桜の季節

  • 2017.04.21 Friday
  • 05:52
今年もまた桜狂想曲の季節になって来ました。数年前からチシマザクラの面倒を見ている寒地土木研究所から、一般公開を来週月曜からにしようかと迷っているのですが…と相談めいたメールが来たので、様子を見に行ってきました。車を止めた駐車スペースの横にあるエゾヤマザクラは、もう冬芽が割れ始め、葉芽からは茶褐色の若葉が覗いてました。札幌の開花予想はソメイヨシノを基準にしており、各社とも4月30日あたりとしているので、エゾヤマザクラだと28日くらい。この寒さならあと一週間くらいかかるかもしれません。
エゾヤマザクラ

所員たちでタネを播き、苗木作りを始めて3年経ち、たくさんの苗木が育ってきています。苗木が雪折れしないよう、イチイの株の足元にきれいに並べられており、みんな無事に冬を越していました。桜の剪定やこの苗木の面倒を見てくれていた方が、3月末で辞められたので、このあとの管理体制がとても心配です。
苗木

玄関前にある姿のいい株は、開花もたいてい一番なので、ここの「標本木」になっていますが、既にピンクの花びらが見えていました。これなら来週初めには間違いなく開花しているでしょう。
標本木

精進川沿いに植えられている株を見に行くと、積雪の影響を受けやすい下枝が、雪折れしているものがたくさんありました。タネから育てた苗木や、このように萌芽更新した株も移植されているのですが、これらの枝もかなり傷んでいます。親切心からシュロ縄で縛っているのは却って逆効果で、縄のところで折れてしまいます。自然積雪であればそのままにした方がよく、除雪の雪がかぶるのであれば、しっかりと雪囲いをしなければなりません。
雪折れ

珍しくネズミにかじられているものがありました。隣に川が流れているので、エゾヤチネズミが出没してもおかしくないのですが、今まで一度も野鼠(やそ)害を受けたことはなかったのです。上流から移動してきたものがこの辺りに居着いてしまったら、毎年被害が出るようになってしまいます。これは困った。
野鼠害

雪融け水を集めて、水量もかなり多く濁っています。あと一週間もすれば雪融け水も落ち着いて、やさしい姿に戻ることでしょう。
精進川

所内で一番色の濃い株も、これがチシマザクラ?と思ってしまうほどの艶やかな色を見せていました。日当たりのいい、川の手前側の木では、かなりつぼみがかなり割れているけれど、実験棟の陰になる対岸に植えられている木は、まだつぼみが堅いので、両岸が満開になるのはちょうどゴールデンウィークの真っ最中になりそうです。
色の濃い株

開放期間はガードマンを手配しなければならないし、所員も交代で出勤しなければならないので、けっこう負担が大きいのです。昨日の確認で開放期間も決まることでしょう。詳しくはこちらから確認して下さい。

桜満開♪

  • 2017.03.19 Sunday
  • 06:11
昨日は恵庭の講演会に行く前に、東急デパートに寄ってみました。北玄関ロビーに1千本ものサクラが満開になっているというのです。
東急デパート
  (北海道新聞WEBニュースから拝借…m(__)m   2017.3.17)

ドアを入ると甘い香りに満ちており、かなりの迫力でした。数年前に滝野公園でもやりましたが、いかんせん見に来るお客さんが少なくて、かなりもったいなかった記憶があります。それに比べれば町中のデパートなので、ひっきりなしに入ってくるお客さんが歓声を上げていましたが、北玄関から入る人はかなり少ないので、やっぱりもったいないか。でも日陰で涼しくしないと一週間もたないし、難しいところなんでしょう。
満開

主力はこの時期切り枝でよく出回る「啓翁桜」。生まれは福岡県久留米ですが、切り花生産は山形県が主力になっているようです。枝の吹きがよくて素直に伸び、それに小振りの花がびっしり着くので、切り枝には向いているのです。
啓翁桜

それにしても、生産地であるJA庄内みどりで作った?名札が、「啓扇桜」になっているのはまずいんじゃないのかなぁ…(^^;)
(?_?)

桜だけでなく、アセビの切り枝を混ぜているので、濃い緑をバックに花が引き立っていい感じになっていますが、アセビは有毒植物だなんて誰も気付かないから、まぁいいか。
アセビ

記事に書かれているオカメザクラは、カンヒザクラとマメザクラを交雑して作られた品種とのことなので、これのことかな?どう見てもカンヒザクラそのものですが。
カンヒザクラ?

トウカイザクラは啓翁桜の別名と、日本花の会のHPに書かれているので、はっきり区別がつきません。
トウカイザクラ

オトメザクラもフジザクラの別名のようで、白い花をうつむき加減に咲かせるとあるけれど、あんまりうつむいてないし… 今ひとつ判別出来ませんでした。
オトメザクラ?

まぁ、細かく詮索しないで、この時期には絶対に見られない満開の桜を満喫していただきたいです。(22日までです。)私みたいに玄関しか覗かない不心得者ではなく、ちゃんとデパートの中も見てあげて下さいね〜

もろいイチョウ

  • 2017.01.09 Monday
  • 05:44
イチョウの材が、柔らかくてもろいことは分かっていましたが、それをまざまざと分からせてくれたのが、2004年9月に札幌を襲った18号台風でした。この時には北大のポプラ並木ばかりがクローズアップされましたが、あのあと市内のいろんなところを見て歩き、被害状況を確認することにしました。洞爺丸台風以来約50年振りの台風被害だったので、私が生きているうちにこんな被害は起きないかもしれないと思い、ひたすら写真を撮して歩きました。その時、道庁赤れんが前のイチョウが、こんな状態で付け根からポッキリと折り取られているのにびっくりしたのです。
被害状況
 (18号台風によるイチョウの被害状況   2004.9.14)

このイチョウが、並木になっているイチョウと同じく、東京の荒川堤にあった内務省の苗畑育ちの木で、並木に植えた残りをこのあたりに植えられたものという経緯は、この時にはまだ知りませんでした。場所がいいので、並木の倍くらいに大きく育っていますが、全く同じ年齢の木だったのです。それにしてもみごとに抜け落ちるものだと感心するほどでした。このような抜け方をする木を、ほかに見たことがありません。なので、太くてしっかりしているからといって、全然安心できないものだと強く思いました。
枝抜け
 (18号台風によるイチョウの被害状況   2004.9.14)

現在では、傷口の回りからたくさんの枝が吹いてきており、いいものを残していけば傷口を巻き込むくらい育ってくれるでしょう。このあたりの生命力の強さが、生きた化石と言われるほど、しぶとく生き残った理由かもしれません。
現在の状態
 (現在の回復状況   2016.9.21)

並木の方でも、南西角の2本が頭をへし折られました。強い南南西の風が、建物を回って吹き込んだために、この二本が一番被害を受けました。その後は頭を切り戻しただけで、10年間放置されていたのです。
幹折れ
 (18号台風によるイチョウの被害状況   2004.9.14)

広場の整備が大体出来上がってきた2013年冬に、剪定の指導で高所作業車に乗る機会がありました。高いところはあまり好きではありませんが、こんな機会は滅多にないので、気になっていたところをすべて確認したのです。この木も切り戻された回りからたくさんの枝が伸びていましたが、このまま伸ばしてもいいものと、枝が伸びると付け根からぽろっと落ちてしまうものとがあるので、この見分けをしっかりと作業員と確認していったのです。
萌芽状況
 (折れたところからの萌芽状況   2013.12.3)

とはいえ、これだけの老木だし、あちこち溝腐れ病の被害を受けている枝が多く、本当に危ないものばかりです。この並びがずらりとライトアップされていないのは、私がNGを出しているからなんですが、このライトアップ自体、本当はやってほしくありません。

道内産ウルシ

  • 2016.12.20 Tuesday
  • 06:00
昨日の朝刊に、江差でウルシの木を育てているという記事が載っていました。江差であれば十分育つことでしょうが、息の長い取り組みになりそうです。

江差のウルシ
 (朝日新聞WEB版から拝借 m(__)m  2016.12.19)

もう20年近く前のことですが、開拓記念館(現北海道博物館)にいる後輩から「どこかにウルシの木があるのを知りませんか?」と電話がありました。市内にもあるけれど、素性が分からないからねぇ…と、一応場所だけは教えてあげました。結局由来が分からなかったと見えて、あとで送られてきた図録にはどこにも書かれておりませんでした。
漆器
(第47回特別展「うるし文化」-漆器が語る北海道の歴史- 図録 北海道開拓記念館、1998より)

陶磁器がChinaであるのに対し、漆器はJapanと呼ばれるほど、我が国独特の文化として古来より発展してきました。しかし、我が国で使われているウルシの中で、国産品の比率は現在わずか1%しかありません。国宝などの文化財の修復に中国産のウルシを使うのはおかしいと、美術工芸会社の社長になった英国人が文部大臣に直訴した結果、ようやく2018年からは国宝の修理には国産ウルシが使われるようになりました。国産ウルシの7割は岩手県浄法寺町で作られているそうですが、これからは各地でウルシの栽培が盛んになるかもしれません。
ウルシ掻き道具
(第47回特別展「うるし文化」-漆器が語る北海道の歴史- 図録 北海道開拓記念館、1998より)

円山養樹園で栽培され、払い下げられていった苗木の記録を見ると、多いものではニセアカシヤ(10,000本)、クロマツ(10,000本)、アカマツ(10,000本)、オーストリヤ松(多分ヨーロッパクロマツ)(6,000本)、ヒネキリマツ?(20,000本)などの中で、ウルシはなんと250,000本も作られていたことが分かります。殖産興業になんとかものにしたい意気込みが感じられますが、はたしてその苗木はどこに植えられたのでしょうか?

私の知る限りでは、札幌にあるウルシはKitaraのすぐ隣、鴨々川の河川敷に生えている1本だけです。25年くらい前に、中島公園の毎木調査をやっていた時に見つけました。
鴨々川のほとり

初めて見たときには、なんの木が全く思いつかず、一枝折り取って会社に持ち帰り、図鑑と見比べて調べていました。林学を出た同僚も、こんな複葉でこの実の付き方だとヌルデみたいだけど、葉に翼がないしなんだろうねぇ…?とか言っているうちに、イギリスの樹木図鑑を見ているとそっくりなものを見つけました。この Varnish tree ってなんの木かな?と調べていくと、なんと日本から持ち込まれたウルシだったのです。
ウルシ
 (「Tree and Shrubs of Britain」 Reader's Digest、1981 より)

その時すでに遅し。同僚は極端にウルシかぶれに弱く、林学実習で山に入るのが大変だったという体質だったので、たちまち顔が腫れ上がり、数日間会社を休む羽目になりました。私はウルシにはかぶれたことがないので、全く平気でしたが。
結実状態

道内では、江戸時代から持ち込まれたといわれるものが網走にあるくらいで、ほとんど栽培されておりませんが、ウルシはいろいろな用途があるので、栽培にチャレンジすれば休耕田対策にもなりそうです。でもウルシかぶれに強い人でなければ、とても近寄れないかもしれません。
ウルシの果実
 (今年採取したウルシの果実。)

恵み野の街路樹

  • 2016.09.16 Friday
  • 05:51
先日恵み野に行った時、国道から環状通に入ると、こんな感じに片側のイチョウの街路樹が思い切り強剪定されているのにびっくり。(これはあとで撮したので、左右が逆になっています。)
片側

内倉さんに案内されて交番のところまで行くと、ここから駅までの間の街路樹は、両側共に思い切り下枝が払われていました。事情を聞くと、剪定作業が駅で折り返してここまで来た時に、地元紙である千歳民報に大きく取り上げられたために、ここで作業が止まったようでした。
駅前

街路樹は、電柱や標識のような道路占有物ではなく、れっきとした道路を構成する要素の一つである付属物です。比較するのも変ですが、当然こちらの方が‘えらい’存在なので、その扱いには細心の注意を払わなければなりません。もちろん道路空間にある以上、たくさんの制約を受けており、たとえば車道側では高さ4.5m、歩道側では2.5mの空間には、枝を伸ばすことができません。しかしこれは5m以上、6mくらいまでの枝が払われてしまっているのです。
途中

それよりも何よりも、その切り方がものすごい。なんとチェンソーでバリバリと切り落としているのです。これなどまだいい方で、幹まで傷つけたり、反対に長く切り残したり、高所作業車に乗ってジャンジャン伐りまくっていったのでしょう。これでは傷口をふさぐことができず、ここから枝や幹の内部に腐朽が進んでしまいます。1本ずつ丁寧に剪定する予算がないので、必然的にこうなってしまったのでしょうが、「それをやっちゃあ おしめぇよ〜」というレベルの作業でしょうねぇ… こんな剪定をやれば、上に残った枝がぼうぼうに伸びて樹形を崩し、取り返しがつかないほど見苦しくなること。切られた枝のところから無数の枝が吹いてきて、結局また枝の塊ができてしまい、今度はもっと剪定の効かないひどいことになってしまうでしょう。
チェンソー

恵庭市では、昨年11月に公園の木や街路樹について考えるシンポジウムをやったばかりです。それを受けて、市民からの苦情をストレートに対応していたらとんでもないことになるので、パネリストにもなっていただいている樹木医のような専門家の意見を聞きながら、落としどころを見つける工夫をすればよいのでは?ということになったはずでした。それがなんでこんなことになるのでしょう… 頭がくらくらしてしまいました。

いろんな苦情はあるでしょうが、だからといってそれをすべて聞いていたら街路樹なんて1本もなくなってしまいます。そのためにはどうすればよいのか、シンポジウムで話し合ったばかりではなかったのでしょうか。市の対応を注視していきたいです。

民報
(千歳民報の記事を引用させていただきました。m(__)m  2016年9月10日号より)

アメリカキササゲ

  • 2016.07.07 Thursday
  • 05:43
以前取りあげたアメリカキササゲを確認してきました。滝野公園からの帰り道、いつも行くスタンドが石山通にあるので、そのついでに見てきました。最初に取りあげたガストの奥にある木は、まだ間違いなくありました。ただでさえ狭い山鼻の道路の中に、大きな樹冠で突っ立ってます。
アメリカキササゲ

ここの南北通りは変則のクランクになっており、実に難しい場所に立っているにもかかわらず、よく残されてきたものです。持ち主?の方の強い意志を感じました。
T字路

読みがぴったり当たり、ちょうど満開になっていましたが、いかんせん花が高いところに咲いているし、電線だらけなのでいい写真は撮れませんでした。こんな素晴らしい木なのに、なんで全く普及しないのでしょうねぇ…
満開

少し落花しているものがあり、手に取ってみると小さなキササゲとは数倍の違いがあります。今はキリ科になっていますが、かつてはノウゼンカズラ科に属していたキリの花とよく似ています。
花

もう一つの12丁目の木は(黄色の丸)、やはり跡形もなくなっていました。こちらは下枝があって間近に見ることができたのに…残念です。
地図

昨日昼には、知事公館の木を確認してきました。例の殺人事件のあったマンションの真ん前になります。よく見ると二本ありますが、右の木は枝先が枯れ込み、花が全く咲いていませんでした。
知事公館

背の高い木の方は満開でしたが、なにせ20m以上にもなっているてっぺんに咲いているので、花が咲いてるなぁと確認するに留まりました。もちろん市内には他にもあることでしょうから、お気づきの際にはぜひお知らせ頂きたいものです。
満開

町中の緑

  • 2016.06.27 Monday
  • 05:49
結局渡島大島行きは一日遅れになり、溜まっている仕事を朝から片付けていました。昼休み、息抜きがてらライ麦パンを買いに町中へ。すると焼き上がりまで20分かかります…とのことで、都心部の緑を一回り見て歩くことにしました。休日の駅前通はガラガラに空いているので、ちょうどよかったです。

オオバボダイジュ
中央分離帯に植えられたオオバボダイジュは、今年はグンと勢いがついてきて、かなり大きな樹冠になってきました。でも下枝をまだ落としてないので、こりゃ大変。さっそく土木センターに連絡しておかないと。

トゲナシニセアカシア
歩道に植えられたトゲナシニセアカシアは、二年間剪定の指導してきたので、きっちりと樹形の管理が行われています。幹や枝もかなり太くなってきたので、もう枝折れの心配もなくなりそうです。

イチョウ
北3条広場のイチョウは、昨年はあまり新芽の伸びがよくなかったので心配になりましたが、今年はたくさんの芽が吹いてきました。これだけ大きな木だと、変化した回りの環境になじむのに時間がかかるのでしょう。根系の環境整備をしっかりやったので、この分だと安心できそうです。

溝腐病
一番心配なのが、南側の道庁寄りの数本が、溝腐(みぞぐされ)病に侵されて幹がひどい状態になっていること。この傷が治癒することはないとしても、幹や枝に負担のかかるイルミネーションはこれからも絶対に付けさせないで、様子を見ていくことになるでしょう。

日生ビル北側
日生ビルの北側のヤマボウシがちょうど満開になりました。花を見たのは初めてですが、珍しい株立樹形がとてもいい雰囲気を作っています。

シェード
足元の植え込みがしっとりと落ち着いており、周りの環境に合ったシェードガーデンの見本になっています。近くに行くことがあれば、ぜひご覧になって下さい。

オオキンケイギク
北1条通に出るところの植えますには、以前からオオキンケイギクがたくさん花を咲かせています。隣の中央署の前にも咲いていたのですが、数日前の草刈りで刈られていました。こんなところで「特定外来生物」を堂々と生やしていていいのでしょうかねぇ。先日特定外来生物のボタンウキクサ(ウォータークレス)を栽培し、売っていた男が警視庁に逮捕されましたが、道警は少し勉強した方がいいのかも。

さてこれから松前に移動し、明日は大島です。今回は海の状態が悪く、調査本隊が渡れるのが週末になるので、私だけが明日渡る船にもぐり込んで、日帰りで行ってくることになりました。二日ほど更新ができませんので、よろしくお願いいたします〜

ライラックの切り詰め剪定

  • 2016.06.09 Thursday
  • 05:42
隣の庭の手入れは、時々アドバイスをする程度で、直接やることは滅多にないのですが、昨年ライラックをなんとかしたいんだけど…と言われたので、これはやってあげなきゃということになりました。植えられてから30数年経ち、樹高も3m近く、隣との境界に7本もずらりと植えられて壁を作っていました。時々届く範囲で切り詰めていたけれど、枝がホウキのようになって花もあまり着かず、日陰を作ってどうしようもなくなってしまったのです。こうなると思い切った切り詰め剪定をしなければならず、なかなか普通の人にはできないのです。昨年は3本、今年は2本、来年も2本切り詰める予定です。
剪定前

昨年切り詰めたものは、切り口付近から新しい枝がたくさん伸びてきているので、必要なものだけ残して、不要な細いものや何本も出ているものはどんどん剪定します。下枝がなくて2.5mにもなっているものは、1.5mくらいでバッサリ。ヒコバエなどない株では、このように丸坊主になってしまうので、なかなか普通の人にはできないでしょう。
剪定後

奥にあるもう一本の大物株もバッサリと切り詰め、枝を集めてみると軽トラ一台山盛りになるくらいありました。こういう強い切り詰め剪定では、この枝の山が大きな問題になります。こんなの枝葉ゴミに出したら怒られるよ〜と、昨年も顔が引きつってましたが、このまま出す訳ではないのでご安心をと、枝のまとめ方を見ていただきました。
枝の山

ワラ縄を置いた上に1m以下に切った枝を重ねていきます。この時よく踏んで枝を密着させるのがコツです。ライラックは枝の開きが少ないのでやりやすい方ですが、広がるものでもこうやってしっかり踏んで抑えていけば、密度の高い束ができます。
枝の束

一抱えくらいになると、ナワを二回回しにしてしっかり縛ります。一人でやりづらかったら、束をよく踏みながら二人でよく縄を引っ張り、固く縛ります。太い枝は50〜60cmくらいに切り詰め、重たくならない程度の束にして縛ります。こうやって、二本分の山盛りになった剪定枝は、枝ゴミが二束、枝葉ゴミが三束にまとまったので、来週の収集日に堂々と出せる訳です。来年残りの2本を切り詰めれば、庭にもよく日が当たるようになるでしょう。
整理完了

このような強い切り詰め剪定をすると、すぐに強い徒長枝が伸びてくるので、秋にもう一度半分くらいに切り詰めます。翌年はほとんど花が期待できませんが、樹高を2/3くらいに抑え、株のボリュウムをうんと少なくすることができるのです。

キササゲ

  • 2016.05.31 Tuesday
  • 05:56
先日キササゲの問合せがありました。最近ちゃんと撮していなくて、あんまり画像がないことに気付いて焦ってます…

キササゲ(Catalpa ovata)は中国原産で、古くから渡来しているために各地で野生化しているようです。カタクリの保全区域のある稲穂ひだまり公園でも、森の中になぜかキササゲが生えているので、切ってもらおうと思っているくらいです。花はクリーム色であまり目立ちませんが、そのあとに出来てくる果実がササゲのようになることからこの名前になりました。
キササゲ

我が国でこれほど広まったのは、その果実が漢方(梓実しじつ)として利用されたからでしょう。この果実には利尿作用があり、副作用も強いので扱いには注意が必要とあります。(漢名と和名はかなり食い違っており、先人がいかに適当に名前を付けたのか困ったものだと思いますが、我が国では梓と言えばカンバの仲間を差してしまいます。)このため市内の古い薬局の横に植えられているところがあり、豊平の国道脇にあるお寺の境内にもたくさん植えられています。
南一条通
 (南1条通の西12丁目角の薬局前  Googleのストリートビューから)

キササゲは耐寒性が強いので、市内各地によく植えられており、滝野公園内にもたくさん植えました。旭川や美幌では街路樹になっているほどです。これに対してアメリカキササゲ(C. bignonioides)の方は耐寒性がやや弱いのか、札幌以外では見たことがありません。苗木自体もキササゲはたくさん作られているのに、十倍花のきれいなアメリカキササゲの方は全く生産・流通がないのはなぜなのと、生産者にいつも言ってきたのですが、タネが手に入らないのよねぇ…とのことでした。今は枯れてしまいましたが、北大の圃場にあった木からタネを取ってもらったことがあったけれど、苗木ができたと連絡が来ないところを見ると、うまくいかなかったのでしょう。
アメリカキササゲ

山鼻から円山にかけては、昔はあちこちにアメリカキササゲの大木がありました。昔ある人から、円山の西25丁目通ができた時、アメリカキササゲが並木に植えられ、それは見事だったとのこと。その名残か、その近くに何本か大木がありましたが、今はすべて切られてしまいました。一番目立ったのは石山通に面している天理教で、十数本もまとまって見事でしたが、30年くらい前に改築されたときにすべて切られてしまいました。石山通を挟んで東側の路地の奥に今でも1本立っているはずですが、今年は花の時期に見に行かなくては。
天理教前
(ガストの横の路地の奥に残っているはずのアメリカキササゲ  Googleのストリートビューから)

石山通から南9条通に曲がった1本西の角にあるお菓子屋さんの横に、とても形のいい木がありました。ところが先日通ったときに、あれっ?と思ったら、なんとこの木がなくなっていたのです。じっくり見てないので今度確認しようと思っていたところでした。この木は下枝が垂れているので花も見やすかったのに、なくなったとすれば残念でなりません。
松栄堂横
(昨年撮影のGoogleストリートビューには、花が咲いている樹が映っているのに…)

今確実にあるのは、知事公館の敷地内の木ですが、残念ながら下枝が全くなく、はるか上の方が咲いているのでよく分からないかもしれません。
知事公館

もちろんこのほかにもたくさんありました。昔の会社の近く、JRの苗穂工場の裏手に大きな木があったし、真栄の御料線沿いにも、たくさんの花を着けた木の写真が残っています。開花期は6月下旬〜7月にかけてなので、渡島大島行きとかぶってしまい、なかなか時間的に厳しい時期ですが、今年はちゃんと探してみようかな。

釧路八重

  • 2016.05.28 Saturday
  • 05:59
先日滝野公園に行った時に、ここのパークゴルフコース沿いに植えられている‘釧路八重’が何本あるのか確認してみました。奥の方まであちこちに6本点在しており、つどいの森の植栽後、このコース整備に合わせて植えられたものであることが分かりましたが、意図的に植えられたものかどうかは分かりません。でもガーデンでもないところなので、おそらく普通のエゾヤマザクラに紛れ込んだものとしか考えられませんでした。あまりにももったいないので、カントリーガーデンに移植しようと画策しています。
滝野公園

‘釧路八重’がまとまって植えられているところといえば、なんといっても十勝ヒルズが一番です。ここには普通のエゾヤマザクラはガーデン内にはほとんどなく、あとはソメイヨシノが1本とか、小さなシダレザクラが数本しかありません。よほど前のオーナーが気に入って集めたものでしょう。釧路の方が、釧路でもまとまって見られる場所がないので〜と毎年のように見に来るとか。
十勝ヒルズ

この品種は、その名の通り釧路で生まれたものです。園芸業を営んでいた稲澤六郎さんが、釧路の厳しい環境でも楽しめるいい品種が作れないものかと、色の濃いエゾヤマザクラのタネをせっせと播いている中から、八重咲きで色の濃い株を見つけたといわれます。このように突然変異から生まれたものなので、その増殖は栄養繁殖によるしかなく、苦労の末エゾヤマザクラを台木に接ぎ木して増殖されていったのです。そして1981年には、農林水産省の品種登録を受け、正式にエゾヤマザクラの品種と認められています。
   品種登録

私はこの木のことは知っていましたが、実物を見たことは最近までなく、ノーザンホースパークの整備のお手伝いをしている時に、植えられたエゾヤマザクラの中に八重咲きのものが紛れ込んでいるのに気付きました。2007年のことです。あれから10年経ったので、それなりに大きくなっていることでしょう。
ノーザン

その次に出会ったのは、2012年に新得町の狩勝園地でウメの調査や剪定の指導をしている時に、エゾヤマザクラの中に数本混じっているのに気付きました。でも植えられている環境がよくないため、ほとんど気付かれることもないことでしょう。
狩勝園地

その時には新得駅前の旅館に泊まっており、毎朝早くに町中をうろついていたので、新得神社の参道にまとまって植えられているのを見つけました。こちらは木の状態もよく、樹形もこの品種特有のコンパクトなものがありました。
新得神社

札幌市内にも多分あちこちに植えられていることと思いますが、私が気付いたのは手稲駅前でのみ。手稲区のタウンガーデナー「ノンノ」の方達が駅前のロータリー内の花壇整備を始めたので見に行った時に、ふと見上げると‘釧路八重’が咲いているのに気付きました。
手稲駅前

本場釧路では、街路樹や公園などにたくさん植えられているとは聞きましたが、残念ながら花時に行ったことがありません。ネットで調べてみると、鶴ヶ岱公園や柳町公園などにはある程度まとまって植えられているようです。稲澤さんが亡くなられたあと、奥様がその遺志を継いで増殖に励まれたようですが、現状ではどうなっているのかよく分かりません。少なくとも新たな苗木が流通していないので、増殖もされていないのかもしれません。
エゾヤマザクラにはきちんとした品種がほとんどなく、この‘釧路八重’はその意味からも貴重なものです。しかも花期が遅くてサクラのしんがりになること、濃いピンクの花弁が200枚を越える菊咲きになること、樹形が卵形で整っていることなど、とても優れた形質を持っています。接ぎ木ができる職人がどんどんいなくなっているけれど、東北には果樹の苗木生産のしくみが残っているので、そこで接ぎ木することはまだ可能です。北海道が生んだ貴重な遺伝資源をもっともっと活用したいものです。

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