ヒルズの作業

  • 2023.09.23 Saturday
  • 05:47
先日十勝ヒルズに行った時には、3時くらいまでは汗ばむ陽気だったのに、夕方になるとヒヤッとして急に涼しくなりました。その翌日から気温が急に下がり、窓も開けられないほどです。ようやく本来の気温になったようですが、本州ではヒガンバナが咲かないとか、大雪山系の紅葉がさっぱり色付かないとか、いろいろ変調のニュースが入ってきます。今年の冬はどうなるのでしょうね…

先日のヒルズの作業などを備忘録的に綴っておきます。
釧路八重の並木の向こう側に、草をかき分けて園路を探さないと足元が見えないような、ワイルドなエリアがあります。ここは草取りなどしなくてもいいように、大型草本によって埋め尽くされていて、今は宿根アスターが見ごろです。
アスター

ここを最初に造った十勝正直村時代のオーナーは、よほど植木道楽だったのか、珍しいいろんな花木類が植えられています。ハギも好きだったのかたくさんの種類があって私を嬉しがらせてくれるのですが、‘江戸絞り’も大株があちこちにあります。本来ツンと立っている茎が今年は垂れてしまったので、変だなぁ…と思っていたら、先日のブログを見て納得したそうです。
江戸絞り

ミヤギノハギもちゃんと本物があちこちにありますが、アニーカの庭の入り口脇にある白花ミヤギノハギ(左)はこれ一株かも。このすぐ脇の階段のところには、ミヤギノハギを追いかけてシラハギ(右)が咲き始めました。これらの開花時期や草姿は例年通りのようですが。
白花ミヤギノハギ シラハギ

このノリウツギもたくさんあって嬉しかったのですが、‘ピンクダイヤモンド’に似ているけれど品種名は不明です。秋にきっちり剪定してくれるので、毎年いい花が咲いてくれますが、この時期本来は赤く色付く花が今年は全然ですねぇ…
ノリウツギ

この日は剪定講習のようになりました。今年は木々の枝の伸びがいいけれど、このシダレザクラのように胴吹きを放置すると樹形が崩れてしまいます。どの枝を残すのか、しっかり見極めながら剪定してもらいました。
シダレザクラ

園内にはあちこちに、一度も鋏の入っていない木があります。このヤマボウシも枝が混み混みでわやに。みんなで中に首を突っ込んでもらい、どの枝から落としていくのか、その順番をしっかり覚えていただきました。
作業前

普段は木の剪定なんかする機会がほとんどないので、バツバツと鋏を入れられる快感をたっぷり味わってもらいました。またたくまにすっきりした樹形になり、とても楽しかったようです。この調子で木の手入れを進めて行けば、今までヤブのようになっていたところが、すこしは魅力的な空間になっていくことでしょう。
剪定後

スカイミラーのサルビア‘ミスティックスパイヤーズブルー’は、さすがに株が大きくなり過ぎてしまいましたが、この涼しさで一層色濃くなってくれることでしょう。風で倒れなければあと一月たっぷり楽しめますので、ぜひご覧いただきたいです。
サルビア

秋晴れの十勝

  • 2023.09.21 Thursday
  • 06:01
昨日は十勝ヒルズへ。予報では27℃の通り、日差しも強く結構暑く感じました。でもアプローチのフリーマニーカエデは一部紅葉が始まっており、夏の暑さ疲れなのでしょうか?
カエデ

でもショップ前はすっかりハロウィン仕様になっており、間違いなく秋はそこまで来ているのです。
ハロウィン

真っ先に見に行ったのは、ポタジェに植えているワインブドウ。残念ながらブドウは既に収穫され、カフェでいろいろと加工されているようですが、きれいにブドウの房がなっていたそうです。これは池田町で育成された「山幸(やまさち)」という品種で、耐寒性が強いので十勝でも安心して栽培が可能になったものです。
ブドウ

屋外トイレのアプローチに植えられている‘アナベル’が、ここでもあまり倒れずに揃っていました。開花直後にあまり雨に当たらず、そのうちに高温状態が続いてそのまま固くなってしまったようです。特異年として記憶に残る年かもしません。
アナベル

一番気になっていたのが、園のシンボルツリーであるスカイミラーシラカンバ。先代が5年前の台風で倒れてしまったので、よく似た木を代わりに植えたのですが、芯のところが枯れてしまい、少し低くなってしまいました。でもようやく根がしっかり張ってきたのか、もこもことたくさんの枝が伸びてきているので、うまく復活してくれそうです。
スカイミラー

ここのサルビアは滝野公園と同じ‘ミスティックスパイヤーズブルー’。ここも今年は色が乗らなくて心配したけれど、ようやく色が濃くなってきたそうです。ちょうどいい位置にこんなオブジェ風のベンチが置かれ、かっこいい撮影スポットになっていました。夕方になるとこのような逆光になって、また違う雰囲気が楽しめそうです。
オブジェ

ちょうど奥からおばあさんを乗せた車椅子を押して、ご家族がゆっくりと歩いてきました、このよう風景こそがこのガーデンの真骨頂というか、私が願っていた雰囲気そのものです。ここの再整備に当たって、地形まで作り替えたのはここだけです。樹木をすべて取り払い、数百㎥もの土を入れて周りとすり付くようにしてバリアフリー園路を通すことができました。二本のボーダー花壇と二つのアイランドボーダーを設け、ゆったりと散策できるようにしたのです。ちょっと感慨にふけって見とれてしまいました。
バリアフリー

現地研修会

  • 2023.07.26 Wednesday
  • 06:09
十勝の二日目は、ガーデンのパートスタッフの現地研修会。今年も新人が入ってきているし、お客さんとの対応が非常に多いので、できるだけ正確な植物情報を覚えておく必要があります。毎年管内のガーデンを回っているのですが、今年は4年ぶりに広尾の大森ガーデンになりました。高規格の広尾道を走っていると、かなり早く着きそうなので更別で下道に下りると、目の前の小麦畑に収穫後の麦稈(ばっかん)ロールがごろごろ。昔からこれを撮したかったけれど、タイミングが合わずに果たせなかったのです。念願の写真を撮すことができてうれしかった♪
麦稈ロール

ガーデンに着くと、今社長が来ますからとカフェで一息。広尾は海岸に近いので、内陸部に比べてかなり涼しいはずですが、ここも珍しく30℃超えで、涼しいカフェにいると外の熱気を忘れてしまいました。
カフェ

ガーデンは広大なのに、芝生もきれいに刈り込まれ、雑草もほとんどありません。週一でこれだけの面積の芝を刈るのは大変でしょうが、今は乗用のモアーにしたので大分楽になりましたとのことでした。
園内

社長自らの案内で、栽培上の苦労話などをたくさん聞けて、とても勉強になりました。私が一番得をしたようで申し訳なかったのですが、みなさんもこのような植え方使い方があるのは、いい刺激になったのではないでしょうか。
案内

ガーデン初の品種登録された『夢サンシャイン』。ゲラニウム・サンギネウムの変異種として生まれた黄葉の品種で、年月をかけて固定させ、登録に至るまで十年以上もかかったそうです。半日陰の場所で特性が発揮されるので、滝野公園でも植えてみたいです。
夢サンシャイン

普段は公開されていない生産圃場も見せていただきました。カタログ上は約千種ですが、それに載らないものまで入れれば倍近くあるかもしれません。普段はこちらにいることが多いとのことですが、一つ一つ熱心に解説していただき、根っからの植物屋なんだなぁと改めて感心させられました。こういう『目』をもった人が道内にいることが、道内のガーデンの隆盛に貢献していることをあらためて確認した次第。お忙しいところ本当にありがとうございました。
生産圃場

暑い十勝…

  • 2023.07.25 Tuesday
  • 05:54
昨日から十勝へ。予報通り30℃越えでとっても暑かったです。駐車場には帯広ナンバーだけでなくあちこちの車がいっぱいいて、コロナ禍からは完全に回復している様子でした。園内に入ると、ちょうどアナベルが満開に。しばらく強い雨がないので、最高の姿が楽しめます。
アナベル

ニワカル前の花壇も、大輪のエノテラ・マクロカルパをはじめ賑やかな花が咲いて目を引きます。昔は何を植えてもよく育たなかったけれど、土壌改良をいろいろ工夫してくれたので、ようやく安定してくれました。
ニワカル前

ここの目玉であるスカイミラーのサルビアも、たくさんの花茎が上がってきてこれから霜が降りるまで長く楽しめます。シンボルツリーのシラカンバは、芯が枯れてどうなるかと心配でしたが、もりもり枝葉が茂ってきたので大丈夫そうです。
スカイミラー

バラ園へのアプローチになるスモークツリーも、今年は少ないながら咲いてきて、黄葉のノルウェーカエデ‘プリンストン・ゴールド’と銅葉のスモークツリーのコントラストがくっきりしてきました。右側にも植えているカエデが早く大きくなって、対になるともっといいのですが。
入り口

バラ園も切れ目なく咲き続けているし、アニーカの宿根草や低木類も充実し、ガーデンとして安定してきたことが分かります。でもこのガーデンの一番の売りはこのトンボ池かもしれません。これだけの規模の池があることで、息抜きができるというか、ほかの空間を引き立てる効果があります。もちろんここでゆったりすることもできるので、周りにもう何ヶ所かこのような眺望スペースがほしくなりました。
トンボ池

園内のあちこちで目立ったのがカワラナデシコ。濃いピンクから白花までたくさんの花が咲いていました。かつて日新の丘時代に吹き付けたワイルドフラワーの名残のようですが、いろんな所に植えてみたくなる花です。
カワラナデシコ

夏休みに入っているため、家族で入園する方がたくさんいて、無料貸し出しのいろんな遊び道具で楽しむ姿があちこちに見られます。かつての観光農園から、家族でゆっくり楽しめる身近なガーデンへと、大きく変わってきていることが実感されてうれしくなりました。
家族連れ

初仕事

  • 2023.03.30 Thursday
  • 05:32
昨日は十勝ヒルズへ。今年の初現場です。先日降ったドカ雪がまだ残っており、長靴に履き替えて園内に入りました。今回の作業はリンゴの剪定です。ポタジェにはエスパリエ仕立てのリンゴが植えられていますが、どうも剪定がうまくいかないというので、直接現場で確認することに。剪定の仕方が強いので、徒長枝がボウボウに伸びていました。
剪定前

こういう果樹は、徒長枝にはつぼみができないので、つぼみのできやすい短枝をいかに出させるかがポイントになります。これだけ暴れていると一年では短枝ができないので、二年がかりの剪定になってしまいます。今年の枝の伸び具合を見れば、剪定の意味が分かるでしょう。
剪定後

コツを覚えてしまえば、あとは自分でどんどんやっていけます。朝のうちはかなり寒かったけれど、昼近くになると汗ばむほどの陽気になりました。
作業中

目途が付いてきたので、園内を見てくることに。スカイミラーの奥に一本だけあるビブルヌム‘ドーン’のつぼみがもう色づいていました。いつもGW頃が見頃なのに、今年は半月くらい早く咲きそうです。
ビブルヌム

トンボ池があふれているというので行ってみると、園路が水に飲み込まれていました、水抜き用のオーバーフロー管にゴミが詰まってしまったようです。先日降った雪がいっぺんに融け始めたので、呑みきれなくなったのでしょう。
トンボ池

排水管の流末に降りてみると、本来なら管一杯に流れてくる水がちょろちょろしか流れてきません。ウェーダー履いてがんばってもらいましょう。
排水管

バラ園のバラは、今年は積雪が早かったのでほとんど傷まず、中を覗いてみるともう芽が動いていました。4月1日から現場はスタートするので、早速この冬囲いはずしから取りかかることになりそうです。こういうのを見ると、いよいよシーズンが始まるんだなとわくわくしてきました。
バラ園

夕陽の景

  • 2022.09.22 Thursday
  • 05:58
昨日は十勝ヒルズへ。さすがにこの時期のお客さんはちらほらでしたが、のんびりと散策しながら園内を歩いていました。今年は好天の日が珍しいくらい、パッとしない天気が続いたそうで、おかげで芝生はとても元気がよかったけれど、スカイミラーのサルビアが生育不良で、株張りも小さく、花数も少なくなっていました。
サルビア

ノリウツギはとてもよかったそうで、たくさんの花が上がっていました。ここで一番数が多いのは左下に見えているミナヅキですが、花茎が強くてピンとしている‘ピンクダイアモンド’とおぼしきノリウツギが見事で、たくさんのドライが作れることでしょう。
ノリウツギ

お昼は、今年からレストラン ‘ヴィーズ’から模様替えしたガーデンカフェ「ニワカラ」で。一番のお奨めだという「十勝ロイヤルマンガリッツァ豚のカスクート」をいただきました。ファームで育てているマンガリッツァ豚から作ったロースハムの薄切りがたくさん乗っていて、口の中でとろけるような、濃厚だけどあっさりした不思議な味わいでした。今のところここでしか、ロースハムは食べることができないそうです。
ランチ

外に出ようとしたらちょうど晴れてきて、スカイミラーの絶景がくっきりと。ニセアカシア ‘フリーシア ’の黄色が、とてもいいアクセントになっています。
スカイミラー

トンボ池を見渡すビューポイントでは、みんなにベンチに座ってもらい、自分たちがどういうところで仕事をしているのか、しっかりと見ていただきました。普段仕事をしている時には、そういうところで座ることはないので、このガーデンのよさを意外と分かっていないのです。
トンボ池

かつて奥の畑に植わっていたアスター類は、もったいないのでガーデン内に持ってきました。メインアプローチ脇のエリアが見どころのない場所になっていたので、こういう管理手間のかからない大型草本はピッタリです。道内ではユウゼンギクやネバリノギクだらけになっているので、この色は外来種ながら、すっかり北海道の秋の花として定着してしまったようです。
アスター

高枝切り鋏を持ってきていたので、ポタジェの外周に植えられているニオイヒバの‘ピラミダリス・コンパクタ’の芯を止めて、少し丸めてもらいました。放っておくとどこまでもひょろひょろ伸びていくのです。
剪定

打合せを終わって帰りがけ、もう一度スカイミラーを見に行くと、夕日がぎりぎり沈むところでした。以前のブルーサルビア時代には絶対に見られなかった風景で、‘ミスティックスパイヤーズブルー’の魅力が一番現れる瞬間かもしれません。日々変わっていく秋の風景を、精一杯楽しんでほしいです。
夕陽

賑わう園内

  • 2022.07.13 Wednesday
  • 05:54
昨日は十勝ヒルズへ。着いた時には自家用車が10数台いましたが、道外ナンバーが4台に、道内各地のナンバーが5〜6台。人が動いていることがよく分かります。今年は雨が多く、十勝はずっとこんな天気が続いてお日様が全然拝めないとのことですが、芝生はしっとりと美しく、木々も生き生きして、昨年とは大違いでした。
アプローチ

午前中は一人で園内確認を。園路を進んでいくと、ここでもヤマボウシの‘サトミ’が輝いていました。あとで聞くと、これでもかなりぼやけてきていて、最盛期は本当に素晴らしかったそう。昨年の馬鹿陽気の置き土産は、十勝にもたくさんの恩恵をもたらしてくれたようです。
園内

今年初めて花が咲いたと連絡を受けていた斑入りのヤマボウシ。園内に三本ありますが、バラ園の横にあるこの木が一番たくさん花を着けていました。お客さんの中にも、めざとくこの木を見つけて感嘆している方がいたそうで、花が咲きにくいのかもしれません。
斑入りヤマボウシ

園内には、一体何本植えられているのか分からないほどたくさんのナツツバキがあり、ちょうど今が見頃になっていました。これが一日花だというのが信じられないほどの花数で、木の下には無数の花ガラがボトボト落ちています。木によって花のサイズがかなり違っていて、数本は一回り大きな花の咲いているものがありました。
ナツツバキ

一番びっくりしたのが、このスモークツリー。バラ園の手前にトンネルを作っていますが、株全体が煙に霞んだように花に覆われていました。
スモークツリー

ここでも団体のツアーバスがどんどん入ってきて、対応に追われていました。初めのうちは一台に20人程度だったそうですが、徐々に増えてきて、40名近くのもあるそうです。コロナ禍でスタッフの数も縮小していることや、最近入ったスタッフは対応がまだ追いつかず、てんてこ舞いになることもあるそうで、うれしい悲鳴と言えるでしょうか。
団体客

午後からはガーデンスタッフと一緒に園内を回り、この時期の作業を確認していきました。シフトはばらばらですが、10名近くもの方が来てくれるのはありがたいことです。こんなたくさんの方が見に来てくれれば、今までよりもやりがいがあることでしょう。
作業

開園準備完了

  • 2022.04.21 Thursday
  • 05:46
昨日は十勝へ。JRの特急もそこそこ席が埋まっており、相変わらず感染者は多いものの人の移動は活発になっているようでした。十勝ヒルズに着くと、アプローチのボーダーに植えられているプシュキニアやシラー・シビリカが満開になっており、土曜日の開園の際にはお客様をお迎えしてくれることでしょう。
プシュキニア

園内に入ると、ショップの陰にはまだ雪が残っていてびっくり。春先のドカ雪は相当なものだったようです。
残雪

真っ先に向かったのはバラのところですが、既に剪定も終わっており、枝も十分残っていて一安心でした。写真では確認していたものの、既に新芽も動いており、これならしっかり花が咲いてくれるでしょう。降雪は遅かったものの、ドカ雪で完全に埋まったのがよかったようです。
バラ

トンボ池は満々と水が溜まっており、スイレンやアサザの芽が動き始めていました。今年は岸近くにたくさんのアサザが生えているので、珍しい花を間近に観察できそうです。早くもトンボが飛んでいたのはオツネントンボのようで、こんな小さな体でよく越冬しているものです。
トンボ池

午後からもあれこれ園内の確認を。これまで別の担当だったたくさんのブルーベリーを、今年から管理していくことになるようです。でもほったらかしになっていてほとんど花芽が付いておらず、来年のために枝を整理していきました。数が多いので、しばらくかかりそうです。
ブルーベリー

園内ではたくさんのマグノリアが咲いてきており、サクラやチューリップの開花まではそれを見ていただくしかありませんが、数年前に見つけた早咲きのビブルヌム‘ドーン’(Viburnum × bodnantense 'Dawn')が咲き始めていました。あまり目立たない場所にあるので、移植した方がよさそうです。
ビブルヌム

園内にはたくさんのチオノドクサが咲いており、大柄で花の多いフォルベシーの‘ピンクジャイアント’と、ルギリエが混じっていました。ルキリエ種の青と白の花はよく見るのですが、ピンクの花は見たことがなく、調べて見ると‘ローズ クィーン’(Chionodoxa lucillae 'Rose Queen' )という品種があるようです。花が上向きで可愛く、探してみたいです。
チオノドクサ

今年の十勝ヒルズでは、レストランのヴィーズの代わりにガーデンカフェ「ニワカラ」が登場します。23日が開園となりますので、どうかよろしくお願いいたします。

十勝ヒルズの秋

  • 2021.09.23 Thursday
  • 05:38
昨日は十勝ヒルズへ。JRの特急はやはりガラガラで、これでは空気を運ぶようなもの。経営危機が目に見えるようでした。途中の山の木々もかなり黄色い葉が混じり、そろそろ紅葉の季節が始まりそうです。ヒルズに着くと、パートのガーデナーさんたちがお待ちかね。みなさんとても熱心で、いろいろと吸収してくれます。
お迎え

園内のディスプレイはすっかりハロウィン仕様に。ツアー客が途絶えてしまったけれど、帯広を含む近郊から幅広い客層がやって来るようになり、力の入れ方もそれに合わせていかなければなりません。スタッフ一丸になって対応してくれているようです。
ハロウィン

アプローチのフリーマニーカエデはまだ少ししか紅葉していませんでしたが、中の釧路八重の葉はもう真っ赤。今年の夏の暑さでバテてしまったのかもしれません。この分では10月に入る頃には散っているかもしれませんね。
釧路八重

スカイミラーのサルビアも、乾燥しやすい左側の成績が悪く、かなりスカスカになっていました。遠目に見ればなんとかなりますが、近くではちょっと厳しいレベル。あんな暑さと乾燥は、もうしばらく来ないのか、これが当たり前になってしまうのか、どう対応すればよいのか悩んでしまいます。
スカイミラー

アルフレスコとバラ園の間には、ノリウツギとハイブリッドルゴサの植え込みがあります。どちらももりもりとよく生育し、たくさんの花を咲かせてくれました、夏から秋の見どころが乏しくなるので、もう少し色づきのよいノリウツギの品種を増やしていこうと思っています。
ノリウツギ

園内のあちこちで、ミヤギノハギが満開に。白花は少ないけれど、ここの紫花も素性がよく、もっといろんな所に植えたいところ。でもガーデンに高さの変化が少なく、せっかくの素質がいまいち生かせないのが残念です。
ミヤギノハギ

午後からは、ワインブドウの剪定方法を確認したり、生垣の刈り方を修正したり、高木の枝払いをやってみたりと、実技中心に。ボウボウに枝がからんでいるシダレザクラも、一本きれいに枝透かしをしておきました。
シダレザクラ

リニューアルしてちょうど5年経ち、植物たちもすっかりなじんで、とても落ち着いた雰囲気になってきました。派手な修景はないけれど、こんな空間でゆったりと時間を過ごせることも、ガーデンの一つのあり方ではないかと思っています。コロナ禍が落ち着いたら、のんびりとこのガーデンを楽しんでいただきたいです。
フラワーアイランズ

5周年

  • 2021.07.14 Wednesday
  • 05:57
今週は十勝に来ています。十勝ヒルズがリニューアルオープンしてから、ちょうど5年経ちました。かつての「十勝正直村 日新の丘」のイメージがようやく一新され、コロナ禍の影響なのか客層がかなり変化して、ずいぶんと若返ってきたように思います。昨日も駐車場はかなり満杯で、ちょうど中型バスでやってきた管内からの団体が入っていきました。
来園者

ガーデナー達と一緒に園内を回って、日頃困っていることはないか、作業に改善すべきところはないか、じっくりと確認していきました。スカイミラーでは、サルビアの‘ミスティック スパイヤーズ ブルー’の花が上がり始め、株もしっかりと大きくなっていました。お客さんも、早くきれいに咲くといいね、と期待してくれているそう。すっかりシンボルとして定着してくれたようです。
スカイミラー

アルフレスコの芝生は、雨不足の乾燥のため色が悪くなりかけていましたが、宿根ボーダーの植物たちは元気で、すっかり落ち着いた雰囲気に。アイランドボーダーの存在感は、とても大きいことがよく分かります。
アルフレスコ

ローズウィークは終わったけれど、バラはまだもりもりと咲いています。春にはおっかなびっくり剪定していましたが、自分の作業によってどのようになっていくのか、日々結果を見ていけるので、自信になってくれることでしょう。
ローズ

ガーデンでのウェディングも順調に入っているようで、そのような場所があることが、認識されてきているのはありがたいことです。ちょっと安っぽいガゼボですが、あるとないとでは写真映りが全然違ってきます。整備の一番最後に作っておいて、本当によかったです。
もりもり

トンボ池は、胴長を履いて定期的に掃除するようになったためか、ドクゼリやフトイのヤブがなくなり、とてもすっきりしたきました。以前は池の真ん中でしか咲いていなかったアサザが、池の縁で間近に見ることができるようになっています。そんな場所は道内ではここだけでしょう。
アサザ

フラワーアイランズの植物は、場所に合うものと合わないものがはっきりしていて、セレクトに苦労しているようです。真ん中のカラマグロスティス 'カール フォースター' はすっかり株が大きくなり、雨が少ないので姿もバッチリ。回りのゲラニウム‘ジョリー ビー’は、‘ロザンヌ’との区別が全くつかないけれど、秋までもりもり咲き続けてくれることでしょう。
フラワーアイランズ

スカイミラーに植えられているスイートアリッサムが、このところのじっとりした天気のせいか、蒸れて傷み始めていました。こんなのをハサミで刈りとっていたらものすごく手間がかかるので、生垣刈り用に買っているトリマーを持ってきてもらい、早速刈りとってもらいました。このあとハサミでサイドを刈ればあっという間に片付きます。無駄な労力は使わないで、もっと有意義なところに使ってもらいましょう。
トリマー

沢の探検

  • 2021.04.24 Saturday
  • 05:47
十勝ヒルズでは、大昔の十勝正直村時代に植えられた様々な樹木が、思いがけなくひょっこり「発見」されることがあります。昨年秋には、たくさん植えられているナツツバキの中に、中国産ナツツバキの‘夜明け前’らしきものがあることが分かり、今年花が咲いたら確認しようと思っています。昨年はこの時期に来ることができませんでしたが、一昨年の4月には、このピンク色のガマズミが見つかりました。
ガマズミ

今年はとても花着きがよく、遠目に見てもよく分かるピンク色で、あれこれ調べて‘ドーン(夜明け)’(Viburnum × bodnantense 'Dawn')か、‘ピンクドーン’と呼ばれているものらしいことが分かりました。耐寒性は大変強いので(USDA Zone 4 )、この時期に咲く花木として、もっと普及してもいいものだと思います。
ドーン

現場確認を一通り終えた時に、トンボ池の横の林にオオバナノエンレイソウが生えているのを見つけました。ヒルズはその名の通り丘の上にありますが、東西には深い谷が通っていて、ちょろちょろと水が流れているのは気付いていました。でも今まで一度も探検したことはなかったのです。
オオバナノエンレイソウ

まだ時間があったので、沢に降りてみようと急斜面を慎重に下りていくと、オオバナノエンレイソウだけでなくエンレイソウもあり、オオウバユリ、ニリンソウ、ユキザサ、エゾトリカブト、サイハイラン、バイケイソウなどの野草が群生していました。
山野草の群生

ところどころに大きな黄緑の葉があるので近寄って見ると、ちょうどザゼンソウの花が咲いたばかりでした。ミズバショウとは違い、肉厚で焦げ茶色の仏縁苞に花が包まれ。この中は外より数度温度が高くなる温室植物として知られています。
ザゼンソウ

よく目を凝らすと、まだ葉が伸びていないザゼンソウの花が、落葉の中に無数に咲いていました。ミズバショウは一株もなくて、こんなにザゼンソウだけが群生しているところは初めてです。ミズバショウほど人気のスポットになりそうもありませんが、見どころの一つにはなりそうかな。
群生

緩そうに見えますが、けっこう斜面の勾配がきつく、ところどころに階段を付けたりロープでも張らないと上がり下りができそうにないけれど、見どころの少ない春先の散策路としては、十分魅力がありそうです。
沢の底

十勝にも春が

  • 2021.04.23 Friday
  • 05:48
昨日は十勝へ。今年も何度か十勝ヒルズの現場指導に行くことになりました。石勝線を進んでいくと、トマムの手前あたりからトドマツに白いものが見えてくると思ったら、牧草地は完全に積雪状態。まだまだ冬の名残が残っていました。
雪

ヒルズのオープンは24日の土曜からで、ガーデンやショップも開園前の準備作業の真っ最中です。ヒルズに着くと、パートさん達が全員で迎えてくれました。今年は7名もの方がガーデンの世話をしてくれます。
お出迎え

午前中で上がる人もいるため、真っ先にバラのところに行き、剪定作業の確認をやることにしました。今冬は1月まで雪が全く積もらず、積雪が最も遅い記録を作ったほどでした。2年前に起きた最悪の凍害も覚悟したけれど、思ったほどひどくなくてホッとしました。
凍害

凍害を受けていないところまで切り戻すだけでなく、来年に繋げるための枝をどう伸ばしていくかを考えて、剪定していかなければなりません。まぁ失敗してもなんとでもなるから、どんどん切って下さいね〜ノルマは一人百本だよ〜とがんばってもらいました。
剪定

お昼は、レストランヴィーズのランチを。メインはマンガリッツァの肩ロースですが、相変わらずとても美味しかった。増殖も順調に進んでいるようで、牧場を走り回っている動画を見せていただきましたが、200kgを越える巨体がド迫力でした。
ランチ

午後からは園内各所の確認を。昨年度はコロナによる閉園や、ツアーの消滅なので、入園者が激減してしまいましたが、帯広など近郊から新たな客層が訪れるようになって来たそうです。いつまでも「正直村」時代のイメージに引きずられず、客層の転換が図れるのは思わぬ収穫かもしれません、そのためにも新しい魅力をどんどん提供しなくては。
シラカンバ

トンボ池は、昨年水草のヤブをきれいに掃除してくれたので、水面がとても広くきれいになりました。今年もたくさんのトンボが乱舞してくれることでしょう。
トンボ池

池の中に巨大な金魚が4匹。以前子供の水遊び池にいた小さな金魚をここに放したのが、今ではコイくらいの大きさに育っていますが、1匹だけは金魚体型のままなので、ちょっとグロテスクかも。
金魚

ガーデンのメンバーズカード(年パス)が昨年の3倍以上も売れているそうだし、今年は春の到来も早く、釧路八重のつぼみもかなり膨らんできているので、ゴールデンウィークに花見ができるかもしれません。ホームページもリニューアルしているので、チェックしてお出かけ下さい。

紅葉真っ盛り

  • 2020.10.17 Saturday
  • 05:43
十勝ヒルズのフリーマニーカエデの紅葉が、いよいよ真っ盛りになったと画像が送られてきました。この時期には直に見ることができないのが残念ですが、画像を見るだけでもその素晴らしさが伝わってきます。
エントランス

ヒルズの改修に関わったのは2013年の冬からで、当時のアプローチはだだっ広く、殺伐としていました。これではガーデンに入るわくわく感が湧いてこないので、もっと視線を絞り込むために並木が絶対に必要でした。
2013.12.11

当初はシナノキを考えていたのですが、シナノキだと成長が遅くて、ものになるのには最低でも10年かかってしまいます。それではとても待っていられないので、庭園内に既に植えられていたルブルムカエデを見て、これなら成長も早いし紅葉が見事なので、こちらに変えようと決めました。近くにあるM庭園で調べて見ると、ルブルムカエデとギンヨウカエデの交雑品種であるフリーマニーカエデが、より成長が早くて紅葉も鮮やかだし、手頃な苗木がちょうどあったので、こちらを植えることにしたのです。
2015.10.28

アプローチをもっと絞り込み、舗装もやり替えて植栽したのが2015年の6月のこと。上の画像がその時の10月28日の様子なので、ちょうど5年でこんな見事な並木道ができ上がったことになります。とはいえ2018年の台風で折れてしまったり、舗装の中の木が根腐れを起こしたりと、何本も植え替えてきたのでちょっと不揃いに。でもこのカエデの並木道はここででしか見られないはず。
フリーマニー

十勝ヒルズの開園は18日までですが、19日からは無料開放されますので、正面の扉が開けられて、まっすぐガーデンに入れます。すぐ左手には、これも真っ赤な紅葉が楽しめるメグスリノキがあります。(これは10月28日の画像)その奥にも2本あるので、晴れている日に行くのがお奨めです。
メグスリノキ

19日以降はショップもクローズになりますが、ヴィーズがカフェ営業もしているので、温かい飲み物をいただくことができます。この寒さに耐えながら、サルビアたちもがんばっていますが、閉園後は順次抜かれていくので、お早めにどうぞ。
スカイミラー

バラは冬囲いの真っ最中だし、園内の花もかなり少なくなっていますが、広々とした芝生と点在する紅葉や黄葉が楽しめるし、フラワーアイランズのダリアもまだがんばっています。17,18日は「2020年ガーデンファイナル・ウィーク」としていろんなお楽しみもありますよ。
ダリア1

19日以降の詳しい営業案内はこちらから。この季節、天気のいい日には朝晩は冷え込むものの、昼間はかなり暖かくなるので、天気予報を見ながらぜひ散歩に来て下さいね〜
ダリア2

秋色のガーデン

  • 2020.10.01 Thursday
  • 05:51
昨日は十勝ヒルズ。かなり秋模様になっている山並みを越えて、十勝に着きました。アプローチのフリーマニーカエデの紅葉はまだ始まったばかりですが、部分的に真っ赤になっているヤマモミジもあり、釧路八重は半分落葉していました。午前中の現場確認にパートさん達も同行させてほしいとのことなので、日頃のお礼をこめてスペシャルガイドを行うことに。なので、正門を開けていただき、まっ正面からスタートしました。
正門

ヴィーズ前まで来ると、サルビアの‘ミスティックスパイヤーズブルー’が真っ盛り。花茎が30cmも伸びていて、土壌改良と肥料の効果がてきめんのようでした。インスタにもたくさんあげられているそうですが、ラベンダーがきれいでした!というのはちょっと困りものですねぇ…(^^;) 霜が降りるまであとわずか。一日でも長くもってほしいです。
スカイミラー

バラ園からアニーカを抜けて、トンボ池まで降りてきました、まだトンボが飛んでいて、盛んに産卵しているので、来年もたくさんのトンボが生まれてくることでしょう。先日ドクゼリやガマなどがヤブになっていたところを、ウェーダー履いて中に入り、大掃除をやったそうです。水面がすっかり見えるようになって、清々しくなりました。アサザもかなり増えてきたので、来年が楽しみです。
トンボ池

フラワーアイランズから、宿根アスター類やペルシカリアなどの高茎草本を群植したワイルドエリアを抜けて、カフェまで戻ってきました。ガーデン各部の成り立ちや植栽の工夫点などを話していったので、これからの作業にも少しは役立つのではないでしょうか。
ワイルド

お昼はヒルズカフェ特製のランチボックス。小さなボックスながら、中身はかなりのボリュウムが詰まっており、味も大変美味しかったです。お茶が付いて千円となっており、テイクアウトして園内で食べるのがお奨めです。
ランチボックス

午後からは各エリアごとにしっかり現場をチェックして、解決していく必要のあることがらを抽出していきました。リニューアルして4年経ち、手を打っていく必要のあるところがたくさんあります。あとはガーデナーが、その優先順位を検討して、現場に反映させていかなければならないのです、バラ園の奥にチョウセンゴヨウの木があり、巨大な松笠がたくさん落ちていました。早くもエゾリスがやってきて、きれいにエビフライを作っているところをみると、頬袋一杯に松の実を頬張っていったようです、
海老フライ

北の端にあるカート園路を通っていたら、クリが砂利道の中にバラバラと落ちていたので、カートに踏まれては大変と、拾い始めたのはいいけれど、たちまちポケットが一杯に。これじゃエゾリスのことはいえないけれど、今年初めてのクリなので、お土産にいただいてきました♪
クリ

レストランまで戻ってくると、雲が晴れて夕日にサルビアが輝いていました。コロナ禍のお陰で今年のガーデンはかなり苦戦をしたけれど、年パスは昨年以上の枚数が出ているし、新しい客層が増えているらしく、団体客がほとんどいなかった割にはかなり健闘しているようです。今シーズンはあとわずかですが、10月一杯は開園していますので(19日からは無料開放)、天気のいい日にはぜひご来園下さい、
サルビア

もう仕事的にはやりきったので、今年で終わりにしようと思っていたのですが、ガーデンの評価がどんどん高まってきているので、オーナーから来年もぜひ来てほしいとのオファーをいただき、縁が切れなくなりました。さすがに日帰りがきつくなってきたので、回数を減らしてまた通うことになりそうです〜

スカイミラー

  • 2020.08.16 Sunday
  • 05:51
お盆になった途端に、本州以南の方には申し訳ないくらい涼しくなりました。昨日は夜中から朝までかなりの雨も降ってくれたので、花壇などの水不足も解消できたのでは。涼しくなるのはいいけれど、雪が降るまであと2ヶ月半かと思えば、気持ち的にかなり焦ってしまいます。

十勝ヒルズから、園内の様子が送られてきました。スカイミラーのサルビアにも色が上がり、お盆期間に訪れた来園者のみなさんに、しっかりアピールしてくれたことでしょう。

スカイミラー

現在の経営になってから、最初に訪れたのは2013年のこと。商工会議所のバスツアーで行ったので、まだ仕事はやっていない時のことです。どんよりした天気だったこともあり、あまり見栄えはパッとしませんでした。
2013年

2014年からリニューアル工事が始まりましたが、既に出来ている部分のことはあまり口を出しておりませんでした。当時は植木屋上がりの役立たずが管理をやっていたけれど、なにもかにもがメチャクチャで、結局のところレッドカードを叩き付けたのですが、なんと花壇の土壌改良なんて一度もやったことがなかったのです。
2014年

翌2015年から花壇管理を取りあげて、しっかり堆肥をすき込んでから苗を植えるようにしたら、ようやく株がしっかりしてたくさん花も咲くようになりました。でも色合いがしっくりこなくて、なんだろうと考え込んだところ、手前が白で奥に行くほど色が濃くなっていることに気付きました。
2015年

そして2016年からは、手前が濃い紫、中間が薄い紫、一番奥が白という配置にしたので、ようやく奥行きを感じられる花壇景観になりました。
2016年

そして2018年9月5日、来襲した台風21号の強風によって、シンボルツリーだったシラカンバがポッキリと折れてしまう被害を受けてしまいました。胆振東部地震の前日だったので、この台風被害はあまり記憶されておりませんが、札幌市内の公園などでも大被害を受けてしまったのです。19日に行った時に、木が1本ないだけでこんなにまぬけな風景になってしまうのかと、ちょっとびっくりしてしまいました。
2018年

シラカンバは翌年無事に植え替えられましたが、ちょうど前年に滝野公園に導入された新しいサルビアである ‘ミスティック・スパイヤーズ・ブルー’があまりに素晴らしいので、手前2列だけ植えてもらったのです。するとそれまで植えていたブルーサルビアがこんなにみすぼらしかったのか…と思ってしまうほど、歴然たる差が出てしまいました。
2019年

このサルビアは草丈もかなり高くなるので、奥の方まで見通すことができません。このためグラデーションで見せることは出来なくなりましたが、圧倒的な存在感を放っているようです。このまま霜が下りるまで約2ヶ月、夜温が低くなれば一層紫が濃くなるので、きっと人気を博してくれることでしょう。一度ご覧になってほしいです。
2020年

涼しい十勝

  • 2020.07.23 Thursday
  • 05:56
昨日は十勝への出張。運転が再開されたとかち1号は、各座席に一人ずつくらい乗っていたので、春に比べればずいぶんと人の動きが戻ったようです。雨上がりで暑くなるかと思いきや、終日どんよりと曇り空。涼しくてなによりでした。アプローチのフリーマニーカエデも、今年の伸びがひとまず止まり、かなりどっしりした並木になってきました。今年の紅葉は期待できそうです。
アプローチ

久しぶりに雨がたっぷりと降ってくれて、植物たちも生き生きとしていました。屋外トイレに向かう園路際に植えられたアナベルが色づいてきて、シンボリックなジャクモンティシラカンバの木立との組み合わせが、ますます泣かせる構図になっています。
トイレ前

スカイミラーには、今年はすべてサルビア‘ミスティック スパイヤーズ ブルー’に統一し、奥の2列は春に植えられたスウィートアリッサムをそのままに残しています。一番花が上がってきたので、来月には濃いブルーの帯が完成することでしょう。
スカイミラー

バラのピークは過ぎて、ちらほら咲いている程度ですが、フラワーポールに植えられたクレマチスがもりもりと咲き誇り、まだまだ華やかさを保っています。時間差で咲いてくるバラもあるので、このまま秋バラまで楽しませてくれるでしょう。
バラ園

アニーカの庭では、正面に植えられたバージニアウワミズザクラの‘ベイリーズセレクト’が、ようやくシンボルツリーらしくなってきました。やはりこれに植え替えて正解だったようです。石積みの上に置かれたアニーカ像は、ねらい通り格好のフォトスポットになっているとか。
アニーカ

以前マンガリッツァ豚を飼っていたエリアに寄り道したら、馬車BARを曳いている輓馬のコマちゃん(本名ムサシコマ)が一人寂しく立っていて、私たちを見つけてとことこと寄ってきました。昼間あんまりお客さんが来ないものだから、やっぱり寂しいのでしょう。牧草をむしってやると美味しそうにバクバクと食べてくれました。来園の際には、ぜひお立ち寄り下さい。
コマちゃん

トンボ池には相変わらずたくさんのトンボが飛来し、スイレンもたくさん咲き続けています。以前は岸から遠くに咲いていたアサザが、今年は岸近くにもたくさん咲いていて、間近に見られるようになりました。道内では3箇所でしか確認されていない、貴重な水草です。ヤブになっていたところもウェーダー履いて掃除してくれたので、見た目もすっきりしたし、カモの親子が泳いでいるところも見られるそうです。
アサザ

最後にポタジェを確認していると、レストラン横に植えられているビックリグミが、今年はびっくりするほど鈴生りにぶら下がっていました。毎年数個しか生らなかったのに、どうしたことでしょう。多少えぐみのあるものもありますが、十分ベリーとして食べられます。このまま落ちてしまうのはもったいないなぁ…
ビックリグミ

十勝ヒルズはグランドオープンしてから丸4年。まだ手を入れる必要なところも多々あれど、ガーデンとしての成熟度は年々高まってきています。世間は4連休だそうなので、「GoToトラブル」に巻き込まれないよう、近場のガーデン巡りがお奨めです。十勝来訪の際には、是非とも十勝ヒルズにもお立ち寄り下さい〜

満開御礼

  • 2020.07.09 Thursday
  • 05:43
先日の日曜日、十勝ヒルズの来園者が記録的に多かったそうです。お目当てはなんといってもバラの花。昨年は凍害で激しく痛み、枝を充実させるために夏花を咲かさないようにしたため、バラ目当てのお客様にはがっかりさせてしまいました。今年は越冬がうまくいき、予定どおり「ROSE WEEK」を開くことができたのです。
艶やか

先月26日には、北海道新聞や十勝毎日新聞でも取りあげていただきましたが、あいにくその週末は天気が悪く、来園者もそんなに多くなかったようです。一週間経ち、バラも見ごろになった週末に、どっと人が押し寄せたのでしょう。ありがたや。
道新
  (北海道新聞 より)
かちまい
  (十勝毎日新聞 より)

十勝ヒルズのガーデンとしての最大のポイントは、レストランを過ぎて広がるアルフレスコのローンにあります。回りに不整形の宿根ボーダーを配置し、アイランドボーダーを二つ浮かべています。ここのリニューアルで一番苦心したのがここなんだけど、そんなことにはなかなか気付かれないだろうなぁ…(笑)
アルフレスコ

アニーカの庭の入り口には、ニオイヒバの ‘サンキスト’の生垣がありますが、今年も1本枯れ込んで、大きな穴が空いてしまいました。今年の冬も積雪が遅れ、かなり厳しい環境だったのですが、ちゃんとバラは乗りきってくれました。
入り口

それまで春から伸びる枝はそのまま伸ばしていたものを、昨年から徹底的に芽かきをして、少数精鋭の枝作りに切り替えました。イングリッシュローズの作り方としては、かなりブーイングを受けたけれど、十勝ではこれしかないと割り切ったのです。千本もの数があるので大変だったでしょうが、ガーデンスタッフのみなさんのがんばりの結晶なのです。
満開

12日の日曜は雨の予報なので、11日の土曜日までが見ごろでしょうか。ゆったりとガーデンを散策し、木陰でのんびり過ごすことができますので、是非お越し下さい〜

贅沢な時間・空間

  • 2020.06.19 Friday
  • 05:57
アルフレスコの伸びやかなローンから、スモークツリーのトンネルを抜けるとローズガーデンがあります。木立の中から明るいバラやクレマチスが見えてくると、私的にはちょっとドキドキ。というのは、昨年は少雪のためかなり厳しく凍害を受けてしまい、夏のバラをあきらめて株の再生に努めることになりました。いろいろ工夫して臨んだ今年は、それほどでもなかったと報告を受けていたものの、実際に見るまで不安でした。
ローズガーデン

既にちらほらバラが咲き始め、どの株も元気な葉を繁らせています。今年は雨が少ないため、黒星病などの病害もなく、艶々した葉が繁っていて心底ホッとしました。昨年ご覧に入れられなかった分、今年のバラは十二分に堪能していただきたいです。
バラの様子

バラ園の一角には、珍しいものが咲いています。ガレガ(Galega officinalis)は、20年ほど前に旧ソ連圏から導入されたマメ科牧草で、ルーサン(アルファルファ)よりもさらに大柄になり、永続性の強い牧草として近年かなり普及しているようです。牧草なので当然刈り取りにも強く、花後に刈り取ると再び繁って花を見ることができます。狭い庭には不向きですが、このような広いガーデンではその特徴が活かせるのです。
ガレガ

一番奥にある「アニーカの庭」は、妖精アニーカの潜む空間として、ピンク色の花でデザインされたエリアです。昨年アイランドボーダーに置かれていた妖精が、どうもアニーカらしいというので、ちゃんとエリアの真ん中に置いてあげようと、石積みの上に据えてみました。これならフォトスポットとして機能できそうです。
アニーカ

トンボ池のスイレンが真っ盛りに咲いてきて、その名の通りトンボが乱舞し始めました。まだオニヤンマはいませんが、小さなルリイトトンボが無数に飛び回り、本当に見飽きないです。道内では珍しいアサザが少しずつ増えてきて、岸近くでも見られるようになってきました。
トンボ池

平坦な園内では、この部分だけが少し低くなっており、セイヨウシロヤナギの足元に造っているレストスペースからの眺めはすばらしく、園内では最も気持ちのいいスポットになっています。仕事で来ていると、いつもせかせかと歩かなければならないのが本当にもったいないです…(>_<)
見晴らし

お昼は、カフェのランチボックスを用意していただきました。どうせならと、無料で貸し出しているピクニックセットをお借りしてアルフレスコへ。テーブルとベンチを木陰に移動して、とっても贅沢なランチタイムになりました。
ランチ

ちゃんと十勝産の野菜や肉で丁寧に作られたセットには、ビオラやチャイブなどのエディブルフラワーもちりばめられて、少食の私にはちょうどよいボリュウム感。心地よい風に吹かれて、とっても気持ちよかったです。
ランチボックス

街でテイクアウトしたランチを持ち込んでもよく、年パスを使えば使い勝手のあるランチにすることができます。まだお客さんはちらほらですが、今だからこそ独り占めできる贅沢な空間を、是非お楽しみ下さい〜

十勝ヒルズの初仕事

  • 2020.06.18 Thursday
  • 05:55
昨日は今年初の十勝へ。本当は4月に行く予定でしたが、緊急事態宣言のために移動ができず、ようやく峠を越すことができました。JRはまだ減便が続いているので、6時48分発のおおぞら1号で行かなければならず、思い切り早起きして朝から大変でした。客席はガラガラかと思いきや、そこそこ埋まってはいましたが、まだ本来の人の動きではないようです。

久しぶりの十勝ヒルズに着くと、アプローチのフリーマニーカエデが一回り大きくなっていました。不要枝の剪定も既に終えているので、あとはすくすくと特徴的な並木道を造ってくれることでしょう。
フリーマニーカエデ

ショップ前の植え込みのアメリカテマリシモツケやシラタマミズキが、想定のの大きさに生長してくれたので、ほどよい遮蔽効果と草花の引き立て役になっています。積雪があまりないところでは、低木本来の樹形が作られてうらやましい限りです。
ショップ入り口

荷物を置いて園内に入ると、ポタジェの真ん中に植えられたエスパリエ仕立てのリンゴが、今年もたくさんの実を付けていました。まだ仕立て方がいまいちだけど、安定してこれだけの実が付くようになれば、見どころの一つになってくれることでしょう。
エスパリエ

今年は‘釧路八重’の花着きがひときわよく、見事な桜並木だったそうです。宿根ボーダーもほぼ落ち着いてきており、半日陰の環境になじんできているようです。
釧路八重並木

屋外トイレへのアプローチには、園内にたくさんあったアナベルとネペタを移植してきて、さらに今年はアリウムの‘グローブマスター’をずらりと植えてくれました。行き先がトイレというのがちょっともったいないくらいですが、左にあるジャクモンティシラカンバと合わせた景観がうまく収まってくれました。
トイレアプローチ

2年前の9月の台風で折れてしまった本園のシンボルツリーであるシラカンバは、ほとんどそっくりな木が見つかって昨年春に植え替えが行われました。無事に冬を越して葉が広がったので、完全活着にはもう一息ですが、来年の春も大丈夫であれば、ワイヤー支柱もはずしてよさそうです。
スカイミラー

十勝はまとまった雨が全く降らず、芝生がそろそろ干からび始めていて、ちょっと心配。私が雨雲を持ってきてくれることを期待していたようですが、途中ぱらぱらっと来ただけで、ちょっと力不足でした…(>_<) アイランドボーダーには、造成に関わったK造園から寄贈を受けたオベリスクが。何か特徴的なつるものを絡ませてくれることでしょう。
オベリスク

ローズガーデンへの入り口は、スモークツリーの並木だけでは印象が薄いことから、黄金葉の彩りが特徴的なノルウェーカエデの‘プリンストンゴールド’を両側に植え、銅葉のスモークツリーを足元に配しています。ところが右側の木が枯れてしまい、シンメトリーな景観が崩れてしまいました。これは秋に補植してほしいですねぇ。(つづく)
ローズ入り口

ヒルズのバラ

  • 2020.04.14 Tuesday
  • 05:57
昨年の今ころは真っ青になっていました。十勝ヒルズのバラの冬囲いをはずしたら、ほとんどの株で枝が真っ黒になっていたのです。久しぶりに十勝らしい寡雪年になってしまったので、激しく凍害を受けてしまいました。
真っ黒

根まで枯れてはいないので、地際から吹いてくる新芽を選抜し、素性のいい枝だけ伸ばしました。花を咲かさないよう更にカットして、枝の充実を図ることにしました。このため本来のバラの季節にほとんど花がなく、来園者にお詫びの文章を配ってもらったのです。

今年の十勝の冬も、年内はやはりなかなか雪が降らず、半ばあきらめていました。ようやく積雪深が40cmを超えたのが1月30日だったので、今さら遅いよ〜と恨み節。なので、4月1日に冬囲いをはずし始めると、さっそく画像を送ってもらいました。するとやはり黒い枝が多かったのです。
4月の様子

昨年は軒並み真っ黒だったけれど、今年はこのくらい残っていればなんとかなりそうと、少し安心できるものがありました。ヒルズでのバラの冬囲いは、トリカルネットというプラスチックの網で円筒を作って枝を囲み、モミガラをしっかり充填してから厚手のビニール袋で包み込みます。いろいろと試行錯誤の末に、このようなやり方に行き着きました。
まあまあ

そしてその後の様子が昨日届いたのです。まさか!こんな状態になっているとはと、本当に驚きました。二年連続でだめだったら切腹ものですからね。
バッチリ

これなら来週は安心して、十勝に行くことができそうでホッとしました。やはり一番花をカットして枝の充実を図ったことが最大の成果だったと思いたいところです。
一安心

これからは、花を咲かせる枝と咲かせない枝を分けて管理するとか、剪定に工夫も必要だし、耐寒性の弱い品種の入れ替えも進めて行かなければなりません。ガーデナーたちの工夫と努力によって、寡雪寒冷地でのバラ栽培のモデルを確立していければと願っています。

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