宿根草カタログ

  • 2018.12.26 Wednesday
  • 05:55
先週来年の植物カタログが送られてきましたが、仕事が火を吹いていたので、山積みになっている資料の下敷きに。連休中になんとか目途をつけ、納品や打合せを済ませてようやく一息つきました。夕方戻って来て、デスク回りを片付けていると、山の下からようやくカタログを発掘することができました。こういうカタログは、紙のままだとどこに行ったか分からなくなるので、すぐにスキャンしてpdfファイルにしてしまいます。
カタログ

このナーセリーは宿根草に特化していて、今年は881種もの品種を網羅しているとのこと。ヨーロッパから直接輸入しているので、最新の情報がすぐに反映され、私にとってはなくてはならない大切な情報源になっています。今年も精力的に新品種を導入したようで、エキナケアでは26種の内、10種がニューフェースになっていました。
エキナケア

私がお気に入りの、ゲラニウム ‘ロザンヌ’のような花期の長いものをと、夏にお願いしたところ、既に入っているから大丈夫だよ〜と力強い返事が返ってきました。
ゲラニウム花

‘ピンクペニー’という品種も、夏から秋遅くまで咲き続けるので、グラウンドカバープランツとしてもとても便利だとか。
ピンクペニー

‘ロザンヌ’の突然変異種である‘ライラック アイス’は今回入らなかったけれど、これも入れてほしいとお願いしてあるので、来年には期待できるかな。
ライラックアイス

これから長い冬だけれど、こういうものをめくっていると、すぐに春が来そうな気がしてくるから不思議です。春が来ると1年はあっという間に終わってしまうので、これからの季節が、一番夢を抱くことができるのでしょうか。

クリスマスローズ

  • 2018.12.14 Friday
  • 05:46
家に、鉢植えのままほったらかしのクリスマスローズがあります。鉢を替えようか、地植えにしてしまおうか、ぐずぐずしているうち2,3年近く経って、かわいそうな状態に…(>_<) このまま冬を迎えて、来春には植え替えようと思っていたら、11月がやたら暖かい日が続いているうちに、つぼみが伸びてきてしまいました。下旬にとうとう雪が積もってしまったので、あわてて掘り出して事務所に持ってきています。
つぼみ

かなり寒い室内だけれど。屋外からみれば十分暖かく、5日ころには満開に。西洋だからローズになったけれど、これが日本だったら梅花○○なんて名前になっていたことでしょう。これはヘレボルス・ニゲル(Helleborus niger)そのものか、かなり色濃い園芸品種でしょう。ニゲル種は、本来クリスマスの頃に開花するので、これこそがクリスマスローズです。今年みたいな天気だと、このように咲いてしまったところもあるのではないでしょうか。
開花

ヘレボルスはキンポウゲ科なので、多くの仲間と同様に花びらのように見えるのはガク片です。本ものの花弁は、雄蕊の下にひっそりと隠れているけれど、ほとんど気付かれないまま散ってしまいます。
花弁

既に二番花も満開に開いてきましたが、一番花の方はだんだん黄緑色になってきました。年末には黄緑色の葉っぱのようになり、恐らく春までそのままになっているのではないでしょうか。
梅花

屋外の雪の下で冬を越せば、雪解けと共に一斉につぼみを伸ばし、4月初めには咲いてくるはずです。いやいやすっかり寝過ごしてしまったぜぃ。クリスマスなんかとっくに終わってしまったよ〜なんて、思っているかもしれません。
屋外

我が国では、春咲きのヘレボルス・オリエンタリス(H.orientalis)や、その交雑によってできたたくさんの品種群もひっくるめて、クリスマスローズと呼んでいますが、本来これははレンテンローズと呼ばなければなりません。レントというのは、イースター(復活祭)までの46日をレント節(受難節や四旬節)といい、2月から3月にかけての期間となります。
レンテンローズ

積雪地の北海道では、どちらもほぼ同じ頃に咲いてくるので、ひっくるめて同じ呼び名でもいいのですが、そうであればレンテンローズにすればいいものを。ところが日本の花屋さんは、なるべく売れやすい名前にしてしまうのです… 最近ではほかの原種も交えた園芸品種がたくさん出回っているので、ヘレボルス類と呼ぶのが本来でしょうか。

菊あれこれ

  • 2018.11.20 Tuesday
  • 05:58
先日の府立植物園では、菊花展が最終日の前日で、全種類の菊を見ることができました。菊花展はあちこちでやっているけれど、多彩な中菊をこれだけ集めることは出来ないので、備忘録的に紹介しておきます。(なお説明は、園の掲示物などを参考にさせてもらいました。)

秋菊には、大菊、中菊、小菊の三つに分けられ、花の直径が六寸(18cm)以上のものを大菊とします。最も豪華なのは、手前にある「厚物」で、よくもまぁこんな大きな花を育ててくるものだなぁ…と感心させられます。奥の方に見える花弁が細いのを「管物」といい、管の太さにいろいろ違いがあります。このほか、花弁が一重で平たくなり、垂れ下がらないように紙で支える「広物」がありますが、写真を撮していなかった…(>_<)
大菊

大菊を、鉢を入れて60cm以内に仕立てる作り方を「福助作り」といい、場所を取らないので、最近の人気なんだとか。ホルモン剤を使って矮性にすることから、近年の仕立て方でもあります。かわいいといえばかわいいけれど、ちょっと違和感も残ります。
福助作り

頭花の花径が三寸から六寸(9〜18cm)のものを中菊といい、古くから各地で独特の進化を遂げています。最も古い系統は、京都の嵯峨菊で、南北朝の頃の嵯峨御所あたりで作られ始めたと言い伝えられており、正門脇に嵯峨御所のあった大覚寺による特別展示がされていました。正式な作り方は、鉢に3本の苗を仕立て、一番高いものは2mもの高さにして、殿上から眺められるようにします。高さを三段にして、上段には三花、中段には五花、下段には七花を咲かせるのが正式な作りなんだそうです。
嵯峨菊

江戸で栽培されていた江戸菊は、花弁が無秩序に伸びていく「狂い性」のため、開花してから花容がどんどん変化します。これを「芸」といい、この様子を楽しむのがポイントとなっています。
江戸菊

肥後の熊本藩では、藩士による花の栽培が盛んで、椿、芍薬、花菖蒲、朝顔、菊、山茶花を特に「肥後六花」と称していました。これらはみな一重の清楚な花であるのが特徴となっています。飾り方にも決まりがあり、三間花壇と呼ばれる配置法により、鉢が置かれていました。
肥後菊

伊勢菊は、伊勢松坂地方で発達した品種群で、嵯峨菊の変種といわれています。伊勢撫子、伊勢花菖蒲と共に、伊勢三珍花と呼ばれ、花弁が細くねじれながら垂れ下がるのが特徴で、座敷から花を眺めて楽しむために、このような花になったといわれています。
伊勢菊

丁字菊は、主に関西地方で栽培され、花の中心に筒状花が集まって盛り上がるのが特徴です。江戸時代には盛んに作られたものの、近年ではすたれ気味だけど、ヨーロッパに渡ったものからアネモネ咲きなどに発展し、切り花の世界ではたくさん作られているのだそうです。
丁字菊

頭花が三寸(9cm)以下のものを小菊とし、いろいろな作り方で楽しみます。菊花展では最も豪華な作りである「懸崖作り」は、摘芯を繰り返して伸びてくる枝を、竹の支柱に誘引してこの形にしていきます。大きなものから小さなものまで、本当に大変な手間をかけて作って行くものだと感心させられます。
懸崖作り

盆栽仕立ては、樹木の盆栽と全く同じ雰囲気に仕立てていく方法で、盆栽同様に直幹、斜幹、双幹、懸崖、寄せ植えなどの樹形に、針金を使って仕立てていきます。花はあまり咲かせないように、摘み取ってしまうのだそうです。
盆栽仕立て

小菊の仕立て方の自在さを使い、菊人形が人気ですが、近年では菊のトピアリーがよく作られます。先日挙げた「ネコバス」までいくと大変な手間がかかりますが、この程度のトピアリーだと、わりと簡単そう。
トピアリー

札幌ではかつてオーロラタウンで、現在はチ・カ・ホで展示されているけれど、雑踏の中でキクを見てもなぁ…といささか興ざめです。今回久しぶりによしず張りの展示コーナーで、たっぷり楽しませてもらいました。

セラスチウム

  • 2018.05.30 Wednesday
  • 05:49
お昼にうどんを食べようとチャリをこいでいて、思わず急停車したのがこれ。街路樹の植えますに植えられているセラスチウムのうち、左の方はシロミミナグサに間違いありませんが、右の方がタイリンミミナグサかな?と思ったのです。
歩道植えます

タイリンミミナグサ(Cerastium grandiflorum)に出会ったのは、大学3年の春に研究室に配属になり、さぁ圃場の植物をすべて覚えるぞ!と毎日通っていた時でした。今はなくなりましたが、軟石を積んで一段高くなった「高床ボーダー」の一番手前にあったので、特に印象が深かったのです。でも巷で見かけるのはほとんどシロミミナグサなので、なんであそこにだけあったものだか?
タイリンミミナグサ

シロミミナグサ(C. tomentosum)は、英名が「Snow-in-Summer」のとおり、茎葉も白毛を帯びて真っ白だし、花も真っ白です。花のない時期でも密なカバーを作ってくれるので、こちらの方が圧倒的に人気があったわけです。
シロミミナグサ

タイリン(大輪)と名が付いているけれど、その差はほんのわずかなので、ほとんど区別が付きません。どちらもこれ以上ないくらい真っ白な花だし、日当たりがよく乾燥している場所ならとても元気に育つので、街路樹の植えますは居心地がいいのでしょう。
花の比較

なんでここに2種のセラスチウムが植えられていたのか不思議ですが、こんなところで再会するなんてと、ちょっと嬉しくなりました。その後もマンションの入り口の、乾燥して日当たりのいい場所にもりもりと咲いているシロミミナグサがあったりと、セラスチウムをたっぷり楽しむことができました。
マンション前

この時期は現場が続くので、「おかだ」のうどんも週に一度がやっとこさ。春〜秋までは、雨降り以外では必ず中庭で食べています。いつもきれいに花を植えてくれており、足元にもいろんな花が見られるので、とても居心地がいいのです〜
おかだ中庭

ところで、このブログのアクセス数が数日前に150万アクセスに達していました。調べて見ると22日の22時半くらいに通過したようです。実際の訪問者数は、だいたい2/3くらいなので、開設以来6年余りで100万人もの方が訪れてくれたことになります。なんとも実感の湧かない数字ではありますが、みなさんの貴重な時間をいただいていることに身が引き締まる思いがあります。これからも淡々と書き連ねていくことになりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

ホームセンターの店先

  • 2018.05.29 Tuesday
  • 06:00
ホームセンターに行った時には、園芸コーナーを必ず覗くようにしています。特に一年草は、名前が分からないものが次々と出てくるので、よく覚えておかなければと思っているのですが、最近ますます覚えられなくなってますねぇ…(>_<)

ちょうどラベンダーが出回る季節。露地よりも一ヶ月くらい早く店先に並ぶように出しているようです。最近は‘バイオレットメモリー’の一人勝ちだとのことですが、一番目立つところでしっかりしたいい花を咲かせていました。花茎の強さといい、長く伸びて花着きのいい花穂といい、花色の素晴らしさといい、‘バイオレットメモリー’に勝るラベンダーはないと思います。
バイオレットメモリー

その下の棚には、これも滝野公園で以前購入していた‘ふらのブルー’が置かれていました。今はほとんど見なくなった‘濃紫早咲き3号’のような丸まった花穂をしています。やはり差は歴然か。
ふらのブルー

奥の花木コーナーでは、ヤマボウシよりもハナミズキの方がたくさん置かれていました。確かに時々ハナミズキが咲いているのを見かけるようになったとはいえ、耐寒性ではまだまだ不安がありますが。
ハナミズキ

おっ!と思ったのは、ノリウツギ系の品種がたくさん置かれていたのです。滝野公園でも好評を博している‘ライムライト’や‘ピンキーウィンキー’に、‘ファントム’という品種も売られていました。ヤマアジサイのブームの次は、ノリウツギになるのでしょうか?
ノリウツギ

数年前から見かけるようになったのが、マツバギクの苗です。わざわざ「宿根草」というラベルまで立てているし、「宿根松葉菊 耐寒性のある松葉菊」というラベルなので、札幌でも越冬できるというのでしょうか。
耐寒性マツバギク

マツバギクは、松前近辺の道端ではごく普通に見られます。これがどのあたりまで植えられているのか、海岸線に沿って北上していけば分かるのでしょうが、江差か熊石で山越えしてしまうので確認できないでいました。確認したのはこの乙部までですが、もう少し北までは大丈夫かと。積雪の多い札幌で本当に越冬できるのか、植えてみなけりゃ分からないですねぇ。
松前の道端

原種系シクラメン

  • 2018.04.26 Thursday
  • 05:59
カントリーガーデンの片隅に、昔から原種系のシクラメンであるヘデリフォリウム種が植えられていました。でも開花するのが9月末から10月なので、ガイド活動もほとんど終わってしまうため、そこまで案内することもできずにいました。それでもう少し行きやすいところに見どころ作りをしようと、花のテラスの横に小コーナーを作り、2年前から球根を植えてきました。ヘデリフォリウムは秋咲きなので、春咲きのコウム種と合わせれば、より長く楽しめるだろうと、二種を混ぜて植えています。そのコウム種が、いい感じに開花してきました。
コウム1

コウム種(Cyclamen coum)は、黒海沿岸からトルコを経てシリアやレバノンあたりに自生しています。耐寒性はかなり強く、−28℃までもつそうなので、ある程度雪で保護されれば多くの地域で栽培が可能でしょう。ここに植えて2年しか経っていないのに、意外と球根の太りが早く、たくさんの花茎を上げてきています。もちろんミニチュアのシクラメンよりもまだ小さいため、決して目立つものではありませんが、よーく見ると結構かわいいのです。
コウム2

ヘデリフォリウム種(C. hederifolium)は、南フランスからトルコにかけて、島嶼部を含む地中海沿岸地域に自生し、森林内だけでなく、低木疎林地や岩礫地など、多様な環境に生育しているそうです。その名の通りアイビーのような葉をしていて、涼しくなってくると葉よりも花の方が少し早く伸び始め、10月ころに見頃を迎えます。
ヘデリフォリウム1

原種系のシクラメンの魅力は、花だけでなく花茎にもあります。受粉して果実が肥大してくると、けっこうな大きさになって、首がちぎれる恐れがあります。学名のCyclamenがサイクルから来ているように、バネのようにくるくる巻き取ってしまい、地面近くの安全な環境で熟すのを待つのです。こぼれダネからでもたくさんの子供ができるので、将来はびっしりになっていくことでしょう。
果実

我が家のヘデリフォリウムも20年近くになり、手のひらを広げたくらいの巨大な球根になっていましたが、昨年突然枯れてしまいました。こんなのを見ていると、また育てたくなってしまいますね。
我が家の株

雪割草展

  • 2018.02.22 Thursday
  • 05:52
昨夜の女子パシュートは素晴らしかった。個々の力は劣っていても、チームとしてまとまれば、メダリストを並べた強国オランダにも勝てるという、団体競技の醍醐味を見せていただきました。なんで私たちが勝てないの…と呆然とするオランダ選手達の顔が忘れられません。小平さんの金メダルとはまた違う、印象的な勝ちっぷりでした♪

雪割草は、ユーラシア大陸に広く分布しているヘパティカ・ノビリス(Hepatica nobilis)のうち、我が国に自生する4変・品種(ミスミソウ、スハマソウ、オオミスミソウ、ケスハマソウ)の変異株や、交雑して作られた園芸品種群をさしています。中でもオオミスミソウの自生する新潟を中心に、栽培が盛んな植物です。昔長岡にある国営越後丘陵公園に立ち寄った時、ちょうど本場の雪割草を見ることができました。園内の自生地はまだちらほら程度でしたが、さすが国際雪割草協会の事務局を置いているところだけありました。
  分布

残念ながら北海道には分布がありませんが、積雪のある地域では十分生育できるので、結構愛好家がいるようです。百合が原公園の温室では、同好会の方たちが大切に育てている、たくさんの品種が展示されていました。派手なツバキやアザレアとはまた違った、渋〜い趣味かもしれません。
雪割草展

それにしても、よくこんなにたくさんの花型や花色を持った品種ができたものです。交雑してはタネを播き、それを何百何千と作って行く中に、様々な変異が見られるのでしょう。我が国の園芸家は本当に辛抱強く根気があります。
花型

北海道の花風景とはまた違うものかもしれませんが、植物の変異の妙味を見ることができます。25日の日曜日までやっていますので、ぜひご覧になっていただきたいです。

碧空 天翅
      碧空(あおぞら)               天翅(てんし)

不明1 不明2
       不明種                    不明種

至誠 翠苑
      至誠(しせい)                翠苑(すいえん)

茜鶴 雪化粧
      茜鶴(あかねつる)             雪化粧(ゆきげしょう)

冬のヒマワリ

  • 2018.01.28 Sunday
  • 05:51
金曜日の朝日の朝刊をめくっていて、真ん中あたりにこんな全面広告がありました。タネのタキイ? サンリッチひまわり? ゴッホが描けなかったヒマワリ?こんな真冬になんだろう???と、?ばかりが点滅してしまいました。
全面広告

説明を読んでも、意味するところがさっぱり分かりません。大阪の花博で登場したといってもなぁ…ゴッホの没後125年は2015年というではないか。今さら何を?ゴッホの時代に存在していたら、彼はどんな色で表現しただろうか?いったい何を言いたいのかよく分かりませんでした。

説明

昨日仕事が一つ片付いたので、ちょっと調べてみました。ゴッホのヒマワリの絵は、全部で7点あり、そのうちの一つを1987年に安田海上火災が58億円で購入して話題になり、現在でも新宿西口にある「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」という長たらしい名前の美術館に展示されているということです。そしてそのヒマワリに似せた品種として、『ゴッホのひまわり®』という品種が作られていますが、これはタキイのライバルであるサカタが作っていたのでした。
(この画像はネットから拝借…m(__)m)
ゴッホのヒマワリ

ようするに、園芸大国オランダのゴッホ美術館が、記念のイベントに「ゴッホのひまわり」ではなく、我が社の「サンリッチ」を使ってくれた!!ということを言いたかったのでしょう。それにしてもなんで今ころ?という気はしてしまいますが。

滝野公園カントリーガーデンのオープン当初は、中央口近くに歓迎の花壇という帯状の花壇と、カントリーハウス横のパレット花壇で、いろんな花を植えてとても楽しい空間になっていました。パレット花壇にひまわりを植えていたのはいつだろうかと画像を見ていくと、オープン翌年の2001年(下の画像)と、次の2002年(その下の画像)にヒマワリが植えられていました。
2001年

品種のセレクトはセンターだったのか○○・ガーデンだったのかは記憶にありませんが、わりと背が高くなるものが多かったと思います。‘サンリッチ’があったかどうかは分かりませんでしたが、‘ゴッホのひまわり’は植えられていたはずです。
2002年

その後歓迎の花壇はつぶされてベタのコスモス畑になってしまい、パレットも最近はダリアばかり。確かに花期は長いし、花も見栄えはするけれど、なんか変わり映えしなくなったなぁと思ってしまいました。こうして昔の画像を見ていくと、‘太陽’(左)や‘ダブルシャイン’(右)など、いろんな品種が植えられていたのですね。近年であればもっと矮性で多彩な品種が出回っているので、花期が短い難点はあるけれど、ヒマワリをまた植えてみたくなりました。
太陽 ダブルシャイン

キルタンサス

  • 2017.11.28 Tuesday
  • 06:01
昨日は−6℃前後で風が強く、顔が痛いくらいでしたが、今朝は生暖かい風が吹き、寒気もかなり緩んでました。ツルツル路面も少しは融けてほしいものです。この時期は事務所に引きこもり、締め切りに追われてひたすら仕事に埋没する日々が続きます。早朝のロードワークで約5千歩稼いでいるのがせめてもの救いでしょうか。

そんな日々だとブログネタも無く、もうそろそろ止めようか…と思わないでもないのです〜(^^;) でもせっかくなので、いつもの誕生花に逃げようとしたら、本日28日はオンシジウム、エゾギク、サンダーソニア、ヘリコニア、キルタンサスとありました。あんまりなじみのないものばかりでしたが、キルタンサスにはちょっと思い出があったので、その話を。
コントラクツス
 (植物画像は2枚とも、海外のサイトから拝借させていただきました。m(__)m)

キルタンサスは南アフリカが原産の球根植物で、道内での耐寒性はありません。栽培されているのはこのキルタンサス・マッケニー(Cyrtanthus mackenii)が多いようです。繊細な葉の中から花茎を伸ばし、細長く伸びる花筒が特徴の花が、冬の間ずっと咲き続けるので、暖地では庭植えにもされているみたいです。
キルタンサス

学生の頃、大学の研究室にあった温室に、3〜4品種が植えられていたのです。その温室は農学部のすぐ裏にありました。明治30年代に今の時計台周辺にあった札幌農学校が、現在のところに引っ越してきましたが、正面中央できた農学教室の裏に建てられたのがこの温室です。
札幌農学校
 (「覆刻札幌農学校」 北海道大学図書刊行会刊行 1975 より)

昭和11年に現在の校舎が建て替えられた時に、温室だけが残されたので、以前は直接繋がっていたものが、少し距離ができたのです。
農学部裏

私がいた頃には、さらにその後ろに新しい温室ができていたので、これを旧温室、新しい方を新温室と呼んでおり、どちらにも研究室付属の部屋がありました。旧温室には、右から1/3が我々のテリトリーで、いろんな植物が栽培されていました。植物に興味のある学生なんかずっと誰もいなかったので、私一人でずいぶんと楽しませてもらいました。この写真を撮したのが2002年で、その後まもなく取り壊されてしまったはずです。キルタンサスやユーコミスは欲しかったので、この時中を見に入ったけれど、既に空っぽになっていました。そんな思い出のあるキルタンサスだけど、本当にここ以外で見たことがないなぁ…
旧温室

花卉圃場

  • 2017.07.31 Monday
  • 06:00
農場を横切る形で北野通が出来たので、ポプラ並木は真ん中から二つに分かれてしまいました。花卉(かき)圃場は北側にあるので、ポプラ並木の北半分をどんどん下っていくと、もう花が終わっている花菖蒲園を通り抜け、今がちょうど真っ盛りのヘメロカリス園に着きました。百種近くある中からは、滝野公園や道南四季の杜公園には30種くらいずつ導入されています。
ヘメロカリス類

花の中にブロッチが入っている品種は、昔は小輪のものばかりだったけれど、最近アメリカから入れたものはかなり大輪で、フリンジ付きの洒落たものがありました。こんなに豪華でも、たった一日でしぼんでしまうのですから、本当にもったいないです。
フリンジ1 フリンジ2

手の平くらいのものを大輪と呼んでいましたが、こうなると巨大輪と呼ばなければなりません。右の品種は草高も高いので、遠目からも存在感を放っていました。
パンクラチウム 巨大輪

仕切りの樹林の足元には、一体何品種あるのか見当もつかないほどのギボウシ類が。残念ながら札落ちになっているので、どこか植えつぶしを速攻で行いたい場合にはいいかもしれません。
ホスタ

ラウネナイ川を渡り、花卉圃場の最北端の広場では、今年で4回目の「フィールドトライアル2017」が行われています。これは国内の種苗会社がお奨めの品種を持ち寄り、同時に植え込んで品種の特製を実際に見ていただくものです。1平米に5〜9株を植え込み、霜の降りるまで一切灌水もせずに放置して、その生育ぶりを確認することができます。
フィールドトライアル

まだ植えられてから半月ほどですが、その生育にははっきりと差が付いてきており、これだけたくさんの品種の中では‘さくらさくら’が圧倒的な生育ぶりを誇っていました。
さくらさくら

この「サンちゅらか」は、こんな暑い時期に平気で株を繁らせているけれど、スベリヒユと一体どこが違うんだろう?と、悩んでしまいそうでした。みなさん違いが分かりますか?
サンちゅらか
 (右半分の、茎が赤みを帯びているのがスベリヒユです。)
秋までこのフィールドは無料で開放されていますので、違いを確認したい方は是非様子を見に行って下さい。北野通の途中、ポプラ並木のところに押しボタン信号があるので、そこから入って行けます。

歩き始めてちょうど3時間。さすがにのどがカラカラになってきたところで、「ツキサップじんぎすかんクラブ」に到着。夜は満席で予約できなかったたので、昼下がりのビールでのどを潤し、生マトンをじっくり焼き上げる元祖ジンギスカンを味わいました。みなさんもお疲れさまでした。
ジンギスカン

ITラベル

  • 2017.03.17 Friday
  • 06:01
昨日の記事に対して、さっそく「花の場所にQRコードもつけて頂ければ海外からの方や一部の方には助かります。」とのコメントをいただきました。まさにその通りで、函館駅前花壇くらいの規模であれば、しくみ自体も簡単だし、そのコンテンツを作るのもそれほど手間ではないでしょう。(造園屋さんにそれをお願いするのは難しいですが。)

実は、2000年7月にオープンした滝野公園のカントリーガーデンでは、そのしくみを既に作っていました。この時の事務所の所長がIT系に強く、docomoと組んでいろんな情報システムを構築しており、その一つとして電子植物ラベルを作ろうということになりました。オープン前のめちゃくちゃ忙しい中、千種類近くあった導入植物のコンテンツを作るのは大変で、植物に強いTさんがアルバイトにいたことで、なんとか2人でデータをまとめ上げました。

データ1

主な樹木と、導入植物の中の宿根草を中心に、800種のデータを整理しました。久しぶりにこのファイルを開きましたが、よくもまぁこんなデータを作ったものだと思います。でも残念ながら、これは日の目を見ることなく眠ってしまいました。詳しい事情は分かりませんが、当時はまだスマホはもちろんなく、携帯そのものがあまり普及していなかったことや、docomoと提携していたため、他社の機種との連携を嫌がったのかなぁ… 既にこの時にはQRコードも出回り始めていたので、ラベルにシール貼ればすぐにこれが読み込めたのに。

データ2

そんなことで、このコンテンツが800種分残っているため、整理すればいつでも組み立てることができるのです。

カントリーガーデンのオープニング当時のファイルをあちこち見ていたら、なんだか懐かしいものが出てきましたよ〜梅木さん!!カントリーハウス周りのオープニング修景を梅木さんに手伝ってもらおうと、叱咤激励していた頃の企画書です〜
梅木プラン

もう一つ懐かしいものが。オープンに合わせて、NHKのほっからんど212(当時はまだ212市町村があったのですねぇ…)という番組で、ずっと特集を組んでくれることになり、いつどんな内容でやるのか企画を立てた時のファイルが出てきました。

シナリオ

この時のビデオはいただいてあるのですが、見た記憶が全くなくて、自宅で眠っておりました。怖いけれど、オープン当時の園内が映っているので、見てみようかなぁ…

花めぐり

インバウンド対応

  • 2017.03.16 Thursday
  • 05:48
冬の滝野公園では、外国人が8割近くになっているというのにはびっくりでしたが、はたして夏にどのくらい来ていただけるのか?爆買いはしないでしょうが、その動向が気になるところです。ガイドの研修会でも、インバウンド対応は切実な話題になってきているので、会話までは無理としても、ラベルだけでも対応が迫られてきていると思います。
そんな昨日、函館駅前花壇のラベルの相談がやって来ました。函館は新幹線効果もあって、今まで以上に多様な国からのお客さんが増えてきているようです。このためここの花壇のラベルは、当初から対応することになっていました。
花壇

初めのうちは、和名に学名と英名くらいでいいのかなと思っていたら、中国(簡体字と繁体字)、韓国もとなり、そんなに入るのかなぁ…と思っていたら、なんとロシアもということになったのでした。学名はラテン語なので、なんと7カ国語対応となった訳です。そんなラベルがあちこちに立てられるとさすがにうるさくなるので、市と業者さんが苦心し、現地にあるバス休憩所の壁を使って、花壇の案内サインが作られました。
看板

気になる人は、ここを見ればなんて花か分かることになるので、とても優れものでした。昨年伺った時に、これを眺めている外国人はおりませんでしたが、有力な解決法の一つだと思います。
ラベル

私は和名と英名、学名までしか分からないので、中国語二つ、ハングル、ロシア語については、間違いなく最終チェックまでお願いして下さいね〜としか言えません。
内訳1

繁体字まではなんとか分かるのですが、簡体字になると音でおき替えられているのでさっぱり…という文字も多く、大変だということが分かります。ここはそんなにたくさんの種類がないので、このような対応が可能なのはラッキーですが、滝野公園のように種類がメチャ多いと、はたしてどうやっていけばいいのでしょうか?頭の痛い問題です。
内訳2

悲しいサルビア

  • 2016.07.22 Friday
  • 05:54
先日行った網走では、あちこち見て歩いた中にこんな花壇がありました。三週間も経っているのにこの状態では、秋に元気な花を咲かせるのは難しそう… このような悲しいサルビアになってしまったのには、二つの原因が考えられます。
はなてんと

いつも講習の際に紹介している画像があります。滝野公園のカントリーガーデンが出来たばかりの頃、植えてから二ヶ月も経ったのに、さっぱり花壇のベゴニアが大きくなってこないというのです。
滝野公園

株が大きくならないのは根に問題があるので、抜いてみればすぐに分かるでしょうと移植ごてで掘り起こそうとしたら、なんとすぽんと抜けてびっくり。なるほどなぁと、その理由はすぐに分かりました。ポットから抜いた苗をそのまま植えていたのです。
ルートボール

これはどこの現場でも当たり前のことで、ビニールポットが普及するにつれて起きてきた現象と言えます。私が社会人になった頃には、まだ地掘り苗といって畑から掘り上げた苗が、木製の魚箱にぎっしり詰められて流通することがありました。その場合には決して起きることはなかったでしょう。ポット栽培では必ずルートボールができるので、植えるときには根をしごき取って植えるということが必須ですが、ポット苗の普及に際してこれがしっかり教えられていれば、こんなことがいまだに起きることはなかったかもしれません。フラワーマスターの講習では、いつも手を挙げてもらうのですが、これをやっている方はたいてい半分以下。それが現実なのです。
抜いた状態 削った状態

ルートボールの処理と共に徹底されないのがピンチです。サルビア類のように本来秋遅くまで咲き続けるものでは、植え込まれて一月くらいしっかりと根を張って株張りを稼がせ、体力が付いてから花を楽しむようにしなければなりません。ひょろひょろ伸びた花茎や大きな花をピンチして、まず根張り株張りを増やすことが大切な作業ですが、これがまたできていないのです。せっかく咲いている花を切るなんて…と目先のことを考えていると、悲しいサルビアにしかなりません。思い切ってパチンと切ってほしいのです。
ピンチ

あちこち見て歩く中に、ちゃんとピンチして植えられているサルビアを見つけると、思わずにやりとしてしまいます。なかなかお目にはかかれませんが。
ピンチされた苗

これはいつも講習の際にご覧に入れている古い写真です。30数年前、鹿追町瓜幕の集会所の前に造られていた花壇で、これが本物のサルビアだ!!といえる見事な姿を見るに付け、いまだにこのようなサルビアを見ることがないのが寂しいです。これも多分地元で苗を作って、地掘りして植え込まれたからこんなに元気に育ったものでしょう。
瓜幕

こんなサルビアの花壇を作って見せなくてはいけませんね。さてどこがいいかなぁ…?

秋らしく

  • 2015.09.20 Sunday
  • 06:01
今週はセレモニーで始まり、そのあとはずっと現場続きだし、移動距離が半端でないのでさすがに疲労困憊。とはいえ来週の集中講義の準備もやらなきゃならないので、ぼちぼちと仕事をしていました。

昼に出かけた際、街路樹の植えますに植えられているアジサイの陰に、コルチカムが満開になっているのを見つけました。森のガーデンでもつぼみが伸び始めていましたが、暖かい札幌の町中でこんなに早く咲いているなんて。
植えます
この花は何を感知して咲いてくるのか、いろいろ調べてみてもなんの情報もありません。そんなことを研究する人はいないのでしょう。より涼しい上川でまだつぼみなのに、札幌の町中で咲いているのだから意外と温度ではないのかも。咲く日にちを決めているわけでもないでしょうし、誰か解明してくれないものでしょうか。

この品種は‘ジャイアント(Giant)’と呼ばれるもので、大輪で花被片がピンと立ち、やや網目の入った濃いピンクの花の中心が白くなる特徴があります。学生時代に、駅前にあった興農園でこれを買い求めた時のことを鮮明に覚えています。当時は‘ザ・ジャイアント’として売られていたのでずっとそう覚えていたのですが、向こうの情報では‘ザ’は付かないようで… 今でもわが国では‘ザ・ジャイアント’として流通しているのはどうしてなんででしょうか?
ジャイアント

10年前から始めた圃場整備の中で、あちこちに生き残っている球根類などを、先輩のYさんがていねいに集めてくれています。すると大半が‘ジャイアント’で、もともと植えられていたコルチカム・アウツムナーレ(イヌサフラン)(Colchicum autumnale)とおぼしき球根は、数がかなり少ないようです。40年ほど前に植えたものが、今でもこんなに残っているのは嬉しいものです。
圃場の球根
(2014.9.18)

ヒガンバナの育たない北国では、コルチカムが咲くといよいよ秋だなぁと感じます。

フユヅタ

  • 2015.03.08 Sunday
  • 05:57
先日の昼の散歩中、近代美術館の裏にある家に絡みついているイングリッシュアイビー(Hedera helix)に、びっしりと実が付いているのに気づきました。アイビーはヤツデやタラノキなどと同じくウコギ科の植物なので、花火のような散形花序になっています。ブドウの仲間で、真っ赤な紅葉がきれいなツタ(ナツヅタ)(Parthenocissus tricuspidata)に対し、常緑のアイビーをフユヅタと呼びますが、あまり一般的ではないかもしれません…
結実

昔はプランターに花を植えて小綺麗にしていたのに、今は荒れ放題になっています。アイビーだけでなく、勝手に生えてきたヤマブドウが一緒に絡んでいるので、ますますひどい状態に見えてるけれど、踏み跡がないところを見ると空き家になったようです。常緑の葉を持つ植物はほとんどない北国では、アイビーも貴重な存在といえますが、やはりきちんと手入れしないとかえってわびしくなってしまいます。
フユヅタ

昔の写真を探してみると、6年前の秋の写真がありました。まだこの頃だと葉も小さく、部分的には斑入り葉も残っていたのでイングリッシュアイビーらしい雰囲気でした。足元のプランターにも花が植えられています。どんどん根が張って勢いが強くなっていくと、斑入り葉が消えていくと共に葉が大きくなり、原種に近づいていくようです。今の状態では、在来のキヅタ(H.rhombea)とほとんど変わらない状態で、こうも雰囲気が変わるものかとちょっとびっくり。市内でキヅタ?と思う株も、アイビーが化けたものかもしれません。
   6年前
この近くにはアイビーの絡まった壁面があちこちにありますが、30年以上前には雪の上に出たアイビーが無傷で冬を越せなかったことを考えると、やはり温暖化が確実に進んでいるのでしょう。

知事公館の西側のフェンスには、十数年前に林業試験場の職員の手によってツルマサキ(Euonymus fortunei)が植えられています。ツルマサキは道内では数少ない常緑のつるもので、ねらいとしてはとてもいい試みだと思います。放任するとかなり幅が出てくるので、毎年秋にちゃんと刈り取られ、コンパクトに維持されているのですっきりしています。
ツルマサキ

道内自生とはいえ、寒さの厳しい年にはかなり葉が傷み、真っ赤になってしまうこともありました。今年も部分的に赤いところがあるけれど、ほんの一部なのでやはり暖かかったのでしょう。この葉は落葉しても、茎は全く傷んでいないので、春になれば葉を広げ、却ってきれいな姿に生まれ変わります。
傷んだ葉

ハワイの草花

  • 2015.01.12 Monday
  • 05:39
ようやくハワイ情報も一通り片付きそうです。熱帯だし、雨季や乾季もはっきりしていないため、一年中生育できる植物ばかりなので、一年草や球根などが少ないという印象を持ちました。花壇に植えられているものもペンタスやイクソラなどの四季咲き性の花木類で、ベゴニアやインパチェンスなどの草花類は全く見かけませんでした。

ホノルルに着いて真っ先に出会った草花は、わが国のハマユウの仲間のクリヌム・アウグスツム(Crinum augustum)でした。葉が緑色で花が真っ白のものと、紫色の葉にピンクの花を咲かせるものがありました。クリヌム(ハマオモト)属には約200種もあり、世界中の熱帯から亜熱帯にかけて広く分布しています。
クリナム

近縁のスパイダーリリー(ヒメノカリス・スペキオーサ)(Hymenocallis speciosa)も見かけました。これもたくさんの仲間がありますが、日本でもよく栽培されるのは本種くらいでしょう。西インド諸島が原産で、ササガニユリという和名はありますがあまり使われていません。
ヒメノカリス

グラウンドカバープランツとしてよく使われていたものに、ツユクサ科のムラサキオモトがありました。普通種ではなく、斑入りの‘トリカラー’(Rhoeo spathacea 'Tricolor')という品種です。これは松山あたりでも越冬できるので、生き生きと育っていました。
紫オモト

熱帯らしいものと言えば、ヘリコニアの仲間(Heliconia sp.)がたくさんありました。これがなんという種類かはさっぱり分かりませんでしたが、これを見ているとハワイに来た気分がします。かつてはバショウ科でしたが、現在はオウムバナ科となっています。
ヘリコニア1

結婚式をやったチャペルの入り口に咲いていたのがこの花。つぼみが一つだけ伸びていただけなので、なんの花かいな?と思ってハンドブックをめくっていたら、ちゃんとありました。英名がShampoo Ginger、ハワイ名がアワプヒ('awapuhi)、ハワイにはるばるやってきたポリネシアンが持ってきたものと言われ、つぼみを搾った汁で髪を洗うと、シャンプーとトリートメントになるのだそうです。その形からPinecone Ginger(松笠ジンジャー)とも。(Zingiber zerumbet)
ジンジャー

こちらもショウガ科で、英名はレッドジンジャー(Red Ginger)ですが、ショウガ属ではなくアルピニア(ハナミョウガ)属になっています。(Alpinia purpurata) 
ヘリコニア2

式のあとの会食で、真っ先に出てきたのがマグロのお造り。おやっ?ササを空輸しているのかなと思ってしまいました。ところが、そっと開いてみるとササではないぞ?とよく見ると、ゲットウの葉をきれいにカットしたものでした。
お造り1 お造り2

ゲットウ(月桃)(Alpinia zerumbet)も、レッドジンジャーと同じくショウガ科アルピニア属の植物で、わが国でも沖縄などには分布しています。沖縄でも餅を包むのに使われているそうですが、こうしてみるとぴったりな使い方でした。一般的には黄色の斑が入っているキフゲットウが鉢物などで流通し、温室では下草として使われます。
ゲットウ

あちこちのグラウンドカバープランツに使われているのがウェデリア(アメリカハマグルマ)(Wedelia trilobata)。かつて沖縄海洋博(1975)の会場整備で、計画を作った東大の本間先生が、イチオシで導入を決めて広めたと言われています。原産地は中央アメリカ〜南アメリカで、一年中花を咲かせているとても丈夫なカバーです。
ウェでリア

とりあえず一通りのハワイ情報でした。結婚式でもなければ自分からは行かないだろうなぁと、あちこちしっかりと見てきました。クリスマスでなければフォスター植物園や動物園も見ることができたのに…と、少し残念ではありましたが、たくさんの植物を見ることができて楽しかったです〜

ポインセチア

  • 2014.12.22 Monday
  • 05:43
ラジオからは朝から晩までクリスマスソングが繰り返し流され、早く終わってほしいなぁ…と思うほど。キリスト教徒以外で、こんなに熱心な人達もいないでしょう。この時期の鉢物も当然ポインセチアが前面に出てきます。何と今日(22日)の誕生花もポインセチアでした。先日いただいた鉢物が、我が家でちょうど咲き始めたクンシランと共に、部屋に明るさをもたらしてくれています。
自宅

事務所に飾ってある植原さんのカレンダーも、今月はポインセチアでした。千葉市花の美術館とありましたが、現在は三陽メディア フラワーミュージアム(旧称:花の美術館)となっていました。市内の印刷関係の会社が、ネーミングライツを獲得して改称しているようです。自治体の金儲けに、名前まで売り渡すこともないでしょうに… ポインセチアと胡蝶蘭、それにバラという組み合わせなので、鉢物を組み合わせて展示しているのでしょう。
植原さん

ポインセチア(Euphorbia pulcherrima)はメキシコが原産地。濃い緑の葉の中から、真っ赤な「花」が咲く様子が美しく、種小名も「大変美しい」という意味のプルケリマとなっています。メキシコでは、「貧しい女の子が、教会の祭壇に何も捧げるものがなく、道端の雑草で作ったブーケを飾ったところ、たちまち燃え上がるような真っ赤なこの花のブーケに変身した」という伝説があります。その伝説を聞いたアメリカの初代公使J・R・ポインセット氏(Joel Roberts Poinsett)がアメリカに持ち帰って紹介したので、この名前になりました。
緋色

ユーフォルビアの仲間の「花」は、正確には真ん中の小さな粒の一つ一つが花で、花を包む苞葉が赤や黄、白などに色づきます。昔出回っていた原種に近いポインセチアはかなり細葉でしたが、改良されてどんどん幅が広くなって来ただけでなく、苞葉に斑が入ったり、ピンクや絞りなど、実に様々なものが出回るようになりました。
斑入り

桃色

ポインセチアの花言葉は、色によって違っており、標準的な赤では『祝福する』『聖なる願い』『聖夜』『私の心は燃えている』など、ピンクでは『思いやり』『清純』、白では『慕われる人』『あなたの祝福を祈る』などとなっています。

マルバアサガオ

  • 2014.09.06 Saturday
  • 05:57
前日にお酒を飲む機会があり、車を事務所に置いて帰ったため、昨日は家からてくてくと歩いて出勤しました。最短距離を通れば40分弱なので、いろんな庭先の花を見ながら歩いていると、あっという間に着いてしまいます。

そんな道すがら、おやっと思ったのがアサガオの花。それも普通のアサガオ(Ipomoea nil)でも、最近流行りの‘ヘブンリーブルー’などのソライロ(セイヨウ)アサガオ(I.tricolor)でもなく、葉の形がハート型のマルバアサガオ(I.purpurea)がずいぶんと目に付きました。
マルバアサガオ

マルバアサガオは熱帯アメリカの原産で、世界各地に広く帰化している一年草。我が国には1705年前後に観賞用花卉として渡来し、暖地を中心に帰化が進み、現在では青森県にまで達しているそうです。昨日見たマルバアサガオは、ちゃんと育てて何かに絡ませているのではなく、勝手に生えてきて、そのあたりの庭木に絡まって咲いている、といった風情だったので、ひょっとしてこれはこぼれ種から生えてきているのでは?と思った次第。
雑草化

違うお庭では2種類の花が混じって咲いていました。これも植えたというより、勝手に生えたという感じで絡まっています。
二色

図鑑によると、マルバアサガオは花柄が長く、花後に肥大する果実が下向きになるのが特徴なので、他のアサガオとは容易に区別できるとのこと。確かに花茎は葉柄よりもはるかに長く、果実が大きくなると下を向いていました。
特徴

アサガオというと夏の花、熱帯の花のイメージがぴったりですけれど、じわりと進む温暖化の影響で、ヒトスジイエカではないですが、生育範囲が北進しているのかもしれません。マルバアサガオは、花の小さな赤紫のものしか見たことがなかったので、こんな絞り咲きのものがあったとは。今度タネをもらって播いてみようかな。
絞り咲き

(参考:「日本帰化植物写真図鑑」全国農村教育協会刊、2001)

サマーヒヤシンス

  • 2014.08.04 Monday
  • 06:00
最高に寝苦しい夜でした。札幌の最低気温はつい先程5時の23.4℃までしか下がらず、さすがに熱帯夜にはならなかったものの、ちょっとぐったりな朝でした。こういう時こそ、しっかり汗をかいてシャワー浴びると、シャキッとします。毛皮の脱げないこまめ君は、よろよろと冷えた床を求めてぐったりになり、ちょっと可哀想です。

北大の圃場で見頃になっている花に、涼しげに真っ白い花を咲かせるサマーヒヤシンスがあります。といってもほとんどなじみのない植物かもしれません。
ガルトニア

かつてはユリ科のガルトニア属だったので、園芸名も慣れ親しんだガルトニア(Galtonia candicans)で問題ありませんでした。ところが最近の分類体系の見直しによって、ユリ科 → ヒアシンス科 → キジカクシ科と変わり、属名までガルトニアからオーニソガラムに移ってしまっているのです。(Ornithogalum candicans) こうなると園芸名のガルトニアも居心地が悪くなってしまうので、呼び名は英名のサマーヒヤシンスとすることにしました。決してヒヤシンスに似ているとは思いませんが…
花のアップ

原産地は南アフリカのナタール地方。この地域にはたくさんの園芸植物になっている球根類が自生しています。その中で本種は、クロコスミアと共に例外的に寒さに強いようです。ゾーンNo.は7〜10になっているけれど、少なくとも札幌での栽培には全く問題ありません。(クロコスミアも今ではなじんでいる呼び名ですが、一昔前にはモントブレチアだったのですよ〜)
自生地の環境から、生育期の夏には十分湿った場所であることが大切で、休眠期の冬は乾燥していることになっています。これは自生地の様子ですが、「湿った土手に生えている」とあります。それにしても全く改良もされず、野生種のままのようですね。
  自生地
  (「BULBS」 Pan Books Ltd,1989 より)

圃場にわずかに生き残っていたものを植え直し、3年に一度くらい分球して植え広げています。以前梅木さんにお分けしたので、タネからの増殖に取り組んでいる様子。来年くらいから出回るようになるでしょう。
アリウム類は花時には葉が汚くなってしまいますが、これは葉とのバランスがいいので、群植するととても存在感があります。一番暑い季節に咲く花なので、真っ白で涼しげな様子はちょうどよいのかも知れません。

ヒマラヤの青いケシ

  • 2014.07.07 Monday
  • 06:24
「ヒマラヤの青いケシ」と呼ばれるメコノプシス(Meconopsis)は、ヒマラヤ高地だけでなく、中国の奥地や中央アジア、さらにはヨーロッパにも1種が分布し、今でも毎年のように新種が発見されて、既に60種以上にもなっているらしい。先日たまたま会った梅沢さんは、今頃ヒマラヤ奥地で吸血性のヤマビルと戦いながら、メコノプシスの新種を探しているはず。我が国の写真家には、メコノプシスに魅入られている方が何名もいるのです。
メコノプシスとの付き合いは、1990年に大阪で行われた花の万博の時からです。88年10月にそれまでの植木屋からコンサルに転職したとき、植物園の辻井先生の所にあいさつに行ったら、「ちょうどいい時に来た。さっき大阪市の人が訪ねてきて、市が造る咲くやこの花館の中に高山植物室を作るのだが、その計画と設計を頼まれたので、早速手伝ってくれないか?」とのこと。否応なく1年半の超ドタバタ生活が始まりました。
その中で、目玉はやはり「ヒマラヤの青いケシ」。会期中にずっと展示するための開花調節のしくみを作り、苗の供給は小樽の続木さんにお願いして、結果的にはなんとか乗り切れたのです。

続木さんはわが国にメコノプシスを導入した先駆者で、赤岩園芸のシンボルマークにもなっていました。ただ、それがベトニキフォリア種(M. betonicifolia)(この種名は、スペイン産のシソ科植物の葉によく似たという意味のようです)だったので、ヒマラヤの青いケシ=ベトニキフォリアということになってしまいました。でも本種の原産地はヒマラヤではなく、中国奥地だったために、名前的には少し違和感が残ることになってしまったのです。
ベトニキフォリア
滝野公園には、カントリーガーデンがオープンした翌年の01年に導入されましたが、その時にはベトニキフォリア種とグランディス種(M.grandis)(これは文句なく大きいという意味)が半々くらいに混じっていて、翌年くらいまでその区別がよくつかずに、結構苦労した記憶があります。外国の文献で、葉の形態の違いを説明したものを見つけ、花がなくてもようやく見分けることができるようになったのです。
葉
ベトニキフォリア種の葉では、葉の基部がしっかりくびれて丸みを帯び、スプーン状になるのに対し、グランディス種の葉では、基部に行くにしたがって少しずつ細くなります。分かってしまえばなーんだというレベルだったのですが…(>_<)
葉

ベトニキフォリア種には、白花やピンクがかったものが出てくることがあり、花数も多いので、しばらくは2種が並列的に植えられていました。ただ、ベトニキフォリア種の方が根生葉が少なく、開花数が結構あると株が消耗しやすいのか、越夏性や越冬性があまりよくなく、一年草扱いという感じになるのです。
白花

それに対してグランティス種の方は、株自体がどっしりしているというか、たくさんの根生葉を繁らせる中から花茎を伸ばすので、見ていても安定感がありました。しっかりと根を張って大株になると何年も生育を続け、4〜5本もの花茎を伸ばすことがあり、その豪華さは本当に素晴らしいものがあります。そしてなんといっても、名前の通り花が大きくてみごと。メコノプシスの中で最も大きな花でもあり、そしてそのブルーがとても濃いので、2〜3年でグランティス種だけにしようということになったのです。
グランティス
初めは花人の隠れ家の上に小さな植え込みを作っただけでしたが、その後その上部の現在「こもれびの庭」と呼ばれるエリアが整備され、ここに約200株ものグランディス種を植栽展示することになったのです。
花

滝野公園では、ぎりぎり夏は越すことができますが、株が小さく割れてしまって花茎が立たなかったり、花の色が濁ってきれいな青にならなかったりと、いろいろと苦労は絶えませんでした。今年になってようやく、いろんな課題を克服してみごとな花を楽しむことができるようになったといえるでしょうか。正真正銘ヒマラヤ原産のグランディス種は、そのうち『ヒマラヤの青いケシ』と呼ばれるようになってくると思います。これの栽培が一息ついたところで、ベトニキフォリア種や、その他のメコノプシスにも手を広げてみたいですね〜

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