ITラベル

  • 2017.03.17 Friday
  • 06:01
昨日の記事に対して、さっそく「花の場所にQRコードもつけて頂ければ海外からの方や一部の方には助かります。」とのコメントをいただきました。まさにその通りで、函館駅前花壇くらいの規模であれば、しくみ自体も簡単だし、そのコンテンツを作るのもそれほど手間ではないでしょう。(造園屋さんにそれをお願いするのは難しいですが。)

実は、2000年7月にオープンした滝野公園のカントリーガーデンでは、そのしくみを既に作っていました。この時の事務所の所長がIT系に強く、docomoと組んでいろんな情報システムを構築しており、その一つとして電子植物ラベルを作ろうということになりました。オープン前のめちゃくちゃ忙しい中、千種類近くあった導入植物のコンテンツを作るのは大変で、植物に強いTさんがアルバイトにいたことで、なんとか2人でデータをまとめ上げました。

データ1

主な樹木と、導入植物の中の宿根草を中心に、800種のデータを整理しました。久しぶりにこのファイルを開きましたが、よくもまぁこんなデータを作ったものだと思います。でも残念ながら、これは日の目を見ることなく眠ってしまいました。詳しい事情は分かりませんが、当時はまだスマホはもちろんなく、携帯そのものがあまり普及していなかったことや、docomoと提携していたため、他社の機種との連携を嫌がったのかなぁ… 既にこの時にはQRコードも出回り始めていたので、ラベルにシール貼ればすぐにこれが読み込めたのに。

データ2

そんなことで、このコンテンツが800種分残っているため、整理すればいつでも組み立てることができるのです。

カントリーガーデンのオープニング当時のファイルをあちこち見ていたら、なんだか懐かしいものが出てきましたよ〜梅木さん!!カントリーハウス周りのオープニング修景を梅木さんに手伝ってもらおうと、叱咤激励していた頃の企画書です〜
梅木プラン

もう一つ懐かしいものが。オープンに合わせて、NHKのほっからんど212(当時はまだ212市町村があったのですねぇ…)という番組で、ずっと特集を組んでくれることになり、いつどんな内容でやるのか企画を立てた時のファイルが出てきました。

シナリオ

この時のビデオはいただいてあるのですが、見た記憶が全くなくて、自宅で眠っておりました。怖いけれど、オープン当時の園内が映っているので、見てみようかなぁ…

花めぐり

インバウンド対応

  • 2017.03.16 Thursday
  • 05:48
冬の滝野公園では、外国人が8割近くになっているというのにはびっくりでしたが、はたして夏にどのくらい来ていただけるのか?爆買いはしないでしょうが、その動向が気になるところです。ガイドの研修会でも、インバウンド対応は切実な話題になってきているので、会話までは無理としても、ラベルだけでも対応が迫られてきていると思います。
そんな昨日、函館駅前花壇のラベルの相談がやって来ました。函館は新幹線効果もあって、今まで以上に多様な国からのお客さんが増えてきているようです。このためここの花壇のラベルは、当初から対応することになっていました。
花壇

初めのうちは、和名に学名と英名くらいでいいのかなと思っていたら、中国(簡体字と繁体字)、韓国もとなり、そんなに入るのかなぁ…と思っていたら、なんとロシアもということになったのでした。学名はラテン語なので、なんと7カ国語対応となった訳です。そんなラベルがあちこちに立てられるとさすがにうるさくなるので、市と業者さんが苦心し、現地にあるバス休憩所の壁を使って、花壇の案内サインが作られました。
看板

気になる人は、ここを見ればなんて花か分かることになるので、とても優れものでした。昨年伺った時に、これを眺めている外国人はおりませんでしたが、有力な解決法の一つだと思います。
ラベル

私は和名と英名、学名までしか分からないので、中国語二つ、ハングル、ロシア語については、間違いなく最終チェックまでお願いして下さいね〜としか言えません。
内訳1

繁体字まではなんとか分かるのですが、簡体字になると音でおき替えられているのでさっぱり…という文字も多く、大変だということが分かります。ここはそんなにたくさんの種類がないので、このような対応が可能なのはラッキーですが、滝野公園のように種類がメチャ多いと、はたしてどうやっていけばいいのでしょうか?頭の痛い問題です。
内訳2

悲しいサルビア

  • 2016.07.22 Friday
  • 05:54
先日行った網走では、あちこち見て歩いた中にこんな花壇がありました。三週間も経っているのにこの状態では、秋に元気な花を咲かせるのは難しそう… このような悲しいサルビアになってしまったのには、二つの原因が考えられます。
はなてんと

いつも講習の際に紹介している画像があります。滝野公園のカントリーガーデンが出来たばかりの頃、植えてから二ヶ月も経ったのに、さっぱり花壇のベゴニアが大きくなってこないというのです。
滝野公園

株が大きくならないのは根に問題があるので、抜いてみればすぐに分かるでしょうと移植ごてで掘り起こそうとしたら、なんとすぽんと抜けてびっくり。なるほどなぁと、その理由はすぐに分かりました。ポットから抜いた苗をそのまま植えていたのです。
ルートボール

これはどこの現場でも当たり前のことで、ビニールポットが普及するにつれて起きてきた現象と言えます。私が社会人になった頃には、まだ地掘り苗といって畑から掘り上げた苗が、木製の魚箱にぎっしり詰められて流通することがありました。その場合には決して起きることはなかったでしょう。ポット栽培では必ずルートボールができるので、植えるときには根をしごき取って植えるということが必須ですが、ポット苗の普及に際してこれがしっかり教えられていれば、こんなことがいまだに起きることはなかったかもしれません。フラワーマスターの講習では、いつも手を挙げてもらうのですが、これをやっている方はたいてい半分以下。それが現実なのです。
抜いた状態 削った状態

ルートボールの処理と共に徹底されないのがピンチです。サルビア類のように本来秋遅くまで咲き続けるものでは、植え込まれて一月くらいしっかりと根を張って株張りを稼がせ、体力が付いてから花を楽しむようにしなければなりません。ひょろひょろ伸びた花茎や大きな花をピンチして、まず根張り株張りを増やすことが大切な作業ですが、これがまたできていないのです。せっかく咲いている花を切るなんて…と目先のことを考えていると、悲しいサルビアにしかなりません。思い切ってパチンと切ってほしいのです。
ピンチ

あちこち見て歩く中に、ちゃんとピンチして植えられているサルビアを見つけると、思わずにやりとしてしまいます。なかなかお目にはかかれませんが。
ピンチされた苗

これはいつも講習の際にご覧に入れている古い写真です。30数年前、鹿追町瓜幕の集会所の前に造られていた花壇で、これが本物のサルビアだ!!といえる見事な姿を見るに付け、いまだにこのようなサルビアを見ることがないのが寂しいです。これも多分地元で苗を作って、地掘りして植え込まれたからこんなに元気に育ったものでしょう。
瓜幕

こんなサルビアの花壇を作って見せなくてはいけませんね。さてどこがいいかなぁ…?

秋らしく

  • 2015.09.20 Sunday
  • 06:01
今週はセレモニーで始まり、そのあとはずっと現場続きだし、移動距離が半端でないのでさすがに疲労困憊。とはいえ来週の集中講義の準備もやらなきゃならないので、ぼちぼちと仕事をしていました。

昼に出かけた際、街路樹の植えますに植えられているアジサイの陰に、コルチカムが満開になっているのを見つけました。森のガーデンでもつぼみが伸び始めていましたが、暖かい札幌の町中でこんなに早く咲いているなんて。
植えます
この花は何を感知して咲いてくるのか、いろいろ調べてみてもなんの情報もありません。そんなことを研究する人はいないのでしょう。より涼しい上川でまだつぼみなのに、札幌の町中で咲いているのだから意外と温度ではないのかも。咲く日にちを決めているわけでもないでしょうし、誰か解明してくれないものでしょうか。

この品種は‘ジャイアント(Giant)’と呼ばれるもので、大輪で花被片がピンと立ち、やや網目の入った濃いピンクの花の中心が白くなる特徴があります。学生時代に、駅前にあった興農園でこれを買い求めた時のことを鮮明に覚えています。当時は‘ザ・ジャイアント’として売られていたのでずっとそう覚えていたのですが、向こうの情報では‘ザ’は付かないようで… 今でもわが国では‘ザ・ジャイアント’として流通しているのはどうしてなんででしょうか?
ジャイアント

10年前から始めた圃場整備の中で、あちこちに生き残っている球根類などを、先輩のYさんがていねいに集めてくれています。すると大半が‘ジャイアント’で、もともと植えられていたコルチカム・アウツムナーレ(イヌサフラン)(Colchicum autumnale)とおぼしき球根は、数がかなり少ないようです。40年ほど前に植えたものが、今でもこんなに残っているのは嬉しいものです。
圃場の球根
(2014.9.18)

ヒガンバナの育たない北国では、コルチカムが咲くといよいよ秋だなぁと感じます。

フユヅタ

  • 2015.03.08 Sunday
  • 05:57
先日の昼の散歩中、近代美術館の裏にある家に絡みついているイングリッシュアイビー(Hedera helix)に、びっしりと実が付いているのに気づきました。アイビーはヤツデやタラノキなどと同じくウコギ科の植物なので、花火のような散形花序になっています。ブドウの仲間で、真っ赤な紅葉がきれいなツタ(ナツヅタ)(Parthenocissus tricuspidata)に対し、常緑のアイビーをフユヅタと呼びますが、あまり一般的ではないかもしれません…
結実

昔はプランターに花を植えて小綺麗にしていたのに、今は荒れ放題になっています。アイビーだけでなく、勝手に生えてきたヤマブドウが一緒に絡んでいるので、ますますひどい状態に見えてるけれど、踏み跡がないところを見ると空き家になったようです。常緑の葉を持つ植物はほとんどない北国では、アイビーも貴重な存在といえますが、やはりきちんと手入れしないとかえってわびしくなってしまいます。
フユヅタ

昔の写真を探してみると、6年前の秋の写真がありました。まだこの頃だと葉も小さく、部分的には斑入り葉も残っていたのでイングリッシュアイビーらしい雰囲気でした。足元のプランターにも花が植えられています。どんどん根が張って勢いが強くなっていくと、斑入り葉が消えていくと共に葉が大きくなり、原種に近づいていくようです。今の状態では、在来のキヅタ(H.rhombea)とほとんど変わらない状態で、こうも雰囲気が変わるものかとちょっとびっくり。市内でキヅタ?と思う株も、アイビーが化けたものかもしれません。
   6年前
この近くにはアイビーの絡まった壁面があちこちにありますが、30年以上前には雪の上に出たアイビーが無傷で冬を越せなかったことを考えると、やはり温暖化が確実に進んでいるのでしょう。

知事公館の西側のフェンスには、十数年前に林業試験場の職員の手によってツルマサキ(Euonymus fortunei)が植えられています。ツルマサキは道内では数少ない常緑のつるもので、ねらいとしてはとてもいい試みだと思います。放任するとかなり幅が出てくるので、毎年秋にちゃんと刈り取られ、コンパクトに維持されているのですっきりしています。
ツルマサキ

道内自生とはいえ、寒さの厳しい年にはかなり葉が傷み、真っ赤になってしまうこともありました。今年も部分的に赤いところがあるけれど、ほんの一部なのでやはり暖かかったのでしょう。この葉は落葉しても、茎は全く傷んでいないので、春になれば葉を広げ、却ってきれいな姿に生まれ変わります。
傷んだ葉

ハワイの草花

  • 2015.01.12 Monday
  • 05:39
ようやくハワイ情報も一通り片付きそうです。熱帯だし、雨季や乾季もはっきりしていないため、一年中生育できる植物ばかりなので、一年草や球根などが少ないという印象を持ちました。花壇に植えられているものもペンタスやイクソラなどの四季咲き性の花木類で、ベゴニアやインパチェンスなどの草花類は全く見かけませんでした。

ホノルルに着いて真っ先に出会った草花は、わが国のハマユウの仲間のクリヌム・アウグスツム(Crinum augustum)でした。葉が緑色で花が真っ白のものと、紫色の葉にピンクの花を咲かせるものがありました。クリヌム(ハマオモト)属には約200種もあり、世界中の熱帯から亜熱帯にかけて広く分布しています。
クリナム

近縁のスパイダーリリー(ヒメノカリス・スペキオーサ)(Hymenocallis speciosa)も見かけました。これもたくさんの仲間がありますが、日本でもよく栽培されるのは本種くらいでしょう。西インド諸島が原産で、ササガニユリという和名はありますがあまり使われていません。
ヒメノカリス

グラウンドカバープランツとしてよく使われていたものに、ツユクサ科のムラサキオモトがありました。普通種ではなく、斑入りの‘トリカラー’(Rhoeo spathacea 'Tricolor')という品種です。これは松山あたりでも越冬できるので、生き生きと育っていました。
紫オモト

熱帯らしいものと言えば、ヘリコニアの仲間(Heliconia sp.)がたくさんありました。これがなんという種類かはさっぱり分かりませんでしたが、これを見ているとハワイに来た気分がします。かつてはバショウ科でしたが、現在はオウムバナ科となっています。
ヘリコニア1

結婚式をやったチャペルの入り口に咲いていたのがこの花。つぼみが一つだけ伸びていただけなので、なんの花かいな?と思ってハンドブックをめくっていたら、ちゃんとありました。英名がShampoo Ginger、ハワイ名がアワプヒ('awapuhi)、ハワイにはるばるやってきたポリネシアンが持ってきたものと言われ、つぼみを搾った汁で髪を洗うと、シャンプーとトリートメントになるのだそうです。その形からPinecone Ginger(松笠ジンジャー)とも。(Zingiber zerumbet)
ジンジャー

こちらもショウガ科で、英名はレッドジンジャー(Red Ginger)ですが、ショウガ属ではなくアルピニア(ハナミョウガ)属になっています。(Alpinia purpurata) 
ヘリコニア2

式のあとの会食で、真っ先に出てきたのがマグロのお造り。おやっ?ササを空輸しているのかなと思ってしまいました。ところが、そっと開いてみるとササではないぞ?とよく見ると、ゲットウの葉をきれいにカットしたものでした。
お造り1 お造り2

ゲットウ(月桃)(Alpinia zerumbet)も、レッドジンジャーと同じくショウガ科アルピニア属の植物で、わが国でも沖縄などには分布しています。沖縄でも餅を包むのに使われているそうですが、こうしてみるとぴったりな使い方でした。一般的には黄色の斑が入っているキフゲットウが鉢物などで流通し、温室では下草として使われます。
ゲットウ

あちこちのグラウンドカバープランツに使われているのがウェデリア(アメリカハマグルマ)(Wedelia trilobata)。かつて沖縄海洋博(1975)の会場整備で、計画を作った東大の本間先生が、イチオシで導入を決めて広めたと言われています。原産地は中央アメリカ〜南アメリカで、一年中花を咲かせているとても丈夫なカバーです。
ウェでリア

とりあえず一通りのハワイ情報でした。結婚式でもなければ自分からは行かないだろうなぁと、あちこちしっかりと見てきました。クリスマスでなければフォスター植物園や動物園も見ることができたのに…と、少し残念ではありましたが、たくさんの植物を見ることができて楽しかったです〜

ポインセチア

  • 2014.12.22 Monday
  • 05:43
ラジオからは朝から晩までクリスマスソングが繰り返し流され、早く終わってほしいなぁ…と思うほど。キリスト教徒以外で、こんなに熱心な人達もいないでしょう。この時期の鉢物も当然ポインセチアが前面に出てきます。何と今日(22日)の誕生花もポインセチアでした。先日いただいた鉢物が、我が家でちょうど咲き始めたクンシランと共に、部屋に明るさをもたらしてくれています。
自宅

事務所に飾ってある植原さんのカレンダーも、今月はポインセチアでした。千葉市花の美術館とありましたが、現在は三陽メディア フラワーミュージアム(旧称:花の美術館)となっていました。市内の印刷関係の会社が、ネーミングライツを獲得して改称しているようです。自治体の金儲けに、名前まで売り渡すこともないでしょうに… ポインセチアと胡蝶蘭、それにバラという組み合わせなので、鉢物を組み合わせて展示しているのでしょう。
植原さん

ポインセチア(Euphorbia pulcherrima)はメキシコが原産地。濃い緑の葉の中から、真っ赤な「花」が咲く様子が美しく、種小名も「大変美しい」という意味のプルケリマとなっています。メキシコでは、「貧しい女の子が、教会の祭壇に何も捧げるものがなく、道端の雑草で作ったブーケを飾ったところ、たちまち燃え上がるような真っ赤なこの花のブーケに変身した」という伝説があります。その伝説を聞いたアメリカの初代公使J・R・ポインセット氏(Joel Roberts Poinsett)がアメリカに持ち帰って紹介したので、この名前になりました。
緋色

ユーフォルビアの仲間の「花」は、正確には真ん中の小さな粒の一つ一つが花で、花を包む苞葉が赤や黄、白などに色づきます。昔出回っていた原種に近いポインセチアはかなり細葉でしたが、改良されてどんどん幅が広くなって来ただけでなく、苞葉に斑が入ったり、ピンクや絞りなど、実に様々なものが出回るようになりました。
斑入り

桃色

ポインセチアの花言葉は、色によって違っており、標準的な赤では『祝福する』『聖なる願い』『聖夜』『私の心は燃えている』など、ピンクでは『思いやり』『清純』、白では『慕われる人』『あなたの祝福を祈る』などとなっています。

マルバアサガオ

  • 2014.09.06 Saturday
  • 05:57
前日にお酒を飲む機会があり、車を事務所に置いて帰ったため、昨日は家からてくてくと歩いて出勤しました。最短距離を通れば40分弱なので、いろんな庭先の花を見ながら歩いていると、あっという間に着いてしまいます。

そんな道すがら、おやっと思ったのがアサガオの花。それも普通のアサガオ(Ipomoea nil)でも、最近流行りの‘ヘブンリーブルー’などのソライロ(セイヨウ)アサガオ(I.tricolor)でもなく、葉の形がハート型のマルバアサガオ(I.purpurea)がずいぶんと目に付きました。
マルバアサガオ

マルバアサガオは熱帯アメリカの原産で、世界各地に広く帰化している一年草。我が国には1705年前後に観賞用花卉として渡来し、暖地を中心に帰化が進み、現在では青森県にまで達しているそうです。昨日見たマルバアサガオは、ちゃんと育てて何かに絡ませているのではなく、勝手に生えてきて、そのあたりの庭木に絡まって咲いている、といった風情だったので、ひょっとしてこれはこぼれ種から生えてきているのでは?と思った次第。
雑草化

違うお庭では2種類の花が混じって咲いていました。これも植えたというより、勝手に生えたという感じで絡まっています。
二色

図鑑によると、マルバアサガオは花柄が長く、花後に肥大する果実が下向きになるのが特徴なので、他のアサガオとは容易に区別できるとのこと。確かに花茎は葉柄よりもはるかに長く、果実が大きくなると下を向いていました。
特徴

アサガオというと夏の花、熱帯の花のイメージがぴったりですけれど、じわりと進む温暖化の影響で、ヒトスジイエカではないですが、生育範囲が北進しているのかもしれません。マルバアサガオは、花の小さな赤紫のものしか見たことがなかったので、こんな絞り咲きのものがあったとは。今度タネをもらって播いてみようかな。
絞り咲き

(参考:「日本帰化植物写真図鑑」全国農村教育協会刊、2001)

サマーヒヤシンス

  • 2014.08.04 Monday
  • 06:00
最高に寝苦しい夜でした。札幌の最低気温はつい先程5時の23.4℃までしか下がらず、さすがに熱帯夜にはならなかったものの、ちょっとぐったりな朝でした。こういう時こそ、しっかり汗をかいてシャワー浴びると、シャキッとします。毛皮の脱げないこまめ君は、よろよろと冷えた床を求めてぐったりになり、ちょっと可哀想です。

北大の圃場で見頃になっている花に、涼しげに真っ白い花を咲かせるサマーヒヤシンスがあります。といってもほとんどなじみのない植物かもしれません。
ガルトニア

かつてはユリ科のガルトニア属だったので、園芸名も慣れ親しんだガルトニア(Galtonia candicans)で問題ありませんでした。ところが最近の分類体系の見直しによって、ユリ科 → ヒアシンス科 → キジカクシ科と変わり、属名までガルトニアからオーニソガラムに移ってしまっているのです。(Ornithogalum candicans) こうなると園芸名のガルトニアも居心地が悪くなってしまうので、呼び名は英名のサマーヒヤシンスとすることにしました。決してヒヤシンスに似ているとは思いませんが…
花のアップ

原産地は南アフリカのナタール地方。この地域にはたくさんの園芸植物になっている球根類が自生しています。その中で本種は、クロコスミアと共に例外的に寒さに強いようです。ゾーンNo.は7〜10になっているけれど、少なくとも札幌での栽培には全く問題ありません。(クロコスミアも今ではなじんでいる呼び名ですが、一昔前にはモントブレチアだったのですよ〜)
自生地の環境から、生育期の夏には十分湿った場所であることが大切で、休眠期の冬は乾燥していることになっています。これは自生地の様子ですが、「湿った土手に生えている」とあります。それにしても全く改良もされず、野生種のままのようですね。
  自生地
  (「BULBS」 Pan Books Ltd,1989 より)

圃場にわずかに生き残っていたものを植え直し、3年に一度くらい分球して植え広げています。以前梅木さんにお分けしたので、タネからの増殖に取り組んでいる様子。来年くらいから出回るようになるでしょう。
アリウム類は花時には葉が汚くなってしまいますが、これは葉とのバランスがいいので、群植するととても存在感があります。一番暑い季節に咲く花なので、真っ白で涼しげな様子はちょうどよいのかも知れません。

ヒマラヤの青いケシ

  • 2014.07.07 Monday
  • 06:24
「ヒマラヤの青いケシ」と呼ばれるメコノプシス(Meconopsis)は、ヒマラヤ高地だけでなく、中国の奥地や中央アジア、さらにはヨーロッパにも1種が分布し、今でも毎年のように新種が発見されて、既に60種以上にもなっているらしい。先日たまたま会った梅沢さんは、今頃ヒマラヤ奥地で吸血性のヤマビルと戦いながら、メコノプシスの新種を探しているはず。我が国の写真家には、メコノプシスに魅入られている方が何名もいるのです。
メコノプシスとの付き合いは、1990年に大阪で行われた花の万博の時からです。88年10月にそれまでの植木屋からコンサルに転職したとき、植物園の辻井先生の所にあいさつに行ったら、「ちょうどいい時に来た。さっき大阪市の人が訪ねてきて、市が造る咲くやこの花館の中に高山植物室を作るのだが、その計画と設計を頼まれたので、早速手伝ってくれないか?」とのこと。否応なく1年半の超ドタバタ生活が始まりました。
その中で、目玉はやはり「ヒマラヤの青いケシ」。会期中にずっと展示するための開花調節のしくみを作り、苗の供給は小樽の続木さんにお願いして、結果的にはなんとか乗り切れたのです。

続木さんはわが国にメコノプシスを導入した先駆者で、赤岩園芸のシンボルマークにもなっていました。ただ、それがベトニキフォリア種(M. betonicifolia)(この種名は、スペイン産のシソ科植物の葉によく似たという意味のようです)だったので、ヒマラヤの青いケシ=ベトニキフォリアということになってしまいました。でも本種の原産地はヒマラヤではなく、中国奥地だったために、名前的には少し違和感が残ることになってしまったのです。
ベトニキフォリア
滝野公園には、カントリーガーデンがオープンした翌年の01年に導入されましたが、その時にはベトニキフォリア種とグランディス種(M.grandis)(これは文句なく大きいという意味)が半々くらいに混じっていて、翌年くらいまでその区別がよくつかずに、結構苦労した記憶があります。外国の文献で、葉の形態の違いを説明したものを見つけ、花がなくてもようやく見分けることができるようになったのです。
葉
ベトニキフォリア種の葉では、葉の基部がしっかりくびれて丸みを帯び、スプーン状になるのに対し、グランディス種の葉では、基部に行くにしたがって少しずつ細くなります。分かってしまえばなーんだというレベルだったのですが…(>_<)
葉

ベトニキフォリア種には、白花やピンクがかったものが出てくることがあり、花数も多いので、しばらくは2種が並列的に植えられていました。ただ、ベトニキフォリア種の方が根生葉が少なく、開花数が結構あると株が消耗しやすいのか、越夏性や越冬性があまりよくなく、一年草扱いという感じになるのです。
白花

それに対してグランティス種の方は、株自体がどっしりしているというか、たくさんの根生葉を繁らせる中から花茎を伸ばすので、見ていても安定感がありました。しっかりと根を張って大株になると何年も生育を続け、4〜5本もの花茎を伸ばすことがあり、その豪華さは本当に素晴らしいものがあります。そしてなんといっても、名前の通り花が大きくてみごと。メコノプシスの中で最も大きな花でもあり、そしてそのブルーがとても濃いので、2〜3年でグランティス種だけにしようということになったのです。
グランティス
初めは花人の隠れ家の上に小さな植え込みを作っただけでしたが、その後その上部の現在「こもれびの庭」と呼ばれるエリアが整備され、ここに約200株ものグランディス種を植栽展示することになったのです。
花

滝野公園では、ぎりぎり夏は越すことができますが、株が小さく割れてしまって花茎が立たなかったり、花の色が濁ってきれいな青にならなかったりと、いろいろと苦労は絶えませんでした。今年になってようやく、いろんな課題を克服してみごとな花を楽しむことができるようになったといえるでしょうか。正真正銘ヒマラヤ原産のグランディス種は、そのうち『ヒマラヤの青いケシ』と呼ばれるようになってくると思います。これの栽培が一息ついたところで、ベトニキフォリア種や、その他のメコノプシスにも手を広げてみたいですね〜

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