造園学会支部大会

  • 2023.10.29 Sunday
  • 05:57
昨日は造園学会の北海道支部大会。支部の結成準備会から27年ずっと役員をやって来たので、この春で引退させてもらいました。初めてフリーの会員としての参加です。今度の支部長は市立大学の先生なので、会場はやはり市立大学ですが、芸術の森の本学は遠いので真駒内駅前にあるサテライトキャンパスが会場でした。地下鉄で真駒内まで来るなんて、何年ぶりだろう?
真駒内駅前

駅前の時計塔の前には、丸山隆さんの1986年の作品『ひと休みする輪廻』があります。丸山さんの作品が好きで、私は2箇所に作品を作っていただきました。若くしてガンで亡くなられたのは本当に残念です。
丸山先生

それにしても見事な紅葉でした。こんなにヤマモミジが植えられていたなんて、普段は気付かないものです。この時間帯は雪虫もそれほどではなかったけれど、朝来た方にあとで聞いたらものすごくて前が見えなかったとか… いい時間帯に通り抜けられたものです。
紅葉

サテライトキャンパスは、元の真駒内緑小学校の跡地である『まこまる』の一角にありました。でもこの場所は今年度中に返上してしまうのだとか。来年の支部大会は芸術の森にある本学になるのでしょうか。
まこまる

まだ研究発表が終わっていなかったので、小部屋で展示されている北の造園遺産のパネルを見ていました。今回のテーマが『北海道の公園150年』なので、41件の遺産の中から公園に関係する20点をセレクトしています。こうしてまとまっていると、なかなか見応えがあります。
『北の造園遺産』

研究発表が終わるとすぐにポスターセッションが始まるので、どれが面白いのか下見をしていきます。始まってしまうと押しくら饅頭になってしまうので、セレクトしておきたいのです。
ポスター

基調講演やシンポジウムの様子は一切撮影禁止になったので、ここでは紹介できませんが、我が国の中で独自の発展をしてきた北海道の公園がおかれている課題や可能性が見えてきて、なかなか有意義な支部大会となりました。

造園学会

  • 2023.03.18 Saturday
  • 05:44
16日の夜に、造園学会北海道支部の運営委員会がありました。最近はリモートばかりなので、楽といえば楽ですが、デスクの上で画面を眺めているだけだと、参加している雰囲気が感じられないものです。運営委員は今期で下りることにしているので、16日が最後の参加になりました。
Zoom

学会に入ったのは1981年の夏で、秋期全国大会を北大でやるため、入会して発表するように先生から指示がありました。北海道では初めての全国大会ですが、北大以外に学会員はほとんどいないし、今思えばどうやって運営したのか、先生方は大変だったと思います。
1981年

当時は植木屋時代なので発表するネタもなく、学生時代から興味を持ち、園芸雑誌にも書いていたグラウンドカバープランツのことをまとめることに。要旨集を出して見ると、当時はまだワープロはなくほとんどの方が手書きで、わずかに和文タイプを打っているのがある程度。手書きでもみなさんきれいな字を書いていました。冷や汗もので発表したら、結構質問が出て大変だったことを思い出します。
GCP

当時は関東支部に入っていたのですが、美唄の専修短大や私立高専など、少しずつ道内にも学会員が増えてきたので、北海道支部として独立することになり、その準備大会として1996年に関東支部大会を札幌で開きました。
1996年

この時のプログラムを見て、パネルディスカッションのパネリストをやっていたことは全然記憶がありませんでした。高野さんがコーディネーターをやっているけれど、何の話をしたんだろう?研究発表もやったし、次のワークショップ「北の植物とランドスケープデザイン」の座長をやったので、頭の中がパンクしていたのかも。
シンポ

北海道支部もそれからなんと26年。最初の役員名簿を見ると、38名中残っているのは私と現支部長のみ。支部長と副支部長を各1期2年やったので、これからは若い人にがんばってもらい、『北の造園遺産』の事務局だけをお手伝いしていくつもりです。ちょっとだけ肩の荷が下りました。
26年

最終日

  • 2022.06.20 Monday
  • 05:44
全国大会最終日は、会場を農学部に移動して研究発表とミニフォーラム、そして私の担当するパネルディスカッション&北の造園遺産パネル展を行います。昨日はほとんど午前様だったので、眠たい体にむち打って8時に農学部に向かいました。
農学部

会場は4階にある大講堂。すべての椅子を運び出し、テーブルを外周と中に並び替えていきます。真ん中には段ボール製パネルをテーブルに挟み込んでいきました。
設営

外周には順番通りに、北の造園遺産の39枚のパネルを並べました。あんまり見てはくれないだろうけど、存在をアピールする場が少ないので、全国大会ではしっかり発信しておかなければ。
造園遺産展

全国大会とあって、パネル発表は56点もあり、随時貼られていくパネルを見ていくとなかなか面白いのもありました。
パネル設置

昼過ぎの1時間はコアタイムになっていて、パネルの前に発表者が立ち、それにみなさんから質問が投げかけられます。節電のためエアコンは止められているのですが、ものすごい熱気で室温が上昇するため、この時ばかりはエアコンをがんがんかけておきました。
コアタイム

すべてのイベントが終了するのは6時半なので、さすがにそこまでは体がもたず、あとは学生さん達に任せてここで失礼しました。今年で支部の運営委員も引退することにしているので、なんとか最後のご奉公も無事に終わりました。あとは一会員として参加していきたいと思っています。

シンポジウム

  • 2022.06.19 Sunday
  • 06:12
全国大会二日目は、恵庭市民会館での総会やシンポジウム。恵庭駅から恵庭大通を歩いていくと、きれいに花が植えられていました。ここも『北の造園遺産』の候補地なので、1ヶ月くらいしてもう一度いい写真を撮しに来たいところです。
恵庭大通

市民会館の玄関には、今年のシンボルフラワーであるヒマワリの花がもう咲いていました。促成していたものでしょう。黄色い花は、薄暗い場所をパッと明るく照らします。
市民会館

ここでも『北の造園遺産』のパネル展をやっているけれど、わざわざこれを見に来てくれる人はいないでしょうね。でも38枚が一堂に会していると、なかなかの迫力です。
パネル

基調講演のあとはシンポジウム。今回は全国大会だけでなく、来週から始まる第39回全国都市緑化北海道フェアの、都市緑化普及啓発シンポジウムを兼ねています。パネリストが基調講演の竹谷仁志さんを含めて6名もいるので、最後の方のプレゼンが終わったところでタイムオーバー。みなさんちゃんと時間守らないと意見交換ができないですよ…でも、最後の方がきっちりまとめてくれる分かりやすいブレゼンをしてくれたのが救いでした。
シンポジウム

終了後は、市内某所に移動。ビズの八木 波奈子さん、淡路から辻本 智子さん、Wさんをお迎えしての大宴会。内倉さんもようやくここまできたので、ホッとしたようにはじけていました。
宴会

地元恵庭組にブレインズを合わせて、錚々たるメンバーが集まりました。北海道の花のまちづくりは、やはり人づくりがベースにあってこそここまで進んでくることができました。今回の都市緑化フェアは、ただ花がきれいだねでは終わらせない、有意義なものになることを祈りたいです。
大宴会

造園学会見学会

  • 2022.06.18 Saturday
  • 05:39
昨日から造園学会の全国大会が始まりました。私の担当はトップバッターの見学会「恵庭花のまちづくりコース」。7時前に事務所を出発し、約1時間で恵庭のはなふるに到着。高速使ってもあまり変わらないので、下道を走りましたが、平日だと本当に車が多いです。はなふるに車を置いて恵み野駅に向かって歩いて行くと、集合住宅の駐車場の法面が、みごとなボーダー花壇になっていました。さすがです。
花壇

ちょうど20分で恵み野駅に到着。既にきれいな花が飾られていました。来週から始まる都市緑化フェア「ガーデンフェスタ北海道2022」は、駐車場が激混みになりそうなので、公共交通機関の利用がお奨めですが、駅から20分歩くのはちょっと。快速の止まる恵庭駅で降りて、東口から恵庭のコミュニティバスも利用できるけれど、渋滞すると身動きできなくなりそうです。
ハンギング

参加者は24名。これを2班に分けて、内倉さんと私に花ガイドが一人ずつ付いて、みなさんをご案内することに。途中の経路を少し変えて、狭いガーデンにぎゅう詰めにならないように案内する予定です。
挨拶

初めのうちは薄日が差して快適に歩けましたが、後半に連続して三つのガーデンをご案内する頃から雨が。こんな予報じゃなかったのになぁ…龍神様は見逃してくれませんでした。でもガーデンの充実ぶりが素晴らしいので、みなさんびっくりしていました。
鈴木邸

コロナでオープンガーデンは2年やっていなかったため、こんな形で案内するのも久しぶりだとか。せっかくの緑化フェアの間には、幾つものツアーがあるようなので、ぜひご覧いただきたいです。
杉若邸

最後の庭ではとうとう前のグループに追いついてしまい、しばし前庭を鑑賞して待機していました。あとでみなさんから感想を伺った時には、この様なガーデンもよかったけれど、道路敷地である狭い歩道部分を掘り起こしてきれいにしているところが多いのが、とても印象的だったとの意見が多くありました。なるほどねぇ…
池永邸

はなふるで傘を用意していただき、全体の計画をした高野ランドスケーププランニングの村田さんとヘッドガーデナーの森さんから、園内の説明していただきました。骨格の植栽が2年前に植えられているので、特に宿根草の生育ぶりにみなさん感心していました。
はなふる

都市緑化フェアまで一週間。たくさんの方に見ていただきたいけれど、みんなが車で来ると道路や駐車場がパンクするだろうし、どうなることやらです。やっぱり平日がお奨めかなぁ…
広場

見学会の準備

  • 2022.06.11 Saturday
  • 05:39
来週17日から19日まで、恵庭市と北大を舞台に日本造園学会の全国大会が開催されます。私の役割は、初日に恵庭のガーデンとはなふるを歩いて見学するツアーの事務局なので、昨日恵庭で打ち合わせてきました。昼前に着いたので、漁(いざり)商店街にある久保鮨へ。私が恵庭に関わったのは、花関係もありますが、実はこの漁商店街の近代化事業のアドバイザーとしての関わりが最初でした。なので久保さんとも本当に長いつきあいになり、時々寄らせていただいてます。
久保鮨

それから「はなふる」に移動。ここは2週間後に始まる都市緑化フェアのメイン会場なので、花植えもほぼ終わり、イベント用の仮設物も揃ってきたようです。
はなふる

私はガーデン部分以外の植栽を担当したので、樹木の生育にどうしても目が行ってしまいますが、ここは南風がものすごく強く、とりわけ移植木にはかなり過酷な環境になっているようです。このカツラがしっかり根を張れば、ホテルから見える風景はとても素晴らしいものになるはずなのですが。
ホテル前

内倉さんや恵庭市の花ガイドと打ち合わせてコースの設定や確認を済ませたあと、ちょうど来ていた北大の学生を連れて、お邪魔する予定のガーデンに挨拶とコースの下見を。本来は恵み野駅からはなふるに向かって歩くので、逆回りで歩いて行きましたが、各ガーデンの素晴らしさにみなさんびっくりしてました。
ガーデン

コースになる恵み野南緑地を歩いていると、中央を流れる用水路にびっしりとバイカモが!!漁(いざり)川や茂漁(もいざり)川では普通に見られるけれど、こんな住宅地の中の水路で見られるなんてびっくりです。しかもこんな間近に見られるのですから、開花期だったらみなさん大感激するだろうに…(>_<)
バイカモ

神楽岡通

  • 2021.12.24 Friday
  • 05:49
造園学会北海道支部で進めている『北の造園遺産』認定事業では、今年は「清華亭と旧偕楽園」ともう一つ、旭川の神楽岡通が認定されました。旭川近辺の人以外は、ほとんど知られていませんが、ここのプラタナス並木は延長が2.8キロもある、多分日本一の規模を誇っています。
神楽岡通

ただ延長が長いだけでなく、無剪定のように自然に枝を伸ばさせて、この様な緑のトンネルになっているのです。植えられてからちょうど50年、当初からこの様なトンネルを作ろうと誘導してきたというのが素晴らしいです。これだけ年数が経つと、途中で最初のポリシーがゆがめられることが多いのですが、よくもぶれずにこれを維持してきたものだと感心させられます。
南端部

これを知ったのは今からちょうど25年前、北海道が花と緑のまちづくり賞を開始して、その選考委員に選ばれました。その時に応募して知事賞を射止めたのがここの神楽岡通だったのです。その時でさえこんな緑のトンネルになっていました。なお、その時に花の部門で知事賞を受けたのが、恵庭の恵み野と東神楽町です。
花緑賞

旭川駅から南に少し下がり、忠別川の橋を渡って上川神社を過ぎたところから左に入ると神楽岡通が始まります。神楽岡地区と緑ヶ丘地区の真ん中を貫いており、旭川環状線のところまでプラタナスの並木が続いているのです。その先も立派なアカナラの並木が続いていて、一丁行った左側に日本酒で有名な土井商店があります。
  位置図

神楽岡通の入口には、地元の有名店である『The Sun 蔵人』 があり、沿道にはお菓子屋さんや教会など、雰囲気にある洋館風の建物が点在しています。
さんくろうど

神楽岡公園の隣接地では、公園の木々に押されてプランターが傾いてきており、管理者はいろいろと心配なことでしょう。秋に落ちてくる大量の落ち葉は、市の清掃車だけでなく沿道の市民が協力して、90リットルの大きな袋に詰めて回収されているそうです。更にそれを堆肥化して使っているというのも素晴らしいので、文句なく北の造園遺産に認定されました。旭川に行った時には、是非通ってほしいです。
公園前

支部大会の講演

  • 2021.12.20 Monday
  • 09:55
10月に行われた造園学会北海道支部大会では、全体のテーマ『花のまちづくり−北の暮らしとガーデニング』に沿って、私から「北海道における花のまちづくりの進展について」という話をさせていただきました。(約50分)その後、3名のパネリストの参加により、パネルディスカッションをやることができました。

今回の支部大会はオンライン開催となったため、参加できなかった方から再度公開できないのだろうかという問い合わせもあり、愛甲支部長によって期間限定でYouTubeでの公開をしていただくことになりました。リンクは当社のHPに設定していますので、こちらからお入り下さい。

トップページ

私の話は50分ほどですが、パネルを入れると3時間以上もかかります。また、レジメを見ないと話が見えてこないので、必ず下の矢印のところをクリックし、pdfファイルをダウンロードして下さい。

YouTube

公開期間は1ヶ月弱と思っていますので、興味のある方はご覧になっていただければ幸いです。

清華亭と旧偕楽園周辺

  • 2021.12.12 Sunday
  • 05:46
造園学会北海道支部の事業として進めてきた『北の造園遺産』認定事業では、コロナ禍で認定作業が半年以上も遅れてしまい、先月ようやく第12次の認定が決まりました。その一つが、私が推薦した「清華亭と旧偕楽園周辺」です。偕楽園は、今からちょうど150年前の1871(M4)年に開拓使が設定した公園で、我が国の公園制度がスタートする2年前のこと。つまり我が国で一番古い公園ということになります。でも残念ながら明治半ばには民間に払い下げられ、忘れ去られた空間になってしまったのです。唯一残されていた清華亭は、昭和の初めになって札幌市に寄贈され、史蹟「明治天皇御小休所」として保存されることになりました。

石碑表 石碑裏

現在そのパネルを制作中ですが、清華亭の写真がロクなものがありません。植物や庭園は熱心に撮しているのですが、建物はかなりいい加減なことがよく分かります。既に葉は落ちているし、さてどうしたものかと入口に立って悩みました。
入口

建物を撮す場合、日差しの向きによって陰に入ると真っ暗になってしまいます。玄関の向きが西側なので午後から行っても、枝の陰になってうまく写らないのです。昨日の午後は曇っていたので日差しがなく、露出を変えて何度も撮して、ようやく軒先の開拓使の星のマークまでうまく入りました。回りの木が常緑樹だったのもさいわいでした。
玄関

客間の方は、木の葉が落ちて却って建物がよく見えました。明治天皇がここに座り、手前にルイス・ベーマーが造り上げたわが国初のガーデニング空間が広がっていたというのが、今の状態からはどうしても想像できません。なんの記録も残されていないのが悲しいです。
客間

ここ周辺は「コッネイの三泉」と呼ばれた三つの大きなメムの一つ、ヌップサムメムのあったところ。このメムの一番上は旧青年寄宿舎(1898(M31)年に創られ、恵迪寮よりも古い寄宿舎で、宮部金吾が舎長を務め、2005(H17)年閉舎)の庭から始まり、旧伊藤邸にあった湧泉が合わさって、清華亭前の湧泉も合流して、北大の中を流れるサクシュコトニ川を形成していました。この湾曲した流路は、現在でも河川敷として住宅地の中に残されています。
周辺図

この周辺にメムがあったことを示す大切な遺構のが「井頭(いのかみ)龍神」でしたが、残念ながら10月に撤去されてしまいました。もっと早くに認定していれば、少しは保存のお役に立てたのかもしれないと思うと、本当に残念です。
  井頭龍神

貴重な遺構だけど、形として残っているのが清華亭だけではと、これまで推薦がためらわれてきたのですが、やはりこの空間は札幌の町としても貴重な空間であり、札幌の成り立ちを偲ぶ大切な場所として、もっと広く知ってほしいと思っています。

偕楽園

  • 2021.10.30 Saturday
  • 05:43
今年度は、前半がほとんど緊急事態宣言下だったために、学会など様々な活動が休眠状態。10月に入ってそれらが一斉に動き出したために、なんだか慌ただしくなってきました。私が担当しているのは、造園学会北海道支部の北の造園遺産研究会ですが、第11次募集によって応募された10件の予備審査を行うために、27日に研究会を開いたところです。実はその10件の中に、私が応募した「清華亭と旧偕楽園」がありました。

清華亭

偕楽園は、明治4〜5年に開拓使の岩村通俊判官によって現在の街並みの基礎が造られた時に、設定された我が国で最も古い公園です。我が国の公園制度は、この2年後に布告された太政官布達第16号によって始まるので、それに先んじる形で「群衆遊観の場所に公園を設ける件」が札幌の町で始まったのです。
偕楽園
  (「札幌沿革史」 北海道出版企画センター復刻版 1979 より)

この4年後の地図では、札幌の街区がはっきりとできあがっている中に、しっかり偕楽園の場所が明示されています。この時にはまだ鉄道がありませんでしたが、この赤い線のところに敷設される訳です。因みにこの時の道庁の敷地は今より一街区広く、のちの北5条通と駅前通、北1条通によって囲まれています。ここは幅20間と広く、今でも北1条通はSTVのところまでは広いのに、その先は急に狭くなっているのです。
明治八年図
  (「札幌歴史地図 明治編」 さっぽろ文庫別冊、札幌市教育委員会編、1978 より)

そんな由緒ある偕楽園でしたが、開拓使が廃止されると共に一帯が民間に払い下げられ、開拓記念碑は大通へ、屯田兵招魂碑は中島公園(現在は護国神社裏)に移されていきました。この場所にはそれでも清水が湧いており、料亭が設けられて賑わっていたことから、それを揶揄したものか、明治34年の地図には「快楽園」と書かれています。

快楽園
  (「札幌全圖」日本地図選集、人文社発行 より)

そんな最中に、「井頭龍神」が無くなってしまったというので、本当にびっくりしてしまいました。ここにヌプサムメムが湧き出て、この一帯が偕楽園として賑わったよすががなくなってしまったのです。来月北の造園遺産の審査委員会があるので、その時にどう報告すればよいのか、悩んでしまいます。

無事終了

  • 2021.10.17 Sunday
  • 05:44
昨日は造園学会の北海道支部大会。パワーポイントを再度確認しながら最終校正かけて、10時前にやっと終了。この時点では40分と言うことなので、ちょっと時間足りないかな…と思っていたら、もっと使っていいよということになり、ちょうどいい感じに収まりそうでした。

パワポ完成

データを事務局に送ってから、今度はパソコンのセットを。WEB開催なので、事務所にいるまましゃべればよいのですが、仕事をしている場所はグチャグチャなので、打ち合わせしている部屋なら本棚がバックでいいと思ったのです。家で使っている Mac の純正のルーターを持っていったのですが、電波が来ているのになぜか繋がりません。やむなく机回りを片付けてノートをセットしたら、低い位置だと変なので、どんどんはかまをはかせて高くしていったらこんなに…でも正面から写さないとやはり違和感が出てしまいます。

セット

この30年で、花に関して一体何回の講演や講習をやったのかと数えてみたら、なんと今回が95回目。花のまちづくりというテーマでよく話をしていた20年くらい前のレジメを見ていて、こんなのを見つけました。耕す(caltivate)と文化(culture)は同じ語源で、みんなでせっせと耕して花を咲かせていけば、それがやがてみんなの文化となって定着していくという意味合いに使っていたのです。今回も使うことにしました。

まちづくり

シンポジウムは、恵庭の土谷さん、十勝の佐藤未希さん、鳥取の遠藤さんとで、福原さんがコーディネートを。みんなの話を聞きながら、この30年ほどの間にいろんなことがあったなぁと、走馬灯のように駆け巡ってしまい、妙に懐かしさを覚えました。たくさんの方が花に関わるようになり、交流の場がたくさん生まれたことが北海道の財産だと思います。

シンポジウム

造園学会支部大会

  • 2021.10.11 Monday
  • 05:39
今週末の16日には、日本造園学会北海道支部の支部大会が開催されます。北海道はずっと関東支部に属していましたが、1996年の関東支部大会を北海道で開催して、それが独立するプレ大会と位置づけ、翌97年に第1回の北海道支部大会を開催して独立しました。以来ずっと運営委員をやってきて、09〜10年には支部長もやらせていただき、そしていよいよ今回が25回目の支部大会となりました。
表紙

コロナ禍で昨年の大会に引き続き、今年もWEB開催となってしまいました。
なんだか味気ないのですがやむを得ません。

スケジュール

まだ運営委員の末席を汚しておりますが、今期をもって引退させていただく旨は支部長に伝えておりました。そうしたら、今年の大会の基調講演の話が突然降ってきたのです。シンポジウムのテーマが「花のまちづくり−北の暮らしとガーデニング」であれば、やはり私にお鉢が回ってきてしまいますからね。WEB開催なので、自宅のPCやスマホからでも Zoom のアプリを用意すれば視聴できます。時間は14時半から2時間で、私の講演は40分の予定です。
シンポジウム

ただし、正式に参加申し込みを行わないと、Zoomミーティングのアドレスが送られてきません。また、支部大会の要旨集もダウンロードできません。私のレジメはこんな1枚ですが、シンポのパネリストの要旨もそれぞれありますので、事前にダウンロードしておいて下さい。

レジメ

今回のために、この30年ほどの間に北海道でどんな動きがあったのか、年譜に整理してみました。これを見ながら話を進めますので、これは印刷しておいてほしいのです。

年譜

支部大会の参加希望の方は、10月14日(木)までに参加フォーム(https://ux.nu/alXSY)からお申し込みください。参加費は無料です。どうかよろしくお願いいたします。

追悼 俵浩三先生

  • 2020.12.23 Wednesday
  • 05:52
俵 浩三(たわら ひろみ)先生が、先月末に亡くなられていたことが、8日の新聞に載っていたため、造園学会北海道支部役員の間で大騒ぎになってしまいました。先生は造園学会賞や最高栄誉である上原敬二賞を受賞され、北海道支部の顧問として永らく指導していただいておりました。

俵先生

私は直接お目にかかる機会は少なかったけれど、美唄の専修短大時代からいろいろとやりとりを続けていて、関心事がわりと近かったこともあり、いろいろと指導していただいておりました。2000年頃に出版された『牧野植物図鑑の謎』なんて、先生が初めて解明したことが満載で、とっても面白い本でした。
牧野植物図鑑の謎

そんな先生の集大成というべき『北海道緑の環境史』が出たのが2009年の春で、ちょうど造園学会の北海道支部長を拝命したばかりでした。支部長といってもなんの権限もないのですが、支部大会のテーマとか基調講演の講師とかの選定は、ある程度の方向性を示すことができます。そこでこれをテーマに基調講演をお願いして、快諾していただいたのでした。
支部大会

事前の打ち合わせをお願いしたら、わざわざ私の事務所までお越しいただき、打合せもそこそこに著書にサインしていただきました…(^^;) 私も古い資料を集めていたので、いろいろ突き合わせていたら、私からは少ししか差し上げるものはなかったけれど、先生からたくさんの貴重な資料を後ほど送っていただき、大変幸せな気分になったことが懐かしいです。
緑の環境史

2009年というのは、函館などの開港、ダーウィンによる進化論の発表、エイサー・グレイによる日米植物比較論の発表から、ちょうど150年経っていたのです。江戸時代末期に同時に起こったこれらのことが、その後の北海道開拓や国立公園制度、都市公園の発展などに大きな影響を与えているいう、壮大なお話しを展開していただきました。
基調講演

当時は奥様の介護をされていたため、講演の終了と共に帰られたのですが、すぐに詫び状と共にまた新たな資料も送っていただきました。
お礼状

その中に、「いつも使われている封かん○は、牧野富太郎由来ですか?」と書かれていました。昔牧野植物園で買ってきた、牧野先生が使っていた「ぐるぐる巻きの」封かん印のこと。先生も欲しかったのかなぁ…(^^;)
ぐるぐる巻きの

あれだけ丹念に資料を集め、それをきちんとまとめ上げてたくさんの成果を残されたことは、本当に素晴らしいだけでなく、自然保護協会の会長として、日高横断道や千歳川放水路などの公共事業をストップさせ、北海道の将来にものすごく大きな貢献をされました。大きな大きな道標を失った喪失感は半端なものではありません。私も微力ながら、先生の跡をたどっていきたいと思います。心よりご冥福をお祈りいたします。

北の造園遺産 第35号

  • 2020.09.28 Monday
  • 05:40
造園学会の北海道支部では、『北の造園遺産』の担当を初めからやっていますが、今年はコロナ禍で遅れていた認定作業がようやく進み、9月1日に第11次を認定し、平行してパネルデータの作成と認定証を作っていましたが、昨日ようやく認定証を発送することができました。支部長印が事務局になっている市立大学にあるため、判子を押したのがようやく25日だったのです。
認定証

今回第35号に認定された『釧路八重』のことは、札幌市内や新得、十勝ヒルズなどに植えられていることから、かなり前から知ってはいましたが、どんな経緯で作出されたのかは比較的最近詳しく知りました。でも『北の造園遺産』の候補者リストには全く記載していなかったのは、「造園材料」というジャンルがなかったために、完全にスルーしていたのです。
釧路八重

私が推薦するよりも、やはり地元からの推薦の方が重みが違うので、釧路の方に手紙と私が持っている資料を送り、推薦をしていただいたのです。選考委員会でも文句なく認定が決まり、私もホッとしました。
パネル

認定が決まったと釧路市役所に連絡したら、さっそく記者クラブに投げ込んでくれて、釧路新聞はすぐに取りあげてくれました。今年の春にも原木の保全について大きく取り上げていたので、反応がよかったようです。
釧路新聞
 (釧路新聞より 2020.9.3)

道新さんは少し遅れましたが、カラー写真入りで大きく取り上げてくれました。
道新
 (北海道新聞釧路根室版より 2020.9.9)

なによりうれしかったのは、地元の方からの投書です。1983年に亡くなられた稲澤六郎さんのことをよく知っていて、釧路八重の行く末を気にしていただいていたようです。今回認定の決め手になったのは、鶴居村に移された原木の里帰りを企画していることや、自分たちで苗木の増殖を始めるプロジェクトなど、地元の宝物を市民の手でしっかりと守ろうとしていることが高く評価されたのです。
投書1
投書2
 (釧路新聞投書欄より 2020.9.10)

今回の認定は、霧多布湿原としれとこ100平メートル運動地と釧路八重なので、いずれも道東にあります。未だに空白地になっている宗谷、留萌、檜山、小樽を除く後志などがあるので、情報を寄せていただけるとありがたいです。

位置図

上原敬二賞受賞祝

  • 2020.01.26 Sunday
  • 06:11
山本紀久さんは、愛植物設計という会社を作られ、植物系のコンサルというジャンルを作りだした方ですが、昨年5月の日本造園学会全国大会に於いて、上原敬二賞を受賞されました。昨年12月に東京で祝う会があり、招待をいただいたけれど仕事のピークで行くことができず、残念な思いをしておりました。そうしたら、こちらにいらっしゃる機会に合わせ、祝う会を企画してくれました。

上原敬二賞とは、日本造園学会が出している賞の中では最も格式の高いものです。私も3年前に頂いた学会賞は、「研究論文,著作,設計作品,技術,事業・マネジメントに関し,造園学の進歩,発展に顕著な貢献をした者」に与えられるものですが、上原敬二賞はさらに、「研究,教育その他広範な社会活動を通じて造園分野の進歩,発展ならびに普及啓発に顕著な貢献をした者」に与えられ、いかに長年にわたって社会に貢献してきたかが問われるものです。

学会賞

私が山本さんに出会ったのは、まだ植木屋時代の1984(S59)年のことでした。ちょうど滝野公園造成の基本計画を立てていた段階の時に、植栽や景観づくりの基礎調査を山本さんがやられていたけれど、積雪寒冷地での植物の扱い方の情報が不足しているので、当時開発局にいた先輩から、お前が少し手伝ってやれと紹介されたのでした。その時の報告書の表紙がこれで、ほとんどが土木屋さんの開発局の職員でも、ちゃんと理解できるよう、ていねいに公園のあり方が整理されています。

成果品2成果品1

山本さんのか仕事ぶりを見て、なるほどこういう仕事の仕方があるんだと、初めて自分の生き方に目標が生まれました。ちょうど結婚した時期でもあり、このまま植木屋に留まるつもりもなかったので、山本さんを頼って東京に出るか、札幌に残ってどこかのコンサルに入るか、ものすごく悩みましたが、結婚してすぐに子供ができたこともあり、後者の道を選ぶことになりました。昨日の会では、そんなことも踏まえて挨拶させていただきました。

挨拶

北海道の土地を愛されて頻繁に来ていただける幸運を、私たちはこれからも甘受させていただきたいと思います。山本さんは私の一回り上なので、今年80歳になられますが、いつまでも健康でご活躍なさることをお祈りいたします。

  山本さん

パネル展最終日

  • 2019.12.10 Tuesday
  • 05:52
昨日の朝はかなり冷え込みました。札幌の最低気温は−7.7℃だったので、標高の高いわが家の辺りだと−10℃くらい。どうりで顔が痛かったはずですが、面の皮はかなり厚いので、このくらいだと平気なのが悲しいところです… ところが今日は一転生暖かい風が吹き、同じウェアだと汗だくに。どうも今年は極端な天気が多いです。

いよいよパネル展も最終日。午前中の当番は初めての人なので、やり方が分からないだろうと、初めだけ付き合ってきました。前日の当番が、回りをきれいに囲ってあるのを片付けて、パネルや机を所定の位置まで広げなければならないのです。月曜の朝なので、職場に急ぐ人ばかり。足を止める人はほとんどおりませんでした。
閉鎖中

30分ほど付き合って、私は近くの事務所へ打合せに。せっかくここまで来たので、北玄関の脇にあるサーモン館のプレートを拝んできました。
サーモン館跡

この場所より少し東に、かつてこんな洒落たれんが造の建物がありました。王子サーモンの直売所が置かれていたので、王子サーモン館と呼ばれていたのですが、この街区の再開発の際に、保存の要望は端から蹴飛ばされ、あえなく解体されてしまったのです。周りに一皮だけうっすら木を植える程度のことしかやらないで、こんな巨大で殺風景な建物を建てるのですから、市の景観行政に関わった者としても悲しい限りです。
プレート

すぐ近くの仲通にある事務所の建物は、かつては長谷川洋行さんがやっていたNDA画廊があったところです。長谷川さんの奥様である森ヒロコさんの作品も好きだったので、ちょっと懐かしく感じました。ビルは建て替えられて昔の風情はありませんが、1階にはやはりギャラリーが。森さんのネコの銅版画作品は、縁あって我が家にもありますが、こんなゆるキャラではなく、もっとキリッとしています。
たぴお

打合せを終えて、市役所前でバスを待っていると、久しぶりに青空が出て日差しの眩しいこと。ビルに囲まれた時計台が精一杯輝いていて。思わずシャッターを切りました。こういう瞬間は、しっかりと切り取っておかないと、なかなか見ることはできないものです。
時計台

夕方には四人が集まってパネル展の撤収を。設営に比べれば、約半分の時間できれいに片付きました。会期中は毎日200人弱の方が訪れて、結構熱心にご覧いただいたようです。学会も引き籠もらないで、積極的にアピールする場を設けていく必要があります。設営や当番に当たった方々もお疲れさまでした〜
撤収

パネル展開始

  • 2019.12.08 Sunday
  • 05:48
いよいよ「未来に残したい! 北の造園遺産パネル展」が始まりました。9時前にパネルを積んで創世スクエアに。パネルが33枚あるので、どうやって止めるかが悩みましたが、足長の画鋲で下を抑え、上はガムテープで留める方式でなんとかなりました。とはいえパネルがねじれているものがあり、突然落ちるものがあったりと、冷や汗ものでしたが、予定どおり10時までに設置完了しました。
設置完了

車は1時間しか置けないので、事務所までとんぼ返り。鳥居前の交差点で信号待ちしていたら、前の車はなんと沖縄ナンバーでした。初めて見たナンバーでびっくりでしたが、ちゃんと冬タイヤはいているのかなぁ…冬道運転大丈夫かなぁ… なんて余計なことを考えてしまいましたが。
沖縄ナンバー

午前中は当番だったので、再びバスで会場へ。土曜日の朝は来場者が少なく、覗いていく方も1時間に20名前後でしたが、結構熱心にじっくり読んで、写真も撮っている方が結構おりました。質問してきたおばあちゃんは、菊水駅前に住んでいるのに、毎度町中には歩いてくるそう。若い頃とうさんと全道仕事で回ったので、懐かしいところがあるわぁ〜と嬉しそうでした。
パネル展

お隣さんは一日だけの出品で、万華鏡づくりやアレンジメント、オイルマッサージなど、みなさんの得意技を披露しておりました。
お隣さん

それほどお客さんも来ないので、知り合いに声かけて動員しないの?と聞いてみたら、そんなことしないわよ〜のんびりまったり時間過ごせればいいのよ〜なんですと。
プリザーブドフラワー

似顔絵描きさんは、ちょうど席を外してましたが、かなりの腕前でした。みなさんいろんな趣味を活かして有意義な時間を使っているので、男性はぼやぼやできないはずです。
似顔絵

夜は、滝野公園フラワーガイドボランティアのお疲れさま会。今年はいいところで二度もクマの出没による閉園があり、かなり腰砕けになってしまいましたが、それでも熱心にガイドや作業をやっていただき、本当にお疲れさまでした。
宴会

来年はガイド活動を始めて20年目。公園をとりまく環境はますます厳しくなっていくけれど、私たちの存在感を精一杯示せるような年にしたいです。来年もご期待下さい。

北の造園遺産パネル展

  • 2019.12.03 Tuesday
  • 06:00
昨日の雨で、雪がすっかり融けてしまいました。でもこれからどんどん気温が下がり続け、現在3℃くらいあるものが、夜中には-5℃以下まで下がる予報。雪も降ってくるので、本格的な冬景色になっていきそうです。
いよいよ今週の土曜日から、造園学会北海道支部で進めてきた『北の造園遺産』のパネル展が始まります。場所は札幌市民交流プラザ(創世スクエア内)の1階ロビーにある SCARTSモールというところ。7日から9日までの3日間です。

チラシ

この事業は、今から11年前の2009年に支部長を拝命してすぐに始めました。既に関東支部が始めていたのを見ていたので、やりたくて仕方がなかったのが正直なところ。以来ずっとこれを担当してきています。これまでの10年で32件の『北の造園遺産』を認定し、それをパネル化しているのですが、それを展示するのは支部大会と、道庁ロビーで展示する程度。あまり市民のみなさんの目に触れることがありませんでした。

全道マップ

10年間に認定されたものは、かなり地方部からも増えてきているので、全道地図もかなり埋まってきましたが、一番画期的なものが『陽殖園』でしょう。ちょうど陽殖園60周年の年だったので、武市さんに最高のプレゼントになりました。朝日新聞の道内板に大きく取り上げられたほか、全国紙のひと欄に取りあげられたのです。この時一緒に認定したのが、小樽にある中野植物園。こちらも大層喜んでくれて、推薦した私も嬉しかった。

陽殖園

研究会のメンバーが交代で当番に座っているほか、私は体の空いている時に行き来する形で見守っていこうと思います。同時に第11次の募集も始めています。パネル展には行けないという方も、こちらのページから見ていただきたいです。この3日間の間に、町中に来る機会がありましたら、どうぞ足をお運び下さい。

学会支部大会

  • 2019.10.06 Sunday
  • 06:00
昨日は造園学会の北海道支部大会がありました。今年の会場は北大農学部です。午前中いろいろと用事があったので、着いたのは昼近く。ポスター発表をあれこれ冷やかして、午後からの会場である大講堂に向かいました。
農学部には先日の集中講義などでよく行くけれど、2階以上に上がることはほとんどありません。中央階段から2階に上がると、右にはこの宮部金吾先生、左には南鷹次郎先生の胸像がありあります。2人は札幌農学校の二期生で、宮部先生は主に植物学、南先生は主に農学の開祖と成られた方です。この二体だけは白い大理石?なのはなぜだろう?
宮部金吾

3階に上がると、農学校の一期生で、後の校長、帝国大学になってからの初代総長になった佐藤昌介先生の胸像が。右側の額に入っているのは、札幌農学校のシンボルだそうです。今まで全然見たことがありませんでした。
佐藤昌介

左の胸像は3代目総長となった高岡熊雄先生で、佐藤先生とにらみを利かせているこの部屋は、1936(S11)年に行われた陸軍大演習の際には農学部が大本営となり、昭和天皇が指揮を執った場所だということです。
大本営

4回にある大講堂は、まだ誰も来ておりませんでした。学生時代にはここには来た記憶はなく、卒業してからの方がここを使うことが多くなりました。
大講堂

5階には中講堂というこぢんまりした講義室があり、ここには利用したことがありましたが、当然カギがかかっては入れません。昔はルーズだったので、ここから塔屋に上がったり屋上に出たりしていましたが、やはりカギがかかっておりました。
塔屋

今回の支部大会の目玉は、造園学会賞受賞の記念講演。今回は「事業・マネジメント部門」でガーデンアイランド北海道がめでたく受賞されました。学会賞を受賞すると、自動的に推薦委員になるらしく、推薦状が送られてきました。私は研究者ではないので、そちらは先生方に任せて、草の根でがんばっているものを推薦しようと考え、昨年暮れに推薦したものです。
学会賞

報告は事務局長の有山さんが行い、これまで16年間の取り組みをうまくまとめておりました。私はある事情で理事を降りているのですが、これからもしっかりサポートしていきたいと思っています。

北の造園遺産

  • 2019.02.09 Saturday
  • 05:58
今朝4時の気温は−12.7℃なので、この辺りだと−15℃くらいまで下がっているでしょうか。「運良く」寝坊したので今朝は走るのをあきらめましたが、新聞配達や犬の散歩の方達には、本当に気の毒な天候です… 昨日も一日冷凍庫状態。予報通り−10℃以上になりませんでした。札幌がここまで寒いのは数十年振りとかいわれているけれど、ちょっとびっくりな寒さとなりました。
3時のアメダス

昨日は夜に、学会支部のプロジェクトである『北の造園遺産』の研究会がありました。メンバーは口々に寒かった〜と集まってきましたが、どこかに入るたびに眼鏡を拭かなければならないので大変とこぼしておりました。なるほど、私だけ眼鏡をかけていないので、そんな苦労があるのに気付きませんでした。
研究会

『北の造園遺産』は、これまで9次募集までやってきて、全道に30件の造園遺産を認定してきました。私が支部長時代に始めてから、もう10年も経った訳です。認定されるとけっこう話題になり、認知度も高まってきたように思います。
表紙

どうしても札幌や函館、小樽といった、歴史の古い地域に偏在する傾向はありますが、30件もあると地方部からも認定される箇所が増えてきて、「陽殖園」のように町を挙げて喜んでくれるところもありました。
陽殖園

今年度は第10次募集となり、今年もこれから募集を始め、3月一杯までの募集期間がありますので、ここにこんなものがあるよ〜という場合は是非コメント欄にでも連絡下さい。支部のHPにアップしたら、また連絡します

会議が終わって帰ろうとしたら、創成スクエアの前の木々にイルミネーションが取り付けられていました。雪まつりに来ている観光客も、寒さに震え上がりながら、町中をさまよい歩いていることでしょう。
ライトアップ

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