町中の緑

  • 2019.04.06 Saturday
  • 05:48
昨日は午前中にチラッとだけ雨が降り、そのあとはまた寒気が入ってきたようです。午後から植物園裏に移転したGIHの事務所で打合せがあり、出したばかりのチャリで行こうかと思ったけれど、あまりに寒いので歩いて行くことに。建物の陰にはまだあちこち雪が残っていて、なんとか滑らないで歩くことができました。目立ったのが真っ赤になったサツキです。雪から出ていた部分はほとんどが傷んでました。何年かおきにこれを繰り返します。
サツキ

知事公館の西側のフェンスには、道内産の常緑のツルマサキを絡ませていますが、これも葉がほとんど落ちてしまってました。久しぶりに−15℃まで下がると、吹き晒しになっているものは、てきめんに傷むものが続出するようです。
ツルマサキ

傷んだサツキばかり見ていて、いささかうんざりしていたところ、鮮やかな緑が目に入りました。這性のビャクシンの品種ものです。真鍋さんならすぐに品種を言い当ててくれるでしょうが、私にはなかなか…(^^;) やはりしっかりした植物の選定がいかに大切か、こういうのを見ると心底思ってしまいます。
ハイビャクシン

わりと新しいマンションの前に、なんだか見慣れない常緑樹があるので近寄って見たら、なんとイヌツゲでした。普通は葉が丸まったマメイヌツゲ(マメツゲ)しか見かけないけれど、葉が平たい普通のイヌツゲが、こんなサイズで平気に育っていたのにびっくりでした。植えた本人は、そんなことは全く知らないで、本州から取り寄せたものでしょうが。
イヌツゲ

ホテルの植え込みでは、サツキが真っ赤になっていましたが、ササがびっしり生えているのに目が行ってしまいます。恐らく十勝から持ってきたアカエゾマツにくっついてきたミヤコザサが、ぬくぬくとここで密生しているのです。知らない人は、クマザサ(隈笹)を植えているのかと思ってしまいそう。
ミヤコザサ

ついでに、昨年植えた大通高校のハルニレも様子を見てきました。
今年は積雪も少なく、全く枝折れがなくてなにより。これならすくすくと伸びてくれることでしょう。
ハルニレ

ただ、足元に植えたラベンダーがぺったんこになっていて、業者が草刈りに入った時に間違って刈られそうなので、周りに竹を立てて保護しておきました。大きくなっていく花が咲くのが楽しみです。
ラベンダー

私と牧野先生

  • 2019.01.31 Thursday
  • 05:56
先日のテレビで、牧野富太郎先生の一生を振り返っていました。あれ以来、牧野ブームになって盛り上がっているようですね。
  ヒストリア

私が牧野先生のことを知ったのは、小学校4年の時。夏休みに子どもだけが参加する植物採集の企画に母が応募して、一人でバスに乗り継いで参加しました。一人で行動したのは初めてだったのではないかと。今は伊予鉄道の本社がある場所に、おんぼろのバスターミナルがありました。その中を歩いて集合場所を探したときの心細かったことを、鮮明に覚えています。バスに乗って向かったのは、松山平野を流れる重信川の最上流で、もちろん全く初めて行ったところだったけれど、水が流れ落ちる岩肌にイワタバコがくっついて咲いていたのに感動し、採集したものの一部を、押し葉にしないで炭にくっつけて、長く庭で育てていました。(画像はWikiより拝借…m(__)m)

イワタバコ

押し葉が出来た頃にまた集まって、同定してくれるのですが、その時に四国が生んだ牧野富太郎というすごい先生がいることを教えられたのです。その採集会には6年の夏まで参加し、三冊の押し葉標本が入った段ボールは、大学生頃まであったのですがねぇ…

子供心に漠然とえらい先生というイメージが刷り込まれていたくらいで、詳しく調べたことはなかったけれど、私の育った松山の郊外によく生えていた野菊が、牧野先生が名付けたセトノジギクだということがあとで分かったので、私にとって牧野先生=ノジギクとして記憶されているのです。それにしても小学5年と6年の二年間は、取り憑かれたように山野をさまよいながら植物を見て歩きました。当時住んでいた家は松山の北の端の農村地帯だったし、瀬戸内海に面した多様な環境があったので、いろんな植物があるのに気付きました。中学に入ると市内の中学に汽車通で通い始めたので、あの時が一番楽しかったのかもしれません。

ノジギク

最初に高知に行ったのは、高校1年の春休みに友人二人とヒッチハイクで四国一周を目指したときのこと。高松から徳島に行き、山の中を通ってようやく高知までたどり着いたものの、疲れ果ててしまい、高知城をちらっと見ただけで、牧野植物園をあきらめて帰ってきてしまいました。大学に入ってから、ようやくバスで四国山地を越えて、念願の牧野植物園に行くことができました。当時の植物園は、赤丸で囲った現在の南園というエリアだけでしたが、それでもようやく牧野先生に近づくことができて感激しました。

牧野植物園

私は野生植物よりも、園芸植物や造園植物の方へ指向していきましたが、植物への接し方は学ぶべきものが多かったと思います。他の植物図鑑には自生植物のことしか載っていなかったけれど、牧野図鑑には身近な植物がたくさんはいっていてとても面白いのです。農学部に移行してまず買い求めたのは牧野図鑑でした。読み物も本当に面白いというか、普通の常識人でないへんてこな話にクスッとなってしまいます。

銅像

これらの写真は、ちょうど10年前の4月に行った時のもの。北側に大拡張し、新しい記念館とか展示室が出来ていたので、じっくりと見てくることが出来ました。母をこちらに連れて来たので、松山に行く機会が減ってしまい、次はいつになったら行けるかなぁ…

梅俊図鑑

  • 2018.12.24 Monday
  • 05:45
もう買わないと言いながら、今年買った本やいただいた本はかなりの数になりました。その中では、梅沢 俊さんが6月末に発行した『北海道の草花』は、最もセンセーショナルなものでしょう。とにかく梅沢さんの仕事の集大成として発行されたのですから。
梅俊図鑑
 (道新WEB 2018.6.26 より拝借…m(__)m)

なにがセンセーショナルかと言えば、分類体系が従来のエングラー体系から、最新のAPG体系に完全に切り替わったことです。配列もがらりと変わってしまった上に、旧科名が書かれていないので、どこに何があるのか、索引なしに見つけることができません。いずれ覚えなければいけないと分かっていても、頭に染みついているものはなかなか切り替わらないものです。もちろん全部変わった訳ではなく、全体から見れば一部とはいえ、例えばユリ科の大分裂などとてもついていけません。大きく8科に分裂してしまいました。ツクバネソウやエンレイソウはシュロソウ科になっています。
シュロソウ科

オオアマドコロやヒメイズイによく似ているチゴユリやホウチャクソウは、なんとイヌサフラン科に放り込まれてしまってます。
イヌサフラン科

そのオオアマドコロやヒメイズイ、スズラン、ギボウシ類などかなりの数が、クサスギカヅラ(キジカクシ)科になりました。それなのに、よく似ているオオバタケシマランは、ユリ科のまんまなのです。うーーん。外来種ながら、スキラ(シラー)も同様ですが、チオノドクサもスキラ属に吸収されてしまいました。
クサスギカヅラ科

アリウムなどのネギの仲間は、一時はネギ科として独立したこともありましたが、今度はなんとヒガンバナ科に取り込まれ、スイセンなどの仲間になりました。元のユリ科は覚えるのが本当に大変です。
ヒガンバナ科

大きく変わったものに、ゴマノハグサ科があり、大半がオオバコ科に含まれてしまいました。クガイソウの花の感じは、確かにオオバコに似てなくもないですが、どうもピンと来ません。
オオバコ科

スイカズラ科も大きく変わりました。ガマズミ属やニワトコ属が一度はレンプクソウ科に組み込まれたのです。1属1種で全く目立たない地味な草であるレンプクソウが、ずいぶんと出世したものだなぁ〜と話題になったほどです。ところが昨年になって、レンプクソウ科よりも早くガマズミ科が登録されていたことが分かり、あえなくガマズミ科に組み込まれてしまいました。
ガマズミ科1ガマズミ科2

この本を買ったのは、秋も遅くだったので今年は出番があまりありませんでした。来年は春から少しずつ慣れていかないとと考えていますが、もうこの歳になると新しいことがなかなか覚えられないので、気が重いです。74歳の梅沢さんでもがんばったのだから、泣き言は言えませんねぇ…(^^;)
サイン

アトリウム

  • 2018.12.11 Tuesday
  • 05:56
デパートの中に植えている植物が、どうも元気がなくなるので見てほしいと頼まれたので、町中の打合せついでに見に行きました。最近はデパートになんか全然行かないので、いきなりキラキラ華やかな世界に出かけると、目から星が飛びそうです。そういえばここのベンジャミンゴムノキは、できた時に見た記憶があったけれど、今でも元気だったんですねぇ。上の階まで吹抜になっているし、トップライトからの採光も確保されているので、ちゃんと育っていました。
アトリウム

20年くらい前は、室内のアトリウム空間に樹木を取り入れるのが流行っていました。京王プラザホテル、北24条のサンプラザ、大谷地のアクセスサッポロなどに、5〜6mもあるベンジャミンゴムノキがずらりと植えられたり、大型のコンテナに植えられていました。それらはすべて無くなってしまったのは、結局管理にお金がかかるからとかの理由だったのでしょう。赤れんがテラスの2階にベンジャミンを入れると聞いて、へぇ〜とびっくりしたことを思い出します。
下草

これだけでなく、普通の天井高の室内にも、2mくらいのベンジャミンがずらりと植えられています。植物育成ランプが点けられているとはいえ、こんな浅い植栽スペースに植えられているのに、よくも元気に育っているものだと感心しました。
ベンジャミン

これらベンジャミンの足元には、トラデスカンチア(Tradescantia fluminensis)が植えられており、元気のいいものでは鮮やかな黄緑色のカバーを作っていました。
トラカン

ところが部分的に衰弱して、枯れてしまうというのです。じっくり見ていくと、それまで元気に育っていたものが、芽の先の方から、くしゃっといじけていっているようです。なんだこれは!
新芽

秋の気配

  • 2018.09.01 Saturday
  • 05:40
昨日は8月の最終日でした。午後から届け物があったので、手稲区土木センターへ。車から降りると、あまり見たくない機械がずらりと並んでいました。ここには、市全体で使用する除雪機械を統括する車両管理事務所が併設されており、整備が終わった機械がずらりと並んでいました。あまり見たくないものですが、雪が降るまであと2ヶ月ですからねぇ…(>_<)
除雪車

用事を済ませて出てくると、玄関前の国旗掲揚台の足元に、きれいなグラスが植えられています。よーく見ると、畑雑草のエノコログサの、芒(のぎ)が紫色を帯びるムラサキエノコロのようです。これなら使えるかも〜って思ってしまいました。
ムラサキエノコログサ

手稲前田の花卉圃場の一角を借りて育てているハルニレたち。いつまでも畑を借りているわけにはいかないので、近々市に寄贈して植えてしまおうと考えています。何本かまだ使うものがあるのでその選別と、最後のの計測をやっておきました。土地がいいせいか、本当によく伸びました。
ハルニレ畑

園主のHさんを探していくと、一番奥で草と格闘してました。土地が肥えている分、ちょっと油断するとたちまち草に覆われてしまいます。労力の何割かは、確実に雑草対応に取られているのでは…(>_<)
草刈り中

こちらはずいぶん大きなエノコログサだなぁと思ったら、エノコログサとアワの雑種であるオオエノコログサのようです。これだけ稔っていたら、この辺りの野鳥にとっては、大ご馳走になることでしょう。
オオエノコログサ

一角に植えられていた白いススキ。ススキよりももっとなよっとして、風を受けるとさわさわと、とてもきれいに動きます。苗は売っていないようだけど、開花が早いし、この草姿なら使い道はたくさんありそうです。
白いススキ

オミナエシが満開に。いつも思うのですが、右側のように草丈が高く、節間も長く伸びるタイプと、左側にあるような、花茎ががっちりしてあまり伸びないタイプは、別にして流通してほしいのです。メドウなどでは前者がよく、宿根ボーダーに植えるのなら絶対に左側のタイプがいいのです。結局自分で分けるしかないのかなぁ…
オミナエシ

いろいろ花が咲いていたので、しっかりチェックをしていくと、おおっと思わせる素敵な花がありました。タリクトルム・デラワイー(Thalictrum delavayi)は、とってもいい花だし人気も高いけれど、開花期が短いのが難点です。ところがこの八重咲品種‘ヒューイッツ・ダブル(Hewitt's Double)’は、かなり長く咲いてくれるので、存在感は抜群です。一重なりの涼やかな花もいいけれど、合わせてこちらも植えておくといいかもしれません。
タリクトルム

差し替え

  • 2018.08.06 Monday
  • 05:53
土曜日に、ポストに本の入った宅配便が届いてました。はて?注文出していないのに、どこから来たんだろう?と開けてびっくり。先日紹介した『新しい分類体系』の本が入っていました。

 新しい分類体系

あわてて中をよく見ると、「お詫びとお取り替えについて」という手紙が。何でも校正された最新原稿ではなく、校正途中の原稿を印刷に回していたのだそう… それは出版社にとっては大事故で、担当者の首がすっ飛んだのではと心配になってしまいました。

お詫び

それにしても、私のように発売の数ヶ月前から予約していた者は、こうやって取り替えてもらうことができるけれど、書店で購入された方には、そのような救済措置は取りようがなく、気付かないままになってしまう可能性が高いです。目を凝らしてどこが間違っていたのか調べてみましたが、正誤表もないのでほとんど見つかりません。とりあえず先日お知らせした内容については、問題なかったようなので安心しました。

私たちだって、このような取り違えは絶対に許されないので、それなりにみんな工夫していると思います。私は、すべてのファイルに日付をつけて保存するので、同じファイルでもどれが最新かはすぐに分かります。180731チェックリスト.xlsx とか、180806現地確認.docx というファイル名にすれば、同じフォルダー内での新旧はすぐに判断できるし、検索をかければ、その日に作成したファイルはすぐに見つけられます。この方式で30年以上仕事をやって来ているお陰で、こんなミスとは無縁でいられるのです。
一体どれだけの損害が発生したのやら、想像するのも怖いですねぇ…(^^;)

ヒルガオの季節

  • 2018.07.24 Tuesday
  • 05:55
昨日から気温も湿度が下がり、昼間で50%台になったので、まとわりつくような暑さから解放されました。関東以南の『災害級』の酷暑は想像することもできませんが、これが毎年常態化するのであれば、真剣に対策を講じていかなければならなくなるでしょう。北海道への移住者が増えてくるのかなぁ…?

アサガオよりも早く、ヒルガオ類が盛りの季節。先週北大の圃場に行く時に、ビールが入るのでバスで行きました。植物園の北でバスを降り、まっすぐ北に向かって歩いて行くと、フェンスに早速ヒルガオ(Calystegia japonica)の花が。
ヒルガオ

そういえば、一月くらい前に某紙のカメラマンから、ヒルガオが生えているところを教えて下さいとの電話がありました。なんで私に?と聞いたら、私のブログはいろいろ興味深い情報があるので、時々チェックさせていただいてます〜とのこと。そういう役にも立っているんだ。なんでヒルガオなんですか?と聞いたら、ヒルガオを食草にするジンガサハムシを撮しに行きたいとのこと。金色に輝くきれいな虫で、星置緑地でもよく見かけます。でもまだ少し早いのではと、星置緑地よりも百合が原公園の方がたくさんあるかも〜と教えておきました。星置緑地では除去対象種なので、あまり残っていませんから。
ジンガサハムシ
 (金色に輝くジンガサハムシ  星置緑地で、2011.7.27)

少し歩くとあちこちにヒロハヒルガオ(C. sepium)が。札幌ではヒロハの方がはるかに多いように思います。ヒルガオの葉が細長いのに対し、ヒロハの名の通り盾状に葉の葉が広いのです。
ヒロハヒルガオ

構内に入り、圃場のフェンスに沿って歩いて行くと、またヒルガオかな?と思ったら、ヒロハヒルガオのピンク花でした。こんなところにもあったのですね。葉の幅だけでなく、苞葉がガクを包み込んでいて、先が尖っているのでまず間違いないでしょう。
ピンク花

濃ピンクのヒロハヒルガオには、かつて北海道の中央部、足寄から陸別にかけての道端で遭遇したことがあります。この時は津別でフラワーマスターの講習会があり、ついでにあちこち見てこようと車で出掛けました。山の中でこんな花を見つけ。思わず急停止してよく見ると、どう見てもヒロハヒルガオなのにびっくり。あとで野生植物に詳しい方に聞いたら、梅沢さんの『北海道の花』に出てるでしょ!と言われてしまいました。そんなにあちこちにあるものなんでしょうか? (2012.7.29)
陸別

ヒルガオの仲間には、もう一種コヒルガオ(C. hederacea)もありますが、私はまだ一度しか見たことがありません。事務所のすぐ近くに、なんでこんなものがという感じで咲いていました。
コヒルガオ

海岸の砂浜では、この季節ハマヒルガオ(C. soldanella)の天下でしょう。種小名はサクラソウ科のソルダネラに似た丸い葉をしているという意味ですが、Soldoがコインの意味で、葉の形を指しています。渡島大島でもこの大群生地がありますが、タネが海を漂流して、世界各地に広がったのでしょう。
ハマヒルガオ

もう一種、ヒルガオ属ではないけれど、セイヨウヒルガオ(Convolvulus arvensis)もこの時期に咲いています。家の並びのブロック擁壁に、昔からこの時期に咲いているのですが、いまだ他では見たことがありません。小さくてかわいい花を咲かせるけれど、ブロックの隙間や舗装のアスファルトを突き抜けてどんどん広がっていく生育ぶりを見るに着け、一度雑草化すると除去が困難になるという、ヒルガオ類の怖さがよ〜く分かります。
セイヨウアサガオ

APG分類体系(2)

  • 2018.07.06 Friday
  • 05:48
ようやく雨が上がりました。あちこちに被害をもたらしましたが、一昨年の十勝のようにならなくてよかったです。昨日まで、朝でも20℃近くあったのに、今朝は吐く息が白くなるくらい。山側の擁壁や車庫から。ぴゅーぴゅー水が噴き出していました。もう水分はたっぷりなので、これからはずっと晴れた日差しが戻り、植物も元気になってほしいです。

しばし中断してしまいましたが、先日紹介した分類体系の残りを紹介しておきましょう。
最新のAPG体系では、なじみ深い名前がずいぶんと消えてしまいました。ショックが大きかったのが、カエデ科とトチノキ科が消滅し、何とムクロジ科になったこと。そもそも北国に住む者にとって、ムクロジ?なんてイメージが全く湧きません。種子は、羽根突きをする時の羽根の重りにすると言われてもねぇ… そもそも掌状複葉の代表とも言えるカエデやトチノキが、なんで羽状複葉のムクロジに取り込まれなくてはならないのか、古い頭では理解に苦しみます〜
ムクロジ科 ムクロジ
カエデ トチノキ

ツツジ科は中身に変化はないけれど、新たにイチヤクソウ科とシャクジョウソウ科、ガンコウラン科が加わりました。ガンコウランは確か昔はツツジ科になっていたこともあったし、イチヤクソウ科の植物は、ツツジ科と言われれば納得できますが、シャクジョウソウまでねぇ… まもなくカントリーガーデンの山のお花畑入り口に咲いて来ます。
ツツジ科 シャクジョウソウ

シナノキ科がなくなったのもショックです。アオギリ科と共に、なんとアオイ科に組み込まれてしまいました。葉っぱの感じは似ていなくもないですが。
ガガイモ科もなくなりました。サクラランやアスクレピアス、ガガイモやイケマなど、雰囲気のよく似た、いかにも「ガガイモ科」というグループだったのに、なんでまたキョウチクトウ科なの?
  キョウチクトウ科

最後は大御所のユリ科の大分裂。APG体系でも、既に2009年に出されたアボック社の『植物分類表』はAPG-2版(2003)に準拠していたけれど、今度の本はAPG-3版(2009)に準拠しているので、せっかく覚えたものが、また変わってしまったものもいくつかあります。
既に90年代からユリ科の分裂は始まっており、ネギ科とかキジカクシ科はある程度なじみつつありました。それが今度は、ネギ科がヒガンバナ科に吸収されるとは… 目から火花が散りそうです。
なじみ深いものがたくさん含まれ、一番大きなグループになったのがクサスギカヅラ科で(キジカクシでよかったのに…)、アスパラガスはもちろん、スズラン、ギボウシ、ヤブラン、マイヅルソウ、アマドコロ、オモトなどが含まれています。
新ユリ科には、ユリやウバユリ、ツバメオモト、カタクリ、アマナやホトトギスなど、おとなしい植物がひっそり肩を寄せ合っているかのよう。
シュロソウ科にも、エンレイソウやツクバネソウ、キヌガサソウ、ショウジョウバカマなど、よく似たものが入っています。
  ユリ科

APG体系は2016年に第4版が改訂されたけれど、そんなに大きな変化はなかったよう。だいたい出尽くした感があるので、これで最後にしてほしいものです。新しく出る本や図鑑は、すべてAPG体系による分類が使われることから、時間の経過と共になじんでいくことでしょうが、だんだん記憶力が衰えていく私にとっては大変なことで、しばし悩みは付きません。

つるもの見本園

  • 2018.07.05 Thursday
  • 05:52
このところ雨ばかりなので、盤渓の方に行くことができず、私の雨天練習場である小別沢トンネルに向かうことが多くなりました。トンネルは231.5mあるので、5〜6往復すれば同じくらいしっかりと汗を流すことができます。トンネルまでは胸突き八丁のきつ〜い坂道。まだ薄暗い道を上っていくと、左側にずっと続くブロック積みの法面に、いろんなつるものがくっついています。昨日昼間に、家に戻る用事があったので、ついでに法面を観察してきました。

圧倒的に多いのがツタウルシです。かぶれやすい人ならこの道は歩けないでしょうね。全体の半分くらいがツタウルシに覆われているのです。あんまり秋に通った記憶がありませんが、きっと紅葉は見事なことでしょう。
ツタウルシ

その次に目立つのがマタタビでしょうか。この法面は完全に北向きのため、ここのマタタビはまだ色付いておりません。この写真は家に近い東向きの法面のもので、それでもまだ花は開いておらず、つぼみでした。盤渓側は南東向きなので、もう花が散っているというのに。
マタタビ

一箇所だけですが、サルナシも生えていました。雌雄異株なので、コクワが稔る株なのか?ヤマブドウやコクワが稔っていると、ツルを引きずり下ろして取るバカの多いこと。円山公園脇のバス通りで、白昼堂々引きずり下ろしていた奴がいたとかみさんが言ってましたが、欲に目がくらむと恥も外聞も感じなくなるのでしょう…
サルナシ

ジメジメした擁壁なので、ツルアジサイはかなりたくさんくっついているけれど、花が咲くような葉の大きなものは見当たりませんでした。やはりもっと日当たりのいい所に上っていかないと、花芽ができないのでしょう。隣家との間のブロック塀にくっつけているものは、今年もたくさん花が咲いています。
ツルアジサイ

あの辺りにはイワガラミは少ないので、ないかなぁ?と見ていくと、一株だけありました。私のブログで圧倒的なアクセス数の記事が、「ツルアジサイとイワガラミ」という、ちょうど6年前に書いた記事なんですが、花がなくても葉の鋸歯を見ていけば、すぐに見分けられます。
イワガラミ

足元近くにくっついていたのがナツヅタです。ナツヅタは道内にも自生があることになっているけれど、ほとんどが町に植えられているものから鳥散布で広がったもの。町中でも街路樹やビルの外壁などに、猛烈にはびこり始めています。この葉はブドウのような単葉と、三つの小葉に分かれたものが同居するのが特徴です。
ナツヅタ

ヤマブドウも、坂道の入り口に一箇所だけありました。日当たりを好むので、この辺りがぎりぎりの場所だったのでしょう。木の枝をつかみ損ねて、仕方なく擁壁にぶら下がったのかな。
ヤマブドウ

途中に1本だけウリノキを見つけました。キュウリのような葉をしているのでこの名がありますが、花はきわめて特徴的な姿です。久しぶりに花を見たのでうれしくなりました。かつてはウリノキ科として独立してましたが、現在はミズキ科に入れられてしまいました。
ウリノキ

APG分類体系(1)

  • 2018.06.29 Friday
  • 05:54
一般の世界ではあまり関係ないけれど、植物に関係する人間にとっては大問題になっているのが、分類体系が大きく変わってしまったことです。リンネが確立した植物の分類体系は、主に花の形態から類縁関係を組み立てていき、私が習った頃は新エングラー体系と呼ばれるものでした。その後80年代にクロンキスト体系が出現し、あれこれ科名が変わってきて、おやおや…と。アジサイ類がユキノシタ科からアジサイ科に、ホップがクワ科からアサ科にとか、身近なものでも結構変化がありました。ところが、20世紀の終わり頃に発表されたAPG分類体系になると、これまでの常識がどんでん返しになってしまうほど、大きく変わってしまったのです。

APG体系とは、被子植物系統グループ (Angiosperm Phylogeny Group) という学者の団体が提唱したもので、ゲノム(遺伝情報全体)を植物ごとに調べていき、それによって類縁関係を規定していくものです。顔が似ていると言うだけで、お前たちは兄弟だ!とされていたものが、血液型を調べると全然違ってた!というようなもので、当然これが正しいのですが、古い情報が染みついている者にとっては大変なことなのです。

新しい分類体系の本は何年も前からで回っているけれど、それを分かりやすく解説してくれたものがありませんでした。そこにようやくこの本が登場し、先日入手して少しずつ読んでいますので、いくつか代表的なものを紹介してみます。

  表紙

一番大きく変わったのがゴマノハグサ科でしょうか。残ったものはほんのわずかで、大部分の植物は別の科に移籍してしまいました。そこに、ブッドレアに代表されるフジウツギ科が加わり、新しいゴマノハグサ科になっています。ゴマノハグサ科の主力だったウンラン属やイワブクロ属、クガイソウ属などがなんとオオバコ科に。サギゴケ属やミゾホウズキ(ミムラス)属がハエドクソウ科になってしまいました。
  ゴマノハグサ科

ユキノシタ科も大きく分裂していますが、アジサイ科はクロンキスト体系で既に分かれていたので、ショックは小さかったかも。ウメバチソウがニシキギ科に行ってしまうのは、なんとも不思議ですが…
ユキノシタ科 ウメバチソウ

劇的と言えば、スイカズラ科の中の、ニワトコ属とガマズミ属が切り離され、なんと我が国では1属1種しかなかったレンプクソウ科に組み込まれたことでしょう。暗い林床にひっそりと咲くレンプクソウが、なんで木本ばかりのニワトコやガマズミの仲間を引き連れることになるの??とかなり話題になりました。ところがこの本では、ガマズミ科の方がより早く発表されているので、ガマズミ科になったと書かれています。マツムシソウ科やオミナエシ属やカノコソウ属のあったオミナエシ科が、スイカヅラ科に組み込まれたのもびっくりでした。

レンプクソウ科 レンプクソウ

(くどいようですが、後日もう少し紹介することにしましょう。

雨・雨・雨・・・

  • 2018.06.28 Thursday
  • 05:58
昨日の札幌は朝から昼過ぎまで、ザァザァと強い雨が降りました。ドロドロだった車が、すっかりきれいになったくらい。天気予報見てもずっと晴れ間がなく、来週一杯こんな天気が続くようです。本州以南は真夏日だというのに、北海道は梅雨になったみたいです。
本当なら昨日の昼間に大島から帰ってくるはずでしたが、この悪天候ですっと船が出せない状態が続いてます。波浪の状況を見ると、日本海がひっくり返っているのがよく分かります。(渡島半島の左側にある黒丸が渡島大島です。)そろそろ野菜不足になっているはずだし、水も使用制限がかかっていることでしょう。

波浪
 (国際気象海洋株式会社HPの波浪予測図を拝借しました。m(__)m)

予定が立たないなりに、あれこれ仕事を片付けながら過ごす毎日が続きます。気晴らしに おか田 のうどんを食べに行こうと、長靴を履いて出かけました。南大通を歩いていると、中央分離帯の街路樹に赤い実が付いているのに気付きました。
今から30数年前、まだ植木屋時代にここを通りかかった時に、市の造園職だったYさんが腕組みしてここに立っていたのです。車を降りて話を聞いてみると、地元の町内会から、シナノキはつまらないから間にサクランボを植えてくれ!と、ねじ込まれたのだそう。そんなの蹴飛ばせばいいのに!と言ったら、そうもいかないのでうまく収まる方法を考えているんだと。
南大通

Yさんは、私が学生の時に市の公園課でアルバイトをした時の指南役で、仕事がよくできて結構厳しい方でした。のちにモエレ沼公園の建設を一手に引き受けて、難しい調整を仕切り、見事完成に導いたのですが、ガンに冒されて早世されたのです。ここには結局1丁に1本だけサクランボを植え、子供たちが取りに行って事故にならないよう、生では食べられない、加工用の酸果桜桃を植えたのでした。手入れをしないためにひどい樹形になっていますが、今でもたくさんの実がこの時期には色付いており、これを見るたびに若かりしYさんの面影が浮かんでしまいます。
オウトウ

専門学校前の植え込みには、どこから胞子が飛んできたものか、大きくなるとビーチパラソルほどにもなるイヌガンソクが。将来が楽しみです〜(笑)
イヌガンソク

円山周辺の住宅には、おやっ?と思う珍しい樹木があるのが楽しみの一つで、このオールドローズは私にとっては懐かしいバラです。私が生まれ育った松山の家の庭にも、これとほとんど同じバラが咲いていたのです。2mくらいある大きな株で、樹形や葉の感じ、花の咲き方まで本当によく似ています。工藤さんに鑑定してもらわなくては。
オールドローズ

店の回りの目隠しに絡んでいるヘンリーヅタ。最近ずいぶん見かけるようになりました。ナツヅタはべたべたくっついて始末が悪いし、アメリカヅタはお行儀悪すぎるので、ほどほどに収まりやすいのが人気の秘訣なんでしょうか。
ヘンリーヅタ

そういえば、先日見て歩いた花フェスタの売店でも売られていたけれど、こりゃヘンリーヅタじゃなくて、斑入りアメリカヅタですっ。ネットで見てもかなり間違っているので、相当根が深いところで間違えられているようですねぇ。
ニセヘンリーヅタ

いつの間にやら

  • 2018.06.12 Tuesday
  • 05:55
日曜日には、孫が次々とやって来ました。右側の2号はまもなく1歳と8ヶ月、左側の3号は1歳7ヶ月になったばかりで、10キロを超すと抱っこしても重たく感じるようになりました。まだお互いのコミュニケーションはうまく取れませんが、2人とも片言の言葉をしゃべり始め、保育園に行っているせいか、ぐずったり泣かなくなりました。子供の成長は本当に早いです〜
孫たち

午後から近くに用足しに出かけると、しばらく現場ばかり走り回っているうちに、すっかり咲いている花が変わっているのに気付きました。季節の移ろいも本当に早いです。マンションの玄関先では、サツキ‘大盃(おおさかずき)’が満開に。昔は下旬が見ごろだったのに、どんどん前倒しになってきています。
サツキ

ここの町内はお金があるのか、歩道の植えますにすべて小さなフェンスを立てています。帯状ますばかりなので、かなりの延長があり、お金の心配をしてしまいました。でも踏み込まれなくなるので、花たちにとってはありがたいでしょう。
花壇ます

ここには珍しく、ヒトフサニワゼキショウ(Sisyrinchium mucronatum)がずらりと植えられていました。シシリンキウムの仲間では、ニワゼキショウが一番好きな花だけど、残念ながら道内では育たないらしく、本種だけが道内で見られます。でも、このようにポット苗で出回っているのは初めて見ました。もともと牧草に紛れて侵入したようで、道東では道端などでよく見かけます。
シシリンキウム

ビンカ・ミノールのグラウンドカバーの中に、2本だけ細長い花茎を伸ばしてかわいい花が咲いていました。ユリ科には間違いなさそうだけど、今まで見たことのない花なのでしばし考え込んでしまいました。わざわざ植えたものではなさそうだけど、いったいなんでしょう??
不明球根

日当たりのいい庭先では、もうバラが満開になっていました。ええっもう咲いてるの!!って感じですねぇ。つるバラのカクテルもたくさん花を着けているし、いつの間にやら花暦は春から初夏に移ろっていました。それにしても、こんなに寒くていいのかい?といいたくなるような寒さです。早く爽やかな、初夏の陽気になってほしいです〜
バラ

スズラン探し

  • 2018.06.11 Monday
  • 05:52
ちょうど一年前、富丘西公園の自然観察会に来ていた道新の記者が、スズランに興味を持って熱心に取材し、大きく取り上げてくれました。私も「スズランに詳しい札幌の環境コンサルタント会社緑花計画の笠康三郎社長」として出ています。確かに、滝野でスズランに関わって30年、富丘西公園で自生のスズランを発見し、その保全活動を続けて25年近くにもなるのですから、日本で一番スズランに詳しい専門家!かもしれませんねぇ…(^^;)

道新の記事

その中で、札幌市のシンボルフラワーにされ、札幌市版レッドリストにも載せられているのに、スズランがどこにどれだけ生育しているのか、全く把握していないのはおかしいと、きびしく指摘しています。富丘西公園のスズランだって、私が偶然発見しなかったら、今の保全区域はすべてつぶされて、元の計画のまま遊戯広場になっていたのですから。
  富丘西公園のスズラン

その指摘が効果を与えたのか、毎年行われてきた「さっぽろ生き物探しプロジェクト」で、今年初めてスズランが加えられ、スズラン探しを行うことになったのです。これまでは、調査時期が夏〜秋だったこともあり、どちらかというと野鳥や昆虫が主体でした。
  生き物探し

今年は春早くスタートしたので、春から初夏に咲くスズランやスミレ類、オオアマドコロやホウチャクソウなどが新たに対象となりました。ところが、事務局をやっている会社から、「スズランとドイツスズランをどうやったら見分けられるのですか?」との問合せが。確かに、日本の植物図鑑には自生植物しか載っていないことが多く、園芸植物や帰化植物はそれらだけで図鑑等に載っているため、それらを比較することができるものはほとんどないのです。そこは昔からよく知っているところなので、画像も含めて見分けるポイントを教えてあげ、調査の手引きにまとめることができました。
スズランの見分け方

先月もみじ台の熊の沢公園で仕事をした時に、ササを刈った跡にスズランが2株生きているのを見つけました。それを事務局に伝えておいたのですが、数日前に現地を確認に行ったら、きれいに草刈りがされて消えていたそうです…(>_<) 根は生き残っていると思いますが、ちゃんとピンクテープでマーキングしてあるものまで刈らなくてもいいものを。
熊ノ沢公園
(この画像は発見時のものです。2018.5.17撮影)

こういう貴重なものを保全しようとすると、業者に任せることは絶対にできません。専門家のコントロールのもと、地域の住民や興味を持つ市民の手で、こつこつと時間をかけながら、自然植生をコントロールしていくしかありません。今のところ、富丘西公園の群生地以外には、この熊の沢公園くらいしかスズランの情報は入っていないようです。こんなに急激に消滅した植物も、珍しいのではないでしょうか。

地道な作業

  • 2018.05.25 Friday
  • 05:59
北大の圃場では、12年前に手入れを始めた時には、チオノドクサはほんのパラパラだったのに、年々猛烈に増えてきて、今では芝生の半分がこんなに真っ青になっています。こんなに増えるのならと、毎年タネを取って、滝野公園のカントリーガーデンにこっそり播いてきました。このサルデンシス種は球根が出回らないので、タネから増やしていくしかないのです。
チオノドクサ

先週なんとか時間を作り、圃場でせっせとタネ集めをしてきました。芝生の中に大豆前後の大きさの果実がごろごろ挟まっているので、指を広げて下からすくい上げながら、果実を集めていくのです。小一時間の作業で、大きな堆肥の袋に一杯詰め込んで自宅へ持ち帰りました。
タネ取り

ブルーシートに広げて少しずつ乾燥させ、葉や花茎にある水分を転送させて完熟させます。それをかみさんが一つずつ摘み取りながら、タネの入った果実だけにしてくれました。今年はがんばって取ってきたので、例年の倍ありました。
調整

圃場ではキバナノアマナも同様に増えまくっているので、この果実もかなり混じっていました。角張っているので区別が付きやすく、こちらも滝野公園の山草エリアに2年前から播いてます。
キバナノアマナ

今度は事務所に持ってきて、日当たりのよい窓際に置いてタネだけを集めなければなりません。小さなものから果実が割れてタネが落ちるので、仕事の合間にカラを拾っていくのです。こういう地道な作業がけっこう好きなので、ついついはまってしまいます…(^^;)
カラ取り

大きな果実だと、かなり肉厚なのでなかなか乾いてタネが落ちてくれません。無理につぶすとネバネバした果肉がまとわりつくので、自然に離れるまで待たなくてはいけません。
多肉質

チオノドクサのタネにも、カタクリ同様エライオソーム(脂肪酸、アミノ酸、糖からなる化学物質を含む)がくっついているので、これが粘り着いて離れにくいのです。チオノドクサが知らぬ間に庭のあちこちから生えて来るのは、アリがこのエライオソーム欲しさにせっせと運んでいき、ごちそうを食べたあとのタネはゴミなので捨ててくれるのです。。
エライオソーム

滝野公園ではもう5年以上タネを播き続けているので、芝生の中に少しずつ開花個体も増えてきています。一面真っ青になるのには、まだまだ時間がかかりますが、あんな風景が見られるようになるのですから、こんないたずらも見逃してくれるでしょう。
滝野公園

先祖返り

  • 2018.05.24 Thursday
  • 05:50
お昼を食べにチャリをこいでいたら、??と変なものが目に入りました。ビルの前にしつらえられている小さな植えますに、コニカ(グラウカトウヒ‘コニカ’(Picea glauca var. albertiana 'Conica' ))が植えられているのですが、そのうちの1本になにかコブが付いているようでした。
コニカ

よ〜く見ると、一部の枝が先祖返りして、本来の大きな葉っぱになっていました。しかも、コニカは緑葉だけど、これは黄金葉なのか、先祖返りしている枝には両方の葉が混じっています。コニファーの分厚い図鑑を見ても、黄金葉のコニカのような品種はないし、ううむとなってしまいました。本来なら、こういう先祖返りした枝はすぐに落としておかないと、木全体がこれに戻ってしまいます。かといって店の方にそんな話をしてもねぇ…(^^;)
先祖帰り

その足元には、斑入りビンカ・マヨール(Vinca major 'Variegata')が植えられているけれど、それも先祖返りして斑が抜けつつあるようでした。同じ植えますで、なんでこんなことが起きるのでしょうかねぇ…
ビンカ・マヨール

本来の緑葉のビンカ・マヨールは、こんな感じで濃い緑の葉をしています。斑が薄れているものは、少し白っぽい緑をしているけれど、最終的にこんな葉に戻るのでしょうか?これも今後の推移を見ていきたいと思います。
緑葉マヨール

コルチカム中毒死

  • 2018.04.27 Friday
  • 05:55
今年もまた、コルチカムをギョウジャニンニクと間違えて食べてしまい、悲しい犠牲者が出てしまいました。コルチカムの事故は道内ではこれで3年連続、なかなか悲劇がなくなりません。
中毒死
  (YOMIURI ONLINE から拝借…m(__)m)

昨年の事故は、近所からいただいたものの中にコルチカムの葉が混じっていたのですが、今回は自宅の庭に植えてあったものを自分で間違って取っているのですから、これは文句の言いようもありません。コルチカムの葉はやや肉厚で、ベロンとしています。
コルチカム

これに対してギョウジャニンニクの葉はそんなに肉厚にはならず、ぺらぺらしているし、広がり始めた時には折り目があるけれど、広がってしわが伸びると似たような感じになってしまいます。
ギョウジャニンニク

見分け方でよく言われるのは、ギョウジャニンニクの株元には、赤いはかまが付いているのに対し、コルチカムにはありません。といっても地際まで取らなければ、区別しにくいかもしれません。それよりも何よりも、ギョウジャニンニクには強烈な匂いがあるので、ちぎれた茎を嗅いでいけば、まず間違えることはないと思いますがねぇ…
比較

コルチカムには、通風の特効薬だったコルヒチンが多く含まれ、わずか1mgが致死量というかなりの猛毒です。しかもその効果がすぐには出ず、12時間くらいしてからじわじわと発症し始め、拷問のような苦しみに襲われながら死に至るのだそう… この季節には、ニリンソウとトリカブトを初め、ニラとスイセンなどの誤食事故もよく起きているので、本当に気を付けたいものです。

  (参考:「毒草の誘惑」 植松 黎著、講談社、1997)

コタン生物記

  • 2018.03.16 Friday
  • 05:47
3月も折り返したというのに、今朝は一転真っ白の世界に。昨日の帰り道はみぞれだったのが、夜中に湿雪に替わり、じっとり重たい雪が10cmほど積もってます。高知ではサクラが開花したというけれど、北国の春は行きつ戻りつ、千鳥足でやってくるのでしょう。

毎年この時期に、滝野公園のフラワーガイドボランティアのみなさんに対して、研修会を実施しています。いろんな要望がありますが、やはりガイドネタになるような話題がほしいといわれています。滝野公園はガーデン部分だけでなく、自然林もかなり残っているので、今回は野草や樹木を中心にやろうと思っていました。でも図鑑的な話は紋切り型で面白くないので、今回はアイヌの人達が身の回りの植物とどのように接してきたか、という観点から見てみようと思っています。
そうなると、やはり出番となるのが『コタン生物記』です。これは詩人や随筆家として知られる更科源蔵さんが、各地のコタンを回りながら、その土地の古老から聞き取った貴重な資料をまとめたものです。交流のあった知里真志保さんの知見もかなり取り入れられており、これを要約した資料をこのところ毎日書き進めていました。これまで通して読んだことはなかったので、私自身とっても勉強になった一週間になりました。

アイヌにとって最も大切なものだったイケマの話は、話題としても面白いけれど、
食べ物として、薬草として、いろんな使われ方をしているのにはびっくりさせられます。
イケマ

同じく強い魔除けの力があるとされたヨモギについても、たくさんの記載がありました。今の私たちにとっては、せいぜい草餅にするくらいしか用のない草ですが、薬草として大切な役割を果たしていたようです。「若芽を煮詰めると飴のようになり、咳止めになったり虫下しをする力を持ち、もんだ葉は傷口に付けると血止めや消毒になり、絞り汁は虫歯が病むときの鎮痛薬になった。」このようなたくさんの薬効が、次第に信仰となり、身を祓い清めたり、病魔を追い払う霊力を持つと信じられたのでしょう。
  ヨモギ
    (ヨモギを振って魔物を逐う)

私たちはボウナと呼んで山菜として食べるヨブスマソウは、「水を飲む空洞の茎」という意味のワッカ・クト゜とかワッカ・ク・クッタルと呼んでいたそうです。背丈よりも高くなる巨大な草なので、これを使って深い所に流れる川の水も、ストローのように飲むことが出来たという訳です。もう一つの呼び名がチレッテ・クッタル(我々の吹き鳴らす空洞の茎)というもので、枯れた茎をフルートのように吹いて楽器にしたのだそう。
  ヨブスマソウ

この本にはあんまり写真がないけれど、1ページどっと載せられているのがこの写真でした。浜辺に生えるテンキグサ(ハマニンニク)を使って草笛を吹いているのですが、この作り方がよく分からない。「葉の元の方を三分の一ほど葉脈に沿って三つに裂き、真ん中の葉脈の部分を折り曲げる。そして裂かない部分に唇を当て、口腔内の空気を多くしたり小さくしたりしながら折り曲げた葉脈で打つと、口腔内の空気の状態の変化によって微妙な音階の違いが生じ、竹で作ったムックリに似たの音が出る。これをマヂァチ・ムックン(テンキグサの柴笛)という。」とあるのですが、どのようにすれば音が出るのか、細部がよく分かりません。夏になったら一度チャレンジしてみたいですね。
    テンキグサ
(「コタン生物記」樹木・雑草篇  更科源蔵・光著、法政大学出版会発行、1976 より)

牧野植物圖鑑

  • 2018.01.22 Monday
  • 05:51
私の最も大切な本は、牧野富太郎の『牧野 新日本植物圖鑑』です。何かにつけて書棚から引っ張り出しているので、昨年とうとう背表紙がバラバラになってしまいました。背中むき出しでいるのもかわいそうだけれど、製本屋に貼り替えてもらうと本が買えるほどの費用がかかるだろうしと、ようやく少し時間に余裕ができたので、自分で直すことにしました。
牧野図鑑

この本を買ったのが1974年12月なので、大学3年の冬のことになります。4月に研究室に配属となり、半年圃場に通い続けて園芸植物についてはだいたい理解ができてきました。今度は自生植物に手を広げようとして、この図鑑を買ったものでしょう。自分で買った本では、最も高価な本だったかもしれません。
奥付

もともとの図鑑は、1940(S15)年に出されたので、序は「嗚呼、皇紀二千六百年」から始まっており、最後の謝辞も、「今之レニ對シ茲ニ其勞ヲ感謝セネバナラヌノデアル」となっておりました。結網学人とは、「『漢書』董仲舒伝にある言葉。『淵に臨みて魚を羨むは、退いて網を結ぶに如かず』(淵に立って魚を得たいと願うよりは、家に帰ってそれを獲るための網を結ったほうがよいという意味。※)」なんだそうです。牧野先生は、なにかにつけてこの言葉を使っていたようです。
序

結網学人

はがれてバラバラになっているところは、すべて写真用セメダインで丁寧に貼り直していきます。これは無色透明だし、変色しないので結構重宝な接着剤です。
のり付け

こういう厚い本では、背表紙は浮かせて両側に貼り付けなければならないので、ちょっと工夫が必要で、両側は強力な製本テープで留めてみました。コンサルに転職した頃は、報告書の製本もたいてい自分たちでやっていたので、こういう時には役に立つこともあるようです。
製本テープ

30分ほどで、なんとか使用に耐えるほどの出来映えで直すことができました。学名や分類は変わってしまったものがかなりあるけれど、名前の由来とか、学名の意味などはこれが一番分かりやすく、安心ができます。小学生の頃、植物採集や腊葉標本づくりを始めた時に知った牧野先生は、私が初めて意識したあこがれの存在なので、いまだに別格の存在感があります。これからもよろしくお願いしますという、新鮮な気分になりました。
完成

(参考:礫川全次のコラムと名言 HPより)

法面のササ

  • 2017.12.05 Tuesday
  • 05:56
先日函館に向かう途中、ちょうど苫小牧の市街地の山側を走っていると、法面に緑色のササが目に入りました。この場所なら間違いなくスズタケでしょう。錦大沼公園あたりの林内に密生しているけれど、暗い林床に映えているイメージがあるので、こんな吹きっ晒しの法面に生えているのは意外でした。好きこのんで生えた訳ではなく、根茎を伸ばしてきたら切土法面だったので、仕方なく生えていると言った方がいいかもしれません。
法面のササ

さいわい車が空いているので、100キロで運転していても問題なく撮すことができました。このカメラは手ぶれ防止機能が付いているので、適当に当たり付けてシャッターを押しても、ほとんどぶれないで写ってくれます。緑色をしていないササは、丈がかなり低いので、こちらは多分ミヤコザサでしょう。
ミヤコザサ

ミヤコザサは、成長点が寒害を受けないように地中にあるため、寡雪寒冷地適応型のササといえます。この黄色い部分がミヤコザサの分布域で、十勝から釧路、根室の道東域と、胆振、日高にかけて主に分布し、苫小牧あたりはその西端に当たります。スズタケは主に胆振・日高に散在しますが、苫小牧西部にはかなり密に分布があります。でもこんな場所では、冬季間にかなり傷むことが考えられます。スズタケとミヤコザサがパッチを作っている法面もあり、こういうところを運転していると飽きることがありません。
混生

樽前PAでトイレタイムを取った際に、フェンスの向こうにまた違うササが生えていました。見た目はまるで「クマザサ(隈笹)」ですが、道内にあるはずもないので、クマイザサの葉の縁が寒さで傷んだとしか考えられません。でもまだ冬に入ったばかりだし、札幌では今どきクマイザサがこんな風になることがないので、違うササかなぁ?とフェンス越しに眺めていました。
隈笹?

秋の日和

  • 2017.10.22 Sunday
  • 05:55
久しぶりに終日デスクワーク。溜まりに溜まっている仕事をせっせと片付けなければなりません。あちこち叱られそうなものばかりで弱り果ててます…(>_<)

お昼は気分転換を兼ねていつものうどん屋へ。自転車こいでいると、風は冷たいけれど日差しが暖かいので、まだまだ秋だなぁと感じます。歩道の電柱の足元にエノコログサがひとかたまり。変なグラスよりよっぽどかわいいかもしれません。自転車止めてしばらく見ていたけれど、やっぱり怪しいおじさんになるのかな…
エノコログサ

相変わらずうどんと天ぷら二つの昼食です。中庭に出る人がもう居ないと見えて、カギがかかっておりました。こんな気持ちのいい天気に外で食べないなんて!といつものテーブルに座ると、花瓶に挿してあるホトトギスがきれいだし、回りのツタもかなり赤くなってきました。
うどん屋

ツタは、勝手に生えたものがこんなにあちこちに伸びていったものだそう。たいていのビルでは、裏側にツタがひっそりと貼り付いているけれど、やっぱりこれも野鳥のせいなんでしょう。
ツタの紅葉

帰り道、ちょっと気になったので医大裏のナンテンを見に行きました。まだ完全に赤くはなっていないけれど、今年もたくさんの実が付いていました。南向きの陽だまりなら、十分育つようになっているのです。
ナンテン

いろんな道を通りながら自転車こいでいたら、街路樹の植えますにヒマワリが。いつ播かれたものなのか分かりませんが、こんな時期に咲かそうと播いたものなんでしょうか?まだあちこちにコスモスやマリーゴールドが咲いていて、中央区にはまだまだ秋の気配が漂っています。
ヒマワリ

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