マメ科牧草の活用

  • 2017.08.03 Thursday
  • 05:54
森のガーデンでは、造成後に地面が露出する部分が多かったことから、いわばボロ隠しにマメ科牧草類をたくさん使っています。ガーデンへのアプローチの両側は、冬季間の積雪が半端ではなく、厚い氷に長期間閉ざされてしまうことから、植栽された植物の生育がいつまでも好転してくれません。そこでここにクラウンベッチとバーズフットトレフォイルという、二種のマメ科牧草を2年前に植え込みました。
アプローチ

ピンク色のかわいい花を咲かせるクラウンベッチ(Securigera varia)は、和名をタマザキクサフジ。いったん根付くと極めて旺盛な生育ぶりを見せてくれ、たちまち地面を覆い尽くします。昔からあるものですが、こういう利用は全くされませんでした。今まで見たことがあるのは、K'sガーデンのバラ園くらいでしょうか。本州からのお客さんは、こんなレンゲがあるのですか?とよく聞かれるそうで、確かにレンゲの花に似ています。クラウンベッチとは、「冠状に花を咲かせるカラスノエンドウ」という意味で、絶えず花を咲かせるのでとても魅力的です。
クラウンベッチ

これに混生させているのがバーズフットトレフォイル(通称バーズフット)。広場に出て、レストランへと上がる階段脇にも同じ組み合わせで植えられていますが、低木類を覆い尽くさんばかりに元気よく育っています。
入り口修景

先日行った時に、ここで花を見ていて何か変だな?と思ってしまいました。この名前は、豆のさやが鳥の足のようなのでこの名前があるのですが、鳥の足になっているものがかなり少なく、大半は花が1〜2個しか付いていないし、花もなんか地味だなぁ…と思ってしまいました。
地味

本来のバーズフットトレフォイルはセイヨウミヤコグサ(Lotus corniculatus)。花茎には3〜7個の大振りの花を着けるので見栄えがします。クラウンベッチと組み合わせて植えても、決して負けないくらい旺盛に生育してくれるのです。
バーズフット

これに対して地味な花を咲かせているのは、日本在来のミヤコグサ(L. japonicus)。町中などでは見つけるのが難しいですが、海岸地帯などでは意外によく見かけます。こちらは花も小さく、せいぜい1,2個の花を着けるので、確かに見栄えがしないのです。
ミヤコグサ

これらの苗は、天下のY種苗に委託して作ってもらったものでした。渡島大島の復元緑化を試験するために、島に自生するマメ科のムラサキモメンヅルを、ビート用ペーパーポットに育成する方法を考案していたのです。それを使ってここでもうまくいったと思ったのに… 大半が地味目のミヤコグサですが、あとは数で勝負してもらいましょうか。
2015年5月
(納入時のペーパーポット苗。下がクラウンベッチで、上がバーズフットでした。2015.5.16)

ササの開花

  • 2017.07.22 Saturday
  • 05:59
先日、車の一年点検ついでに、百合が原公園を一回りしてきました。ユリやラベンダーがきれいでしたが、おやっと思ったのがササの開花でした。大温室は現在改修工事中のため閉鎖されておりますが、その入り口の左にある樹林帯のすぐ手前の林内に、なんとスズダケが生えているのです。緑化木の根鉢にササの根茎が混じるために、あちこちの公園にササが生えてくるのですが、たいていはクマイザサとミヤコザサで、スズダケは初めて見ました。1〜2mにもなるので、たいてい刈り取られて無くなってしまいそうなものですが、最近のように予算が削減されて草刈りがほとんど出来なくなると、林床が荒れてものすごいことになるのです。
スズダケ

それにしても、スズダケがこんなところにあったんだぁ〜と眺めていると、ありゃここのスズダケにも花が咲いていたんだと気付きました。先日のイコロの森で見たように、胆振日高方面は一斉開花しているのかもしれません。
スズダケの花

ササの開花習性はまだ分からないことが多いのですが、スズダケの場合120年周期説があるようです。昨年本州でも開花して、話題になっていたようです。いろいろ文献を集めてみると、チシマザサでは1平米当たり1万粒の種子が稔り、千本もの実生苗が発生したこともあったそう。開花すると枯死するけれど、新たな個体がまた発生して元のササヤブを形成してくるようです。

日テレニュース
 (日テレニュースより拝借 m(__)m  2016.6.10)

百合が原公園のHPにはササのことなんか何も書かれていないので、多分管理事務所でもスズダケの開花なんて気がつかなかったようですが、120年に一度の開花といえば、たくさんの見物客がやって来たでしょうに…(^^;)

スズダケは樹林の一番端っこで、その右隣にはミヤコザサが群生していました。ミヤコザサはクマイザサに比べて葉が小振りで細長く、稈(かん)が分岐しないことで区別がつきます。寡雪寒冷地適応型のササのため、成長点が地中にあり、毎年稈を伸ばして葉を広げるために分岐しないのです。
ミヤコザサ

なんとその隣は、クマイザサのササヤブになっていました。あとはチシマザサを持ってきて植えておけば、道内のササコレクションが展示できるのですが。滝野公園から分けてあげようかな。
クマイザサ

美幌で出会った植物

  • 2017.07.11 Tuesday
  • 05:57
連日の寝苦しい熱帯夜。早く解消して夜だけでも涼しくなって欲しいです〜
いろんなところに行く時の一番の楽しみは、何か珍しい植物に出会わないかなぁ〜ということでしょうか。今回はそんなに多くはなかったけれど、あれっと思うものもいくつかありました。

ホテルの目の前で見つけたのがマメグンバイナズナ。以前函館で見たくらいで、そんなにあちこちにあるものではないようだし、町中でもここだけに生えていました。
マメグンバイナズナ

季節的にはブタナが多いけれど、負けじとたくさん生えていたのがヤネタビラコ。札幌ではほとんど見当たらず、釧路や帯広など道東にはやたらと多いように思います。釧路湿原の調査をやった時に、湿原を横断する築堤が真っ黄色になっているのを見てビックリしたことがありましたが、これがどんどん増え始めるとちょっと怖いです。
ヤネタビラコ

町中の庭先や花壇では、オオキンケイギクが真っ盛り。これが、あの「ヒアリ」や「ウチダザリガニ」などと共に、国によって『特定外来生物』に指定されていることなど、誰も知らないでしょう。植物はまだ13種しか指定されていないのに、なんでこんなもの指定するのか、馬鹿でないの?と言われ続けている植物です。学者○○には本当に困ったもの。
オオキンケイギク

汗をふきふきいろんなところを見て歩いている時に、家の回りの犬走りがコマクサ畑になっているのを見つけました。以前新得町内でもあちこちにあるのでびっくりしたことがあったけれど、美幌でも隠れたブームなんだとか。水はけさえよければ、こんなに暑くなる土地でも大丈夫なものなんですね。
コマクサ

ある庭先では、ギボウシの‘サガエ’が豪快に葉を広げていました。カンカン照りだと葉の縁の黄斑が目立たないけれど、この存在感は迫力があります。園芸家の平尾秀一氏が、山形県寒河江市のある庭先に植えられている本種を見つけ、広く紹介したもので、世界的に最も有名なギボウシの品種といわれるほどです。
サガエ

30年くらい前に、ある苗木屋さんの畑で初めて‘白露錦’を見た時に、このままではあんまり売れないから、絶対にスタンダード仕立てにした方がいいんでないかい?と言った記憶があります。私の恩師がスタンダード作りに凝っていて、圃場にはバラのフロリバンダ、ミニチュア、ハンザなど、フクシアやハナアカシア、ゼラニウムのスタンダード仕立てまで作られていて、なかなか面白いと思っていたのです。白露錦のこんな株を見ると、とてもうれしくなってしまいました。
白露錦

スズラン

  • 2017.04.13 Thursday
  • 05:58
先日のスズランの番組を見ていたら、山梨県にあるスズランの自生地が紹介されていました。あの辺にもあるんだと分布を調べてみると、なんと本州中部の方が多そうなのにびっくり。北海道にはかなりあるけれど、岩手や北関東にはまばらで、長野あたりの内陸部にに集中していることが分かります。
国内分布

道内の分布も不思議な偏りがあり、十勝では内陸部までまんべんなくあるけれど、その他はほとんどが海岸線に沿って分布しているのです。確かに十勝では、あちこちにある耕地防風林の林床に、たくさんスズランが生えています。他はあまり内陸部になくて、海岸草原の中に自生があるのは、なにか理由があるのでしょうか?
道内分布
(FLORA OF HOKKAIDO:Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN より)

スズランは、かつてはヨーロッパと日本・中国、さらにはアメリカに3種が自生していることになっていました。現在ではすべて同じ種となり、それぞれが変種扱いになっているようです。富丘西公園に生えているスズランと長く付き合っていますが、葉の陰にひっそりと小さな花が咲いている姿では、いくら香りがあるからといって、見に行こうという気がなかなかおきないでしょう。日高にあるスズラン大群落といっても、花はほとんど見えずに草原となっていますから。
スズラン

これに対してドイツスズランは、花が葉の上に出てくるので、まだそれなりに存在感があります。香りも格段に強いので、花期は短いものの訴える力が強いのです。スズランは高温多湿の環境に弱い高原の花と言えますが、ドイツスズランはかなりの適応性があるようで、それであの様な番組にも紹介されたのでしょう。
ドイツスズラン

北大には、スズランの3倍体の系統が昔から植えられており、どんどん増えて困るほどです。3倍体だけあって、草丈は50〜60cmもあるけれど、花はやっぱり葉の陰に咲いてます。
  3倍体スズラン
   (左から3倍体スズラン、スズラン、ドイツスズラン)

それでも花茎が40cmもあるし、ドイツスズランの2倍くらいの花の大きさなので、花だけを集めればドイツスズランなんか比較にならないほど立派な花束ができます。滝野公園にもせっせと植えているので、もう少ししたら存在感たっぷりの花が楽しめますからね〜
花束

カラフトの植物

  • 2017.04.05 Wednesday
  • 05:44
たくさんの本を持っておりますが、その中には買ったまんま、ぱらぱらっとめくっただけで全然読んでいないものがかなりあります。その本を持っていることすら忘れているものも… 今回もカラフトの植物を調べていて、あれ?そういえばなんか持っていたような?と調べてみると出てきました。20年近くも前のことだし、新品の私家本なのでどうやって手に入れたものだかさっぱり記憶がありません。何か必要があって買った訳でもないので、すっかり本棚の肥やしになっていました。
表紙 裏表紙

著者の外山雅寛さんは、在野の食虫植物研究家として知られており、直接お目にかかったことはありませんでが、よく新聞などで名前を見ていました。この本の本編というべき「サハリン植物紀行」は、100部限定でかなり高かったはず。その簡略版が1,200円で手に入るというので、あわてて買ったものだったかなぁ… でもその内容は、今読み返してみるとなかなか素晴らしい内容でした。口絵に5枚のプリント写真が貼られており、その一枚目がこのカシポオキナグサです。自生地である樫保岳は、この97年の調査で既に荒廃して絶滅していたとか。カラフトまで「山荒らし」が活動しているのにもびっくりですが、カニのことを見ても、お金になるならロシア人とて何でもするのかもしれません。北方領土もそういう点では本当に心配なのです。
  カシポオキナグサ

最後のところに、松浦武四郎も出てきます。松浦は二回目の蝦夷地調査の際に樺太に渡り、アイヌが住んでいた南樺太を詳細に調査して、たくさんの記録を残していたのでした。外山さんは、そういうところまで丹念に整理してからカラフトに渡って調査され、この本をまとめられているのです。
  ジャコウジカ

文庫本サイズの小さな本ながら、その内容の充実ぶりには改めて感動しました。山のようにある本をじっくり読み返してみたいと常々思っているのですが、一体いつになったらそんな時間がやってくるのでしょうかねぇ〜(>_<)

 (改訂簡略版「樺太の植物」 外山雅寛著、樺太の植物編集室刊、1998 より)

スーパーブルーム

  • 2017.03.29 Wednesday
  • 05:42
先週のハフィントンポストのニュースに、カリフォルニアでスーパーブルームが起きているとありました。しばらく干ばつが続いていたはずなのに、昨年秋から冬にかけてたっぷり降雨があり、眠っていた草花たちが一斉に目覚めたようです。
スーパーブルーム

スーパーブルームを演じる植物にはたくさんの種類があるようですが、なんといってもカリフォルニアポピーが有名でしょう。カリフォルニアポピーは、昔はハナビシソウ(花菱草)と呼ばれ、原種はオレンジ色ですが、黄色や白、ピンクなどの花色のものも出回るようになっています。
カリフォルニアポピー

もう30年以上前のことですが、いつも行っていたカメラ屋から、毎年暮れにニコンの立派なカレンダーをもらっていました。一眼レフはずっとニコンを使っていたのです。その中でいいものを切り抜いて、たくさんファイルに溜め込んでいたものの中に、カリフォルニアで撮されたこんな風景がありました。現場には一生行けなさそうだけど、これらをスキャンしたデータをパソコンの壁紙に自動で写るように設定しているので、一日のうちに何度もこれが目に入るのです。
カレンダー

手前のオレンジはカリフォルニアポピーだけど、黄色い花はなんだろうな?とずっと思っていたところ、このニュースのリンクをいろいろ探して、ようやく分かりました。ゲラエア・カネスケンス(Geraea canescens)というキク科の一年草で、通称デザートサンフラワーと呼ばれるとか。全然聞いたことのない属なので、園芸化もされてないのかもしれません。芽生えてすぐに花が咲くのであれば、春播き一年草としては極めて有望な性質なんですが。
デザートサンフラワー

カリフォルニアポピーは、本州以南では秋播き一年草として栽培されますが、夏が高温多湿ではない北海道では結構越夏越冬して、短命ながら宿根草になることもあるようです。滝野公園でも昔はよく植えており、ラベンダーとのコントラストが人気でしたが、最近はとんと植えられなくなりました。
滝野公園

どこか、このスーパーブルームを再現できるところはないかなぁ。

ミヤギノハギ

  • 2017.03.24 Friday
  • 05:40
2日前には40cmほどまで下がっていた積雪が、また70cm近くまで戻ってしまいました。しかも春の雪特有の重たさ… なのに除雪屋はもう店じまいしたのか、こんなに積もっているのに全然やってきません。これではまた。重たい雪を押して下りなきゃならないようで。車が壊れないことを祈りたいです。

毎年この時期北方山草会の総会がありますが、今年も滝野の研修会とぶつかってしまい、残念ながら参加できませんでした。年度末はいろいろとぶつかることが多いのです。その時に配布される会誌が送られてきました。表紙はずっと坂本直行さんの絵でしたが、31号まででいよいよなくなってしまい、それ以降は鮫島淳一さんの植物画が表紙を飾っています。
  北方山草
「北海道山草会」が山草類の栽培家の団体であるのに対し、「北方山草会」は研究者や自然観察などの活動をする方達の団体となっています。年々中身がアカデミックになっていくので、なかなかついていけなくなっております。今回の特集がマメ科となっており、その中に、東北大学の大橋先生による「ミヤギノハギの分布研究史」が掲載されておりました。

ミヤギノハギ

ハギ好きの私としては見逃せない記事で、なるほどという内容が満載でした。由来不明といわれていたミヤギノハギの、タイプ標本(種を特定した元になる標本)が、チュンベリーによって1776年秋に長崎の出島で作られていたとは。これを見ると、私たちがミヤギノハギと呼んでいるものと、確かに同じものだということが分かります。
タイプ

ところが、ミヤギノハギをたくさん植えていると、その中に葉の形や黒軸となる茎の特徴は同じだのに、全然しなだれないタイプのものが混じっていたり、創成川公園に紛れ込んでいるケハギではないかとみられるタイプなど、よく分からなくなってしまうものがたくさんあるのです。
直立タイプ
 (滝野公園に何株か混じっている、枝が垂れないタイプのミヤギノハギ?)

それらを膨大な文献や標本を検証して、ミヤギノハギは日本だけでなく朝鮮半島から中国大陸に広く自生しているものであり、我が国にも植栽分布ではなく、各地に自生があるということになっているのです。大橋氏も、かつては北陸地方のケハギから栽培化されて園芸品種となったとしていたのですが、中国大陸のハギを丹念に調べていくと、やはりそちらに自生していたものと、わが国各地にある「ミヤギノハギ」が広い意味では同じものであり、タイプ標本となったものは、中国からもたらされた栽培品であるという結論に達したようです。
結論

北方山草会のHPはなかなか充実しており、会誌のバックナンバーも目次が公開されています。一部の記事は公開されているものの、バックナンバーの販売も行っていますので、興味のある方はぜひお買い求め下さい。

植物の名前

  • 2017.03.11 Saturday
  • 06:00
早くも6回目の3.11。たくさんの犠牲者や行方不明者も出たけれど、今なお仮設に暮らしている人が一万人以上、故郷を追われてしまった方が十万人以上もいるという現実の方が悲しいです。それでもまだ原発に頼ろうと躍起なのですからあきれるばかり。一日も早く政治の無策振りを正し、被災地の方達が心安らぐ生活に戻れることを祈りたいです。

相変わらず仕事で煮詰まっている毎日。日ごろいろんな植物を扱っている中で、最近とみに頭が痛いのが、名前や分類がコロコロ変わることでしょう。雪解け後間もなく花が咲いてくるチオノドクサは、最新の分類体系では、いつの間にやらシラーに吸収合併されてしまい、属そのものがなくなってしまいました。雄蕊(おしべ)の花糸(かし)が合着するかどうかで分けると覚えていたのに、そんなのどうでもよくなってしまったのです。キオン(Chion)とは雪のことで、ドクサ(doxa)は輝き、まさに「雪の輝き」という意味です〜と解説できたのに、今度はスキラ(Scilla)とは、ギリシャ語で「海のネギ」という意味です〜となると、なんじゃい?と言われそうです・・・(^^;)
チオノドクサ

かと思えば、かつてはシラーの仲間で、学生の頃真っ先に覚えた記憶のあるシラー・カンパニュラータ(Scilla campanulata)は、まもなくシラー・ヒスパニカ(Scilla hispanica)に変わり、その後エンディミオン・ヒスパニクス(Endymion hispanicus)に変わっていたのでびっくりしていたら、今ではヒアキントイデス・ヒスパニカ(Hyacinthoides hispanica)になっているのですから面倒くさい。和名である「ツリガネズイセン」があんまりいい名前ではないので、イベリア半島原産のブルーベルなんだから、英名(Spanish bluebell)をそのままもらって「スパニッシュブルーベル」を園芸名として流通させればいいのにと思っています。
ツリガネズイセン

園芸植物では、このように属の名前がコロコロ変わるものはよくあることで、「園芸名」という和名扱いになっているものが山ほどあります。たとえば観葉植物としてどこにでも置かれているポトスだって、大昔の学名が「Pothos aureus」だったので、この名前で流通していましたが、私が緑のセンターにいた頃には、呼び名はポトスでしたが、学名はスキンダプサス属(Scindapsus aureus)になっていました。その後しばらくして図鑑を見ていると、今度はエピプレムヌム属(Epipremnum aureum)とまた変わっているので、呼び名はやっぱりポトスのままの方がいいのです。
ポトス

こんなことは本当にどうでもいいことなんですが、植物リストを作ったり、ラベルを作る段になると、途端にシビアな問題になってくるのです。おまけに分類体系が大きく変わっている最中なので、たとえばチオノドクサもスパニッシュブルーベルも今ではユリ科ではなく、ツルボ科になっているので、どちらにするか?併記するか?いちいち悩まなくてはいけません。せっかく植物の仕事しているのに、なんでこんなことでストレス貯めこまなくちゃならないんだと、ぼやいてばかりの毎日です〜(>_<)

ハーブ

  • 2017.02.28 Tuesday
  • 05:56
ハーブに興味を持ち始め、本を集め始めたのが80年代始め頃なので、もう30年くらい前になります。最初に買ったのは、数寄屋橋のソニービルの近くにあった「JENA(イエナ)」という洋書屋さんで、植物関係の本が多いことから、東京に出た時にはいつも寄っていました。そこで買った本が、この「A Modern HERVAL」です。その時にもらった栞と共に大切にしています。この頃は本屋とレコード屋巡りばかりやっていたので、えらく重たい荷物を担いで帰る羽目に… フラワーアレンジメントの本も買っているはずだけど、家のロフトに埋まっているみたいで、最近見かけないなぁ。
  JENA

滝野公園のくらしの花園をリニューアルすることになり、一度ハーブをしっかりと整理してみようと、ハーブのいろんな本をひっくり返していました。日本のものだと趣味的に書かれているものばかりで、今一つきれいに整理されていないものだから、どうしても洋書を引っ張り出してしまうのです。でも、細かいところまで理解できる語学力がないので、翻訳もののリスリー・ブレムネスさんのハーブ図鑑と見比べながらの作業になってしまいます。ところがこれが落とし穴。つい細かく読んでしまうものだから、へぇ〜と思うようなことが続出して仕事が進みません。

ポークウィード(ヨウシュヤマゴボウ)なんて、超有毒植物なのに!なんかとてもいいことばかり書かれてあるので、本当かなぁ?と思ってしまいます。
ヤマゴボウ
(「ハーブの写真図鑑HERBS」 レスリー・ブレムネス著、高橋義孝監修、日本ヴォーグ社、1995)

セイヨウオキナグサも有毒だと思っていたら、乾燥させるといろんな薬効があることに。素人にはとても手に負えそうもありません。
セイヨウオキナグサ
(「ハーブの写真図鑑HERBS」 レスリー・ブレムネス著、高橋義孝監修、日本ヴォーグ社、1995)

イタドリは、春の遠足に行った時によく折り取ってしゃぶっていましたが、「この草には胃がんに有効な成分が含まれることが明らかになった。」とあるけれど、この本が出て20年以上経つけれど、いまだにそんな話題聞いたこともないしなぁ。そんなものばかりなのです。
イタドリ
(「ハーブの写真図鑑HERBS」 レスリー・ブレムネス著、高橋義孝監修、日本ヴォーグ社、1995)

ボッグビーン(ミツガシワ)が、非常用の食糧になったり、葉がお茶になったり、スウェーデンでは葉がホップの代用品として売られているとか、初耳なことばかり出てきます。こういう本は、必要なところしか読まないものだから、用のないものは全然読んでいないことが多く、やっぱり一度しっかり読み込んでおかないといけないと反省しきりです。
ミツガシワ
(「ハーブの写真図鑑HERBS」 レスリー・ブレムネス著、高橋義孝監修、日本ヴォーグ社、1995)

ちっとも作業が進んでいないのがつらいけれど、なんだか新発見したようで楽しくもあり、この時期ならではの時間の過ごし方かもしれません。

サフラン

  • 2017.02.25 Saturday
  • 05:55
先日朝日のデジタルニュースを読んでいたら、この時期に?という感じでサフランのことが載っていました。国内生産量は22kgで、そのうち大分県竹田市が18kgを生産する国内最大の生産地だとのことです。たった18kgとはいえ、1kgが百万円以上するので、結構なものかもしれません。かつて価格が高騰していた時には、同じ重さの金よりも高かったと言われるサフランですから。

竹田のサフラン
  (朝日新聞DESITAL 2017.2.20より拝借 m(__)m)

驚いたのがその栽培方法です。ここでは畑ではなく水田で栽培するので、稲を植える前に掘り上げて乾燥させ、木箱に並べて秋までずっとそのまま放置するのだそう。するとコルチカムのように花だけが伸びてきて開花するので、その雌しべを採取するのです。

摘み取り
  (朝日新聞DESITAL 2017.2.20より拝借 m(__)m)

露地に植えておくと雨に当たって品質が落ちるし、地べたに這いつくばっての作業も大変なので、室内で椅子に座って収穫できれば、肉体的な負担もないし、確かに極めて効率的です。竹田で栽培が始まったのが100年以上前の1903(M36)年とのことですから、この栽培方法を見つけた方の勘はとても鋭かったのでしょう。

栽培方法
  (JA大分竹田事業部HPから、引用させていただきました。m(__)m)

収穫後、11月に田んぼに植えると冬の間に葉を伸ばして春までに球根が肥大し、水田耕作が始まるまでに掘りあげるという繰り返しをしているのです。その昔、滝野で見事に失敗している私にとっては、北海道ではできない栽培法なので、悔しい限りです。栽培農家が高齢化してどんどん生産量が減っているとのことですが、なんとかならないものでしょうかねぇ。

収穫方法
  (JA大分竹田事業部HPから、引用させていただきました。m(__)m)

calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM