珍しい帰化種のアワダチソウ

  • 2012.08.24 Friday
  • 07:39
前線の通過と共に、蒸し暑さもさっと吹き寄せられ、いきなり涼しくなりました。
今朝もいつも通り盤渓近くまで行ってから、そういえば昨日、このあたりでクマが何度も目撃されたと、ニュースで言ってたことを思い出しました。向こうから会いに来ることはないよなぁと、勝手に判断しておきましたが、なんでこんなところまで出て来るのでしょうね。はぁっ。

昨日がオオアワダチソウの話題だったので、もう一つ同じ仲間の珍しい帰化種について。
毎年調査に行く渡島大島へは、松前町の江良というところから渡ることが多いのです。ここが島までの最短距離の地点になります。ここの民宿で泊まるときに、必ず前浜の海岸を散歩して、道南特有の植物を見て歩きます。
これまで一番びっくりした発見は、てっきり漁網が捨てられているのかと思ったものが、アメリカネナシカズラだったことです。

アメリカネナシカズラ
道内では他に記録されていないアメリカネナシカズラ (2007.6.24)

これがヒルガオ科の植物と言っても信じられない姿ですが、他の植物に覆い被さって、栄養分を略奪する、怖い寄生植物です。なんでこの海岸に生えていたのか、いまだに謎ですが、翌年には確認できなかったので、この年が道内で唯一の確認記録になりました。

拡大
こんな気持ち悪い植物があるのかいな…

その時すぐその横に、ベロンとした厚い葉の植物があるのに気付きましたが、さっぱりなんなのか思い当たりません。戻ってから図鑑をあれこれ調べても、さっぱり行き当たらないのです。
その年はいつも行く6月に加えて、9月の調査がありました。今までとは違う時期なので、花が咲いているかと思いきや、まだつぼみの状態でしたが、キク科であることは分かりました。

トキワアワダチソウ
肉厚ですべすべした厚い葉を持っていた (松前町江良 2008.9.14)

翌年の9月に見たときにも、よく分からないので、いつも一緒に行くH氏が、株を持って帰って花を咲かせれば分かるかもしれないと、一株持って帰ったのです。すっかり忘れていた頃、H氏から電話で、「花が咲いて確認したら、どうもアメリカ産のSolidago sempervirensらしい」とのこと。調べてみると、確かにそんな感じだったのです。

トキワの花
札幌に持ってきて花を確認したトキワアワダチソウ (市内某所で 2008.10.22)

そこで『帰化植物メーリングリスト』という、全国の植物関係者が入っているメーリングリストに投稿すると共に、世話人の方に画像を送って確認していただいたところ、やはりSolidago sempervirensで、和名がトキワアワダチソウ(アツバアワダチソウ)という、国内でも数例しか確認されていない、珍しいアワダチソウの仲間であることが分かったのです。

アメリカネナシカズラが2007年に突然生えてきたことと、その頃にトキワアワダチソウが生えてきたことに関係があるのかどうか?どちらも道内初記録であり、アメリカ原産の植物なので、いろいろ勘ぐってしまいますが、そんな不思議なものが松前に根付いているのです。

さらにもう一つ不安なことが。この近くには道南に多いオオアキノキリンソウ(S.virgaurea subsp. gigantea)が自生していますが、これと交雑を始めているようなのです。

オオアキノキリンソウ
普通のアキノキリンソウに比べて、大きくガッチリしているオオアキノキリンソウ (松前町江良 2009.9.13)

交雑種
トキワアワダチソウとオオアキノキリンソウの交雑種と考えられる株 (松前町江良 2009.9.13)

今であれば、この帰化種も自然交雑種もすべて抜き取れる範囲なのですが、そこまですべきかどうか、この二年間ずっと悩んでいます。なかなか難しい問題です。
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