘釧路八重’が咲いているのに気付きました。
手稲駅前

本場釧路では、街路樹や公園などにたくさん植えられているとは聞きましたが、残念ながら花時に行ったことがありません。ネットで調べてみると、鶴ヶ岱公園や柳町公園などにはある程度まとまって植えられているようです。稲澤さんが亡くなられたあと、娘さんがその遺志を継いで増殖に励まれたようですが、現状ではどうなっているのかよく分かりません。少なくとも新たな苗木が流通していないので、増殖もされていないのかもしれません。
エゾヤマザクラにはきちんとした品種がほとんどなく、この‘釧路八重’はその意味からも貴重なものです。しかも花期が遅くてサクラのしんがりになること、濃いピンクの花弁が200枚を越える菊咲きになること、樹形が卵形で整っていることなど、とても優れた形質を持っています。接ぎ木ができる職人がどんどんいなくなっているけれど、東北には果樹の苗木生産のしくみが残っているので、そこで接ぎ木することはまだ可能です。北海道が生んだ貴重な遺伝資源をもっともっと活用したいものです。
コメント
ブログの場をお借りして申し訳ありません。
札幌市内でカタルパが植栽されてる所はありますでしょうか。
教えて頂ければ、幸いです。
  • patyco
  • 2016/05/28 6:23 AM
patycoさま

いつもありがとうございます。
カタルパとはキササゲですか?アメリカキササゲでしょうか?

キササゲはたくさんありますが、アメリカキササゲは本当に少なくなりました。
そのうち記事にしておかなくてはいけませんね。
  • こまめ
  • 2016/05/28 7:27 AM
早速ありがとうございます。

いろいろ、ネットで見ましたが、謂れ含め種類もあるようですね。

アメリカキササゲは、札幌にもありますか?
いずれも植物園界隈でいかがでしょう。
見分けるポイントはどうでしょう。
  • patyco
  • 2016/05/28 8:52 AM
釧路八重 私の釧路の実家に当初売り出された時に買った樹が大きくなってあります(5本植えてそのうち2本がとても大きくなりました)が接ぎ木のため寿命が近づいているらしいです。(釧路の新聞にそう出ていたのを見たことがあります)釧路では葉が先に出ないのでとても綺麗に咲きます。2007年に釧路の思い出に北広島市の私のうちに釧路の業者(竹川造園さん 今はない その頃はまだ苗が流通していました)に持って来てもらい植えてもらったのですが北広島では先に葉が出るので少しくどい咲き方になってしまいます。やはり釧路ならではの綺麗さかともいますが。寿命が来てしまうのが残念ですので是非接ぎ木で品種を絶やさないようにしていただきたいです。ご尽力お願いいたします。樹自体は結構巨大になりますので普通の住宅には向かないかもしれませんが品種が繋がっていくといいですね。列植するよりはシンボルのようにす植える方が映えます。(個人的に 八重桜は列植には向かないと思っています)
  • aura
  • 2016/05/28 10:47 AM
auraさま

貴重な情報ありがとうございました。
接ぎ木ものの寿命は最近問題になっていますが、釧路八重の場合、まだ世に出て40年ほどなので、まだまだ大丈夫だと思います。

なんとか普及の道を探っていきたいと思ってます。
釧路はちょうど今が見ごろでしょうね。見に行きたいなぁ…
  • こまめ
  • 2016/05/29 7:57 AM
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