ネムノキの耐寒性について

  • 2012.09.12 Wednesday
  • 07:13
8月14日に話題にしたネムノキについて、耐寒性に関する質問をいただきましたが、コメント欄だけでは書き切れそうもないので、こちらで検討してみましょう。

質問内容は次の通りです。
私は道北の旭川市の近隣の愛別町というところに住む者です。鉢植えのネムノキを毎年5月になると露地に下ろし、夏の間外で花を楽しんだあと、また晩秋に鉢に戻して屋内の比較的小寒い部屋で寝かせてまた春に露地へ・・・。ということを繰り返しております。
しかし、年々幹や枝が大きくなり、玄関の出し入れもままならない状態になってきております。そこで、露地に下ろしたままで果たして冬を越せるのか考えているところですが、写真を見る限り大丈夫なようですかね?

ネムノキ
(写真はうちのネムノキで、イメージです…(^。^;;)

部屋の中に横たわっているネムノキを想像すると( )^o^( )、大変な苦労をされてネムノキを楽しまれているようですね。なんとかなるものなのか、いろいろと調べてみましたのでご報告します。

ネムノキは、この仲間の中では最も耐寒性が強いのですが、植物の耐寒性を示す指標であるハーディネスナンバーを調べてみると、7aになっています。これを地図上で確認すると、次のようになっていました。

ハーディネスゾーン
(「北国のガーデニング」札幌商工会議所、2012)より

7aとなると、渡島半島や胆振日高の沿岸部くらいとなり、このエリアではほとんど傷まないで栽培が可能ということになります。札幌のように隣接する6bのエリアでは、場所によっては傷むけれども、うまくやれば栽培できる可能性もあり、ほぼ実態に合っているように思います。
Kさんは上川の愛別町にお住まいなので、ゾーン5となりますので、これから見るとかなり厳しいことが予想されます。

もう一つ、実際に足で稼いでまとめたデータがあります。データをとりまとめたのは北海道林業試験場の緑化樹センターで、(社)北海道造園緑化建設業協会が2005年に発行した『北海道の緑化樹木の地域適応性』という冊子にまとめられています。これよると、ネムノキについてはこのような評価になっています。

栽培特性

これには、岩見沢以北での生育はやや不良であった とあるし、適否の地図でも要注意と不適の境目あたりにあるので、愛別ではやはり厳しいことが分かります。

実際の気温がどのくらいなのか、気象庁のアメダスデータを見てみました。愛別にはポイントがないので、隣接する比布のデータを見ると次のようになっています。

(気象庁のホームページから 1981年〜2010年までの30年平均値)

最寒月である1月の最低気温の平均値は、比布の場合−14.3℃なので、札幌の−7℃に比べればかなり寒いです。1月だけでなく、12月〜3月までの低温は、札幌に比べてかなり低いようです。
アメダス札幌

このように、少なくともいろんなデータを見る限りは、御地でネムノキを露地越冬することはかなり厳しいと考えられます。小さなうちから慣らしていけば、ある程度までは越冬するものはよく見かけ、札幌でもイチジクやカキ、ザクロなどが成っていることもありますが、年によっては大きく枯れ込むこともあります。

一度大きくなったものを小さくするのは難しいですが、これ以上大きくしないためには、鉢のまま育てることですね。夏に露地に下ろすとどうしてもワンサイズ大きくなりますので、春に鉢から抜いて根鉢を小さくして同じ鉢に植え替え、そのまま育てることです。枝の伸びや花着きは当然悪くなりますが、このままではにっちもさっちもいかなくなるのは目に見えています。秋にギリギリまで切り詰めているので、サイズ的には同じくらいに維持できるでしょう。
家の出し入れが厳しいようですので、いずれは町の施設などに貸し出してはいかがでしょうか?夏の間は玄関先などで花を楽しみ、冬になればロビーに入れて越冬可能でしょう。どうしても家での栽培が厳しくなれば、このような方法も考えられます。もちろんそれまでに、タネを播いて後継樹を育てておけば、また家で楽しむこともできますから。

部屋に横たわっている姿はあまり想像したくありませんが、かといって厳しい寒さに晒すのもなぁ…というところで、よく検討してみて下さい。
コメント
詳しいデータなども引用していただきありがとうございます。やはり道北では外で冬を越すのは難しいようですね。枝を剪定して極力今の大きさを越えないようにしていきたいと思います。この度はありがとうございました。
  • 小森  優
  • 2012/09/12 7:23 PM
登別ですが、富岸川の横に大きなネムノキがあるのを先日見ました。夏は天候も悪く寒いのですが、育つんだなーと思って見ていました。
この辺りのハーデイネスゾーンは7aですが、個人的には草花は6bかな?と思っています。
  • s_pooh
  • 2012/09/12 8:00 PM
コメントありがとうございます。
ハーディネスゾーンマップは、越冬性に関しての目安であり、最低気温を指標に機械的にマップを作っていますので、実態とのずれは当然あると思います。
最低気温だけに着目しているので、オホーツク沿岸や釧根地方も6bになっていますが、栽培的には全くそんなことはありません。これについては、私の先輩がこの地域の特異性を解明した画期的な論文を発表しているくらいです。
やはり草の根の情報を集めていくことが大切だと思いますね。これからもよろしくお願いします。
  • こまめ
  • 2012/09/13 7:18 AM
美唄で大きなねむの木が毎年咲いています。
種が落ちて地生えした若木を旭川に持って来て庭に植えています。
大きくなるのが早く立派に育っています。涼しげでピンクの花も可憐です。
通りすがりの方に何の木かよく尋ねられます。
寒さに弱いんですね、大事にしたいと思います。
  • マンボウ
  • 2017/05/31 3:22 PM
マンボウさま

コメントありがとうございます。
旭川は夏が暑いので、その分生育がいいのかもしれません。
若いうちから育てていれば、徐々に耐寒性が強くなるので、意外ともっているのでしょう。
大切に育てると共に、回りにも子供を分けて増やして下さいね〜
  • こまめ
  • 2017/06/01 7:54 AM
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