ピンクのガマズミ

  • 2019.04.27 Saturday
  • 05:55
今朝はまた冬に逆戻り。盤渓までずっと雪がちらついてました。路面が凍っていなかったのでなんとか走れたものの、もう少し標高の高いところでは、夏タイヤでは危険なことでしょう。GW初日の移動は、くれぐれもご注意下さい。

十勝ヒルズのシラカンバの下で仕事している時、ふと近くの植え込みの中にピンクの花が見えました。はて?今の時期に咲くものだとアカヤシオかなぁ?ここにアカヤシオなんかなかったよなぁ?と考えても分からず、しばし手を止めて確認することに。
ツツジ?

近寄ってよく見ると、いままで見たことのない樹木ですが、ガマズミの仲間であることは分かりました。でもこの時期に咲くガマズミなんて知らなかったし、十勝の厳しい寒さでも平気なものとなると、全然思いつかなかったのです。
ガマズミ

日本のガマズミ(Viburnum)の仲間には、ガマズミやオオカメノキ、ヤブデマリなど白い花ばかりという印象があります。以前花新聞の特集(vol.268)で「ウィブルヌム」なんて珍しいものが取りあげられましたが、その時も在来種がメインになっていました。戻っていろいろ調べていくと、これは園芸品種の Viburnum bodnantense '(Pink) Dawn'(ウィブルヌム・ボドナンテンセ‘(ピンク)ドーン’)らしいことが分かりました。特集ページの写真は違っているような…(^^;) こんなものが、なんでここに植えられているのか?昔のオーナーの収集癖は素晴らしいものがあります。ネットでは、「ガマズミ ボトナンデスドーン」とか「ビバーナム・ボドナンテス」とかなっておりますが。

どーん

中学生のころ、単語を覚えるときに「どーんと夜が明ける」と覚えた懐かしい言葉で、ピンクドーンであれば「朝焼け」と言ったところでしょうか。早春に咲くピンクの花では、オヒョウモモもあんまり普及しないけれど、暖かいピンクの花は魅力的だと思います。

ガマズミの仲間は、新しいAPG分類体系では、ニワトコ属と共にスイカズラ科からレンプクソウ科に移されました。ところが、レンプクソウ科よりも古くにガマズミ科が登録されていることが分かり、2008年にはガマズミ科とされたのだそう。ネットではまだ多くの情報がレンプクソウ科になっておりますが、早く落ち着いてほしいものです。それにしても、十勝ヒルズに関わってもう6年目に入ったというのに、いまだにこういう発見があるのが本当に不思議です〜

寒干害

  • 2019.03.25 Monday
  • 05:43
金曜日に受けた健康診断の帰り道、近くのマンションの外構では、早くも冬囲いがはずされていました。これだけ雪がなくなってしまえば、一日でも早くすっきりさせたくなるのでしょう。よく見ると、かなり厳しい寒害を受けているようでした。今年の冬、札幌では−13℃前後の寒さが何度か訪れているので、少雪で雪の保護効果がなかった場合には、寒さに弱いサツキでは寒害を受けた可能性がありました。
寒害

よく見ると被害の状況にはいくつかのパターンがあるようで、褐色になっているところと、白っぽくなっているところがありました。白っぽいところは、同じ音でも干害の可能性もあります。サツキのような暖地性の常緑樹では、冷たく乾いた風に晒されると、道内に自生のあるハクサンシャクナゲ(エゾシャクナゲ)のように、葉をくるくる丸めて気孔から水分を奪われないような器用な芸当ができません。今年のように雪が少ないと、ただ根曲竹で押さえた程度の冬囲いでは、保護効果が全く無いので、寒さ+乾燥による寒干害を受けることも多いのです。バラのように、ムシロやネットを巻いて冬囲いをしていると、これをいつはずすかが難しくなります。いきなりこの季節の乾いた風に吹き晒しになると、干害を受けて傷むこともあるので、外すタイミングが難しいのです。
寒風害

その足元には、グラウンドカバープランツのセラスチウムが植えられていますが、これも被害を受けていました。セラスチウムのように、乾いて乾燥したところを好む植物は、積雪の下敷きになって数ヶ月もいると、0℃前後でじゅくじゅくした環境では蒸れて葉が腐ってしまいます。茎は生きていることが多いので、完全に穴が空くことはないと思いますが、こんな被害も積雪のある地域ではよく起きています。
雪ムレ

また別の場所で見かけた植え込みは、コトネアスター‘オータムファイア’が植えられていました。これは耐寒性が強く、むき出しでもそんなに葉が傷むことはありません。枝がしっかりしているので、積雪下でもぺちゃんこにならず、蒸れることもないようです。やはり適切な植物の選択が必要だということが、よ〜く分かります。
コトネアスター

昨日の会場前に植えられているチョウセンヒメツゲの生垣。植木屋時代、いろんな建築家とのつきあいがあって、よく冬囲いを頼まれましたが、行ってみると建物回りに植えられているのがたいていサツキの植えつぶし。なんで建築家は、馬鹿の一つ覚えのようにサツキが好きなんだろう?と親方に聞いたら、カチッときれいに刈り込まれた姿が気に入ってるんじゃないの、とのお答えでした。いくら工夫して冬囲いしたも、雪の重みでつぶれたり、寒害や干害で無残に傷んでこちらが怒られたりで、サツキは今でも大嫌いです。それに比べてこのチョウセンヒメツゲは、花こそ見栄えはしないけれど、丈夫で全く傷まず、こんな便利なものはないのになぁと思っていながら、決して流行らなかったですねぇ…
チョウセンヒメツゲ

コウヤマキ

  • 2019.01.20 Sunday
  • 05:52
寒波が通り抜け、また青空が戻って来ました。気温はマイナスでも、日差しがあると道路はベチャベチャになり、夜になると凍ってしまいます。冬至から一月経つと、少しずつ日差しが強くなっていくのでしょうか。

お昼を食べに歩いていると、マンションの庭にコウヤマキが立っているのに気付きました。やはり落葉期でないと、なかなか気付かないものです。ここは大きなお屋敷の跡にマンションが建ち、南側の庭木がそのまま残されています。東の角にあるコウヤマキは、勢いはあまりないけれど、そこそこ大きく育っていました。
コウヤマキ

コウヤマキ(Sciadopitys verticillata)は、コウヤマキ科の1属1種の樹木で、福島以南の日本各地と、韓国の済州島にのみ自生があります。数百万年前には世界各地に自生していたようですが、すべて絶滅してしまったとのこと。なんで日本に残ったのでしょうか。高野山に多いのでこの名がありますが、非常に腐りにくいので、昔はお棺を作るのに用いられたそうです。英名は koyamaki か Japanese umbrella-pine だそうで、スキアドピティスという属名は「日傘のような もみの木」という意味で、種名は「輪生葉の」ですから、まさにその姿そのものという訳です。

  図版
  (Wikiより拝借…m(__)m)

札幌だとあまり生育がよくないのは、やはり寒すぎるのでしょう。赤れんが庁舎前にも大きな木がありますが、札幌だと葉がスカスカで、締まった樹形になりません。暖かい道南の伊達や八雲では、かなり立派な木を見たことがあります。今まで見たので最大のものは、八雲町の公民館の中庭にあったもので、姿も素晴らしく、どっしりと育っていました。
八雲

コウヤマキの葉は、色艶がよく柔らかいので、あまり針葉樹という感じがしません。本来は松葉のように2枚の葉があるのに、合着して1枚になっているのだそう。
葉

裸子植物なので、やはり松笠を作りますが、タネまで確認したことはありません。マツのように羽根が付いて飛んでいくのでしょうか。
松笠

秋篠宮家の悠仁親王のお印になった時に、一時ブームになって苗木が飛ぶように売れたので、そのうち町のあちこちに、ひょろひょろとコウヤマキが育ってくるのかもしれません。

巨樹・名木

  • 2018.12.21 Friday
  • 05:47
本がもう置けなくなったので、本屋にも極力行かないし、欲しい本があってもなるべく買わないことにしているけれど、それでもじわりじわりと増えてしまいます。先日の新聞にちらっと紹介していた本を、また買ってしまいました。『北海道の巨樹・名木 150選』と題したこの本は、これまで何度も出されている全道の巨樹・名木を、樹木医である著者があらためて再訪し、正確に調査・記録したものです。となると、やっぱり虫がうずいてしまいます…(^^;)
  表紙

私たちが取り組んでいるハルニレのような巨樹が、どのくらいのサイズで、推定樹齢がどのくらいになっているのか、やはり興味がありました。たとえば、ハルニレでは一番知られている豊頃のハルニレだと、幹周541cmで、推定樹齢はなんと約150年となっていました。成長のいい場所だと、こんなに早く大きくなるものなんでしょうか。(とはいえ、他のデータでは推定300年となっているので、人によってこんなにも違うのですか…)
  豊頃

近いところでは、石狩市生振(おやふる)にある「赤だもの一本木」というハルニレは、幹周488cmで推定樹齢は約350年となっています。これだとわがハルニレの400cmで約300年というのは、妥当かな?という気がしますから。
  生振

知っている木ももちろんあるけれど、大半の巨木は知らないものばかり。こうしてみると、全道にはまだまだ残されている木があるものだと感心してしまいました。以前津別に行った時に、普段は入れない山奥にある木を見る機会がありました。この木の樹齢は推定1,200年となっており、上には上があるものです。ちょっと懐かしくなりました。でも私が連れて行ったもらったのは、「最上のミズナラ」と書いてあり、樹形も少し違うような木がしますが?樹齢が1,200年ものミズナラがそんなにあるものなのかなぁ?
双葉のミズナラ

でもこの本があれば、いろんな所に行った時に楽しみが増えるので、なんとか置き場所を確保してあげなければなりません。

二条小の「ハルニレ」

  • 2018.12.19 Wednesday
  • 05:57
昔から気になっていたけれど、ちゃんと確認ができていなかったのが、市立二条小学校にあるハルニレでした。学校の敷地に入るのは、最近ではなかなか難しいのです。以前高校生たちが作ったビデオ作品にも出ていたけれど、ここにもシンボルツリーになっている大きなハルニレがあります。
二条小HP
 (札幌市立二条小学校のHPより)

Wikiで調べると、校舎改築前の写真が載っていました。以前の校舎は南2条通側にあり、正門は西側にある電車通に面していたのです。
WIKIの二条小
 (Wikipediaより)

学校のHPには、現在の校舎とニレの関係がよく分かる写真も。Wikiには「二条小の校木「はるにれ」は二条小設立以前から立っていた。また二条小内には多目的室を「はるにれ教室」と呼び、校庭から校舎を挟んだ反対側の広場を「はるにれ広場」と名づけていた(現在は「なかよし広場」と呼ばれている)ことから「はるにれ」が二条小の中心的存在であることが伺える 」とあります。この広場は、交番の駐車場にもなっていて、入りやすくなりました。
校舎改築
 (札幌市立二条小学校のHPより)

10月の終わりに、ようやく見に行くことが出来ました。樹齢180年、幹周4mとあるのは妥当な数字かなと、念のため計測してみると、幹周は440cmありました。私たちのシンボルのハルニレが幹周400cmで樹齢300年とされているのに比べれば、180年はずいぶんつつましい数字だなぁと、木を見上げてしまいました。
樹齢180年

ところがです。計測していて、幹から小枝が吹いているのが目に入りました。あれれ…なんだこれは!ハルニレじゃないぞっ!!と、頭の中が混乱してしまいました。これはハルニレではなく、ノニレ(マンシュウニレ)(Ulmus pumila)なのです。
ノニレ

ノニレは朝鮮半島から中国東北部、シベリアにかけて分布しており、明治時代に導入されたとのこと。北大構内や植物園近辺に大木が残っています。ハルニレに比べて、葉は半分以下の大きさしかなく、木全体の葉がこの大きさなので、間違えるはずもありません。
ノニレ標本

180年といえば開拓使が乗り込んでくる30年も前なので、江戸時代からノニレが入っていた?というのはあり得ないし、でもちゃんと幹周440cmの木が、ここに立っているではありませんか?!うーーん。(つづく)

樹木観察会

  • 2018.09.19 Wednesday
  • 05:50
昨日は新琴似で、樹木観察会がありました。本当は6日の午後からやる予定でしたが、あの地震にぶつかってしまい、延期したものです。北区は台風でかなり倒木被害が出たと聞いていたけれど、新琴似神社に着いて見回した限りでは、巨大ヤナギの枝折れがあったくらいで、ホッとしました。
シロヤナギ

参道を歩いていて、なんか変だなぁ…?こんなんだったかなぁ…?と思っていたら、途中にもあった鳥居がなくなり、赤いコーンが置かれていたのです。
参道

あれっと横にあるブルーシートをめくってみると、バラバラになった鳥居の石材です。あとで聞いてみると、地震で一基は完全に倒壊、もう一基にはヒビが入っていたので、危険なので倒してしまったのだそう。震度5強の揺れはかなりのものだったようです。
鳥居

今回の観察会は、一般対象ではなく、新琴似地区内の町内会や民生委員、老人クラブ、児童会館などが集まっているコミュニティネットワークのメンバーが対象です。本来は30人近くの参加者を予定していたけれど、地震で延期になったので、幹事レベルの方たちだけの参加となりました。
ハルニレ

でも総勢10人近くの方が会話がしやすく、植物に詳しい方もいたので、双方向的なやりとりをしながら歩くことができました。こんなに反応のいい観察会は珍しいです〜
参加者

順路の一番最後に、巨大ヤナギの足元に行き、その太さを実感していただきました。その時に、ふと屯田兵中隊本部の裏手にある木に目が留まって、思わずおおっと声を上げてしまいました。樹高は1.5mほどしかないけれど、びっしりと黄色い実を付けているキミノオンコだったのです。三岸好太郎美術館のキミノオンコは、大きくて間近に見ることができないけれど、これはバッチリよく見えたし、いくつか食べてみることもできました。味は同じでしたが…(^^;)
キミノオンコ

新琴似小学校に行くのに、せっかくだからと歩道橋を渡っていくと、校長先生始め、誰も渡ったことがないのだそう…)^o^( いずれ札幌市内の歩道橋は撤去される運命なので、歩道橋から見た四番通も見納めになるかもしれませんねぇ。
歩道橋

小学校の校庭では、ネグンドカエデが1本完全に倒伏し、2本がかしいでいました。それよりも何よりも、印を付けたマルメロが地際から完全に切り倒されて、ゴミ捨て場に山積みに。校長に文句言ったら、校務員が除雪に邪魔な木は切ってしまうんだよねぇ…と歯切れの悪いお答え。無残に枝を落とされている木もたくさんあり、子供たちの目の前であまりやってほしくないですねっ!と、釘を刺しておきました。
倒木

来年は、地域の子供達に樹名板を作ってもらい、50本あまりの木に取り付ける予定です。ほかの話もあるので、また新琴似通いが続きそうです〜

アジサイ類の評価

  • 2018.08.22 Wednesday
  • 05:54
昨日は再び母を連れて、術後の検査で病院へ。玄関で下ろして車を駐車場に置きにいき、玄関まで戻っていると、建物の北側の暗いところに、アジサイがもりもりと咲いていました。このように花が小振りで、株全体に満遍なく付くタイプはかなり珍しい方で、たっぷり吹き溜まる積雪に守られているからでしょう。早く咲いた花は、少しずつ色が褪せてきて、そろそろ乾燥させればしっかりとしたドライになりそうです。
アジサイ

建物の西側にはアジサイ類が群植されていて、半分近くを占めているカシワバアジサイ‘スノーフレーク’には、残念ながら花がほとんど付いておらず、わずかに小さな花が三つだけでした。カシワバアジサイもアジサイ同様旧年枝咲きのため、枝が寒害を受けやすいところでは、なかなかうまく咲かせることが難しいのです。滝野公園にも何株か植えられており、剪定や冬囲いの工夫をいろいろ試しましたが、咲いたり咲かなかったりと不安定で、もう見放してます。
カシワバアジサイ

その隣に、多分一株だけだと思うけれど、勢いよくたくさんの花を咲かせているのが、ノリウツギの‘ミナヅキ’です。ノリウツギは当年枝開花性なので、剪定次第でたくさんの花を咲かせることが可能です。秋に不要枝を切り捨て、当年枝もやや強めに切り詰めます。そうやって、勢いの強い枝をたくさん伸ばさせれば、その先端にみんな花が咲いてきます。耐寒性が極めて強いので、道内ではこれに限ると私は思っています。
ノリウツギ

その足元で、ほとんどグリーンに戻ってしまった、アメリカアジサイの‘アナベル’が横たわっています。アナベルも当年枝開花性なので、花が咲いた時にはとても見事ですが、ひと雨降られるとたちまち花茎がバッタリ倒れるわ、花首が耐えきれずに折れてしまうわ、お行儀が悪すぎます。また見ごろが短く、すぐに緑になっていくことや、天候が不順だと茶色に変色しやすいので、あまり見た目がよくありません。
アナベル

この他にも、玄関脇の光庭に大株のヤマアジサイがありましたが、咲いた時の花は魅力的でも、あまりにも見ごろの期間が短すぎます。こうしてみると、庭園内はともかく、ここのような大きな建物廻りや公園などでは、やっぱりノリウツギに軍配が上がってします。ノリウツギには、ミナヅキだけでなくライムライトやピンキーウィンキーなどの品種物が出回るようになってきたので、これからますます楽しみです〜

肝心の診察は、長々と待たされたけれど、術後の経過は良好でした。本人はちっともよくなっていないと言ってますが、裸眼で0.7まで見えるようになったら、大成功と言えるでしょう。95歳という年齢が心配されたけれど、やってはみるものですね。
病院

午後からは仕事に戻り、30〜40分おきにネットでチェックしていたのですが、結果は残念でした。東北初の優勝はまたお預けになってしまったけれど、公立の農業高校でここまで行ったのですから、素晴らしいことだと思います。始業式を遅らせてまで全校で応援していただけに、しばらく校内には余韻や虚脱感が残っていることでしょう。本当によくやった!感動をありがとう〜

高校野球

コースター

  • 2018.08.14 Tuesday
  • 05:58
ホンダ車にずっと乗っているので、時々利用者アンケートがやって来ます。これまでアンケートのお礼なんかもらった記憶がないのに、珍しく何か送ってきたと思ったら、コースターが入っていました。ところが包みを開けてびっくり。直径が83ミリ、厚さがなんと5ミリしかありません。コップを載せるのもおっかないような代物でした。
コースター

説明書には、「Hondaの生産工場と地域の人々との間には、その結びつきを遮断するようなコンクリートの壁はつくらない。」Hondaの創業者である本田宗一郎のこの言葉から、Hondaの生産工場や研究所などの事業所は森に囲まれています。それがHonda Woodsです。 とあります。その森の手入れの過程から出る間伐材から、このコースターがつくられたとのこと。材までは分からないけれど、すくすくと健康に育っているようです。でももう少し厚くてもいいのになぁ…
HONDA

手元には幾つものコースターが。創成川通のアンダーパス化によって、2011年3月に生まれた新創成川通の完成記念には、もともとあったシダレヤナギの材によって、コースターが作られました。本当は俎板にすればと言ったけれど、あまりに材に腐れが入っていたので、コースターしか作れませんでした。これだと直径約100ミリ、厚さ約10ミリあって、安定しています。
創成川通

2008年9月に遠軽町であった「花のくにづくり全国大会」参加記念に配られたのが、多分カラマツ材によって作られた円形のコースターです。直径が100ミリ、厚さが8ミリで、このくらいがちょうど扱いやすいけれど、ニスがちょっと濃いのが気になります。
遠軽町

自分で作ったのは、コースターより花瓶置き台くらいあるものです。裏側に制作年月日が書かれていますが、2009年11月21日に、円山動物園内で行った除伐作業に合わせて作ったものでした。動物園の森の手入れの中で、スギの形質不良木の除伐をボランティアのみなさんにやってもらった際に、みんなに輪切りにしてもらい、あとでこのように作って下さいねと作り方を渡したものです。自然乾燥するとひび割れてしまうので、すぐに電子レンジに入れ、水分が出切るまでしっかりとレンジにかけ、強制乾燥させるのです。その後ていねいにサンドペーパーをかけていき、薄目のニスを何度も塗って仕上げました。これは130×115ミリで、厚さが20ミリ近くあります。
動物園の森

一番古いものは、1999年8月7日に、現在の道南四季の杜公園の、建設途中のワークショップ(体験懇談会)で作ったものでした。これもスギ林の間伐材を利用したもので、いろんな大きさの円盤が、みんな同じ年輪数なのを確認してもらいながら作ったものです。もう20年も昔のことなんですねぇ… 昨日のことのように思い出されてきました。
道南圏道立公園

ラベンダーの育成

  • 2018.07.26 Thursday
  • 05:57
昨日は滝野公園のスタッフと共に、小樽のT農園へ。Tさんが生産している‘バイオレットメモリー’は、滝野の基幹品種なので、苗作りや維持管理の仕方をしっかりと学ぼうと思ったのです。96年に滝野公園で行われた全国「みどりの愛護のつどい」の会場修景に、このラベンダーを使ったのが出会いの始まりでした。直接会うのは20年振りくらいでしたが、相変わらず精力的に現場に立たれておりました。まだ花を残しておいてくれたのが、‘バイオレットメモリー’の枝替わりとして品種固定した‘スイートメモリー’。形質はほとんど似ているので、素人には区別がつきませんでしたが…(^^;)
ラベンダー

見たかったのが、昨年からやっているマルチング試験の効果でした。ラベンダー畑では、とにかく除草が一番の悩み。何度も何度も手で抜いてやらないと、たちまち雑草に覆われてしまいます。ミニ耕耘機でかまぼこ状に畝を作り、防草シートを敷いてカッターで穴を空け、ポット苗を植えたものです。3年目に入ったところだそうですが、効果はバッチリでした。
マルチ試験

苗の生産は完全にシステムが確立しており、挿し木したものを、成長に合わせてピンチして株を張らせ、10.5cmや13.5cmポットに仕上げていきます。灌水もほぼ自動灌水で、長年の工夫の蓄積が随所に見て取れました。
灌水

目を見張ったのが、ヒペリカム‘ヒドコート’の株。昔一株もらってきて植えておいたら、あっという間にこんなになってしまったのだとか。滝野でも使える場所はありそうです。
ヒドコート

園内を隅から隅まで見させていただき、懐かしい話や勉強になること、とても盛りだくさんな時間でした。ありがとうございました。せっかく小樽に来たのだから、なかなか行けないところに連れて行ってくれと言うので、それならと案内したのが「中野植物園」。
中野植物園

入口付近には、いろんなアジサイ類が咲いている中で、やはり‘クレナイ’が異彩を放っていました。ヤマアジサイの中でも、これだけがなんでこんな変化をするのでしょうか?
クレナイ

日頃公園の管理には、いろんな意味で苦労しているみなさんにとって、こんなぶっ飛んだ遊具は「ありえない〜」という代物ばかり。造られてから80年余り、毎年塗り重ねられたペンキの厚さが、歴史の重みを教えてくれるのです。みなさん大興奮でした。
遊具

帰り際ふと入り口の壁を見上げると、『北の造園遺産』の認定証のコピーが貼られていました。昨日は会えませんでしたが、認定証を持ってきた時の中野さんの嬉しそうな顔が忘れられません。いつまでも守り続けてほしいと願ってます。
『北の造園遺産』

アジサイの季節

  • 2018.07.21 Saturday
  • 06:01
まるで梅雨のように毎日雨が降ったお陰で、実はいろんな植物がびっくりするほどよく育っています。当然とは言え、アジサイ類もその一つで、「庭のあじさいが、こんなにきれいに咲いたのは初めてです〜」と、昨日も言われました。悪いことばかりではないのです。

事務所のすぐ近くの花好きのお宅では、日当たりのよい表側はいろんな花で覆われているけれど、家の北側にもすき間なくアジサイ類の鉢物が並べられ、見事に咲き始めています。中に入ってみたいなぁ…
花好きの裏庭

花好きのいるマンションの前には、街路樹2本分がミニガーデンになっているけれど、それだけでは収まらずにいろんな鉢物が玄関先に並べられています。その一つにこんなアジサイが。ちょっと傷んでいるけれど、こんな模様は初めてです。
不思議なアジサイ

いつものうどん屋の中庭にも、いろんなアジサイが花盛り。風当たりが弱く、しっかり雪に覆われるせいか、枝枯れ一つせずにいろんなアジサイが咲いてくるのです。ハイドランジア系だと、庭植えではなかなかここまで咲かせられませんからねぇ。
うどん屋の中庭

すぐ近くの町角には、純白のアジサイが咲いています。全く放任で、ぼうぼうに伸びているけれど、こんな清楚な花が咲くのですから。こうしてみると、確かにアナベルは便利ではあるけれど、やっぱりアジサイの花の力強さにはかなわないことがよーく分かります。
そば屋の横

帰り道、裏参道にある禅寺の古刹に何気なく入って見ると、ここがアジサイ寺になっていたのです。前は時々通るけれど、中を覗いたことがありませんでした。本堂への両側には普通のアジサイですが、たくさんの花を咲かせていました。
アジサイ寺

その左に広がる庭には、ウメの木が植えられている中に、たくさんのアジサイが植えられていました。ヤマアジサイ系もいくつかある中で、やはり目立つのは ‘クレナイ’でしょう。これほど長く楽しめる品種は他にはありませんからねぇ。
くれない

ここにはガクアジサイ系の品種もいくつかありました。ひっそりと咲くヤマアジサイもいいけれど、やはり山育ちという地味さがあるのに対し、黒潮洗う伊豆から房総にかけての海岸育ちであるガクアジサイは、しっかりと日差しを受け止めて、肉厚の花を咲かせてくれる力強さを感じてしまいます。
ガクアジサイ

エクスバリーアザレア

  • 2018.06.19 Tuesday
  • 05:57
朝の盤渓で、道路際に咲いていたのがエクスバリー アザレア。ツツジ類のしんがりでしょうか。耐寒性が極めて強いことと、独特の色合いが好まれ、昔かなり流行ったことがありましたが、最近でも売られているのでしょうか。
ばんけい

本種は耐寒性の強い落葉性ツツジが複雑に交雑されて作られた品種群のため、日本の趣味の本などではちゃんと整理されたものがありません。仕方なくいろいろ検索をかけていたら、アメリカの大学のサイトに、エクスバリー アザレアの系譜を説明した文献が見つかりました。これによると、オランダのゲントで、アメリカ産のアルボレスケンス種(Rhododendron arborescens)、ウィスコースム種(R. viscosum)、カレンドュラケウム種(R. calendulaceum)、アジア産のルテウム種(R. luteum)などが交雑されてゲント アザレアが作られます。それに中国産のモルレ種(R. molle)と日本産のレンゲツツジ(R. japonicum)が交雑されてモリス アザレアが作られました。それにアメリカ西海岸原産のオッキデンターレ種(R. occidentale)が交雑されてできたのがナップヒル・アザレア。そしてそれらを戻し交雑しながら選抜されたものが「パーフェクト」なエクスバリー アザレアとなったということです。ふぅっ。
  系譜
(「Exbury Azaleas - From History To Your Garden」 R. Christian Cash、Temple University より)

画像を見ていくと、一つ一つの原種はとても庭に植えられるようなものではないにもかかわらず、選抜されて出来上がった品種は豊かな色彩に彩られ、しかも他のツツジ類にはなかった、独特のパステルカラーが特徴となりました。
ピンク

もう一つの特徴が、大きく豊かな花容です。これにはわが国のレンゲツツジの遺伝子が大きく貢献したのでは?と思われます。他の原種では花筒が細いものが多く、このように大きく広がった花は、レンゲツツジだけのものなのです。
ピンク

豊平公園では、6月上中旬ころに、園内のあちこちでこんなアザレアが咲いています。でもこれはエクスバリーではなく、系譜の右下にあるニュージーランドでさらに選抜されて作られたアイラムアザレアのはずです。というのは、緑のセンターが開設された1979年に、当時の三和銀行が何かの記念に大量にアイラムアザレアを輸入し、全国の植物園や公園に寄付しました。当時センターにいた私は、40本くらいの小さな苗を受け取り、苗畑の一番奥に列状に植えたのです。その後それが大きくなったので、園内各所に植えられたものではないかと。そんなことがあったので、この花には特別な思いを持ってしまうです。
豊平公園

モミジあれこれ

  • 2018.06.05 Tuesday
  • 05:56
今年の天気はなんとも極端。まだ6月初めだというのに、いきなり真夏日になってしまいました。札幌は14:28に30.7℃まで上がったそう。昨日は事務所でおとなしく、終日デスクワークをしていたので、そんなに暑くなった気がしませんでしたが、お昼に出かけようと外に出たらムッと暑くてびっくりでした。

こんな日には冷たい韃靼蕎麦を食べようと、角を曲がったところで、ようやくモミジも元気になったなぁと。管理人にとっては落ち葉を少しでも減らしたいのか、数年前に無残に切り詰められてしまったノムラモミジでしたが、枝が少し伸びて格好が付いてきました。
玄関

玄関の真ん前に洒落た鉢が置かれ、その中に斑入りのモミジが植わっていたのです。こんな趣味を持っているなら、もう少し木をいたわってやればいいものを!
鉢物

モミジの品種ものは、北国では枝が傷みやすくてあまり普及しておりませんが、こんな鉢物なら楽しむことができそうです。調べて見ると、こんな斑が入るのは‘紫式部’という品種のようです。
紫式部

足元の苔の中に植えられているのはメアカンキンバイかなぁ?こんなじめじめしたところに植えると、根腐れを起こさないか心配してしまいましたが… ちゃんと石付きにして植えられているので、それなりの腕を持った人が作ったのでしょう。
メアカンキンバイ

左のノムラモミジの株元には、強く頭を切り詰めた反動でひこばえがたくさん発生し、もこもこになっている横に、見慣れない緑のモミジが植えられているのに気付きました。
株元

こんな細い葉をしたモミジがあったのに、昨日初めて気付きましたが、モミジを集める趣味があるのかなぁ?これは‘占の内(しめのうち)’(別名を‘青七五三’)という品種のようです。
占の内

こちらを通るのは、郵便局に行く時くらいだったので、こんな狭い空間にいろんなものが植えられているのを、まったく見落としていました。油断はできないものです。

まん丸のツツジ

  • 2018.06.01 Friday
  • 05:50
昨日西区のあるお宅を探していた時、角っこの家の庭に真っ赤なツツジが満開になっていました。大学の卒論をツツジでやったために、ツツジの花には体が敏感に反応してしまいます。今の時期ならレンゲツツジだけれど、こんな大きな木だし、これだけ真っ赤なカバレンゲはなかなかないので、つい写真を撮そうと車を止めてしまいました。
レンゲツツジ

そんなに高い塀ではなかったので、庭の中までよく見えてしまい、その隣にきれいに刈り込まれた紅白のツツジが目に入りました。赤花は‘日の出霧島’だけど、その向こうの真っ白いかたまりはなんじゃい?
紅白のツツジ

毎度のことではありますが、いつ通報されてもおかしくない挙動不審者なので、そんなにしげしげと覗いているわけにもいかず、もう数枚写真を撮してからすぐに車に乗り込みました。でもこんなツツジ見たことないし、葉が見えないので調べようもないぞ!と、画像を見ながらしばし頭を巡らせてしまいました。開花期からすればキリシマツツジの品種に間違いなさそうだけど、ここまで綺麗に刈り込まれ、こんなにびっしりと花が咲いた姿は感動ものです。
まん丸ツツジ

車を発進してすぐに、数軒隣の家の庭で、またツツジセンサーがビンビン反応してまた急停車。奥のオレンジのツツジはヤマツツジとして、手前にはピンクのツツジが、同様にまん丸く刈り込まれていました。道内で栽培されるツツジには、この時期このような明るいピンクのツツジは珍しく、思い当たる品種がなかったのです。花や葉の大きさからすればクルメツツジではなくやはりキリシマ系なのかなぁ…?
ピンクのツツジ

こういう珍しいものに偶然出合うのは、やっぱり嬉しいもの。そのあとで伺った花好きのお宅で、画像を見ながら花談義に盛り上がってしまいました。

不明の桜

  • 2018.05.22 Tuesday
  • 05:57
こういう仕事をしていると、よく植物の名前を聞かれます。身の回りにあるものならだいたい分かるのですが、たまにはう〜ん…となってしまうものがあります。先月の末に富丘西公園で行った作業の際に、毎度参加してくれるHさんが、うちの近所の道路に誰かが勝手に植えたサクラが咲いてるんだけど、今ころ満開になるのってなんてサクラか分かるかい?と聞かれました。終わってから行ってみると、本来ナナカマドの街路樹なのに、ここだけに2本の白っぽいサクラが満開になっていました。4月29日なので、エゾヤマザクラやソメイヨシノよりかなり早咲きです。
富丘の桜

株元からたくさん発生しているひこばえ状の小枝にも、花がたくさん咲いているという不思議さ。サクラの品種は数百種もあり、道内にもいろんな品種が持ち込まれているのでしょうが、こうなるととても分かりません。多分植えたであろう地先の人に、ヒアリングするのが近道でしょうね。
株元の花

そうしたらその数日後、テレビ塔の運営会社から電話がありました。テレビ塔の真下に植えてあるサクラのうち、1本が品種不明なので調べて欲しいというのです。昨年も依頼があったのですが、花を見なきゃ分からないので来年電話ちょうだいねと言っておいたら、忘れずに連絡してきました。左はソメイヨシノ、真ん中はサトザクラ ‘関山’であることは間違いないのですが、右端の木を調べて欲しいとのこと。樹形からすると、セイヨウミザクラ(いわゆるサクランボの木)だろうとの見当は付いていましたが。
テレビ塔の桜

この木には以前、「オオシマザクラ」のラベルが付いていました。なんでこんなラベルが付いていたんだろうとあとで聞いたら、ある「専門家」に調べてもらったので付けたものだそうです。オオシマザクラがどんなものなのか、その方はちゃんと分かっていたのかなぁ? 松山城の天守閣の前に植えられていたり、今回も松前の桜見本園でも咲いていました。本物のオオシマザクラは、矢印のように花柄が途中から分岐しています。
オオシマザクラ松前

松前に行く前の日に早速見に行くと、既に開花が始まっており、花を観察することができました。セイヨウミザクラと観賞用の各種サクラの違いはいくつかあり、その一つがガク片が、開花と共に大きく反り返る点です。間違いなくその特徴を示していました。
ガク片の様子

もう一つの特徴が、花芽を包む鱗片葉が、サクラ類では開花時にはほとんど散ってしまうのに対し、セイヨウミザクラでは残っている点です。これも間違いありません。
花の咲き方

葉の特徴では、サクラ類では葉の縁の鋸歯が鋭く尖るのに対し、セイヨウミザクラでは鈍鋸歯(どんきょし)といって、丸みを帯びた鈍い鋸歯になっています。これも間違いありませんでした。
葉の比較

セイヨウミザクラは自家不和合性が強く、一本だけではサクランボが成りません。何品種かの花粉をかけてやると、サクランボが成るので、品種まで確定することができるかもしれません。これがサクラの品種の一つであると、富丘のサクラのようにまず確定することは難しくなりますが、これは明確な違いを持っているので、容易に確定することができ、費用もうんと安くしてあげたのでほとんどボランティアになってしまいました…(^^;)

関山満開
先日のガイド研修の際には、ソメイヨシノとセイヨウミザクラは既に花が終わり、まん中の関山が満開に。でもそのうち両側の木はどんどん大きくなっていくので、関山は挟まれて衰退してしまうでしょう。今だけの艶姿を楽しんであげて下さい。

松前の桜

  • 2018.05.08 Tuesday
  • 05:58
道内でサクラと言えば、函館ではソメイヨシノ、その他の地域ではエゾヤマザクラとなりますが、松前ではどちらも主役にはなれません。もともと江戸時代から、京や江戸などから持ち込まれたと考えられるサトザクラ系の品種が、町内にあったことに加え、戦後松城小学校に赴任した浅利政俊先生が、『花守』としてたくさんの品種を育成したことによるのです。
浅利政俊先生

この時期に、圧倒的な存在感を示すのが『血脈桜』から接ぎ木で殖やされた‘南殿(なでん)’です。本当にどこを向いても南殿だらけと言ってもいいくらい。札幌でサトザクラと言えば99%‘関山(かんざん)’しかありませんが、ところ変わればなんですねぇ。関山は遅咲きなので、普賢象(ふげんぞう)と共にまだつぼみでした。
南殿

ある墓地の横に、南殿なんだけれど、枝によって真っ赤な花と白っぽい花とか混じっている木がありました。あえて名付ければ「源平南殿」とでもいうのでしょうか。枝変わりによって、いろんな形質が発現することは十分考えられます。
源平南殿

一際目立つ濃い紅色の花は、‘紅豊(べにゆたか)’。浅利先生が、‘南殿’に八重咲きのサクラを交雑して作られた品種だそうです。どのくらい耐寒性があるのか分かりませんが、札幌にも植えてみたくなる花です。
紅豊

南殿と共に満開になっていて、色的にもすごく調和していたのが‘雨宿(あまやどり)’。ほんのりピンクが差していて、品のある花を咲かせていました。本数もたくさんあったので、きっと人気があるのでしょう。
雨宿

ここには、全国各地のサクラの名所から導入された品種があります。日本花の会の圃場や、通り抜けで有名な大阪造幣局、各地の桜研究家から導入されたものなどです。この‘東錦(あずまにしき)’は、その名の通り江戸系の古い品種だそうです。
東錦

シダレザクラは、札幌でもあちこちに植えられるようになってきました。あまり大きな木はありませんでしたが、きっとどんどん大きくなって存在感を放つようになるでしょう。これは八重咲の‘八重枝垂(やえしだれ)’。色が濃くて見事でした。
八重枝垂

城内の、立ち入りできないところにあった枝垂れ系のサクラは、‘仙台枝垂’という品種だそうです。あまり見たことのない形でした。
仙台枝垂

札幌でも稀に植えられていて話題になるのが、‘御衣黃(ぎょいこう)’と共に黄緑色の花を咲かせる‘鬱金(うこん)’です。江戸の荒川堤のシンボルだった御衣黃に対し、江戸時代から京都知恩院に植えられていたのが鬱金だそうです。
鬱金

サトザクラを中心に、これだけのサクラの品種が町中で見られるのは、多分全国でもここだけでしょう。浅利先生も高齢になられましたが、今でも技術指導に来られているそうです。先生の技術を受け継ごうと、役場の職員や町民のボランティアががんばっているからこそ、これだけのサクラが維持されているのですから、北の造園遺産に認定して、本当によかったと改めて思ってしまいました。

不明樹種の探索

  • 2018.04.08 Sunday
  • 05:00
朝起きて外を見てびっくり。一面真っ白に雪が積もっていました。昨日の帰り道、既にみぞれになっていたので、明日は盤渓コースは無理そうだから、動物園コースだなとは思っていたけれど、これでは走るどころか、家の前の雪かきをするほどでした。やや重たい雪が10cm以上積もったので、せっかく花を咲かせていたスノードロップやスノーフレークもその下敷きに… すんなりと春になってくれないようです。

3月の中頃に、元いた植木屋の後輩から、現場にある樹種が分からないので教えて下さいと、画像がメールで送られてきました。30数年前の現場ですが、私は全く関わっていなかったので、どんな木が植えられていたのか全然知りません。しかもこの写真だけでは、いくらなんでも樹種は分からないですよ…(^^;)
不明木

そうしたら一応樹肌の写真と、枝を一本取ってきてますとのこと。とはいっても、樹形と樹肌と冬芽だけではねぇ… 先が尖った冬芽は互生なので、バラ科のようだけど、決め手に欠けるから枝を届けてよとお願いしておきました。
枝

2,3日して郵便受けに枝が届いていたので、さっそくバケツにぬるま湯を張り、一晩たっぷり給水させました。寒い所に置いていたのなら、一週間くらい放置していても傷んでないとにらんだのです。枝をいくつかに切り分けて半分水に浸かるようにし、大きなビニール袋をかけて日当たりのいい所に置きました。すると少しずつ芽が動き始め、数日前には葉が開いたのです。
展葉

これだけだったら、まだ決め手に欠けるところでしたが、いくつかの枝にはつぼみが付いており、総状花序が確認できたのです。これでだいたい目星が付きました。
つぼみ

枝が届いた時に、冬芽の形と付き方から、シウリザクラ(Padus ssiori )かその仲間だと思いました。道内には、総状花序を付けるサクラの仲間はシウリザクラとウワミズザクラ(P. grayana)、エゾノウワミズザクラ(P. padus)の3種があります。でも開いてきた葉はきれいな黄緑色で、全く濁りがありません。シウリザクラだと新芽は燃えるような赤黒い色になるので、まずシウリではないことが確定しました。(シウリはほぼ全道に分布します)
シウリ
  (シウリザクラの新芽の様子  2013.5.17 ※開花は6月中旬)

ウワミズとエゾノウワミズは、花期がどちらも5月中〜下旬とかなり近いのですが、葉の付け根の形や小花の付き方はかなり違っています。まだ伸びて来て花序が垂れるのかは様子を見たいところですが、今の感じだと短い花序が上向きに立ったままでいそうでなので、ウワミズザクラではなく、エゾノウワミズザクラと判断しました。(ウワミズは渡島半島から石狩低地帯までの分布です)
ウワミズザクラ
  (ウワミズザクラの開花の様子  2016.5.19)

エゾノウワミズザクラは、道北を除く全道に分布していますが、どちらかというと道東に多く見られます。花序が他の2種に比べて半分くらいしかなく、その分数が多くびっしりと着くことや、小花のサイズが大きいこと、垂れ下がらないで上向きに立っているので、開花時は本当にみごとです。この現場は里塚斎場なので普段は用事のないところですが、展葉開花した姿を見ないと安心できないので、GW明けに行ってみなくては。こういうのって楽しいですねぇ…♪
エゾノウワミズザクラ
  (エゾノウワミズザクラの開花の様子  2011.5.11)

追記:せっかくなので、シウリザクラの花もアップしておきます。(2006.6.16)
シウリの花

エゾヤナギ

  • 2018.03.27 Tuesday
  • 05:48
中島公園三十三選のパンフレットの在庫がなくなり、初めて増刷することになりました。あちこちミスや施設の変更があって、修正しなければならないところがあったので、管理事務所へ打合せに行って来ました。その中で一つ困ったのが、以前ツアーの参加者の中に林業関係の方がおり、その方から「エゾヤナギとなっているが、あれはシロヤナギだよ!」と指摘されていたのです。
夏のエゾヤナギ

南14条橋のたもとにある園内一の巨木で、上を切られているためそんなに大木には見えないのですが、近くに寄るとその存在感は見事なものです。私も最初は、こんな巨木になるのだからシロヤナギだろうと思っていたのです。ヤナギは見分け方が結構難しいのですが、特徴の一つが托葉の有無やその大きさなので、これだけしっかりと大きな托葉であれば、シロヤナギではなくてエゾヤナギだとしたのです。
葉の拡大

植物図鑑の検索表だと文章なので、いまいち細部まで分からないのですが、図解付きのヤナギの専門書があったので、その図からも間違いなくエゾヤナギと判断できるものでした。
  文献1
(出典:「ヤナギ類 その見分け方と使い方」 斎藤新一郎著、(社)北海道治山協会発行、2001)

ヤナギでは多分一番巨木になるシロヤナギですが、こちらの托葉は全然小さく、これなら間違えるはずもないでしょう。シロヤナギの大木も、護国神社前にはありました。
シロヤナギ

これを調べたのが8年前のことなので、今一度その葉を確認しておこうと、打合せのあと現地に向かいました。町中の公園なので雪がかなり消えていると思ったけれど、除雪している園路脇はまだまだたくさんの雪山が。日曜とは違い、全然日が差さなくて肌寒かったです。
園内の様子

あらためてヤナギの根元から幹を見上げると、やっぱり存在感がありますねぇ。鉛筆くらいの枝を取らせていただいたので、事務所で花瓶に挿しておけば、すぐに芽が動いて葉が広がってくれるでしょう。印刷発注はGW明けとのことなので、それまでに物証も固めておこうと思います。
大木

園内を流れる鴨々川のほとりには、たくさんのシダレヤナギが植えられているのですが、その中に一本、枝の真っ黄色なセイヨウシロヤナギ ‘トリスティス’がありました。夏の姿では見分けが付かないので、この時期に枝を見るのが一番ですが、こんな時期に見たことなかったからなぁ。ヤナギは本当に面倒です…(>_<)
トリスティス

クマノザクラ

  • 2018.03.17 Saturday
  • 05:58
このまま降らないで春になるかなぁ…なんて言ってた矢先、今朝もどっさりと降り積もってくれたので、またまた風景が逆戻りしてしまいました。すんなりとはいかないものです。今朝の雪は軽かったのが幸いでしたが、そろそろ終わりにしてほしいですねぇ。

先日のニュースで、『約100年ぶりサクラ新種が判明』というのがありました。草本類では新種の発見はよくあるのに対し、木本では大変珍しいと思います。しかもよく目立つサクラなのに!
道新
  (道新WEBより拝借 m(__)m)

さっそく森林総研のHPを確認すると、「‘染井吉野’に代わる新たな観賞用樹木として期待」とありました。先日の‘神代曙’の登場もそうだけれど、もうソメイの時代は終わったといってもいいでしょう。なんでも1強体制が長く続くと、ひずみや腐敗など弊害ばかり出てくるということです。
森林総研

それにしてもこのクマノザクラ、樹形的にはヤマザクラに近いけれど、花の色がエゾヤマザクラのように少し濃いようです。こんなにほんのりと色付くのでしょうか?花梗の付き方はエゾヤマザクラみたいだけど。
クマノザクラ

葉はかなり細身で小さいけれど、形態の違いはあまり区別点にはならないからなぁ。
葉の特徴

最大の特徴は開花期です。なんとヤマザクラやカスミザクラと比べて、約一ヶ月も早いなんて。こんなに違っていて、なんで今まで気付かなかったんだろう?というのが正直なところ。でもこんなに早く咲くサクラが主力になったら、花見の時期がうんと早くなってしまうので、却って心配になってきます。花見期間が長くなるのは、いいことなんだか、よくないんだか?そもそもこれが普及する姿を見ることが出来るのか、私の余命の方が心配になってきますねぇ…(^^;)
開花期

自生地は紀伊半島の南端部の山中とのこと。この範囲の中に古座川町がすっぽり入っているけれど、ここには北大の和歌山研究林があります。今から約100年前に開設され、400ha以上もあるので当然その中にもたくさんクマノザクラが生えているはずです。自分のところにあるものに今まで気付かないで、他の研究者によって見つけられるなんて… なんだか恥ずかしいなぁ…(>_<)
自生地

ソメイヨシノの終焉

  • 2018.03.12 Monday
  • 05:58
この時期になると、マスコミにはあちこちからサクラの話題が載っかり始めます。今週本州以南は20℃越えが続くようなので、下旬にはサクラ開花の話題が出てきそうです。昨日のニュースにもこんな話題が。本州ではどこを向いてもソメイヨシノなので、こういうことがどんどん起きているのでしょう。

ソメイ伐採
 (YOMIURI ONLINE 2018.3.11 から拝借 m(__)m)

道内でも、なにか木を植えようとすると、サクラサクラと念仏のように唱える人ばかりだけど、場所の適否も考えないでただ植えるだけではなく、その場所に適した樹種や品種を選定することはもちろん、土づくりやその後の管理まで、トータルに考えていかなければちゃんと育つはずもありません。そういうことをきちんと指導している方が、土曜日のフロントランナーに取りあげられていました。日本花の会に所属する樹木医の方です。
(見守っているのは、今年初めに話題にした‘あたみ桜’です)
花の会
 (朝日新聞DIGITAL 2018.3.9 から拝借 m(__)m)

日本花の会は、今から55年前に小松製作所の社長が提唱して作られた組織で、サクラだけでなく、全国花のまちづくりコンクールなど、様々な支援活動を展開しています。久しぶりにHPを見て気がついたのですが、既にソメイヨシノの配付を止めていました。ソメイヨシノは、全国に何百万本もある個体が単一のクローンだし、戦後一斉に植えられたものがすでにかなりの老木化していることと、なんといってもサクラ最大の病気であるテングス病に大変弱く、各地に無残な状態の木が放置され、病原菌を振りまいているのです。

神代曙
このため、ソメイヨシノの血を引いているけれど、耐病性がかなり強く、花の色もかなり濃い‘神代曙(じんだいあけぼの)’(Cerasus × yedoensis 'Jindai-akebono')という品種に転換していたのです。ソメイヨシノは自家不和合性のためタネが全く採れませんが、ほかの品種との間にはタネができるのです。アメリカに渡ったソメイから作られた品種の一つに‘Akebono’というのがあり、それが里帰りして神代植物公園に植えられました。その中に花の色が濃いものがあり、これがテングス病にかかりにくいことが分かりました。わが国には既に‘曙’という品種があったので、‘神代曙’という名前が付けられたとのこと。ソメイだってせいぜい百年ほどの歴史しかないのですから、これからどんどん植えていけば、こんな艶やかな花の名所が出現していくことでしょう。道内にも植えていきたいですねぇ。

ロウバイ開花

  • 2018.01.23 Tuesday
  • 06:00
首都圏には予報通りに積雪があり、昨日から大騒動になってました。夏タイヤしか持っていなくて、都内のように坂道ばかりだと、20cmも積もったらチェーン巻かないと走れなくなることくらい分からないのかなぁ… 毎度繰り返される光景を見ていると、こいつら馬鹿じゃないのかと思ってしまいます。こんなことなら、大地震に襲われれば、たちまちパニックになってしまうことでしょうに。

そんな関東を尻目に、関西から花の便りが来始めました。大阪でロウバイが見頃を迎えたとのこと。向こうではマンサクとロウバイが開花を競うのだそうです。花には各種の精油成分が含まれているので、香りが高い花として知られていますが、種子にはカリカンチンという毒性の強いアルカロイドが含まれているとのこと。
ロウバイ開花

ロウバイ(Chimonanthus praecox)はクスノキ目ロウバイ科に属し、中国(四川省、湖北省、浙江省)の山地原産で、道南・道央くらいまで耐寒性があることになってますが、札幌では見た記憶がありません。属名の Chimonanthus(キモナンツス) とは、Chimon(冬の)+ anthus(花)、種小名のpraecoxも早咲きのという意味なので、まさにその特徴を表している学名です。この画像は2003年2月1日に新宿御苑で写したもので、花弁が細く、中心部が暗赤色になっているのは基本種の特徴で、花弁が丸く蠟質になり、芯まで黄色いソシンロウバイ(素心蠟梅)がよく栽培されています。大阪のおばちゃんが見上げているのもこれのようです。
ロウバイ

同じロウバイ科には、遠く離れたアメリカにクロバナロウバイ属(Calycanthus)が数種分布し、札幌でもクロバナロウバイはよく見かけます。樹皮に強い香りがあり、インディアンはこれを香辛料にしていたとか。(この画像は2011年6月10日 札幌市内で撮影)
クロバナロウバイ

2月1日になんで新宿に行っていたのかと手帳を見ると、その日の午前中に技術士の面接試験があったのです。三つ目の技術士科目で、最難関の総合技術監理部門の筆記をくぐり抜け、最後の関門となる緊張の面接試験でしたが、拍子抜けするほどすんなりと終わったので、渋谷から新宿に移動して御苑でぼけーっとしていたのでした。風もなくポカポカ陽気ではありましたが、この時期に咲いている花はほとんどなく、ロウバイとこのビワくらいしか咲いていませんでした。
ビワ

まだ建て替えられる前の大温室で、しばし花を見て歩きましたが、何年か前に見てきた新しい温室にはかなりがっかりした記憶があります。少しは落ち着いたのかなぁ。関東では珍しいカナリーヤシやソテツが植えられていました。
カナリーヤシ

冬に本州に行くと、芝生が日本芝なので、どうも寒々しい景観に感じます。最近ではライグラスをオーバーシーディングして冬も緑にすることが流行っているようですが、有名なメタセコイアとユリノキの枯れ木立を見ていると、逆に芝が緑だったら変か!!って思ってしまいます。
メタセコイア

御苑はとっても広く、まだじっくりと見て歩くことができないでいます。イギリス風景式庭園、フランス式整形庭園、日本庭園が、それぞれ広大な面積を占めているけれど、あんまり広すぎてよく把握できないのです。中島公園や百合が原公園だと20数haでちょうどよく感じるけれど、御苑は60ha弱もあるので、ちょっと広すぎるのでしょう。千駄ヶ谷門近くにあるフランス式整形庭園を特徴づけるプラタナス並木も、葉が繁っている時に見た記憶がありませんが、暑い時期だと木陰が涼しそうだけど。
プラタナス

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