コタン生物記

  • 2018.03.16 Friday
  • 05:47
3月も折り返したというのに、今朝は一転真っ白の世界に。昨日の帰り道はみぞれだったのが、夜中に湿雪に替わり、じっとり重たい雪が10cmほど積もってます。高知ではサクラが開花したというけれど、北国の春は行きつ戻りつ、千鳥足でやってくるのでしょう。

毎年この時期に、滝野公園のフラワーガイドボランティアのみなさんに対して、研修会を実施しています。いろんな要望がありますが、やはりガイドネタになるような話題がほしいといわれています。滝野公園はガーデン部分だけでなく、自然林もかなり残っているので、今回は野草や樹木を中心にやろうと思っていました。でも図鑑的な話は紋切り型で面白くないので、今回はアイヌの人達が身の回りの植物とどのように接してきたか、という観点から見てみようと思っています。
そうなると、やはり出番となるのが『コタン生物記』です。これは詩人や随筆家として知られる更科源蔵さんが、各地のコタンを回りながら、その土地の古老から聞き取った貴重な資料をまとめたものです。交流のあった知里真志保さんの知見もかなり取り入れられており、これを要約した資料をこのところ毎日書き進めていました。これまで通して読んだことはなかったので、私自身とっても勉強になった一週間になりました。

アイヌにとって最も大切なものだったイケマの話は、話題としても面白いけれど、
食べ物として、薬草として、いろんな使われ方をしているのにはびっくりさせられます。
イケマ

同じく強い魔除けの力があるとされたヨモギについても、たくさんの記載がありました。今の私たちにとっては、せいぜい草餅にするくらいしか用のない草ですが、薬草として大切な役割を果たしていたようです。「若芽を煮詰めると飴のようになり、咳止めになったり虫下しをする力を持ち、もんだ葉は傷口に付けると血止めや消毒になり、絞り汁は虫歯が病むときの鎮痛薬になった。」このようなたくさんの薬効が、次第に信仰となり、身を祓い清めたり、病魔を追い払う霊力を持つと信じられたのでしょう。
  ヨモギ
    (ヨモギを振って魔物を逐う)

私たちはボウナと呼んで山菜として食べるヨブスマソウは、「水を飲む空洞の茎」という意味のワッカ・クト゜とかワッカ・ク・クッタルと呼んでいたそうです。背丈よりも高くなる巨大な草なので、これを使って深い所に流れる川の水も、ストローのように飲むことが出来たという訳です。もう一つの呼び名がチレッテ・クッタル(我々の吹き鳴らす空洞の茎)というもので、枯れた茎をフルートのように吹いて楽器にしたのだそう。
  ヨブスマソウ

この本にはあんまり写真がないけれど、1ページどっと載せられているのがこの写真でした。浜辺に生えるテンキグサ(ハマニンニク)を使って草笛を吹いているのですが、この作り方がよく分からない。「葉の元の方を三分の一ほど葉脈に沿って三つに裂き、真ん中の葉脈の部分を折り曲げる。そして裂かない部分に唇を当て、口腔内の空気を多くしたり小さくしたりしながら折り曲げた葉脈で打つと、口腔内の空気の状態の変化によって微妙な音階の違いが生じ、竹で作ったムックリに似たの音が出る。これをマヂァチ・ムックン(テンキグサの柴笛)という。」とあるのですが、どのようにすれば音が出るのか、細部がよく分かりません。夏になったら一度チャレンジしてみたいですね。
    テンキグサ
(「コタン生物記」樹木・雑草篇  更科源蔵・光著、法政大学出版会発行、1976 より)

牧野植物圖鑑

  • 2018.01.22 Monday
  • 05:51
私の最も大切な本は、牧野富太郎の『牧野 新日本植物圖鑑』です。何かにつけて書棚から引っ張り出しているので、昨年とうとう背表紙がバラバラになってしまいました。背中むき出しでいるのもかわいそうだけれど、製本屋に貼り替えてもらうと本が買えるほどの費用がかかるだろうしと、ようやく少し時間に余裕ができたので、自分で直すことにしました。
牧野図鑑

この本を買ったのが1974年12月なので、大学3年の冬のことになります。4月に研究室に配属となり、半年圃場に通い続けて園芸植物についてはだいたい理解ができてきました。今度は自生植物に手を広げようとして、この図鑑を買ったものでしょう。自分で買った本では、最も高価な本だったかもしれません。
奥付

もともとの図鑑は、1940(S15)年に出されたので、序は「嗚呼、皇紀二千六百年」から始まっており、最後の謝辞も、「今之レニ對シ茲ニ其勞ヲ感謝セネバナラヌノデアル」となっておりました。結網学人とは、「『漢書』董仲舒伝にある言葉。『淵に臨みて魚を羨むは、退いて網を結ぶに如かず』(淵に立って魚を得たいと願うよりは、家に帰ってそれを獲るための網を結ったほうがよいという意味。※)」なんだそうです。牧野先生は、なにかにつけてこの言葉を使っていたようです。
序

結網学人

はがれてバラバラになっているところは、すべて写真用セメダインで丁寧に貼り直していきます。これは無色透明だし、変色しないので結構重宝な接着剤です。
のり付け

こういう厚い本では、背表紙は浮かせて両側に貼り付けなければならないので、ちょっと工夫が必要で、両側は強力な製本テープで留めてみました。コンサルに転職した頃は、報告書の製本もたいてい自分たちでやっていたので、こういう時には役に立つこともあるようです。
製本テープ

30分ほどで、なんとか使用に耐えるほどの出来映えで直すことができました。学名や分類は変わってしまったものがかなりあるけれど、名前の由来とか、学名の意味などはこれが一番分かりやすく、安心ができます。小学生の頃、植物採集や腊葉標本づくりを始めた時に知った牧野先生は、私が初めて意識したあこがれの存在なので、いまだに別格の存在感があります。これからもよろしくお願いしますという、新鮮な気分になりました。
完成

(参考:礫川全次のコラムと名言 HPより)

法面のササ

  • 2017.12.05 Tuesday
  • 05:56
先日函館に向かう途中、ちょうど苫小牧の市街地の山側を走っていると、法面に緑色のササが目に入りました。この場所なら間違いなくスズタケでしょう。錦大沼公園あたりの林内に密生しているけれど、暗い林床に映えているイメージがあるので、こんな吹きっ晒しの法面に生えているのは意外でした。好きこのんで生えた訳ではなく、根茎を伸ばしてきたら切土法面だったので、仕方なく生えていると言った方がいいかもしれません。
法面のササ

さいわい車が空いているので、100キロで運転していても問題なく撮すことができました。このカメラは手ぶれ防止機能が付いているので、適当に当たり付けてシャッターを押しても、ほとんどぶれないで写ってくれます。緑色をしていないササは、丈がかなり低いので、こちらは多分ミヤコザサでしょう。
ミヤコザサ

ミヤコザサは、成長点が寒害を受けないように地中にあるため、寡雪寒冷地適応型のササといえます。この黄色い部分がミヤコザサの分布域で、十勝から釧路、根室の道東域と、胆振、日高にかけて主に分布し、苫小牧あたりはその西端に当たります。スズタケは主に胆振・日高に散在しますが、苫小牧西部にはかなり密に分布があります。でもこんな場所では、冬季間にかなり傷むことが考えられます。スズタケとミヤコザサがパッチを作っている法面もあり、こういうところを運転していると飽きることがありません。
混生

樽前PAでトイレタイムを取った際に、フェンスの向こうにまた違うササが生えていました。見た目はまるで「クマザサ(隈笹)」ですが、道内にあるはずもないので、クマイザサの葉の縁が寒さで傷んだとしか考えられません。でもまだ冬に入ったばかりだし、札幌では今どきクマイザサがこんな風になることがないので、違うササかなぁ?とフェンス越しに眺めていました。
隈笹?

秋の日和

  • 2017.10.22 Sunday
  • 05:55
久しぶりに終日デスクワーク。溜まりに溜まっている仕事をせっせと片付けなければなりません。あちこち叱られそうなものばかりで弱り果ててます…(>_<)

お昼は気分転換を兼ねていつものうどん屋へ。自転車こいでいると、風は冷たいけれど日差しが暖かいので、まだまだ秋だなぁと感じます。歩道の電柱の足元にエノコログサがひとかたまり。変なグラスよりよっぽどかわいいかもしれません。自転車止めてしばらく見ていたけれど、やっぱり怪しいおじさんになるのかな…
エノコログサ

相変わらずうどんと天ぷら二つの昼食です。中庭に出る人がもう居ないと見えて、カギがかかっておりました。こんな気持ちのいい天気に外で食べないなんて!といつものテーブルに座ると、花瓶に挿してあるホトトギスがきれいだし、回りのツタもかなり赤くなってきました。
うどん屋

ツタは、勝手に生えたものがこんなにあちこちに伸びていったものだそう。たいていのビルでは、裏側にツタがひっそりと貼り付いているけれど、やっぱりこれも野鳥のせいなんでしょう。
ツタの紅葉

帰り道、ちょっと気になったので医大裏のナンテンを見に行きました。まだ完全に赤くはなっていないけれど、今年もたくさんの実が付いていました。南向きの陽だまりなら、十分育つようになっているのです。
ナンテン

いろんな道を通りながら自転車こいでいたら、街路樹の植えますにヒマワリが。いつ播かれたものなのか分かりませんが、こんな時期に咲かそうと播いたものなんでしょうか?まだあちこちにコスモスやマリーゴールドが咲いていて、中央区にはまだまだ秋の気配が漂っています。
ヒマワリ

秋日和

  • 2017.09.16 Saturday
  • 06:00
札幌は時折ぱらつく程度だったのに、石狩北部の浜益周辺は、洪水被害が出るほどの集中豪雨になりました。昨日も朝のうちどんよりしていましたが、日が高く登るに連れて秋の日差しが差し込んで、気持ちのよい晴れ間に。被災された方も、後片づけに追われていることでしょう。土日に休むことがないので、途中の予定が空いている日には、溜まっていた雑用を片付けたり、集中講義が近づいて来たので、資料の用意をあちこち連絡したり、肉体的にも精神的にもクールダウンする一日になりました。今年は病院通いしなくてもよいのがありがたいけれど、月に一度降圧剤だけはもらいに行かなければなりません。一月振りに病院に行くと、玄関先に花が飾られていました。
プランター

降圧剤は定期的に処方してもらわなければならないので、できるだけ通いやすいところが鉄則。なので、自宅と同じ町内にある老人病院に、もう10年以上お世話になってます。その病院の、これまで殺風景なコンクリートの壁だったところに、ハンギングバスケットが二つ飾られるだけで、ずいぶん雰囲気が変るものだと感心しました。
ハンギングバスケット

用足しに自宅に戻ると、玄関先のネムノキにちらほら花が咲いてました。今年は枯れてしまったのかと思うくらい芽が出るのが遅く、一部枯れ込んだものの、7月くらいからようやく枝が伸び、ちらほら花が咲き始めました。これも異常気象のせいなんでしょうか…?
ネムノキ

花着きがやはり悪かったロニケラですが、真っ赤な実が日差しを浴びて輝いていました。明るいうちに帰ることがないので、たまに自宅の花を見ると新鮮です…(^^;)
ロニケラ

山鼻郵便局に行く途中、啓明ターミナルの横を通ったので、花壇の様子を見てきました。ここの花壇は「札幌ガーデンシティ活動事業助成」で作ったものなので、時々チェックを。交通局用地なので制約が多いのか、周りをがっちりガードレールで取り囲まれ、間近に見ることができません。私は地面に這いつくばって忍び込みましたが、普通の方は入れないでしょう。
啓明ターミナル

真ん中にロシアンセージがもりもりと咲いていました。ターミナルでバス待ちする人にとっては、このくらいのボリュウムがなければ、視認すらされないでしょう。その点からは、もう少し大型の草種を増やしてあげたいところです。
ロシアンセージ

歩道に一番近い花壇では、回りに植えられた斑入りヤブランだけが、見どころになっていました。こういう助成は一度きりなので、何かを補植しようと思っても、苗を買う資金が調達できない場合がほとんどです。一年草だけでなく、宿根草についても苗の供給ができる仕組みを、もっともっと多様にしていく必要がありそうです。
寂しい花壇

後志で出会った植物

  • 2017.08.22 Tuesday
  • 05:58
昨日は後志の現場巡り。日差しはまだ完全に夏で、結構気温も高くなりました。倶知安の町中で信号待ちをしていると、珍しくカンナを群植したお宅が。花壇の中にシンボル的に使うことはあるけれど、家庭の庭でこれだけまとめて植えているのは珍しいし、よく育っています。
カンナ

倶知安の駅前は、ニセコのようなわくわく感が全くありません。新幹線が来る頃までには、もう少しなんとかしてほしいと思います。左手のポケットパークには、ちょっと不気味な彫刻と、こりゃなんじゃい?と看板と見比べてしまうような水飲み台が。うーーん。
倶知安駅前

現場の中をあちこち歩いていると、今年開花したクマイザサが、もうびっしりと稔っていました。ササの実は救荒食として食べられたほどで、かじってみると生米とほとんど同じ感触。大きさも同じくらいなので、味はともかく十分食べることができそうでした。
ササの実

びっしり生えているコケの上に、ちょっと不気味に這い回っているのはヒカゲノカズラ。まだ胞子は飛散していませんでしたが、この胞子は「石松子(せきしょうし)」という大切なものです。かつては湿気を吸収しないために、丸薬を作るのに用いられたようですが、現在ではリンゴなどの果樹の人工授粉の際に、花粉の増量剤として用いられています。
ヒカゲノカヅラ

芝生や草地の中に、ネジバナが花盛りになっていました。今がちょうどピークのようです。ネジバナのねじれには右巻きと左巻きがあり、どちらが多いかを調べたレポートを持っています。新潟県の中学3年生が、約600本ものネジバナの花を調査し、左巻きの方がやや多く、巻き数は4回前後だけど、これも左の方が多いこと。全然ねじれないものから、最高20回も巻いたものまであったこと。なぜねじれるかは、単年度の調査からは不明だったことなどが、5枚のレポートにまとめられ、県知事賞を受賞していました。こういうユニークな調査をやってくれる研究者は、今のご時世にはいないでしょうねぇ…
ネジバナ

昔吹き付けられたワイルドフラワーの残骸が一角にあり、どぎついグロリオサデージーだけがしぶとく生き残っていました。フランスギクとこれだけはいつまでも消えずに咲き続けているようです。
グロリオサデージー

足元の草むらにゲンノショウコがたくさん咲いていました。タネを飛ばした果柄(かへい)の姿が御輿のようなので、別名をミコシグサと呼ばれます。誰もが納得するし、なんとも風情のある姿です。
ミコシグサ

どこからでも見える羊蹄山は、富士山を見て興奮するように、つい見上げてしばし眺めてしまいます。この辺りの人にとっては、すっかり見慣れてしまい、そんな感慨などなくなってしまうのでしょうか。
羊蹄山

マメ科牧草の活用

  • 2017.08.03 Thursday
  • 05:54
森のガーデンでは、造成後に地面が露出する部分が多かったことから、いわばボロ隠しにマメ科牧草類をたくさん使っています。ガーデンへのアプローチの両側は、冬季間の積雪が半端ではなく、厚い氷に長期間閉ざされてしまうことから、植栽された植物の生育がいつまでも好転してくれません。そこでここにクラウンベッチとバーズフットトレフォイルという、二種のマメ科牧草を2年前に植え込みました。
アプローチ

ピンク色のかわいい花を咲かせるクラウンベッチ(Securigera varia)は、和名をタマザキクサフジ。いったん根付くと極めて旺盛な生育ぶりを見せてくれ、たちまち地面を覆い尽くします。昔からあるものですが、こういう利用は全くされませんでした。今まで見たことがあるのは、K'sガーデンのバラ園くらいでしょうか。本州からのお客さんは、こんなレンゲがあるのですか?とよく聞かれるそうで、確かにレンゲの花に似ています。クラウンベッチとは、「冠状に花を咲かせるカラスノエンドウ」という意味で、絶えず花を咲かせるのでとても魅力的です。
クラウンベッチ

これに混生させているのがバーズフットトレフォイル(通称バーズフット)。広場に出て、レストランへと上がる階段脇にも同じ組み合わせで植えられていますが、低木類を覆い尽くさんばかりに元気よく育っています。
入り口修景

先日行った時に、ここで花を見ていて何か変だな?と思ってしまいました。この名前は、豆のさやが鳥の足のようなのでこの名前があるのですが、鳥の足になっているものがかなり少なく、大半は花が1〜2個しか付いていないし、花もなんか地味だなぁ…と思ってしまいました。
地味

本来のバーズフットトレフォイルはセイヨウミヤコグサ(Lotus corniculatus)。花茎には3〜7個の大振りの花を着けるので見栄えがします。クラウンベッチと組み合わせて植えても、決して負けないくらい旺盛に生育してくれるのです。
バーズフット

これに対して地味な花を咲かせているのは、日本在来のミヤコグサ(L. japonicus)。町中などでは見つけるのが難しいですが、海岸地帯などでは意外によく見かけます。こちらは花も小さく、せいぜい1,2個の花を着けるので、確かに見栄えがしないのです。
ミヤコグサ

これらの苗は、天下のY種苗に委託して作ってもらったものでした。渡島大島の復元緑化を試験するために、島に自生するマメ科のムラサキモメンヅルを、ビート用ペーパーポットに育成する方法を考案していたのです。それを使ってここでもうまくいったと思ったのに… 大半が地味目のミヤコグサですが、あとは数で勝負してもらいましょうか。
2015年5月
(納入時のペーパーポット苗。下がクラウンベッチで、上がバーズフットでした。2015.5.16)

ササの開花

  • 2017.07.22 Saturday
  • 05:59
先日、車の一年点検ついでに、百合が原公園を一回りしてきました。ユリやラベンダーがきれいでしたが、おやっと思ったのがササの開花でした。大温室は現在改修工事中のため閉鎖されておりますが、その入り口の左にある樹林帯のすぐ手前の林内に、なんとスズダケが生えているのです。緑化木の根鉢にササの根茎が混じるために、あちこちの公園にササが生えてくるのですが、たいていはクマイザサとミヤコザサで、スズダケは初めて見ました。1〜2mにもなるので、たいてい刈り取られて無くなってしまいそうなものですが、最近のように予算が削減されて草刈りがほとんど出来なくなると、林床が荒れてものすごいことになるのです。
スズダケ

それにしても、スズダケがこんなところにあったんだぁ〜と眺めていると、ありゃここのスズダケにも花が咲いていたんだと気付きました。先日のイコロの森で見たように、胆振日高方面は一斉開花しているのかもしれません。
スズダケの花

ササの開花習性はまだ分からないことが多いのですが、スズダケの場合120年周期説があるようです。昨年本州でも開花して、話題になっていたようです。いろいろ文献を集めてみると、チシマザサでは1平米当たり1万粒の種子が稔り、千本もの実生苗が発生したこともあったそう。開花すると枯死するけれど、新たな個体がまた発生して元のササヤブを形成してくるようです。

日テレニュース
 (日テレニュースより拝借 m(__)m  2016.6.10)

百合が原公園のHPにはササのことなんか何も書かれていないので、多分管理事務所でもスズダケの開花なんて気がつかなかったようですが、120年に一度の開花といえば、たくさんの見物客がやって来たでしょうに…(^^;)

スズダケは樹林の一番端っこで、その右隣にはミヤコザサが群生していました。ミヤコザサはクマイザサに比べて葉が小振りで細長く、稈(かん)が分岐しないことで区別がつきます。寡雪寒冷地適応型のササのため、成長点が地中にあり、毎年稈を伸ばして葉を広げるために分岐しないのです。
ミヤコザサ

なんとその隣は、クマイザサのササヤブになっていました。あとはチシマザサを持ってきて植えておけば、道内のササコレクションが展示できるのですが。滝野公園から分けてあげようかな。
クマイザサ

美幌で出会った植物

  • 2017.07.11 Tuesday
  • 05:57
連日の寝苦しい熱帯夜。早く解消して夜だけでも涼しくなって欲しいです〜
いろんなところに行く時の一番の楽しみは、何か珍しい植物に出会わないかなぁ〜ということでしょうか。今回はそんなに多くはなかったけれど、あれっと思うものもいくつかありました。

ホテルの目の前で見つけたのがマメグンバイナズナ。以前函館で見たくらいで、そんなにあちこちにあるものではないようだし、町中でもここだけに生えていました。
マメグンバイナズナ

季節的にはブタナが多いけれど、負けじとたくさん生えていたのがヤネタビラコ。札幌ではほとんど見当たらず、釧路や帯広など道東にはやたらと多いように思います。釧路湿原の調査をやった時に、湿原を横断する築堤が真っ黄色になっているのを見てビックリしたことがありましたが、これがどんどん増え始めるとちょっと怖いです。
ヤネタビラコ

町中の庭先や花壇では、オオキンケイギクが真っ盛り。これが、あの「ヒアリ」や「ウチダザリガニ」などと共に、国によって『特定外来生物』に指定されていることなど、誰も知らないでしょう。植物はまだ13種しか指定されていないのに、なんでこんなもの指定するのか、馬鹿でないの?と言われ続けている植物です。学者○○には本当に困ったもの。
オオキンケイギク

汗をふきふきいろんなところを見て歩いている時に、家の回りの犬走りがコマクサ畑になっているのを見つけました。以前新得町内でもあちこちにあるのでびっくりしたことがあったけれど、美幌でも隠れたブームなんだとか。水はけさえよければ、こんなに暑くなる土地でも大丈夫なものなんですね。
コマクサ

ある庭先では、ギボウシの‘サガエ’が豪快に葉を広げていました。カンカン照りだと葉の縁の黄斑が目立たないけれど、この存在感は迫力があります。園芸家の平尾秀一氏が、山形県寒河江市のある庭先に植えられている本種を見つけ、広く紹介したもので、世界的に最も有名なギボウシの品種といわれるほどです。
サガエ

30年くらい前に、ある苗木屋さんの畑で初めて‘白露錦’を見た時に、このままではあんまり売れないから、絶対にスタンダード仕立てにした方がいいんでないかい?と言った記憶があります。私の恩師がスタンダード作りに凝っていて、圃場にはバラのフロリバンダ、ミニチュア、ハンザなど、フクシアやハナアカシア、ゼラニウムのスタンダード仕立てまで作られていて、なかなか面白いと思っていたのです。白露錦のこんな株を見ると、とてもうれしくなってしまいました。
白露錦

スズラン

  • 2017.04.13 Thursday
  • 05:58
先日のスズランの番組を見ていたら、山梨県にあるスズランの自生地が紹介されていました。あの辺にもあるんだと分布を調べてみると、なんと本州中部の方が多そうなのにびっくり。北海道にはかなりあるけれど、岩手や北関東にはまばらで、長野あたりの内陸部にに集中していることが分かります。
国内分布

道内の分布も不思議な偏りがあり、十勝では内陸部までまんべんなくあるけれど、その他はほとんどが海岸線に沿って分布しているのです。確かに十勝では、あちこちにある耕地防風林の林床に、たくさんスズランが生えています。他はあまり内陸部になくて、海岸草原の中に自生があるのは、なにか理由があるのでしょうか?
道内分布
(FLORA OF HOKKAIDO:Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN より)

スズランは、かつてはヨーロッパと日本・中国、さらにはアメリカに3種が自生していることになっていました。現在ではすべて同じ種となり、それぞれが変種扱いになっているようです。富丘西公園に生えているスズランと長く付き合っていますが、葉の陰にひっそりと小さな花が咲いている姿では、いくら香りがあるからといって、見に行こうという気がなかなかおきないでしょう。日高にあるスズラン大群落といっても、花はほとんど見えずに草原となっていますから。
スズラン

これに対してドイツスズランは、花が葉の上に出てくるので、まだそれなりに存在感があります。香りも格段に強いので、花期は短いものの訴える力が強いのです。スズランは高温多湿の環境に弱い高原の花と言えますが、ドイツスズランはかなりの適応性があるようで、それであの様な番組にも紹介されたのでしょう。
ドイツスズラン

北大には、スズランの3倍体の系統が昔から植えられており、どんどん増えて困るほどです。3倍体だけあって、草丈は50〜60cmもあるけれど、花はやっぱり葉の陰に咲いてます。
  3倍体スズラン
   (左から3倍体スズラン、スズラン、ドイツスズラン)

それでも花茎が40cmもあるし、ドイツスズランの2倍くらいの花の大きさなので、花だけを集めればドイツスズランなんか比較にならないほど立派な花束ができます。滝野公園にもせっせと植えているので、もう少ししたら存在感たっぷりの花が楽しめますからね〜
花束

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< April 2018 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM