パネル展最終日

  • 2019.12.10 Tuesday
  • 05:52
昨日の朝はかなり冷え込みました。札幌の最低気温は−7.7℃だったので、標高の高いわが家の辺りだと−10℃くらい。どうりで顔が痛かったはずですが、面の皮はかなり厚いので、このくらいだと平気なのが悲しいところです… ところが今日は一転生暖かい風が吹き、同じウェアだと汗だくに。どうも今年は極端な天気が多いです。

いよいよパネル展も最終日。午前中の当番は初めての人なので、やり方が分からないだろうと、初めだけ付き合ってきました。前日の当番が、回りをきれいに囲ってあるのを片付けて、パネルや机を所定の位置まで広げなければならないのです。月曜の朝なので、職場に急ぐ人ばかり。足を止める人はほとんどおりませんでした。
閉鎖中

30分ほど付き合って、私は近くの事務所へ打合せに。せっかくここまで来たので、北玄関の脇にあるサーモン館のプレートを拝んできました。
サーモン館跡

この場所より少し東に、かつてこんな洒落たれんが造の建物がありました。王子サーモンの直売所が置かれていたので、王子サーモン館と呼ばれていたのですが、この街区の再開発の際に、保存の要望は端から蹴飛ばされ、あえなく解体されてしまったのです。周りに一皮だけうっすら木を植える程度のことしかやらないで、こんな巨大で殺風景な建物を建てるのですから、市の景観行政に関わった者としても悲しい限りです。
プレート

すぐ近くの仲通にある事務所の建物は、かつては長谷川洋行さんがやっていたNDA画廊があったところです。長谷川さんの奥様である森ヒロコさんの作品も好きだったので、ちょっと懐かしく感じました。ビルは建て替えられて昔の風情はありませんが、1階にはやはりギャラリーが。森さんのネコの銅版画作品は、縁あって我が家にもありますが、こんなゆるキャラではなく、もっとキリッとしています。
たぴお

打合せを終えて、市役所前でバスを待っていると、久しぶりに青空が出て日差しの眩しいこと。ビルに囲まれた時計台が精一杯輝いていて。思わずシャッターを切りました。こういう瞬間は、しっかりと切り取っておかないと、なかなか見ることはできないものです。
時計台

夕方には四人が集まってパネル展の撤収を。設営に比べれば、約半分の時間できれいに片付きました。会期中は毎日200人弱の方が訪れて、結構熱心にご覧いただいたようです。学会も引き籠もらないで、積極的にアピールする場を設けていく必要があります。設営や当番に当たった方々もお疲れさまでした〜
撤収

パネル展開始

  • 2019.12.08 Sunday
  • 05:48
いよいよ「未来に残したい! 北の造園遺産パネル展」が始まりました。9時前にパネルを積んで創世スクエアに。パネルが33枚あるので、どうやって止めるかが悩みましたが、足長の画鋲で下を抑え、上はガムテープで留める方式でなんとかなりました。とはいえパネルがねじれているものがあり、突然落ちるものがあったりと、冷や汗ものでしたが、予定どおり10時までに設置完了しました。
設置完了

車は1時間しか置けないので、事務所までとんぼ返り。鳥居前の交差点で信号待ちしていたら、前の車はなんと沖縄ナンバーでした。初めて見たナンバーでびっくりでしたが、ちゃんと冬タイヤはいているのかなぁ…冬道運転大丈夫かなぁ… なんて余計なことを考えてしまいましたが。
沖縄ナンバー

午前中は当番だったので、再びバスで会場へ。土曜日の朝は来場者が少なく、覗いていく方も1時間に20名前後でしたが、結構熱心にじっくり読んで、写真も撮っている方が結構おりました。質問してきたおばあちゃんは、菊水駅前に住んでいるのに、毎度町中には歩いてくるそう。若い頃とうさんと全道仕事で回ったので、懐かしいところがあるわぁ〜と嬉しそうでした。
パネル展

お隣さんは一日だけの出品で、万華鏡づくりやアレンジメント、オイルマッサージなど、みなさんの得意技を披露しておりました。
お隣さん

それほどお客さんも来ないので、知り合いに声かけて動員しないの?と聞いてみたら、そんなことしないわよ〜のんびりまったり時間過ごせればいいのよ〜なんですと。
プリザーブドフラワー

似顔絵描きさんは、ちょうど席を外してましたが、かなりの腕前でした。みなさんいろんな趣味を活かして有意義な時間を使っているので、男性はぼやぼやできないはずです。
似顔絵

夜は、滝野公園フラワーガイドボランティアのお疲れさま会。今年はいいところで二度もクマの出没による閉園があり、かなり腰砕けになってしまいましたが、それでも熱心にガイドや作業をやっていただき、本当にお疲れさまでした。
宴会

来年はガイド活動を始めて20年目。公園をとりまく環境はますます厳しくなっていくけれど、私たちの存在感を精一杯示せるような年にしたいです。来年もご期待下さい。

北の造園遺産パネル展

  • 2019.12.03 Tuesday
  • 06:00
昨日の雨で、雪がすっかり融けてしまいました。でもこれからどんどん気温が下がり続け、現在3℃くらいあるものが、夜中には-5℃以下まで下がる予報。雪も降ってくるので、本格的な冬景色になっていきそうです。
いよいよ今週の土曜日から、造園学会北海道支部で進めてきた『北の造園遺産』のパネル展が始まります。場所は札幌市民交流プラザ(創世スクエア内)の1階ロビーにある SCARTSモールというところ。7日から9日までの3日間です。

チラシ

この事業は、今から11年前の2009年に支部長を拝命してすぐに始めました。既に関東支部が始めていたのを見ていたので、やりたくて仕方がなかったのが正直なところ。以来ずっとこれを担当してきています。これまでの10年で32件の『北の造園遺産』を認定し、それをパネル化しているのですが、それを展示するのは支部大会と、道庁ロビーで展示する程度。あまり市民のみなさんの目に触れることがありませんでした。

全道マップ

10年間に認定されたものは、かなり地方部からも増えてきているので、全道地図もかなり埋まってきましたが、一番画期的なものが『陽殖園』でしょう。ちょうど陽殖園60周年の年だったので、武市さんに最高のプレゼントになりました。朝日新聞の道内板に大きく取り上げられたほか、全国紙のひと欄に取りあげられたのです。この時一緒に認定したのが、小樽にある中野植物園。こちらも大層喜んでくれて、推薦した私も嬉しかった。

陽殖園

研究会のメンバーが交代で当番に座っているほか、私は体の空いている時に行き来する形で見守っていこうと思います。同時に第11次の募集も始めています。パネル展には行けないという方も、こちらのページから見ていただきたいです。この3日間の間に、町中に来る機会がありましたら、どうぞ足をお運び下さい。

学会支部大会

  • 2019.10.06 Sunday
  • 06:00
昨日は造園学会の北海道支部大会がありました。今年の会場は北大農学部です。午前中いろいろと用事があったので、着いたのは昼近く。ポスター発表をあれこれ冷やかして、午後からの会場である大講堂に向かいました。
農学部には先日の集中講義などでよく行くけれど、2階以上に上がることはほとんどありません。中央階段から2階に上がると、右にはこの宮部金吾先生、左には南鷹次郎先生の胸像がありあります。2人は札幌農学校の二期生で、宮部先生は主に植物学、南先生は主に農学の開祖と成られた方です。この二体だけは白い大理石?なのはなぜだろう?
宮部金吾

3階に上がると、農学校の一期生で、後の校長、帝国大学になってからの初代総長になった佐藤昌介先生の胸像が。右側の額に入っているのは、札幌農学校のシンボルだそうです。今まで全然見たことがありませんでした。
佐藤昌介

左の胸像は3代目総長となった高岡熊雄先生で、佐藤先生とにらみを利かせているこの部屋は、1936(S11)年に行われた陸軍大演習の際には農学部が大本営となり、昭和天皇が指揮を執った場所だということです。
大本営

4回にある大講堂は、まだ誰も来ておりませんでした。学生時代にはここには来た記憶はなく、卒業してからの方がここを使うことが多くなりました。
大講堂

5階には中講堂というこぢんまりした講義室があり、ここには利用したことがありましたが、当然カギがかかっては入れません。昔はルーズだったので、ここから塔屋に上がったり屋上に出たりしていましたが、やはりカギがかかっておりました。
塔屋

今回の支部大会の目玉は、造園学会賞受賞の記念講演。今回は「事業・マネジメント部門」でガーデンアイランド北海道がめでたく受賞されました。学会賞を受賞すると、自動的に推薦委員になるらしく、推薦状が送られてきました。私は研究者ではないので、そちらは先生方に任せて、草の根でがんばっているものを推薦しようと考え、昨年暮れに推薦したものです。
学会賞

報告は事務局長の有山さんが行い、これまで16年間の取り組みをうまくまとめておりました。私はある事情で理事を降りているのですが、これからもしっかりサポートしていきたいと思っています。

北の造園遺産

  • 2019.02.09 Saturday
  • 05:58
今朝4時の気温は−12.7℃なので、この辺りだと−15℃くらいまで下がっているでしょうか。「運良く」寝坊したので今朝は走るのをあきらめましたが、新聞配達や犬の散歩の方達には、本当に気の毒な天候です… 昨日も一日冷凍庫状態。予報通り−10℃以上になりませんでした。札幌がここまで寒いのは数十年振りとかいわれているけれど、ちょっとびっくりな寒さとなりました。
3時のアメダス

昨日は夜に、学会支部のプロジェクトである『北の造園遺産』の研究会がありました。メンバーは口々に寒かった〜と集まってきましたが、どこかに入るたびに眼鏡を拭かなければならないので大変とこぼしておりました。なるほど、私だけ眼鏡をかけていないので、そんな苦労があるのに気付きませんでした。
研究会

『北の造園遺産』は、これまで9次募集までやってきて、全道に30件の造園遺産を認定してきました。私が支部長時代に始めてから、もう10年も経った訳です。認定されるとけっこう話題になり、認知度も高まってきたように思います。
表紙

どうしても札幌や函館、小樽といった、歴史の古い地域に偏在する傾向はありますが、30件もあると地方部からも認定される箇所が増えてきて、「陽殖園」のように町を挙げて喜んでくれるところもありました。
陽殖園

今年度は第10次募集となり、今年もこれから募集を始め、3月一杯までの募集期間がありますので、ここにこんなものがあるよ〜という場合は是非コメント欄にでも連絡下さい。支部のHPにアップしたら、また連絡します

会議が終わって帰ろうとしたら、創成スクエアの前の木々にイルミネーションが取り付けられていました。雪まつりに来ている観光客も、寒さに震え上がりながら、町中をさまよい歩いていることでしょう。
ライトアップ

圃場整備&支部大会

  • 2018.10.14 Sunday
  • 06:00
昨日の午前中は、北大の圃場整備。車を降りるとフェンスのナツヅタが真っ赤になっていました。この辺りでは、ナツヅタが紅葉の一番手です。
ナツヅタ

まだ霜が降りていないので、バラもまだ生き生きと咲いていました。この‘スプリング・コサージュ’は、昨年かなり枯れ込んだので、今年の枝は柔らかいのがたくさん吹いてきました。間引きする暇がなかったので、今年もまた傷みそうだなぁ…(>_<)
秋バラ

一株あるムラサキシキブは、2mを超す大株になっているけれど、木の下の日陰で場所が悪く、あんまり実が楽しめません。移植もできないし…と思っていたら、ちょうど空いているところに実生株が生えてきて、知らぬ間に実がたくさん成っていました。色付かないと気がつかないものです。
ムラサキシキブ

いつものメンバーがやってきて、芝刈りやら生垣の補修やら、芝生の除草や高木の枝払いなど、いろんな仕事をてきぱきとやっていきました。あと2回なので、作業自体も冬じまいに向けていかなければなりません。
作業

昼にいったん戻って着替えして、午後から造園学会の支部大会に。第4代支部長として、まだまだ学会には付き合っていかなければなりません。
支部大会

昨年武市さんを呼んだ時のような熱気はなかったものの、そこそこ人が集まってホッとしました。でもコンサルも施工業界も、そしてたくさんいるはずの役所の造園職も、全然といって出てこないのはなんなんでしょうねぇ… 『北の造園遺産』のパネルが、会場の回りに展示されていたけれど、誰も見てくれてませんでした。
パネル展

今回のテーマは、「積雪寒冷地域の都市公園における屋内遊戯施設の可能性」。面白くないかなぁ…とあまり期待していなかったけれど、結構面白かったです。公園だけでなく、ショッピングセンターや電気店の一角に設置されていたり、町中の空きビル対策で設置されたり、様々な部署が連携して子育て支援策として設置されたりと、ものすごく多様な空間が生まれているのです。遊具屋さんでは、売り上げの8割が室内向けになっているのだとか…
シンポジウム

懇親会は、いつもの中央食堂の2階。本部理事として参加された九大のF先生が、手土産に持って来て下さった球磨焼酎が美味しくて〜♪熊本のご出身とのことで、話が盛り上がってしまいました。普段業界の人と話すことがほとんどないので、こういう機会は本当に貴重です〜
球磨焼酎

造園懇話会

  • 2018.01.18 Thursday
  • 05:59
昨日は、造園関係の集まりである造園懇話会の新年の集い。この会は、今から60年近く昔に、造園にかかわる大学関係者、道や市の担当者、造園の施工や管理にかかわる民間業者、計画や設計にかかわるコンサル関係者などが一堂に集まる場として設けられ、細々ながら交流を深める場として続けられてきています。事業としては新年の集いと、夏に行われる現場の見学会、会誌の発行など。昨年行われた陽殖園のツアーも、この会が企画したものです。会誌に大きく報告がされておりました。楽しかったですねぇ〜♪
懇話会

事務的な総会が終わり、いよいよ乾杯の御発声を、というところで、指名された業界のご意見番Kさんから、きつ〜いお言葉が。数日前の新聞の投書欄に、真駒内公園に計画されているボールパーク構想に対する梅澤俊さんの反対意見があったことに触れ、この場所がたどってきた歴史的な経緯や、ここに道立公園を作った町村知事の思い、国策として無理やり作られた競技場やアイスアリーナなどのいきさつに触れ、いろいろと賛否はあるにせよ、造園にかかわる者として、もう一度しっかりとこの問題に対して議論を深めてほしいとの提言をいただきました。迷走を深めるBPに対して、造園学会からもしっかり意見出していかなければならないようです。
挨拶

普段造園関係者と接触する機会がほとんどないので、この会だけは若い頃から顔を出すようにしていました。いろんな所でお世話になっている方が多いので、こういう場は本当にありがたいものです。2時間があっという間に過ぎていきました。
会場

帰ろうとして道庁前で信号待ちしていると、暗闇に日本生命ビルと三井JPビルがくっきりと並んでいました。こうして見ていると、ビルのファサードはもちろんのこと、照明の色や明るさ、総体としての夜景の美しさはかなり違うものだと感じます。ススキノみたいにごちゃ混ぜになってしまえば、一つ一つの問題ではなくなってしまうけれど、単体としての存在感があるところでは、照明計画がいかに大切か、よ〜く分かりました。
夜景

それに対して、最近やたらと置かれているイルミネーションのたぐいの、なんとつまらないこと。回りの景観との調和なんか何も考えず、でかいおもちゃがただ置かれているだけと言ってもいいでしょう。夜景の質も、景観に関わる者としては無視できない時代になってきたようです。
イルミネーション

支部大会

  • 2017.10.08 Sunday
  • 06:34
昨日は造園学会の北海道支部大会。高橋武市さんをお迎えしての講演会があるので、張り切って北大に向かいました。天気予報では晴れだったのに、なんだか雲行きが怪しくなってきました。会場は農学部です。
支部大会

午前中は研究発表。興味のあるものをいくつか聞いて、昼前に札駅横のホテルへ急行。なんと姪の結婚式と重なっており、ちょうど12時から挙式だったので、それにだけ出席してきました。義弟のところは女三人なので、これから続くのかな。
結婚式

写真撮りを済ませて再び北大に戻り、武市さん達と打合せを片付けて4階の大講堂へ。会場の回りには、現在30件を認定している『北の造園遺産』のパネルがずらりと並んでいました。
パネル展示

午後の部の第一番は、私の造園学会賞受賞記念講演です。春の全国大会で、「札幌都心部再整備事業に関わる、造園からのデザイン監修」というテーマで学会賞をいただいてきました。これを冥土の土産にしないために、これからもしっかりとがんばっていこうと、あらためて思っております。
学会賞講演

その後は講演会ですが、初めに本部から来ていただいた小野先生から、「ランドスケープ遺産とは」というテーマで解説いただき、その次に私から、「北の造園遺産の取り組み」について報告させていただきました。
『北の造園遺産』

そうしていよいよ武市さんの登場。聞いてみるとこのような人前での講演はほとんどやったことがなく、道内では初めてとのこと。さすがに初めのうち緊張気味でしたが、だんだんいつものだじゃれも出始めて、とても意味深く楽しいお話を聞くことができました。
武市さん

例年の支部大会では、参加者が100名を越えることはなく、一応150席を用意したけれど、どれだけ来てくれるかな〜と思っていると、来るわ来るわ、補助席をどんどん出しても追いつかず、スタッフ入れると200名近くにまでなりました。その時の写真を撮し忘れましたが、支部大会始まって以来の大盛況。このブログを見てご来場いただいた方には、心よりお礼申し上げます。
会場

最後には、コテージガーデンの梅木さんと、高野ランドスケープの村田さんと私でのトークセッション。一番最後に私でないと聞けないなぁと「武市さん、あんた死んだら、陽殖園はどうすればいいのよ?」と。するとしばらくの沈黙のあと、「今までも自然に任せて植物の思うがままに育ててきたものだから、そのまま自然に任せておけばいいんでないかい〜」とのお言葉をいただきました。武市さんは150歳まで生きるらしいので、まだ折り返したばかりだからこんな心配はしなくてよさそうだけれど、いつまでもお元気でいてほしいです。
トークセッション

支部大会の案内

  • 2017.08.21 Monday
  • 05:58
例年10月第1週に行っている造園学会北海道支部の支部大会は、今年は10月7日(土)に実施されます。支部大会では、その年のテーマに沿って基調講演が設定されますが、演者は謝礼のかからない学会内部の人が起用されるのがほとんどです。一度だけ、私が支部長時代に環境省との共催で支部大会を行うことができたので、柳生真吾さんを呼んだことがありました。安いギャラでやって来てくれた真吾さんの心意気に感激したものでした。それ以来の外部からの演者は、なんと高橋武市さんです!!もう閉園になってるし、ほかならぬあんたの頼みだから、手弁当でも行ってやるよ〜と、あっさり引き受けてくれました。多分道内でも、武市さんの講演が行われるのは珍しいのではないでしょうか?
ついでながら、私の学会賞受賞講演も合わせて行われます。こちらはあんまり面白い話ではないので、お勧めできませんが…(^^;) これら一連の講演会は、入場無料です。

ポスター裏

今回の企画は私は無関係で、話を取り次いだだけでした。一昨年に陽殖園を『北の造園遺産』に推薦して第25号に認定されましたが、その時でさえ現地を見たことがあるのは。学会関係者では私くらいなもので、みなさん煙に包まれたような感じで認定が進みました。その後興味を持った支部長が現地を見に行き、その奔放さに感激して今回の企画に繋がった次第。私も武市さんの講演を聞くのは初めてなので、とても楽しみです♪
ポスター表

今回の支部大会では、メインが『北の造園遺産』なので、パネル展示も合わせて行われます。支部のHPからも見ることはできますが、普段は入れることのできない、レトロな農学部の建物の中で見るパネル展示もいいものですよ〜 近くになったらまた案内しますが、是非今から予定に入れておいていただきたいと思います。

造園学会賞

  • 2017.05.21 Sunday
  • 05:41
今年の造園学会は、日大の藤沢キャンパス。新宿から小田急線を乗り継いで一時間以上かかり、結構な遠さでした。この辺りまでくるとあちこちに農地が点在し、窓から見える風景もなんとなくのどかな感じがします。ここには生物資源科学部だけでなく,高校や中学まで併設されて、かなりの面積があるようです。
日大

大きく枝を広げているのはやはりケヤキですが、クスノキやオオシマザクラの巨木も点在し、歴史を感じさせます。北大もちまちま木を植えないで、もっと大きく育てることを考えればいいのにと、つくづく思います。
ケヤキ

全国大会に参加することは滅多にないのですが、今回はどうしても来なければなりませんでした。なんと造園学会賞を受賞してしまったのです。私のようななんでも屋は、それぞれを深く追求している訳ではないので、なんで挑戦してみないと?とよく聞かれるものの、研究部門、設計部門、技術部門ではどうにもならないと思ってました。ところが今回から新たに、事業・マネジメント部門が新設されたので、友人からの強い推薦を受けて応募してみることにしたのです。
受賞

テーマは「札幌都心部再整備事業に関わる、造園からのデザイン監修」、2003年から始まった駅前通・創成川通整備事業と北三条広場整備事業に、造園からどのように関わったのかという点を整理して、推薦文を友人とまとめてみました。なかなか結果が分からず、正式な通知がが来たのがGWの最中。短いながら一応受賞記念講演をやらなければならないので、このところ胃の病む毎日を過ごしてきました。
賞状

会場に淡路からTさんがやってきているので、なにしに来たん?と聞いたら、「なにゆうてんの。お祝いせにゃいかんから駆けつけたんやないの〜」とのこと。終了後のランチタイムには、さっそく友人と共に拉致されてしまい、昼間から祝杯を挙げることになりました〜(^。^;; 本当にありがたく、持つべきものは友達なりと、心底うれしく思った一日でした〜
祝杯

支部大会

  • 2016.10.02 Sunday
  • 06:28
昨日は造園学会の北海道支部大会。支部を作ってもう20年になりました。関東支部から独立した形での支部の結成時には、まだみんな若かったこともあり、いろんな意味で燃えていました。その間私も支部長をやったり、いろんな企画を作って盛り上げようと、柳生真吾さんの講演もやりました。今は若手も少しずつ増えてきて、小さな規模ながら楽しくやってきていると思います。昨年はちょうどガーデンショーの最終日とぶつかり、初めて支部大会を欠席したので、二年振りの大会となりました。会場の北大に行くと、正門に立派な看板も取り付けられていました。
正門

会場は文系の講堂で、初めて入ったところでした。二階のロビーには、『北の造園遺産』のパネルが展示。表紙を入れると26枚もあるので、なかなかの存在感があります。
遺産パネル

学会では口頭発表のほかに、ポスターセッションもあります。特に支部大会では、ランドスケープ系の学生によるセッションもあり、こちらを冷やかすのも結構面白いもの。いろんな発想があって面白かったです。学生さんだから周りのことをあまり知らないので、あそこに行けば参考になるよ〜とか、ちょこちょことアドバイスをしてあげました。
ポスター

メインのシンポジウムはインバウンド対策。自然公園だけでなく、滝野公園などでも急激に増えてきている外国からの観光客に対し、どのような対応をしていけばよいのかという点は、みんな頭を抱えているので、百名をはるかに超える入場者がありました。
インバウンド

三人のパネリストの中で、台湾出身のTさんの話がとっても面白かった。彼女は、かつて台湾から北大に留学して修士の学位を取り、いったん国に帰ったもののやっぱり北海道が好きでまた来日し、現在は道内の企業に就職してインバウンド対応の仕事をしています。外国人の目から見て。どんな対応をしてほしいのか、とても分かりやすかったのです。
スライド2

台湾から見ると、やはり北海道の魅力は抜群で、四季がはっきりしていて雪が降り、なんでも美味しいので、アジア圏の人達に共通して根強い人気があるのです。初めは団体旅行で来るけれど、二度目三度目は個人旅行にシフトしてきているのが現在の傾向で、その時に不快な思いをさせてはいけないと。海外旅行で言葉が通じないのは当たり前。そんなことは気にせず、暖かく接してもらえればそれが一番だとのことでした。言葉が通じないからと逃げていてはいけないのですね…(^^;)
スライド3

意外だったのは、最近流行の4カ国語表記は、かえって不親切なことがあるとのことでした。繁体字と簡体字の中間にある日本漢字は、どちらの国の方からもだいたい理解できるので、漢字と英語の表記で十分だというのです。もちろん危険なことの注意などはより詳しく表記が必要ですが、むしろ分かりやすいピクトサインを活用するとか、すっきりさせた方が却って分かりやすいのだそうです。
スライド1

そして何よりも大切なことは、そこに住んでいる人達が、その場所のことを本当に素晴らしいと感じていること。外から訪れる人は、それを一番感じるからこそ、また来たいと思えるのであって、一番耳に痛い言葉だったと思いまする
スライド4

ほかの二人のパネルも大変参考になり、とても有意義な時間を過ごすことができました。どこの施設でももう待ったなし。大至急で対応を考えていかなければならないようです。

『北の造園遺産』募集中

  • 2016.02.11 Thursday
  • 05:21
先週からランドスケープ遺産と『北の造園遺産』の候補募集を開始しました。日本造園学会では、全国各地に残されているランドスケープ遺産について、その目録(インベントリー)作りから、評価、保全、活用を図るべく、さまざまな活動を行っています。北海道支部では、私が支部長になった2009年から事業計画に組み込み、ランドスケープ遺産のリストアップを進めると共に、その中から特に優れているものを『北の造園遺産』に認定することにしました。

遺産分布
これまでの活動により、全道各地から160件あまりのランドスケープ遺産と、そのうちから25件の『北の造園遺産』が認定されました。どうしても歴史と蓄積の多い札幌、函館、小樽に集中のきらいがありますが、それでも少しずつ地方部からの推薦が増えてきています。

昨年は、滝上町の陽殖園と、小樽市にある中野植物園の2件を認定しました。これはどちらも私が推薦したもので、満を持してと言うか、格式張った立派なところだけでなく、地道にこつこつと長く活動しているところもぜひ入れておきたかったのでした。
陽殖園は「知る人ぞ知る」隠れた名園として、むしろ本州方面の方達に人気があります。確かに中学生の時からこつこつ一人で造り続けてきた訳ですから、『日本一変わっている花園』と謳うだけはありますから。
陽殖園

武市さんもこの認定はとても喜んでおられました。本当なら認定証を私が届けたかったのですが、なんとも時間を作ることができずに残念でした。でもいろんなところでうれしそうな笑顔が見られたので、推薦して本当によかったと思いました。
ハギの海

もう一つの中野植物園も、数年前から推薦のタイミングを見計らっていました。いろんな資料が集まってきたので、こちらも満を持してという感じになりました。入り口があまりに強烈なのと、中身とのギャップが激しいところが却って面白かったかもしれません。是非一度は訪れてみてほしいところです。
中野植物園

開設以来百年以上も、ずっと個人の手によって維持されてきた公園なんて、全国探してもなかなか見つからないと思います。園主の中野さんも、長年の苦労が報われた思いだと、とても喜んでいただいたのが印象的でした。入り口の軒裏に、認定証のコピーをちゃんと貼ってくれています。
遺産のパウチ

今回は第7次の募集となり、募集の要領や申込用紙はこちらから。意外と身近なところに隠れた「遺産」が残されているものです。どんなものでも結構ですので、遠慮なく情報を寄せていただければありがたいです。(この下にあるコメント欄でも結構です〜)

北の造園遺産

  • 2015.08.22 Saturday
  • 05:52
昨日の朝、新聞をめくっておおっ!と驚いてしまいました。道内版のトップに大きく「武市の庭、北の造園遺産に」との大見出しで、陽殖園が『北の造園遺産』第25号に認定されたことを伝えていたのです。お盆前に取材を受けたのでそろそろかなぁと思っていたところでした。

陽殖園

この記者は現在釧路勤務ですが、前任の北見時代によく来ていたとか。陽殖園のことはよく知っていたので話が早く、支部活動である『北の造園遺産』事業のことを詳しく聞いてくれました。ここまでしっかりと紹介されると、支部の担当運営委員としても鼻高々でありがたいことでした。

道新さんの記者は赴任したばかりで、陽殖園がどこにあるのかも知らないため、わりとあっさりとした記事がオホーツク版に載っていました。それでも認定証を掲げた武市さんのうれしそうなこと。庭を造り始めて60年目に当たる年なので、いいプレゼントになりました。
道新

第24号の「中野植物園」についても、道新の小樽・後志版で紹介されています。こちらも認定証を届けに行った日が、中野さんの78歳の誕生日に当たっていたため、とても喜んでくれました。新聞に出ていたこのお二人の笑顔が最高です。
中野植物園
画像

今回認定された二つは、どちらも私が推薦したものです。道内には、今でこそ私設のガーデンがあちこちに生まれて賑わっておりますが、この二つの庭園はそんな流れとは全く無縁なところにあり続けてきていました。こういうものになんとか光を当てたいと思っていましたが、中野植物園は昨年朝日新聞に紹介記事がでたことや、陽殖園は手がけ始めて今年が60周年の節目なので、いいチャンスとばかり推薦したものです。
認定を審査する選考委員会は、二人の北大名誉教授を初めとするしっかりした面々なので、推薦人としてもかなり緊張しましたが、めでたく認定されてホッとしました。今回の認定をどちらも本当に喜んでいただき、私としてもうれしさ百倍です。二人とも歳が歳だけに、長生きしていつまでもみなさんを楽しませてほしいものです。

陽殖園は今年は9月27日(日)が閉園日、特に9月のハギは見事ですよ〜中野植物園は積雪までで、ここは特にモミジが多いので紅葉が楽しみなところです。ぜひ足を運んでほしいです〜

『北の造園遺産』募集中

  • 2015.02.17 Tuesday
  • 05:56
現在『北の造園遺産』を募集しています。これは、日本造園学会北海道支部の事業の一つで、5年前に私が支部長をやっていた時に始めたものです。世界遺産や北海道遺産など、いろいろな着眼点から遺産を認定・顕彰する動きは年々活発になってきています。私たちはそんなに大それたものを始めようとした訳ではなく、身近なところにある庭園や公園、並木や緑地などのなかで、先人がどのような苦労をして造り上げたものなのか、どのような使い方をする中で、地域の中でどう活用されていたものなのか、そんな「造園的」なものを発掘していこうと考えたものです。

北の造園遺産

5年前からこれまでに毎年募集をし、応募されたものの中から審査の上、23件の『北の造園遺産』を認定してきました。段々数が増えてきたので、札幌や函館、小樽などの歴史のある都市の公園などだけでなく、地方にも少しずつ認定箇所が増えてきています。これらの中では、鉄道防雪林である深川林地や、ノシバが用いられている小樽カントリー倶楽部の旧コースなどは、いかにも造園資産という雰囲気を持っていると思っています。

配置図

応募の概要や募集方法などは北海道支部のHPに掲載されていますが、応募の対象は一応下記のようになっています。

北海道に現存し、造園・ランドスケープに関わる空間で、将来に向けての保全を検討すべき対象であり、公園や庭園、街路樹や並木、造園材料や造園の道具なども含まれます。
歴史的・文化的な遺産の場合においては年代を問いません。当初形態が変化していても、ランドスケープとして持続的に存続しているものを含みます。ただし、跡地となっていて営みが停止していたり、消滅しているものなどは含みません。
例えば、空間としては下記のようなものがあげられます。
・ デザインされたランドスケープ(公園、庭園、街路樹、並木道、ビオトープ、石組、など)
・ 生活や生業など広く人為によって生み出されたランドスケープ(棚田、防風林、屋敷林、田園景観など)
・ 時代を代表する行楽地や景勝地、眺望景観など
・ 自然的な遺産としては、特に人々の生活や諸活動との関わりにおいて維持・発展してきたものなどのほか、地域の風土を理解する上で大切なもの

身近なところにこんなにいい所がある!場合には、ぜひ応募ください。自分で応募するのが面倒であれば、このコメント欄を使ってご一報いただけれはば、私が代わりに書類を作りますので。よろしくお願いいたします〜

学会の見学会

  • 2014.10.06 Monday
  • 05:55
支部大会では、一年おきに東北支部との交流会を兼ねて、近郊の見どころを探訪する見学会を企画します。今回は東北支部の支部長をお迎えしての見学会なので、やはり目玉を入れようと小樽〜余市方面の企画としました。名付けて『北の海岸景観と造園遺産を巡る』。これまで23件の遺産を認定しているうち、小樽市内にある三件を中心に行程を組んでいます。

まず訪れたのは小樽市内中心部の小樽公園。約100年前に、札幌の中島公園や円山公園などと共に、「花園公園」の名で長岡安平の手により基本設計が行われた歴史ある公園です。
小樽公園
公園としてはやや荒れてしまっていますが、クリやミズナラなどの大木もあちこちにあり、古い碑がたくさんありますが、何を書いてあるのか説明がないので、さっぱり分からないのが残念。

次に行ったのは手宮公園。これも小樽公園と同じく1900(M33)年に開設された歴史ある公園で、小樽港の眺望が素晴らしいところです。坂の町らしく丘の斜面に作られているので、バスが上まで登ってくれず、やむなく麓から急坂を登っていく羽目に…
手宮公園
今はやたらとサクラが植えられていますが、もともとはクリの巨木が茂っていたところ。今でも名残の大木があるものの、先枯れしたものや枯れてしまったものなど、状態はあまりよくありません。それでもなんとか復活させようと、地元の方達がクリを播いて苗木を作り、あちこちに補植していました。このような地道な努力が必要なのです。
クリの木

それから国道5号を走って余市に。マッサンが始まって初めての日曜とあって、国道が渋滞しているかと思いきや、意外と空いていました。ところが目的地のニッカの駐車場が満杯で入れず、やむなく隣の道の駅に停めて歩いての入場になりました。
ニッカ
このあたりから人混みがひどくなり、工場見学も全然無理なので、私がポイントを解説しながら案内することに…何度も行っているので、このくらいの案内は大丈夫です。遠来のお客さんもいるので、やはり博物館の中にあるショットバーに案内し、シングルカスクを味わっていただきました。せっかく工場に来ているのなら、ここだけは外せませんからね。
バー
みなさん食前酒をクイッとあおり、頬を赤らめながら駅前の徳島屋旅館へ。看板犬がお迎えしてくれました。
看板犬
余市にいる娘がいつもお世話になっているので、是非ここの食事をと思ったのです。京都で修行しただけあって、本当に上品な味付けと丁寧な作りの食材が満載の松花堂弁当。これで千円ですからびっくりです。本当にごちそうさまでした。
弁当

その後小樽駅を経由して銭函の小樽カントリー倶楽部旧コースへ。ここはノシバの北限地でもあり、海岸に自生していたノシバをそのままコースに取り込んだ、道内では二番目に古い由緒あるゴルフ場です。ゴルフ場の原点ともいえる風景を留めている点で、わが国でも最も貴重なゴルフ場といえるでしょう。普段あまり触ったことのないノシバの感触を確かめていただきました。
日本芝

最後の訪問地は、石狩にあるハマナスの丘と海浜植物保護センター。石狩市のF氏の案内で、木道を一回りして状況を説明していただきました。この時期にはさすがに花はほとんどなかったものの、ハマナスの残り花が濃い赤に染まっていました。
石狩灯台
保護センターの裏にある砂丘に、最近設けられた展望台があり、若者たちが早速駆け上がっていました。この山に生えているものはすべてオオアワダチソウだし、回りはニセアカシアとイタチハギ、ギンドロ。ここでは外来種対策に頭を痛めていました。
高みの見物
終着の札幌駅北口に帰り着いたのは、予定ぴったりの17時。盛りだくさんの見学会となりましたが、参加者のみなさん大変お疲れ様でした。

学会の支部大会

  • 2014.10.05 Sunday
  • 05:59
昨日は造園学会の支部大会。年に一度の大イベントのため、支部長時代は本当に心身共にヘトヘトになるくらい大変でした。でも柳生真吾さんを呼んだり、結構面白い企画を立てて楽しい思い出にもなりました。その後は無役で気楽に参加していたのですが、今年は面倒な役目を仰せつかり、時間通りに会場へ。今年の会場は、確か5年ぶりで北大の農学部。この時にはポカポカ陽気だったので、一日天気がいいのかと思ったら、昼間はずっと雨降りになったのですね…建物の中にいたので気付きませんでしたが、途中から来られた方はびしょ濡れになっていました。
農学部

今年の役目は、学生が提出したポスター発表の審査。北大、室工大、北科大、市立大から10本の発表があり、それを新規性、論理性、表現力、質疑応答の四点について審査して採点し、その中から優秀作品2点を選出するものです。これが結構大変。この時点ではまだ卒論の途中なので、不完全な状態のままでの審査となることや、各学校での進捗状況の違いから、とても点数が付けにくいのです。10枚のポスターを熟読し、すべてをヒアリングしていくので、午前中ほとんどの時間を使ってしまいました。
パネル

午後からは4階の大講堂での総会とシンポジウム。ロビーには完成したばかりの『北の造園遺産』の新しいパネルが24枚展示されていました。やはり大型化して見やすくなり、画像も差し替えたので、とても見やすいパネルになりました。そのうちに、いろんな場所での展示を進めていこうと思います。
遺産パネル

シンポジウムは『再考:都市の緑の活用 子どもの遊び場の視点から』というテーマで行われました。かつてあった冒険遊び場や、現在各地で取り組まれているプレーパークの話題など、遊び場の話から始まりましたが、最終的には少子高齢化時代の公園のあり方や、子育て支援の意味を持つ公園空間の活用、さらには子供が住みやすい環境を整備することによって、出生率が3人にもなっているドイツの新しいまちづくりの例など、結構考えさせられる話ばかりでした。
シンポ

夜の部は懇親会。その冒頭で、審査の結果の発表と表彰式がありました。口頭発表の方は別の審査員が採点していたので、その講評と合わせての発表です。みなさんの自由は発想から選ばれたテーマだけに、極めて多彩かつユニークなものが多く、私たちの時代とは違うなぁと感心しました。短い期間にここまでまとめ上げた学生諸氏の努力は素晴らしいものがあります。支部長からの表彰状の授与があり、楽しい懇談の場に。みなさんお疲れ様でした〜
表彰式

名寄公園

  • 2014.09.14 Sunday
  • 06:34
上川の仕事の後、家には帰らずに名寄で一泊。まだ花のあるうちに、何カ所か回ってくることにしました。せっかく名寄に泊まったので、最初に向かったのは市内の名寄公園。公園自体はなんの変哲もない普通の公園ですが、この成り立ちがかなり特異なので、造園学会北海道支部で進めている『北の造園遺産』認定事業で、第22号の遺産に認定されたばかりでした。

北海道の開拓では、アメリカのタウンシップ制にならい、原野にあらかじめ区画を設定して計画的に道路や農地、防風林、市街地などを設定しています。これを殖民区画といって、まっすぐな道路や防風林が作り出す景観が、本州とは全く異なっている理由の一つです。ここ名寄では、1901(M34)年に市街地や周辺農地の区画が設定されている中に、巨大な公園予定地がありました。
殖民区画図
市街地の1/3以上もの公園があらかじめ確保されていたのです。その後市街地の形成や宗谷本線の延伸と共に、人口が増えるにつれ、公園の必要性が迫られてきたことを受け、当時の北海道帝国大学農学部園芸教室の星野教授に設計が依頼されています。今回の認定にあたり、この設計計画書が地元に保存されていることが分かり、この点でも大変貴重なものとなりました。
本文説明書
これを見ると、実際に計画書を作ったのは、助教授の前川徳次郎氏であることが分かります。前川先生は、この14年後に園芸教室から分家して花卉園芸と造園学を担当する園芸第二教室を作り、初代教授になった方で、私もその教室の卒業生になった訳です。

この計画書の中で、ここにあるミズナラ林が大変貴重であり、きちんと保全するように書かれています。平地にある森林は、開拓によってその当時でもどんどん失われていく中で、これを公園林として残すことが提案されていたのです。
ミズナラ林
その樹林は確かに素晴らしいものでした。樹齢2〜300年という立派な大木がかなり残されています。一応市の文化財の指定は受けているものの、地元の方はそんなに貴重なものとは思っていないでしょうが、今回の認定にあたり認定証を名寄市にお渡ししたことが地元紙や道新に大きく取り上げられ、少しは市民の目にも止まったことと思います。
文化財

広大な公園予定地は、戦前に農業高を作る際に大きく土地を割譲したので、規模はうんと狭くなってしまいました。今もその地には名寄産業高校名農キャンパス(名寄農業高校は、別の高校と統合されてこんな名前になっていました。)が置かれ、ミズナラ林の一部も高校用地に入っているので、この認定を機にその部分を、公園に取り戻そうという狙いもあるそうです。
ヒマワリ畑
 (名農キャンパスの畑から見たミズナラ林)

この公園を見ておきたかったもう一つの理由が、公園の一角に保存されているキマロキ編成。準鉄道記念物に指定されている貴重なものです。
キマロキ
北海道の鉄路を維持するには、「深川林地」のような鉄道防雪林も効果的ですが、毎日の除雪にはラッセル車やロータリー車が活躍しました。それでも線路が確保できないような大雪になると出動したのが、このキマロキ編成です。機関車のキ、線路脇の雪をかき集めるマックレー車のマ、その少し後から集められた雪を吹き飛ばすロータリー車のロ、それを後ろから押す機関車のキ、なのでキマロキ編成と呼ばれます。鉄道の町でもあった名寄では、多くのOBがこの編成を守っているので、最高の状態で維持されています。もっとじっくりと見たかったなぁ…(>_<)

緑林護鉄路

  • 2014.08.24 Sunday
  • 06:08
昨日はめまぐるしい天気。土砂降りになったりピーカンに晴れたり、一日走り回っていたので、運転も仕事も大変でした。
造園学会の北海道支部では、私が支部長時代に『北の造園遺産』認定事業をスタートし、以来ずっと私が担当してきています。今年で5年目となり、今回分を合わせて23件の造園遺産を認定してきました。HPでの公開だけでなく、パネルを作ってチ・カ・ホなどでも公開してきたのですが、どうも小さすぎて目立たないため、今回一回り大きなサイズに作り替えることになったのです。となると画質の粗いものでは拡大できないため、撮し直さなければならないものが出てきます。誰かに頼めるものはいいのですが、一つだけ頼めないものを昨日は写しに出かけました。
  位置図
場所は道北の剣淵町。宗谷本線の剣淵駅と北剣淵駅の間には、道内最大規模の鉄道防雪林が整備されています。これが『北の造園遺産』の第15号に認定されている「深川林地」です。この写真を撮す絶好のポイントが、北の端にある北剣淵駅付近。駅といっても板を貼った一両分のプラットホーム(?)があるだけなので、国鉄時代は乗降場と呼ばれていました。
北剣淵駅
この駅は、実はマニアの間では有名な秘境駅。一日に上下7本の各駅停車が止まるだけで、H4年の記録では一日の乗降客数2名になっているけれど、はたして今でも利用する人がいるのかしらん。近くに人家が3軒しかなく、そこに通学する子でもいれば利用するでしょうが。でも一応待合室も用意されています。冬の除雪はどうしているのでしょうねぇ?
待合所
なにも書いていないので、物置だか何か分かりません。そっと開けてみると、なんと布団や毛布が置かれているではありませんか!5年ほど前に初めて見た時には、こんなものなかったと思いますが。
内部
マンガやゲーム本、なぜか百科事典などが置かれ、要するにマニアがここで一晩泊まっていくのでしょう。JRもそれを認めているということなんですね。ここのホームの周りには真っ白い花がたくさん咲いていると思ったら、なんと滝野で見かけたエゾオオヤマハコベ(Stellaria radians)でした。とても清楚で、秘境駅にピッタリの花かもしれません。
エゾオオヤマハコベ

深川林地の「深川」は、地名ではなくこの防雪林の整備に命をかけた人の名前を取っています。南の端にある剣淵の町外れの線路際に、その由来と深川氏の業績を記念して建てられた碑がありました。何も標識がなく、Googleの航空写真で当たりを付けて探しに行ったら、ぴったりでした。
緑林護鉄路
「緑林護鉄路」と刻まれた碑の横に、この碑が建てられた1943年(S18)の趣意書の写しが掲げられています。深川冬至氏は、1926年(T15)から排水の悪い泥炭地への樹林の育成という、現在でも極めて困難な課題に立ち向かい、様々な研究や工夫により、植栽基盤の改良と適性を見極めた樹種の導入などによって成林に導いたのです。しかし過労のため1943年(S18)に帰らぬ人となったため、氏の功績を留めるためにこの防雪林を「深川林地」と命名して鉄道記念林に指定したのです。
趣意書
今でも関係者がお参りをしているようで、防雪林の中の小径は草刈りがされ、木チップが敷かれていました。入り口にあるちょっとした園地のようになっている広場の片隅に、カセンソウ(Inula salicina var. asiatica)がひとかたまり。ずいぶん久しぶりにお目にかかったような気がします。園芸植物としても十分通用する素敵な花ですが、まるで園芸植物が逃げ出した風情で咲いていました。
カセンソウ

支部大会

  • 2013.10.06 Sunday
  • 07:22
昨日は造園学会の支部大会。今年支部長が交代したので、私も前支部長からから元支部長に。久しぶりに無役になり、今回の支部大会は全く関わっていなかったので、かなり気楽になりました。正門を入ると、すっきりと晴れた青空に、エルムが映えていました。
エルム
今回の支部大会は、北大の学術交流会館で。ここで支部大会をやるのは、17回目にして初めてのことなんです。この時期週末には学会が目白押しなので、よく取れたものだと思います。
看板
今回のテーマは、「パークマネジメントのこれから」。今の仕事とも大きく絡む、とても大切なテーマです。
午前中は研究発表やポスターセッションなど。いろいろ興味深いテーマの発表があり、目からうろこが何枚も落ちて面白かったです。

昼に少し抜け出して圃場まで。中央ローンのせせらぎでは、カラスが行水してました。すぐに終わるのかと思ったら、結構念入りに何度も何度も浴びているので、カラスによって個性が違うのかもしれません。
カラス
圃場に行くと、先輩のYさんが作業に来てました。いつも小樽から通ってくるのですが、来週の定例日に来られないので、代わりに今日作業に来たんだと。ありがたいことです。ちょうど秋咲きのクロッカスである、クロッカス・プルケルスが咲いてきてました。春咲きのクロッカスにはない、透明感のある素敵な花です。
クロッカス
サンクンガーデンの修景に植えてあるバラも、キリッとしたいい感じに咲いてきていました。やはりこの時期のバラは、いい花を咲かせてくれます。
バラ

シンポジウムはとてもいい話が聞けました。これからの公園の管理について、最新事情を富山大学の金岡先生から提供して頂き、大学の講義以上に難しい話でもありましたが、これからの公園管理で必要になることが、おぼろげながらよく分かりました。なかなか大変ではありますが、単なる雪捨て場にならないよう、私たちもがんばらなければならないと思いました。
懇親会もとても盛り上がり、大成功に終わった支部大会だったと思います。事務局のみなさん、本当にお疲れさまでした。
懇親会

私が関係しているのはただ一つ、支部長時代に始めた『北の造園遺産』が今年20件になり、10月8日からチ・カ・ホでパネル展をやることに。
■10月8日(火)〜13日(日) 「北の造園遺産パネル展〜風景のタカラモノ」 
        <札幌市地下歩行空間北一条憩いの広場>
〜北の造園遺産、学生デザインワークショップ、北海道内のランドスケープ関連団体の事例・作品の展示〜
『北の造園遺産』
もしチ・カ・ホを通ることがあれば、是非立ち寄ってみて下さい。よろしくお願いいたします〜

支部大会

  • 2012.10.07 Sunday
  • 07:28
昨日は造園学会の支部大会でした。
2年前まで支部長をやりましたが、その後もやり残し仕事の後始末があるということで、もう一期副支部長を引き受けています。昨年大通公園などの百周年を契機に、冊子の作成と道新と組んでのシンポジウムをやり、今年は『北の造園遺産』のパネル化を行って、ようやく昨日でお披露目にこぎ着けました。
『北の造園遺産』

北海道は、開拓後の歴史は浅いものの、欧米文化の導入に関連して造成された公園・緑地など、本州以南とは雰囲気の異なるランドスケープ遺産が数多くあり、それらを確認・記録し、優れたものを顕彰する取り組みを行って来ています。
これまでに120件あまりの遺産候補を調査し、うち17件を『北の造園遺産』として認定しています。それらのパネル化がようやく完成し、昨日お披露目にこぎ着けたのです。
遺産

支部長の間はもちろん、その後二年間はいろいろと予定に追われていましたが、ようやく解放された今年は、研究発表やシンポジウムをじっくり聞くことができました。
懇親会のあと二次会にも行き、久しぶりにのんびりした時間を過ごせたのです。また新たな気持ちで、仕事に向かわなければなりません。
二次会

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