ポプラ通での調査

  • 2019.05.19 Sunday
  • 05:51
今朝、バス通りに出て盤渓に向かおうとしたら、道路法面に4頭のシカが。雪融けの頃盤渓峠近くで群を見たけれど、食べ物が豊富になるこの時期に、まだこんなところをうろちょろしているのですね。クマさんよりはいいけれど、あんまり増えてほしくはありません。札幌は昨日とうとう夏日を記録したというけれど、ポプラ通の中で調査をしていたので、それほど暑くは感じませんでした。つい数日前までストーブを点けていたのに、なんという変わり様でしょう。汗をかくというのは体にはいいことなので、夏場にはしっかりと汗をかかなければ。

ポプラ通のシンボルともいえるオオウバユリが、近年急速に衰退しているというので、まずはその実態を調査する必要があります。さいわいちょうど20年前に、ここの道路と緑地を整備するに当たって、詳細な調査を行っているので、それをベースに現状を確認することに。2.5m×2.5m角の方形区に、開花株が幾つあるかを全域で調べていたのです。調査を担当したS君は、理学博士号をもっている几帳面な人間だったので、こんな気の遠くなるような調査ができたのでした。
調査位置図

20年前に最も多く分布していたところに調査ラインを設定し、ほぼピッタリの場所に方形区を設定して株数を確認していきました。この場所では、20年前にはなんと6.25屬29株もの開花株があったのに、今回はたったの4株しかありません。
調査区1

方形区をずらしながら進んでいくと、ずいぶん葉の長いオオウバユリがあると思ったら、なんとゴボウでした。外来種であるゴボウの急速な増加も、オオウバユリの世代交代にかなりの悪影響が出ていると思われます。
ゴボウ

北側のラインでは、かつて26株もの開花株があった場所に、開花株どころか、オオウバユリそのものが全く存在してなく、すべてササに覆われていたのです。あまりの変貌振りにびっくり。
調査区2

方形区が赤や黄色に塗られているのは、16本以上の開花株があったエリアなのに、あたり一面がササ原に代わってしまい、オオウバユリどころか他の植物が全く見られなくなっていました。ササの繁茂の、生態系に与える影響は極めて大きいです。
一面のササ

かと思えば、かつてはオオウバユリが全くなかった場所に、かなり密生したオオウバユリ群落が形成されていました。奥の方がササに覆われたりして生育環境が悪化し、仕方なく園路近くの狭い場所に逃げ出してきたのでしょう。当然通る人に踏まれたり、いたずらされて首を折られたりと、傷だらけになりながらも、精一杯子孫を増やして生き抜いているのです。
進出区

昨年から、カラスが何百本もの開花株にいたずらをして、問題になっていると聞いてましたが、それらしい被害が一つだけ見られました。明らかに細い嘴でつついているようです。次回の観察会には、カラスの専門家にも来ていただく予定なので、対応の仕方を教えていただかなくては。
カラスのいたずら

ポブラ通の自然観察会

  • 2019.05.13 Monday
  • 05:48
昨日はポプラ通での春の自然観察会。一週間前に下見に行ったばかりだけれど、植物たちがもりもりと大きくなり、かなり様子が変わっていました。オニシモツケなんか、あっという間に3倍くらい大きくなり、1mくらいになっているものが。この時期の植物の生育はとっても早いです。
林内

先週は地べたを這っていたオオタチツボスミレも、どんどん茎を伸ばして花をたくさん咲かせ、名前と姿が一致してきました。外来種であるニオイスミレの花が終わっていたので、断然こちらの花が目立っていて、観察会にはちょうどよかったです。
オオタチツボスミレ

ツボスミレもかわいい花を咲かせていましたが、なにぶんにも花が小さいので、しっかり教えなければ気がつかないでしょう。
ニョイスミレ

牧野先生によると「ツボスミレ」という名称は『不純でまぎらわしい』ので、先生はニョイスミレと命名し直しています。(北隆館の牧野図鑑より)

牧野図鑑

しかし、私たちにとっては「ニョイ」ってなんだろう?ニオイスミレとまぎらわしいじゃないか!となってしまいます。ニョイを調べて見ると「如意」はこんな形をしており、葬儀の時に坊さんが持っていたような?葉っぱがこれに似ているって?と、却って悩んでしまいました。

如意

昨日はかなり肌寒く、いろいろ多用な日曜日にはたして人が集まるのかな?と思っていたら、時間までに約50名もの参加者が集まってくれました。遠くは星置緑地のボランティアをやっているSさんが、電車を乗り継いでやって来てくれてびっくり。本当にありがたいことです。
挨拶

50人を相手に一人で解説するため、見どころのあるポイントに集まっていただき、そこで説明するというやり方で進めました。不十分なところがあったかもしれませんが、みなさん熱心に聴いて下さって、とてもやりやすかったです。
タンポポ

ちょうど2時間後にオオウバユリの保全区域にたどり着き、最後の説明を。20年前に設定した保全区域のロープ柵の中は、ササに覆われたりヤマグワが繁って日照条件が悪化したと見えて、オオウバユリはちらほらある程度。現在の群生は、ロープ柵の手前になっており、行き交う人に一部を踏まれたりして、まさにぎりぎりの状態になっている姿を見ていただきました。
オオウバユリ

この後7月7日には、オオウバユリの開花に合わせて夏の自然観察会を行う予定です。木々の葉が繁って真っ暗になり、植物の生育にどのような影響を与えているか、じっくりと見ていきたいと思います。

ポプラ通の下見

  • 2019.05.07 Tuesday
  • 05:57
12日の10時からポプラ通の自然観察会をやるので、その下見に行ってきました。世間はまだ休みなので、道路はがら空きで、あっという間に到着。手伝ってもらうH氏と、東の方から確認していきました。まず出くわしたのが、紫ミツバ。これは47年前に北海道に来て、すぐ植物園に行った時に、灌木園の横手に生えていたのでよく覚えています。最近ガーデニングでも人気が出ているようで、立派に流通しています。それにしても、こんなに増えていいのかい…(>_<)
紫ミツバ

ポプラ通は両側が住宅地のため、地先の家からの持ち込みやゴミ捨てなどで、園芸植物が多数侵入していると思っていましたが、その量や種類は想像以上でびっくりしました。今回はそんな外来種を紹介しましょう。一面真っ青になっていると思ったら、ワスレナグサが満開に。地味な自生植物なんかより、きれいな花を植えたくなる気持ちは分からないでもありませんが、あまり無秩序に持ち込まれるのはねぇ…
ワスレナグサ

普通野生化したワスレナグサは、花が小型化して見栄えのしないことが多いけれど、ここのはびっくりするほど花が大きくてきれいでした。最近大輪種の‘ミオマルク’などが出回っているので、そんなものが逃げ出しているのでしょうか。
大輪ワスレナグサ

林内に白い花が咲いていたので、アズマイチゲにしては遅いし、ニリンソウかな?と近づいてみると、八重咲のアネモネ・ネモローサ(Anemone nemorosa 'Flore Pleno')でした。別のところには大株も生えていたので、拡散しているのかもしれません。
八重ヤブイチゲ

その近くに小さな黄色い花が咲いていて、これは確かヒメリュウキンカの名前で売られているものでは?と思ったら、戻って調べて見るとその通りでした。リュウキンカと付けられているけれど、その仲間ではなく、かつてはラヌンクルス・フィカリア(Ranunculus ficaria)、現在ではフィカリア・ウェルナ(Ficaria verna)という名前になっていました。リュウキンカと違って、乾いたところでも生育できるため、ここでも増えていきそうです。
ヒメリュウキンカ

最近急速に増えている外来種のヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)ですが、ここではまだおとなしい方で、自生種のオドリコソウの方がはるかに優勢でした。薄暗い林内を苦手としているからでしょう。ここでは久しぶりに白花品を見つけました。昔円山墓地で見つけて以来のご対面。
白花ヒメオドリコソウ

ここで最も広範囲に広がっている外来種は、ニオイスミレ(Viola odorata)でしょう。昔からいろんなところで広まってきていましたが、ここでは在来種だと思われていた節があり、ロープで保護されている区域がありました。しかも大部分が真っ赤な花で、ちょうど満開だったことから、壮観と言ってもいいくらい。これを今後どうしていけばいいのでしょうか。
ニオイスミレ

ニオイスミレがヨーロッパから来たのに対し、近年急速に広まっているのが、アメリカから導入されたアメリカスミレサイシン(Viola sororia)でしょう。紫の基本種と白花品(V.sororia 'Albiflora')があちこちに広まってきており、いずれ大変なことになっていきそうです。
アメリカスミレサイシン

全域を見て歩いて、予想以上に在来種が少なく、エンレイソウはわずか2株、オオバナノエンレイソウも数十株程度、アズマイチゲやニリンソウも数地点での確認に留まりました。その反面、スイセンやチューリップ、スノーフレークなどの球根類は無数に咲き誇っているし、このような外来種があちこちに広がりつつあります。このような場所で、今後どうやっていけばよいのか、簡単に結論を引き出すのは難しそうですねぇ…(>_<)

ポプラ通中央緑地

  • 2019.04.17 Wednesday
  • 05:50
昨日は、今年から調査を始めるポプラ通中央緑地の、下見と調査のためのマーキングを行いました。今年の調査地は、延長約2キロのうち、学園都市線のガードから琴似栄町通までの約200mの区間です。その名の通り、ポプラが植えられているけれど、樹齢は既に百年を超えているので、かなりの老木ばかりになっています。
ポプラ通風致地区

この200mの区間には、昔からオオウバユリの大群落があり、20年前に防風林の両側に道路が整備され、真ん中に園路が整備されて緑地として活用される時に、その保全方策を検討した場所でもありました。
オオウバユリ保護区

確かに今でも高密度でオオウバユリが生えてきており、これでもっと葉が大きくなれば、地面が全く見えないくらいの密度です。土壌が全くいじられず、昔のままの姿を維持していることが最大の理由でしょう。
オオウバユリ

せっかくロープ柵が取り付けられていましたが、生えているのはそれより前の園路際が多く、かわいそうに伸び始めたばかりの新芽が、踏まれているものがたくさんありました。
園路上

20年前のことはあまり記憶がありませんが、もっと低い丸太の柱のロープ柵を回していたような。現在の擬木柵は、なぜこの位置に立てられているのでしょう?ササが繁茂してきているし、ヤマグワやヤチダモの稚樹が密生しているため、より環境のいいところにと、園路の部分にまで生えてきているのでしょうか?
ササと稚樹

来月12日には、ここで自然観察会をやるので、少しだけ他の区域も下見してきました。すると、一番目立っているのがなんと外来種のニオイスミレ(Viola odorata)ではありませんか。案内板にも赤い花のスミレが堂々と載せられていたけれど、在来のスミレ類が全く見当たらず、ニオイスミレばかりがなんでこんなに増えているのでしょうか?
ニオイスミレ

緑地の真ん中にある踏み分け道を進んでいくと、常緑の草本が二坪くらい広がっているのでよく見たら、なんとラミウム・ガレオブドロン(Lamium galeobdolon)でした。ラミウムではやや大柄で、黄色い花を咲かせる種類です。庭のゴミに紛れて持ち込まれたものでしょう。
ラミウム

溜息が出てしまったのは、一角がほとんどイワミツバ(Aegopodium podagraria)に覆い尽くされていたことでした。この密度なら、他の草はまず生えることかできず、純群落を形成しているはずです。北海道が指定した「指定外来種」第1号に認定された、とても厄介な外来種です。ここまで増えてしまえば駆除することはできず、せめて広がらないようにすることを考えなければなりませんねぇ…(>_<)
イワミツバ

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