外国産ナナカマド

  • 2017.08.08 Tuesday
  • 05:51
先日八紘学園に見学に行ったおり、福住駅から学園に向かう途中の学園敷地の端っこに、よく分からない木が並んで立っていました。サンザシだろう?いやナナカマドだろう?と侃々ガクガク。みなさん樹木の達人ばかりなので、いろんな候補が出てきました。
福住産ナナカマド

ジンギスカンを食べながらもこの話題で盛り上がり、カワシロナナカマド説が強かったのですが、カワシロナナカマドはこんなに実が大きくないので、違うなぁ…と思っていました。戻ってから画像を確認しても、やはりこんなに大きくないのです。(植物園で 2013.7.29)
カワシロナナカマド

実は、これとほとんど同じ木が豊平公園にもあります。30数年前、緑のセンターをオープンさせた年に、当時西山(白旗山)にあった市の苗圃を閉鎖することになり、いろんな珍しい木を豊平に移植しました。その中に外国産のナナカマドがあり、5本ほどを豊平墓地に接した苗圃と野草園の間に列植したのです。その中にこれと同じものがありました。(豊平公園で 2011.8.29)
豊平公園ナナカマド

メンバーのWさんが、福住の現地を再確認し、植物園と豊平公園の木も調査されて、ここには二種のSorbusがあり、冒頭の写真のものはソルブス・インテルメディア(Swedish whitebeam)(Sorbus intermedia)、もう一つカワシロナナカマド似の株はソルブス・ツリンギアカ(Sorbus x thuringiaca)ではないかと調べてくれました。さすが元研究者だけあります。後者は、セイヨウナナカマド(Rowan)(Sorbus aucuparia)と、アリアナナカマド(Whitebeam)(Sorbus aria)の交雑によって作り出された園芸品種でした。つまり、複葉のセイヨウナナカマドと、単葉のアリアナナカマドの交雑なので、その結果生まれた雑種がカワシロナナカマド(ナナカマド×アズキナシ)の葉によく似てくるのでした。これで納得です。
rowan

セイヨウナナカマドの写真は手元になかったので、ネットからお借りしましたが、アリアナナカマドは札幌にも植えられています。場所は十五島公園のバス停の真ん前。以前ここを走っていて偶然見つけたものです。葉には白毛が密生し、なかなかきれいな姿でしたが、なんでこんな珍しいものがここにあるのでしょう??(十五島で 2005.10.5)
whitebeam

八紘学園には、かつてシャクナゲやライラックなど、花木専門のIさんという技官がおり、大昔自宅に伺ったことがあったのも確かこの辺りだったはずなので、きっとその名残のようです。こういう探索は本当に面白くて、一人で燃えてしまいました。


ついでながら日曜の昼間、孫2号と3号がそろい踏みをしている時に、窓の外でいきなりセミが鳴き始めました。この時期ならエゾゼミ?と思いきや、ジージーととんでもなくうるさいので窓から見ると、目の前のエゾヤマザクラにアブラゼミが止まって鳴いていたのです。以前余市のブドウ畑で遭遇したことがありましたが、こんなところまで来ているとは。30℃近い暑さがさらに暑く感じてしまいました〜(^^;)
アブラゼミ

消える樹木

  • 2017.07.25 Tuesday
  • 05:59
昨日は午後から、今年2回目のフラワーマスター講習会。一番集まりやすいのでたくさんの参加があるのかと思いきや、たった26名でした。そのかわり、北は利尻や稚内から、東は厚岸や釧路からと、ずいぶん遠方から受講されておりました。利尻の方は前泊と後泊が必要とのことで、本当にご苦労様です。精一杯のお話しをさせていただきましたが、みなさん居眠りもせず、しっかりと聞いておられました。
フラワーマスター

2時間半、かなりのスピードでしゃべり続けるので、帰りのバスではかなりぐったり。ぼ〜っと外を見ていると、見慣れた場所に木がなくなっているのに気付きました。そこは出版取り次ぎ会社の札幌支店で、第1回目の都市景観賞を受賞した作品でもあったのです。
伐採

事務所に戻り、もう一度しっかり現場を確認しなくちゃと、自転車こいで現地に駆けつけました。するとなんとも無残。解体業者が無造作にチェンソーとバックホーで木を切り刻み、ちょうど切り倒したばかりだったのです。
無残な状態

ここは元アメリカ領事館があったところで、円山に移転した跡にこの会社が、既存樹木をそのまま活かし、レンガをうまく使った落ち着いた建物を建てたのです。キタゴヨウやヨーロッパクロマツ、サワラなどの針葉樹主体の豊かな緑が、この一角に存在感のある緑の固まりを形成していました。
元の姿

それがあっという間に丸裸。道路拡幅によって歩道に取り込まれたサワラやイチイは切るに切れず、ポツンと取り残されているのがなんとも哀れな状態に。戦前の住宅地図を見ると、ここには一丁画の4分の1を占める個人宅になっており、立派な庭が造られていたようです。その名残があっという間に消え去ってしまったのです。たまたま昨日通り過ぎたから、切り刻まれた木とお別れすることができたけれど、知らなかったら更地を前に呆然とするところでした。
消える樹木

この跡に、どこの誰がどんな建物が建てるのか知らないけれど、この恨みは絶対に忘れないぞ!!

キリの花

  • 2017.06.06 Tuesday
  • 05:49
土日も出ずっぱりなので、月曜日はさすがに体がだるくなり、ペースを落として過ごすことにしています。打合せの後、お昼を食べに行こうと環状通を歩いていると、建物のすき間からキリの花が満開になっていました。
キリの花

この古い建物には、何件もテナントが入っており、いつもカットしてもらうパーマ屋さんもここに入っています。何年か前には、その窓から屋根に出て、キリの写真を撮したこともありました。昨日は久しぶりにまぶしいほどの青空になったので、青空を背景にした方が綺麗に写ります。去年のタネの脱け殻が付いているのが目障りだけど、本当に豪華な花が楽しめました。
満開

この木も7〜8年前に大家さんが地上1mくらいのところで切り倒してしまったのですが、なんとそこから胴吹きした芽があっという間に元通りに大きく育ちました。キリの生命力は本当にすごいと思います。
幹

キリの木で並木道を作ったら、ジャカランダにも負けないだろうなぁ…と思っているのですが、なかなかそれを作ることのできる現場がありません。こんな存在感のある木もないと思うのですが。下から見上げると、この花の美しさがよく分からないのが難点かも。隣のマンションからは、さぞや見事な風景になっていそうです。
  全景

久しぶりに食べた長命庵の韃靼蕎麦。疲れ切った体にしみわたるような、私にとっての薬膳蕎麦です。ごちそうさまでした〜
ダッタンそば

町中の樹木

  • 2017.06.04 Sunday
  • 05:49
金曜は、滝野公園の植栽片付けてからとんぼ返りし、着替えてから先日いただいた学会賞のお礼回りを。この時期町中を歩き回ることはほとんどなかったので、ある意味とても新鮮でした。中央署前の北1条通では、なんとニセアカシアの花が間近に垂れておりました。ここは国道なので開発局の管理になっており、かつては毎年強剪定するため花なんか咲かなくて、よく新聞にたたかれていました。しかし近年は管理費削減で剪定されることがほとんどなく、かえってよく花が見られるようになっています。
ニセアカシア

駅前通に入ると、中央分離帯のオオバボダイジュがめきめきと大きく育っているのにちょっとびっくり。この調子でいけば、あと5年もすれば立派な姿になってくれそうです。乾燥期には地中灌水も行っているのですが、今年はこんなに雨が降るので、枝の伸びにも勢いがあるようです。
オオバボダイジュ

いつも気になる北3条広場のイチョウも、枝枯れを起こすことなくしっかりと芽吹いてきたようです。そろそろ根が落ち着いてくる頃なので、今年の夏にはもう少し枝葉が繁ってくれるのではと期待しています。
イチョウ

ある方から、足元のグラウンドカバーがみすぼらしいのでなんとかならないか?と言われていました。これは市の管理ではなく、ここを整備した民間事業者が植栽したものです。デザイン検討委員会にそのプランが提出された時、あんまり好きではないけれど、事業者側の提案なので無下には否定できなかったのですが、そろそろ見直しをかけなければならないようです。
足元

いつも斬新な修景をやっているクロスホテルの前庭は、昨年くらいにリニューアルされたようです。誰がデザインしているのか分かりませんが、北海道感覚ではないので、多分東京の業者のような気がします。
クロスホテル

でもアイビー使った目隠し植栽は、ちょっとなぁ… 札幌でこんな植栽してもそんなにツルが伸びないので、見直した方がいいと思うのですがねぇ…(^^;)
アイビー

中央区では、樹形がコンパクトで、ほとんど剪定もいらないことから、最近あちこちにハクウンボクの街路樹が植えられています。その名の通り白い花がふわっと咲き始めてきました。せめて一週間くらい見ごろが続けばいいのにといつも思う短命な花です。
ハクウンボク

帰りにバスの窓から見ていると、STVの前にハクウンボクが満開になっていました。ここにはかつて大きなニセアカシアがこの時期見事な花を咲かせていましたが、20数年前に強風で倒れてしまい、その後に植えられたもので、最も古いハクウンボクだと思います。その並びにあるクロマツが寒風害で真っ赤になっており、建物近くのヨーロッパクロマツとの対比が際立ってました。でもその左にあるクロマツが、全く被害を受けていないのはなぜ?かつて剪定や冬囲いしていた木だけに、なんとも気になる状態でした。
STV前

寒風害

  • 2017.05.19 Friday
  • 05:54
十勝ヒルズでは、ニオイヒバの一部に寒風害があり、このままでは見苦しいので剪定してもらいましたが、落葉樹でもかなり枯れ込んでいるものがあるようです。まだ芽が動いていないものがあるので確定はできませんが、何年かぶりの被害になっているかもしれません。
ニオイヒバ

そうしたら、昨日は2件クロマツの枯れについて問合せがありました。盤渓でも木全体が真っ白になっていて、かろうじて新芽は生きているものの、着いている葉は真っ赤になりそうな木があります。この分では、きっとあちこちで起きているなとは思っていました。
環状通りの東区部分には、できた時からクロマツが植えられています。(因みに北区はハルニレ、白石区に入るとバラ、豊平区ではリンゴが植えられています。東区はなんでクロマツだったのでしょうね?)ここでは10年おきくらいに寒風害を受けて真っ赤になり、以前問い合わせがあった時に、傷みのひどいものからヨーロッパクロマツに植え替えなさいとアドバイスしていました。写真で緑色をしているのがヨーロッパクロマツで、当初からかなりの本数が紛れ混んでいたのです。苗木屋も造園業者も見分けが付かないのでしょう。(Yさんから送られてきた画像を拝借します。)
環状通

常緑針葉樹で時折起きる寒風害は、寒さでも風でもなく、葉から水分が収奪されて限界を超した時に起きると言われます。なので、寒さがそんなに強くない年でも起きるのが不思議なところで、私の先輩がその機構の解明に挑戦したことがありました。
浅野論文

冬の前にある程度水分を減らして体質を堅くして準備ができるものは、ハイマツのように高山でもたくましく生き抜いてきた仲間で、温暖地に自生のあるクロマツやアカマツでは、その準備ができていない可能性が高いのですが、アカマツの方が水分含有率が高いのは不思議です。アカマツではあまり寒風害が起きませんから。
被害率

結論的に明確な解明には至っていませんが、要はその場所にあった樹種を選定すれば問題は起きない訳で、ここではヨーロッパクロマツに植え替えをどんどん進めてくれていれば、なんの問題も起きないかったし、雪吊りに毎年莫大な経費をかける必要もなくなるのですが… ただヨーロッパクロマツは庭木には不向きなので、その場合にはゴヨウマツあたりにしておくのが無難ということになります。

ユリノキの伐採

  • 2017.05.16 Tuesday
  • 05:50
ユリノキ(Liriodendron tulipifera)は、英名がチューリップツリー(tulip tree)。ユリよりはチューリップの方がいくらなんでも近いように思いますが、種小名を訳せばいいものを、属名をそのまま訳したのでしょう。
花

別名をハンテンボク(半纏木)といいましたが、ほとんど使われなくなりました。半纏を着たことがない人が増えてくると、死語になっていくのでしょう。
葉

市内には、1886(M19)年に開園した植物園内の株と、これもルーツ的にはかなり古い1880(M13)に開設された円山公園内の円山養樹園跡地にある株が、古さ的には双璧でしょう。いずれも回りに木がびっしりなので、全貌を撮すことができませんが、けっこうな大きさです。でもこれよりも大きな木が、農学部裏の石山通によって飛び地になった演習林の苗畑にありました。いくら探してもその写真が見当たらないのですが、ひょっとしてスライド時代かな?これは、2004年の台風18号の暴風によって、頭を1/4くらいへし折られ、その後かなり回復してきた頃の姿です。
元気な姿

そんなユリノキが、冬の間に伐採されてしまいました。そのことは知らされていたのですが、雪が融けないと確認できないだろうと、4月の末に見てきたのです。飛び地に渡る橋の上から、ぽっかりと空いてしまった伐採跡がよく見えてきました。
伐採

近づいてみると、なんとも無残に残骸が山になっており、なんでこんなことになってしまったのか、怒りがふつふつと湧き上がってきました。
伐採跡

丸太になってしまった幹が転がされていましたが、全然腐朽してもいないし、健全そのものの断面ではありませんか。よほどこの材が欲しかったのか…
丸太

台風によって樹高が抑えられ、むしろ安全度が高まったくらいだし、幹に傷がないことくらいちょっと調べれば分かることなのに、なんで伐採されなければならなかったのでしょうか。思い切り偏芯しているけれど、年輪に粗密がほとんどないので、これまで健全にすくすくと育ってきたものでしょう。回りに競合する木がなかったことも幸いしたようです。
年輪

この直後にこれを書くと、頭が沸騰していたのでなにを書くか分からないと、しばし頭が冷えるのを待っていました。あらためてこれを見直してみても、これが学問の府である大学のすることなのか、また怒りと悲しみがわき上がってしまいました。ともかく、札幌の貴重な緑の財産が、2017年の初頭に姿を消してしまったのです。

桜満開♪

  • 2017.03.19 Sunday
  • 06:11
昨日は恵庭の講演会に行く前に、東急デパートに寄ってみました。北玄関ロビーに1千本ものサクラが満開になっているというのです。
東急デパート
  (北海道新聞WEBニュースから拝借…m(__)m   2017.3.17)

ドアを入ると甘い香りに満ちており、かなりの迫力でした。数年前に滝野公園でもやりましたが、いかんせん見に来るお客さんが少なくて、かなりもったいなかった記憶があります。それに比べれば町中のデパートなので、ひっきりなしに入ってくるお客さんが歓声を上げていましたが、北玄関から入る人はかなり少ないので、やっぱりもったいないか。でも日陰で涼しくしないと一週間もたないし、難しいところなんでしょう。
満開

主力はこの時期切り枝でよく出回る「啓翁桜」。生まれは福岡県久留米ですが、切り花生産は山形県が主力になっているようです。枝の吹きがよくて素直に伸び、それに小振りの花がびっしり着くので、切り枝には向いているのです。
啓翁桜

それにしても、生産地であるJA庄内みどりで作った?名札が、「啓扇桜」になっているのはまずいんじゃないのかなぁ…(^^;)
(?_?)

桜だけでなく、アセビの切り枝を混ぜているので、濃い緑をバックに花が引き立っていい感じになっていますが、アセビは有毒植物だなんて誰も気付かないから、まぁいいか。
アセビ

記事に書かれているオカメザクラは、カンヒザクラとマメザクラを交雑して作られた品種とのことなので、これのことかな?どう見てもカンヒザクラそのものですが。
カンヒザクラ?

トウカイザクラは啓翁桜の別名と、日本花の会のHPに書かれているので、はっきり区別がつきません。
トウカイザクラ

オトメザクラもフジザクラの別名のようで、白い花をうつむき加減に咲かせるとあるけれど、あんまりうつむいてないし… 今ひとつ判別出来ませんでした。
オトメザクラ?

まぁ、細かく詮索しないで、この時期には絶対に見られない満開の桜を満喫していただきたいです。(22日までです。)私みたいに玄関しか覗かない不心得者ではなく、ちゃんとデパートの中も見てあげて下さいね〜

もろいイチョウ

  • 2017.01.09 Monday
  • 05:44
イチョウの材が、柔らかくてもろいことは分かっていましたが、それをまざまざと分からせてくれたのが、2004年9月に札幌を襲った18号台風でした。この時には北大のポプラ並木ばかりがクローズアップされましたが、あのあと市内のいろんなところを見て歩き、被害状況を確認することにしました。洞爺丸台風以来約50年振りの台風被害だったので、私が生きているうちにこんな被害は起きないかもしれないと思い、ひたすら写真を撮して歩きました。その時、道庁赤れんが前のイチョウが、こんな状態で付け根からポッキリと折り取られているのにびっくりしたのです。
被害状況
 (18号台風によるイチョウの被害状況   2004.9.14)

このイチョウが、並木になっているイチョウと同じく、東京の荒川堤にあった内務省の苗畑育ちの木で、並木に植えた残りをこのあたりに植えられたものという経緯は、この時にはまだ知りませんでした。場所がいいので、並木の倍くらいに大きく育っていますが、全く同じ年齢の木だったのです。それにしてもみごとに抜け落ちるものだと感心するほどでした。このような抜け方をする木を、ほかに見たことがありません。なので、太くてしっかりしているからといって、全然安心できないものだと強く思いました。
枝抜け
 (18号台風によるイチョウの被害状況   2004.9.14)

現在では、傷口の回りからたくさんの枝が吹いてきており、いいものを残していけば傷口を巻き込むくらい育ってくれるでしょう。このあたりの生命力の強さが、生きた化石と言われるほど、しぶとく生き残った理由かもしれません。
現在の状態
 (現在の回復状況   2016.9.21)

並木の方でも、南西角の2本が頭をへし折られました。強い南南西の風が、建物を回って吹き込んだために、この二本が一番被害を受けました。その後は頭を切り戻しただけで、10年間放置されていたのです。
幹折れ
 (18号台風によるイチョウの被害状況   2004.9.14)

広場の整備が大体出来上がってきた2013年冬に、剪定の指導で高所作業車に乗る機会がありました。高いところはあまり好きではありませんが、こんな機会は滅多にないので、気になっていたところをすべて確認したのです。この木も切り戻された回りからたくさんの枝が伸びていましたが、このまま伸ばしてもいいものと、枝が伸びると付け根からぽろっと落ちてしまうものとがあるので、この見分けをしっかりと作業員と確認していったのです。
萌芽状況
 (折れたところからの萌芽状況   2013.12.3)

とはいえ、これだけの老木だし、あちこち溝腐れ病の被害を受けている枝が多く、本当に危ないものばかりです。この並びがずらりとライトアップされていないのは、私がNGを出しているからなんですが、このライトアップ自体、本当はやってほしくありません。

道内産ウルシ

  • 2016.12.20 Tuesday
  • 06:00
昨日の朝刊に、江差でウルシの木を育てているという記事が載っていました。江差であれば十分育つことでしょうが、息の長い取り組みになりそうです。

江差のウルシ
 (朝日新聞WEB版から拝借 m(__)m  2016.12.19)

もう20年近く前のことですが、開拓記念館(現北海道博物館)にいる後輩から「どこかにウルシの木があるのを知りませんか?」と電話がありました。市内にもあるけれど、素性が分からないからねぇ…と、一応場所だけは教えてあげました。結局由来が分からなかったと見えて、あとで送られてきた図録にはどこにも書かれておりませんでした。
漆器
(第47回特別展「うるし文化」-漆器が語る北海道の歴史- 図録 北海道開拓記念館、1998より)

陶磁器がChinaであるのに対し、漆器はJapanと呼ばれるほど、我が国独特の文化として古来より発展してきました。しかし、我が国で使われているウルシの中で、国産品の比率は現在わずか1%しかありません。国宝などの文化財の修復に中国産のウルシを使うのはおかしいと、美術工芸会社の社長になった英国人が文部大臣に直訴した結果、ようやく2018年からは国宝の修理には国産ウルシが使われるようになりました。国産ウルシの7割は岩手県浄法寺町で作られているそうですが、これからは各地でウルシの栽培が盛んになるかもしれません。
ウルシ掻き道具
(第47回特別展「うるし文化」-漆器が語る北海道の歴史- 図録 北海道開拓記念館、1998より)

円山養樹園で栽培され、払い下げられていった苗木の記録を見ると、多いものではニセアカシヤ(10,000本)、クロマツ(10,000本)、アカマツ(10,000本)、オーストリヤ松(多分ヨーロッパクロマツ)(6,000本)、ヒネキリマツ?(20,000本)などの中で、ウルシはなんと250,000本も作られていたことが分かります。殖産興業になんとかものにしたい意気込みが感じられますが、はたしてその苗木はどこに植えられたのでしょうか?

私の知る限りでは、札幌にあるウルシはKitaraのすぐ隣、鴨々川の河川敷に生えている1本だけです。25年くらい前に、中島公園の毎木調査をやっていた時に見つけました。
鴨々川のほとり

初めて見たときには、なんの木が全く思いつかず、一枝折り取って会社に持ち帰り、図鑑と見比べて調べていました。林学を出た同僚も、こんな複葉でこの実の付き方だとヌルデみたいだけど、葉に翼がないしなんだろうねぇ…?とか言っているうちに、イギリスの樹木図鑑を見ているとそっくりなものを見つけました。この Varnish tree ってなんの木かな?と調べていくと、なんと日本から持ち込まれたウルシだったのです。
ウルシ
 (「Tree and Shrubs of Britain」 Reader's Digest、1981 より)

その時すでに遅し。同僚は極端にウルシかぶれに弱く、林学実習で山に入るのが大変だったという体質だったので、たちまち顔が腫れ上がり、数日間会社を休む羽目になりました。私はウルシにはかぶれたことがないので、全く平気でしたが。
結実状態

道内では、江戸時代から持ち込まれたといわれるものが網走にあるくらいで、ほとんど栽培されておりませんが、ウルシはいろいろな用途があるので、栽培にチャレンジすれば休耕田対策にもなりそうです。でもウルシかぶれに強い人でなければ、とても近寄れないかもしれません。
ウルシの果実
 (今年採取したウルシの果実。)

恵み野の街路樹

  • 2016.09.16 Friday
  • 05:51
先日恵み野に行った時、国道から環状通に入ると、こんな感じに片側のイチョウの街路樹が思い切り強剪定されているのにびっくり。(これはあとで撮したので、左右が逆になっています。)
片側

内倉さんに案内されて交番のところまで行くと、ここから駅までの間の街路樹は、両側共に思い切り下枝が払われていました。事情を聞くと、剪定作業が駅で折り返してここまで来た時に、地元紙である千歳民報に大きく取り上げられたために、ここで作業が止まったようでした。
駅前

街路樹は、電柱や標識のような道路占有物ではなく、れっきとした道路を構成する要素の一つである付属物です。比較するのも変ですが、当然こちらの方が‘えらい’存在なので、その扱いには細心の注意を払わなければなりません。もちろん道路空間にある以上、たくさんの制約を受けており、たとえば車道側では高さ4.5m、歩道側では2.5mの空間には、枝を伸ばすことができません。しかしこれは5m以上、6mくらいまでの枝が払われてしまっているのです。
途中

それよりも何よりも、その切り方がものすごい。なんとチェンソーでバリバリと切り落としているのです。これなどまだいい方で、幹まで傷つけたり、反対に長く切り残したり、高所作業車に乗ってジャンジャン伐りまくっていったのでしょう。これでは傷口をふさぐことができず、ここから枝や幹の内部に腐朽が進んでしまいます。1本ずつ丁寧に剪定する予算がないので、必然的にこうなってしまったのでしょうが、「それをやっちゃあ おしめぇよ〜」というレベルの作業でしょうねぇ… こんな剪定をやれば、上に残った枝がぼうぼうに伸びて樹形を崩し、取り返しがつかないほど見苦しくなること。切られた枝のところから無数の枝が吹いてきて、結局また枝の塊ができてしまい、今度はもっと剪定の効かないひどいことになってしまうでしょう。
チェンソー

恵庭市では、昨年11月に公園の木や街路樹について考えるシンポジウムをやったばかりです。それを受けて、市民からの苦情をストレートに対応していたらとんでもないことになるので、パネリストにもなっていただいている樹木医のような専門家の意見を聞きながら、落としどころを見つける工夫をすればよいのでは?ということになったはずでした。それがなんでこんなことになるのでしょう… 頭がくらくらしてしまいました。

いろんな苦情はあるでしょうが、だからといってそれをすべて聞いていたら街路樹なんて1本もなくなってしまいます。そのためにはどうすればよいのか、シンポジウムで話し合ったばかりではなかったのでしょうか。市の対応を注視していきたいです。

民報
(千歳民報の記事を引用させていただきました。m(__)m  2016年9月10日号より)

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