APG分類体系(2)

  • 2018.07.06 Friday
  • 05:48
ようやく雨が上がりました。あちこちに被害をもたらしましたが、一昨年の十勝のようにならなくてよかったです。昨日まで、朝でも20℃近くあったのに、今朝は吐く息が白くなるくらい。山側の擁壁や車庫から。ぴゅーぴゅー水が噴き出していました。もう水分はたっぷりなので、これからはずっと晴れた日差しが戻り、植物も元気になってほしいです。

しばし中断してしまいましたが、先日紹介した分類体系の残りを紹介しておきましょう。
最新のAPG体系では、なじみ深い名前がずいぶんと消えてしまいました。ショックが大きかったのが、カエデ科とトチノキ科が消滅し、何とムクロジ科になったこと。そもそも北国に住む者にとって、ムクロジ?なんてイメージが全く湧きません。種子は、羽根突きをする時の羽根の重りにすると言われてもねぇ… そもそも掌状複葉の代表とも言えるカエデやトチノキが、なんで羽状複葉のムクロジに取り込まれなくてはならないのか、古い頭では理解に苦しみます〜
ムクロジ科 ムクロジ
カエデ トチノキ

ツツジ科は中身に変化はないけれど、新たにイチヤクソウ科とシャクジョウソウ科、ガンコウラン科が加わりました。ガンコウランは確か昔はツツジ科になっていたこともあったし、イチヤクソウ科の植物は、ツツジ科と言われれば納得できますが、シャクジョウソウまでねぇ… まもなくカントリーガーデンの山のお花畑入り口に咲いて来ます。
ツツジ科 シャクジョウソウ

シナノキ科がなくなったのもショックです。アオギリ科と共に、なんとアオイ科に組み込まれてしまいました。葉っぱの感じは似ていなくもないですが。
ガガイモ科もなくなりました。サクラランやアスクレピアス、ガガイモやイケマなど、雰囲気のよく似た、いかにも「ガガイモ科」というグループだったのに、なんでまたキョウチクトウ科なの?
  キョウチクトウ科

最後は大御所のユリ科の大分裂。APG体系でも、既に2009年に出されたアボック社の『植物分類表』はAPG-2版(2003)に準拠していたけれど、今度の本はAPG-3版(2009)に準拠しているので、せっかく覚えたものが、また変わってしまったものもいくつかあります。
既に90年代からユリ科の分裂は始まっており、ネギ科とかキジカクシ科はある程度なじみつつありました。それが今度は、ネギ科がヒガンバナ科に吸収されるとは… 目から火花が散りそうです。
なじみ深いものがたくさん含まれ、一番大きなグループになったのがクサスギカヅラ科で(キジカクシでよかったのに…)、アスパラガスはもちろん、スズラン、ギボウシ、ヤブラン、マイヅルソウ、アマドコロ、オモトなどが含まれています。
新ユリ科には、ユリやウバユリ、ツバメオモト、カタクリ、アマナやホトトギスなど、おとなしい植物がひっそり肩を寄せ合っているかのよう。
シュロソウ科にも、エンレイソウやツクバネソウ、キヌガサソウ、ショウジョウバカマなど、よく似たものが入っています。
  ユリ科

APG体系は2016年に第4版が改訂されたけれど、そんなに大きな変化はなかったよう。だいたい出尽くした感があるので、これで最後にしてほしいものです。新しく出る本や図鑑は、すべてAPG体系による分類が使われることから、時間の経過と共になじんでいくことでしょうが、だんだん記憶力が衰えていく私にとっては大変なことで、しばし悩みは付きません。

つるもの見本園

  • 2018.07.05 Thursday
  • 05:52
このところ雨ばかりなので、盤渓の方に行くことができず、私の雨天練習場である小別沢トンネルに向かうことが多くなりました。トンネルは231.5mあるので、5〜6往復すれば同じくらいしっかりと汗を流すことができます。トンネルまでは胸突き八丁のきつ〜い坂道。まだ薄暗い道を上っていくと、左側にずっと続くブロック積みの法面に、いろんなつるものがくっついています。昨日昼間に、家に戻る用事があったので、ついでに法面を観察してきました。

圧倒的に多いのがツタウルシです。かぶれやすい人ならこの道は歩けないでしょうね。全体の半分くらいがツタウルシに覆われているのです。あんまり秋に通った記憶がありませんが、きっと紅葉は見事なことでしょう。
ツタウルシ

その次に目立つのがマタタビでしょうか。この法面は完全に北向きのため、ここのマタタビはまだ色付いておりません。この写真は家に近い東向きの法面のもので、それでもまだ花は開いておらず、つぼみでした。盤渓側は南東向きなので、もう花が散っているというのに。
マタタビ

一箇所だけですが、サルナシも生えていました。雌雄異株なので、コクワが稔る株なのか?ヤマブドウやコクワが稔っていると、ツルを引きずり下ろして取るバカの多いこと。円山公園脇のバス通りで、白昼堂々引きずり下ろしていた奴がいたとかみさんが言ってましたが、欲に目がくらむと恥も外聞も感じなくなるのでしょう…
サルナシ

ジメジメした擁壁なので、ツルアジサイはかなりたくさんくっついているけれど、花が咲くような葉の大きなものは見当たりませんでした。やはりもっと日当たりのいい所に上っていかないと、花芽ができないのでしょう。隣家との間のブロック塀にくっつけているものは、今年もたくさん花が咲いています。
ツルアジサイ

あの辺りにはイワガラミは少ないので、ないかなぁ?と見ていくと、一株だけありました。私のブログで圧倒的なアクセス数の記事が、「ツルアジサイとイワガラミ」という、ちょうど6年前に書いた記事なんですが、花がなくても葉の鋸歯を見ていけば、すぐに見分けられます。
イワガラミ

足元近くにくっついていたのがナツヅタです。ナツヅタは道内にも自生があることになっているけれど、ほとんどが町に植えられているものから鳥散布で広がったもの。町中でも街路樹やビルの外壁などに、猛烈にはびこり始めています。この葉はブドウのような単葉と、三つの小葉に分かれたものが同居するのが特徴です。
ナツヅタ

ヤマブドウも、坂道の入り口に一箇所だけありました。日当たりを好むので、この辺りがぎりぎりの場所だったのでしょう。木の枝をつかみ損ねて、仕方なく擁壁にぶら下がったのかな。
ヤマブドウ

途中に1本だけウリノキを見つけました。キュウリのような葉をしているのでこの名がありますが、花はきわめて特徴的な姿です。久しぶりに花を見たのでうれしくなりました。かつてはウリノキ科として独立してましたが、現在はミズキ科に入れられてしまいました。
ウリノキ

APG分類体系(1)

  • 2018.06.29 Friday
  • 05:54
一般の世界ではあまり関係ないけれど、植物に関係する人間にとっては大問題になっているのが、分類体系が大きく変わってしまったことです。リンネが確立した植物の分類体系は、主に花の形態から類縁関係を組み立てていき、私が習った頃は新エングラー体系と呼ばれるものでした。その後80年代にクロンキスト体系が出現し、あれこれ科名が変わってきて、おやおや…と。アジサイ類がユキノシタ科からアジサイ科に、ホップがクワ科からアサ科にとか、身近なものでも結構変化がありました。ところが、20世紀の終わり頃に発表されたAPG分類体系になると、これまでの常識がどんでん返しになってしまうほど、大きく変わってしまったのです。

APG体系とは、被子植物系統グループ (Angiosperm Phylogeny Group) という学者の団体が提唱したもので、ゲノム(遺伝情報全体)を植物ごとに調べていき、それによって類縁関係を規定していくものです。顔が似ていると言うだけで、お前たちは兄弟だ!とされていたものが、血液型を調べると全然違ってた!というようなもので、当然これが正しいのですが、古い情報が染みついている者にとっては大変なことなのです。

新しい分類体系の本は何年も前からで回っているけれど、それを分かりやすく解説してくれたものがありませんでした。そこにようやくこの本が登場し、先日入手して少しずつ読んでいますので、いくつか代表的なものを紹介してみます。

  表紙

一番大きく変わったのがゴマノハグサ科でしょうか。残ったものはほんのわずかで、大部分の植物は別の科に移籍してしまいました。そこに、ブッドレアに代表されるフジウツギ科が加わり、新しいゴマノハグサ科になっています。ゴマノハグサ科の主力だったウンラン属やイワブクロ属、クガイソウ属などがなんとオオバコ科に。サギゴケ属やミゾホウズキ(ミムラス)属がハエドクソウ科になってしまいました。
  ゴマノハグサ科

ユキノシタ科も大きく分裂していますが、アジサイ科はクロンキスト体系で既に分かれていたので、ショックは小さかったかも。ウメバチソウがニシキギ科に行ってしまうのは、なんとも不思議ですが…
ユキノシタ科 ウメバチソウ

劇的と言えば、スイカズラ科の中の、ニワトコ属とガマズミ属が切り離され、なんと我が国では1属1種しかなかったレンプクソウ科に組み込まれたことでしょう。暗い林床にひっそりと咲くレンプクソウが、なんで木本ばかりのニワトコやガマズミの仲間を引き連れることになるの??とかなり話題になりました。ところがこの本では、ガマズミ科の方がより早く発表されているので、ガマズミ科になったと書かれています。マツムシソウ科やオミナエシ属やカノコソウ属のあったオミナエシ科が、スイカヅラ科に組み込まれたのもびっくりでした。

レンプクソウ科 レンプクソウ

(くどいようですが、後日もう少し紹介することにしましょう。

雨・雨・雨・・・

  • 2018.06.28 Thursday
  • 05:58
昨日の札幌は朝から昼過ぎまで、ザァザァと強い雨が降りました。ドロドロだった車が、すっかりきれいになったくらい。天気予報見てもずっと晴れ間がなく、来週一杯こんな天気が続くようです。本州以南は真夏日だというのに、北海道は梅雨になったみたいです。
本当なら昨日の昼間に大島から帰ってくるはずでしたが、この悪天候ですっと船が出せない状態が続いてます。波浪の状況を見ると、日本海がひっくり返っているのがよく分かります。(渡島半島の左側にある黒丸が渡島大島です。)そろそろ野菜不足になっているはずだし、水も使用制限がかかっていることでしょう。

波浪
 (国際気象海洋株式会社HPの波浪予測図を拝借しました。m(__)m)

予定が立たないなりに、あれこれ仕事を片付けながら過ごす毎日が続きます。気晴らしに おか田 のうどんを食べに行こうと、長靴を履いて出かけました。南大通を歩いていると、中央分離帯の街路樹に赤い実が付いているのに気付きました。
今から30数年前、まだ植木屋時代にここを通りかかった時に、市の造園職だったYさんが腕組みしてここに立っていたのです。車を降りて話を聞いてみると、地元の町内会から、シナノキはつまらないから間にサクランボを植えてくれ!と、ねじ込まれたのだそう。そんなの蹴飛ばせばいいのに!と言ったら、そうもいかないのでうまく収まる方法を考えているんだと。
南大通

Yさんは、私が学生の時に市の公園課でアルバイトをした時の指南役で、仕事がよくできて結構厳しい方でした。のちにモエレ沼公園の建設を一手に引き受けて、難しい調整を仕切り、見事完成に導いたのですが、ガンに冒されて早世されたのです。ここには結局1丁に1本だけサクランボを植え、子供たちが取りに行って事故にならないよう、生では食べられない、加工用の酸果桜桃を植えたのでした。手入れをしないためにひどい樹形になっていますが、今でもたくさんの実がこの時期には色付いており、これを見るたびに若かりしYさんの面影が浮かんでしまいます。
オウトウ

専門学校前の植え込みには、どこから胞子が飛んできたものか、大きくなるとビーチパラソルほどにもなるイヌガンソクが。将来が楽しみです〜(笑)
イヌガンソク

円山周辺の住宅には、おやっ?と思う珍しい樹木があるのが楽しみの一つで、このオールドローズは私にとっては懐かしいバラです。私が生まれ育った松山の家の庭にも、これとほとんど同じバラが咲いていたのです。2mくらいある大きな株で、樹形や葉の感じ、花の咲き方まで本当によく似ています。工藤さんに鑑定してもらわなくては。
オールドローズ

店の回りの目隠しに絡んでいるヘンリーヅタ。最近ずいぶん見かけるようになりました。ナツヅタはべたべたくっついて始末が悪いし、アメリカヅタはお行儀悪すぎるので、ほどほどに収まりやすいのが人気の秘訣なんでしょうか。
ヘンリーヅタ

そういえば、先日見て歩いた花フェスタの売店でも売られていたけれど、こりゃヘンリーヅタじゃなくて、斑入りアメリカヅタですっ。ネットで見てもかなり間違っているので、相当根が深いところで間違えられているようですねぇ。
ニセヘンリーヅタ

いつの間にやら

  • 2018.06.12 Tuesday
  • 05:55
日曜日には、孫が次々とやって来ました。右側の2号はまもなく1歳と8ヶ月、左側の3号は1歳7ヶ月になったばかりで、10キロを超すと抱っこしても重たく感じるようになりました。まだお互いのコミュニケーションはうまく取れませんが、2人とも片言の言葉をしゃべり始め、保育園に行っているせいか、ぐずったり泣かなくなりました。子供の成長は本当に早いです〜
孫たち

午後から近くに用足しに出かけると、しばらく現場ばかり走り回っているうちに、すっかり咲いている花が変わっているのに気付きました。季節の移ろいも本当に早いです。マンションの玄関先では、サツキ‘大盃(おおさかずき)’が満開に。昔は下旬が見ごろだったのに、どんどん前倒しになってきています。
サツキ

ここの町内はお金があるのか、歩道の植えますにすべて小さなフェンスを立てています。帯状ますばかりなので、かなりの延長があり、お金の心配をしてしまいました。でも踏み込まれなくなるので、花たちにとってはありがたいでしょう。
花壇ます

ここには珍しく、ヒトフサニワゼキショウ(Sisyrinchium mucronatum)がずらりと植えられていました。シシリンキウムの仲間では、ニワゼキショウが一番好きな花だけど、残念ながら道内では育たないらしく、本種だけが道内で見られます。でも、このようにポット苗で出回っているのは初めて見ました。もともと牧草に紛れて侵入したようで、道東では道端などでよく見かけます。
シシリンキウム

ビンカ・ミノールのグラウンドカバーの中に、2本だけ細長い花茎を伸ばしてかわいい花が咲いていました。ユリ科には間違いなさそうだけど、今まで見たことのない花なのでしばし考え込んでしまいました。わざわざ植えたものではなさそうだけど、いったいなんでしょう??
不明球根

日当たりのいい庭先では、もうバラが満開になっていました。ええっもう咲いてるの!!って感じですねぇ。つるバラのカクテルもたくさん花を着けているし、いつの間にやら花暦は春から初夏に移ろっていました。それにしても、こんなに寒くていいのかい?といいたくなるような寒さです。早く爽やかな、初夏の陽気になってほしいです〜
バラ

スズラン探し

  • 2018.06.11 Monday
  • 05:52
ちょうど一年前、富丘西公園の自然観察会に来ていた道新の記者が、スズランに興味を持って熱心に取材し、大きく取り上げてくれました。私も「スズランに詳しい札幌の環境コンサルタント会社緑花計画の笠康三郎社長」として出ています。確かに、滝野でスズランに関わって30年、富丘西公園で自生のスズランを発見し、その保全活動を続けて25年近くにもなるのですから、日本で一番スズランに詳しい専門家!かもしれませんねぇ…(^^;)

道新の記事

その中で、札幌市のシンボルフラワーにされ、札幌市版レッドリストにも載せられているのに、スズランがどこにどれだけ生育しているのか、全く把握していないのはおかしいと、きびしく指摘しています。富丘西公園のスズランだって、私が偶然発見しなかったら、今の保全区域はすべてつぶされて、元の計画のまま遊戯広場になっていたのですから。
  富丘西公園のスズラン

その指摘が効果を与えたのか、毎年行われてきた「さっぽろ生き物探しプロジェクト」で、今年初めてスズランが加えられ、スズラン探しを行うことになったのです。これまでは、調査時期が夏〜秋だったこともあり、どちらかというと野鳥や昆虫が主体でした。
  生き物探し

今年は春早くスタートしたので、春から初夏に咲くスズランやスミレ類、オオアマドコロやホウチャクソウなどが新たに対象となりました。ところが、事務局をやっている会社から、「スズランとドイツスズランをどうやったら見分けられるのですか?」との問合せが。確かに、日本の植物図鑑には自生植物しか載っていないことが多く、園芸植物や帰化植物はそれらだけで図鑑等に載っているため、それらを比較することができるものはほとんどないのです。そこは昔からよく知っているところなので、画像も含めて見分けるポイントを教えてあげ、調査の手引きにまとめることができました。
スズランの見分け方

先月もみじ台の熊の沢公園で仕事をした時に、ササを刈った跡にスズランが2株生きているのを見つけました。それを事務局に伝えておいたのですが、数日前に現地を確認に行ったら、きれいに草刈りがされて消えていたそうです…(>_<) 根は生き残っていると思いますが、ちゃんとピンクテープでマーキングしてあるものまで刈らなくてもいいものを。
熊ノ沢公園
(この画像は発見時のものです。2018.5.17撮影)

こういう貴重なものを保全しようとすると、業者に任せることは絶対にできません。専門家のコントロールのもと、地域の住民や興味を持つ市民の手で、こつこつと時間をかけながら、自然植生をコントロールしていくしかありません。今のところ、富丘西公園の群生地以外には、この熊の沢公園くらいしかスズランの情報は入っていないようです。こんなに急激に消滅した植物も、珍しいのではないでしょうか。

地道な作業

  • 2018.05.25 Friday
  • 05:59
北大の圃場では、12年前に手入れを始めた時には、チオノドクサはほんのパラパラだったのに、年々猛烈に増えてきて、今では芝生の半分がこんなに真っ青になっています。こんなに増えるのならと、毎年タネを取って、滝野公園のカントリーガーデンにこっそり播いてきました。このサルデンシス種は球根が出回らないので、タネから増やしていくしかないのです。
チオノドクサ

先週なんとか時間を作り、圃場でせっせとタネ集めをしてきました。芝生の中に大豆前後の大きさの果実がごろごろ挟まっているので、指を広げて下からすくい上げながら、果実を集めていくのです。小一時間の作業で、大きな堆肥の袋に一杯詰め込んで自宅へ持ち帰りました。
タネ取り

ブルーシートに広げて少しずつ乾燥させ、葉や花茎にある水分を転送させて完熟させます。それをかみさんが一つずつ摘み取りながら、タネの入った果実だけにしてくれました。今年はがんばって取ってきたので、例年の倍ありました。
調整

圃場ではキバナノアマナも同様に増えまくっているので、この果実もかなり混じっていました。角張っているので区別が付きやすく、こちらも滝野公園の山草エリアに2年前から播いてます。
キバナノアマナ

今度は事務所に持ってきて、日当たりのよい窓際に置いてタネだけを集めなければなりません。小さなものから果実が割れてタネが落ちるので、仕事の合間にカラを拾っていくのです。こういう地道な作業がけっこう好きなので、ついついはまってしまいます…(^^;)
カラ取り

大きな果実だと、かなり肉厚なのでなかなか乾いてタネが落ちてくれません。無理につぶすとネバネバした果肉がまとわりつくので、自然に離れるまで待たなくてはいけません。
多肉質

チオノドクサのタネにも、カタクリ同様エライオソーム(脂肪酸、アミノ酸、糖からなる化学物質を含む)がくっついているので、これが粘り着いて離れにくいのです。チオノドクサが知らぬ間に庭のあちこちから生えて来るのは、アリがこのエライオソーム欲しさにせっせと運んでいき、ごちそうを食べたあとのタネはゴミなので捨ててくれるのです。。
エライオソーム

滝野公園ではもう5年以上タネを播き続けているので、芝生の中に少しずつ開花個体も増えてきています。一面真っ青になるのには、まだまだ時間がかかりますが、あんな風景が見られるようになるのですから、こんないたずらも見逃してくれるでしょう。
滝野公園

先祖返り

  • 2018.05.24 Thursday
  • 05:50
お昼を食べにチャリをこいでいたら、??と変なものが目に入りました。ビルの前にしつらえられている小さな植えますに、コニカ(グラウカトウヒ‘コニカ’(Picea glauca var. albertiana 'Conica' ))が植えられているのですが、そのうちの1本になにかコブが付いているようでした。
コニカ

よ〜く見ると、一部の枝が先祖返りして、本来の大きな葉っぱになっていました。しかも、コニカは緑葉だけど、これは黄金葉なのか、先祖返りしている枝には両方の葉が混じっています。コニファーの分厚い図鑑を見ても、黄金葉のコニカのような品種はないし、ううむとなってしまいました。本来なら、こういう先祖返りした枝はすぐに落としておかないと、木全体がこれに戻ってしまいます。かといって店の方にそんな話をしてもねぇ…(^^;)
先祖帰り

その足元には、斑入りビンカ・マヨール(Vinca major 'Variegata')が植えられているけれど、それも先祖返りして斑が抜けつつあるようでした。同じ植えますで、なんでこんなことが起きるのでしょうかねぇ…
ビンカ・マヨール

本来の緑葉のビンカ・マヨールは、こんな感じで濃い緑の葉をしています。斑が薄れているものは、少し白っぽい緑をしているけれど、最終的にこんな葉に戻るのでしょうか?これも今後の推移を見ていきたいと思います。
緑葉マヨール

コルチカム中毒死

  • 2018.04.27 Friday
  • 05:55
今年もまた、コルチカムをギョウジャニンニクと間違えて食べてしまい、悲しい犠牲者が出てしまいました。コルチカムの事故は道内ではこれで3年連続、なかなか悲劇がなくなりません。
中毒死
  (YOMIURI ONLINE から拝借…m(__)m)

昨年の事故は、近所からいただいたものの中にコルチカムの葉が混じっていたのですが、今回は自宅の庭に植えてあったものを自分で間違って取っているのですから、これは文句の言いようもありません。コルチカムの葉はやや肉厚で、ベロンとしています。
コルチカム

これに対してギョウジャニンニクの葉はそんなに肉厚にはならず、ぺらぺらしているし、広がり始めた時には折り目があるけれど、広がってしわが伸びると似たような感じになってしまいます。
ギョウジャニンニク

見分け方でよく言われるのは、ギョウジャニンニクの株元には、赤いはかまが付いているのに対し、コルチカムにはありません。といっても地際まで取らなければ、区別しにくいかもしれません。それよりも何よりも、ギョウジャニンニクには強烈な匂いがあるので、ちぎれた茎を嗅いでいけば、まず間違えることはないと思いますがねぇ…
比較

コルチカムには、通風の特効薬だったコルヒチンが多く含まれ、わずか1mgが致死量というかなりの猛毒です。しかもその効果がすぐには出ず、12時間くらいしてからじわじわと発症し始め、拷問のような苦しみに襲われながら死に至るのだそう… この季節には、ニリンソウとトリカブトを初め、ニラとスイセンなどの誤食事故もよく起きているので、本当に気を付けたいものです。

  (参考:「毒草の誘惑」 植松 黎著、講談社、1997)

コタン生物記

  • 2018.03.16 Friday
  • 05:47
3月も折り返したというのに、今朝は一転真っ白の世界に。昨日の帰り道はみぞれだったのが、夜中に湿雪に替わり、じっとり重たい雪が10cmほど積もってます。高知ではサクラが開花したというけれど、北国の春は行きつ戻りつ、千鳥足でやってくるのでしょう。

毎年この時期に、滝野公園のフラワーガイドボランティアのみなさんに対して、研修会を実施しています。いろんな要望がありますが、やはりガイドネタになるような話題がほしいといわれています。滝野公園はガーデン部分だけでなく、自然林もかなり残っているので、今回は野草や樹木を中心にやろうと思っていました。でも図鑑的な話は紋切り型で面白くないので、今回はアイヌの人達が身の回りの植物とどのように接してきたか、という観点から見てみようと思っています。
そうなると、やはり出番となるのが『コタン生物記』です。これは詩人や随筆家として知られる更科源蔵さんが、各地のコタンを回りながら、その土地の古老から聞き取った貴重な資料をまとめたものです。交流のあった知里真志保さんの知見もかなり取り入れられており、これを要約した資料をこのところ毎日書き進めていました。これまで通して読んだことはなかったので、私自身とっても勉強になった一週間になりました。

アイヌにとって最も大切なものだったイケマの話は、話題としても面白いけれど、
食べ物として、薬草として、いろんな使われ方をしているのにはびっくりさせられます。
イケマ

同じく強い魔除けの力があるとされたヨモギについても、たくさんの記載がありました。今の私たちにとっては、せいぜい草餅にするくらいしか用のない草ですが、薬草として大切な役割を果たしていたようです。「若芽を煮詰めると飴のようになり、咳止めになったり虫下しをする力を持ち、もんだ葉は傷口に付けると血止めや消毒になり、絞り汁は虫歯が病むときの鎮痛薬になった。」このようなたくさんの薬効が、次第に信仰となり、身を祓い清めたり、病魔を追い払う霊力を持つと信じられたのでしょう。
  ヨモギ
    (ヨモギを振って魔物を逐う)

私たちはボウナと呼んで山菜として食べるヨブスマソウは、「水を飲む空洞の茎」という意味のワッカ・クト゜とかワッカ・ク・クッタルと呼んでいたそうです。背丈よりも高くなる巨大な草なので、これを使って深い所に流れる川の水も、ストローのように飲むことが出来たという訳です。もう一つの呼び名がチレッテ・クッタル(我々の吹き鳴らす空洞の茎)というもので、枯れた茎をフルートのように吹いて楽器にしたのだそう。
  ヨブスマソウ

この本にはあんまり写真がないけれど、1ページどっと載せられているのがこの写真でした。浜辺に生えるテンキグサ(ハマニンニク)を使って草笛を吹いているのですが、この作り方がよく分からない。「葉の元の方を三分の一ほど葉脈に沿って三つに裂き、真ん中の葉脈の部分を折り曲げる。そして裂かない部分に唇を当て、口腔内の空気を多くしたり小さくしたりしながら折り曲げた葉脈で打つと、口腔内の空気の状態の変化によって微妙な音階の違いが生じ、竹で作ったムックリに似たの音が出る。これをマヂァチ・ムックン(テンキグサの柴笛)という。」とあるのですが、どのようにすれば音が出るのか、細部がよく分かりません。夏になったら一度チャレンジしてみたいですね。
    テンキグサ
(「コタン生物記」樹木・雑草篇  更科源蔵・光著、法政大学出版会発行、1976 より)

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