植物園の温室

  • 2020.01.27 Monday
  • 05:47
植物園配植図の中に、温室のあたりが切り貼りされているみたいです。現在の温室は3代目。1983(S58)年に建て替えられて公開されているので、それに合わせて図面を差し替えたものでしょう。

温室付近

初代温室は、もともと全日空ホテルの周辺にあった開拓使の苗圃の中に、ルイスベーマーによって建てられました。わが国初のガラス温室でしたが、隣にあった札幌農学校に取られてしまい、ベーマーはやむなく清華亭の裏に小さな花室(はなむろ)を建てて、苗の育苗や非耐寒性植物の越冬に使っていました。この温室は多分農学校の現在地への移転に合わせ、植物園内に移設されて、昭和の初めまであったようです。

1号2号温室

2代目の温室は1932(S7)年に廬(ろ) 貞吉氏の寄贈によって建てられ、1980(S50)年頃までありました。通路は狭かったけれど、まっすぐ伸びた廊下の右側にずらりと温室が並んでいて、ものすごくわくわく感がありました。私が持っている一番古いパンフレットには、その形状が遺されています。

配置図

そのパンフレットには当時の入園料が示されており、入園料が60円、温室が20円となっています。農学部の学生はタダだったのでお金を払ったことはありませんでしたが、こんなに安いんだとと思った記憶があります。当時は昼休みに近くのサラリーマンがたくさん入園して、芝生で昼寝をしていましたねぇ。その頃の入園者は確か15万人ほどあり、現在はその十分の一以下になってしまっているはずです。

入園料

先の図の温室の右端に、小さくカキと書かれているように(オレンジの枠)、温室の建て替えにもぎりぎり当たらず、このカキの木は生き延びてきました。形状からすると庄内柿のようですが、いつ誰が植えたのか、当時のことを知る人が生きているうちに、しっかりと聞いておけばよかったなぁ。
カキの木

現在は駐車場になっているところに、「マイクジャク」(赤い枠)と書かれていました。こんなところにハウチワカエデの‘舞孔雀’があったなんて。今度拡大図を持って。確認して歩いてみなければならないようです。(この舞孔雀は中島公園にあるものです。)

舞孔雀

植物園配植図

  • 2020.01.24 Friday
  • 05:43
事務所の打合せと書庫に使っている部屋に、植物園の配植図をパネルにしたものを掛けています。なんとなく絵としか見ていなかったけれど、そういえば昔データ化しておいたはずと、探してみると出てきました。A3版でスキャンできないので、4枚を切り貼りして作ったものです。
配置図

これは辻井先生が若い頃に、学生たちと測量しながら作ったものだとのこと。そのコピーをいただいたので、パネルにしておいたものです。きちんと真北を上にしているため、かなり傾いていることがよく分かります。札幌の町は、大友亀太郎が適当に掘った掘り割りを基準に造ったため、こんなに傾いてしまいました。

建物群

それはさておき、真ん中にある博物館は、ちゃんと南北軸に建てられていることが分かります。かつて博物館と植物園は別組織で、入り口の門の右側に植物園の、左側に博物館のプレートが付いていました。最初に造られた博物館の周りを植物園にしたという経緯から、博物館の方がえらい…みたいな雰囲気だったそうです。博物館周りの建物の位置関係が、今とはかなり違っているけれど、なにも書いていないのでよく分かりません。
現況

博物館のすぐ横に建物はなく、ちょっと下がったところにバチェラー記念館があります。これは道庁のすぐ裏にあったバチェラー邸を1962(S37)年に移築したということなので、既に現在地にあったはずですが。(この画像は修復前なので、外壁が傷んでおります。)
バチェラー記念館

南西の隅には、まだ園長官舎が残っています。植物園長は、宮部先生以降歴代の農業生物学科の教授が就任しており、ここに住んでいたということは、現在のようにたびたび代わっていなかったということなんでしょう。植物園は、初めからこの敷地になったのではなく、少しずつ時間をかけて、主として道庁から移管を受けて現在の姿になっていきました。ところがこの凹みだけは民地になっていて取得できなかったために、こんな変な形になってしまったのです。

園長官舎

現在建物は撤去されていますが、新しく作られた塀にもここに出入り口が付けられ、苗圃に出入りできるようになっています。バラ園から苗圃にかけては、秋咲きクロッカスが野生化しているので、10月第1週にはこんな光景が見られるので、是非覗いてほしいです。
クロッカス

植物園の温室(つづき)

  • 2019.12.06 Friday
  • 05:49
この時期は、植物の画像はなかなか見せられないので、もう少し紹介しておきます。真ん中の池にはオオオニバスが見当たらず、いつも咲いている熱帯スイレン(‘ディレクター GT ムーア’)だけが寂しそうに葉を広げていました。これも以前のような勢いがありません。植え替えなんかしてないんだろうな。
熱帯スイレン

窓際に変な果実を付けているのは、ソテツの仲間かな?とラベルを見ると、南アフリカ産のオオバシダソテツ(Stangeria eriopus)となっていました。確かに葉だけを見ればシダの仲間と間違えそうです。オーストラリアに近縁種があるので、ゴンドワナ大陸時代の生き残りかもしれません。
シダソテツ

恐ろしい棘のある木はトックリキワタ(Ceiba speciosa)。こんな恐ろしい木は、一度植えたら移植なんかできないでしょう。幹を囓られたくないから、こんな棘で武装するのでしょうか?
トックリキワタ

その横にある小さな木の花は、プルメリアによく似ていると思ったら、プルメリア・プディカ(Plumeria pudica)という低木性のプルメリアでした。時期が違うせいか、初めて見る花がずいぶんとあるような気がします。
プルメリア

木陰に地味な草があると思ったら、なんとグンネラでした。これと一緒に温室の隅に転がっていた株を、上川町長名の公文書を出してもらい、大雪森のガーデンに導入することができました。あちらは背丈よりも大きく育って結構話題になったのに、これじゃあんまりかわいそう。本来の環境に近い温室にある方が、いじけて小さいまんまというのも変な話ですが。
グンネラ

北側にはシダ室のみに緑があり、ここも生育地ごとに分けられたようですが、みんな似たような姿だから、何が変わったのかよく分かりませんが。壁際にポツンと鉢植えになっていたのがデンジソウ(Marsilea quadrifolia)。まるでクローバーですが、これもシダ植物です。ヨーロッパから日本まで広く自生があり、かつては水田雑草だったものが、最近では絶滅危惧種にもなっているそう。それにしても四つ葉の形ではなく、すき間の形から「田字草」と名付けるセンスはすごいです。
デンジソウ

かつてアナナスなどがあった真ん中の部屋は、研究紹介のパネルが並んでいて、ちょっと殺風景。大学付属の施設であることをアピールしたいのでしょうね。
パネル展示

一度外に出て向こうの温室に行くと、食虫植物と洋ランの部屋は変化がなかったけれど、一番奥の多肉植物室は、ずいぶんすっきりしていました。枝が落ちてきたらどうしようかと、ビクビクしていた棘だらけのヤブが整理され、まっすぐ向こうに行ける周回園路ができていました。あんな棘だらけの多肉を、がんばって整理してくれたのですね。目新しいものはなかったけれど、ラベルもしっかり付いて見やすくなってました。
多肉室

時期を変えていくと、初めて出会ったような花がたくさん見られて新鮮でした。公開される部屋が少なくなったのは寂しいけれど、この時期に楽しめる貴重な緑なので、目の保養になりました。

植物園の温室

  • 2019.12.05 Thursday
  • 05:52
町に用事があったので、その前に植物園の温室に寄ってみました。昨年9月の台風と地震でガラスが破損し、それからずっと閉鎖されていたので、2年振りになります。ゲートには現在の見どころがパウチされて掲示してあり、ずいぶんと親切になったものです。さすが大学付属の植物園、ちゃんと英語が併記されています。
見ごろ案内

お客さんは誰もいないようで、館内は静まりかえっていました。廊下に入ってびっくり。奥の部屋に行けないように、晒竹で垣根が作られていました。入ってすぐ左の部屋もずっと立ち入り禁止になっていたので、どんどん狭くなっていきます。
通せんぼ

右側の大部屋に入ると、かなり明るく感じました、あちこちに枝を伸ばしていたゴムノキやパキラなどが姿を消して、ベゴニア類やアナナス類が並べられています。あとで分かったのですが、ベゴニアやアナナスの部屋もパネル展示コーナーになっており、公開されているのは大部屋とシダ室だけになっていたのです。(別棟の3部屋は以前通りですが)
大温室

植物の配置がすっかり変わり、原産地ごとにまとめられていました。それはそれで分かりやすくていいのですが、日照や乾湿などの環境に関係なく置かれているので、ちょっと心配。ほとんどの鉢物が何年も植え替えられていないし、手をかける人がいなくなってしまったのでしょうか。入ってすぐ右側はアメリカ大陸産のコーナーで、プルメリアが花を咲かせていました。
プルメリア

その下で大きな花を咲かせているのは、ソランドラ(Solandra maxima)で、実物を見たのは初めてです。ウコンラッパバナ(鬱金ラッパ花)という和名が付いていましたが、変な和名より、ソランドラで通用するはずです。
ソランドラ

その左になつかしい花が。ヤナギトウワタ(Asclepias tuberosa)は、学生時代に圃場に行き始めた頃、ボーダー花壇に咲いていて、不思議な花だなぁと強い印象を持った花です。ちゃんと露地で育っていましたが、あれ以来他で見たことがありませんでした。温室植物だったんだ。
ヤナギトウワタ

入り口脇に初めて見た植物が。ラベルを見るとヤマゴボウ科のジュズサンゴ(Rivina humilis)だそうです。英名が baby peppers とか、bloodberry というのはなんとなく分かります。見た目はカーランツみたいで美味しそうだけど、ヤマゴボウ科ならきっと毒でしょう… こんなもの、今までどこに置いてあったのかなぁ?
ジュズサンゴ

もう一つ、初めて実物を見たものがテイキンザクラ(Jatropha integerrima)です。葉の形がバイオリンみたいだと「提琴桜」が和名になっているけれど、属名のヤトロファでも通じると思いますが。五弁のものになんでも○○桜と付けるのは止めてほしいです。
テイキンザクラ

いよいよ真っ白な世界に入ってしまうと、緑や花が見られる場所はありがたい。ここなら歩いても来られるので、この冬は目の保養に通わなくては。

府立植物園の温室

  • 2018.11.23 Friday
  • 06:00
今日は雪が積もったくらいで特に話題もなかったし、昨日湯の川の温室を見学した勢いで、府立植物園の温室も紹介しておきましょう。
ここの温室は特定の植物を集中的に集めているものではなく、きれいに花を飾っているわけでもなし、ベーシックなコレクションという感じでした。本州には大温室はあちこちにあるので、その中では地味に感じられるかもしれません。こういう温室では、動線を必ず一方通行にして、くまなく見られるようにしています。また、環境を分けなければ、うまく開花結実や生育にも影響が出てくるので、部屋を分けたり区切りを入れるなどの工夫が必要です。
観覧温室

入ってすぐ、よく目立つ真っ赤に色付いているヤシが、ボルネオ原産のショウジョウヤシ(猩々椰子)(Cyrtostachys renda)です。幹は緑色ですが、幹を包んでいる葉の軸の部分が真っ赤に色付くので、若い幹だけにすれば一層美しくなります。90年の花博の時に、咲くやこの花館の目玉の一つとして導入されたのが、我が国では最も早かったのでは?
ショウジョウヤシ

子供の頃、幹になっているカカオの黄色い果実を、ガンガン山刀で落としているのを、ガーナチョコのコマーシャルで見た記憶がありました。あんな風に木になるんだと、不思議な思いを子供ながらに持っていたのです。こうやって、幹から花が沸いてきて、そのうちの一つが大きな果実になっていくのですねぇ。間近に見たのは初めてでした。カカオは中央アメリカから南アメリカにかけての熱帯雨林に生え、幹の途中から幹生花(かんせいか)という花を房状に咲かせます。
カカオ

同じく幹生花で、丸い大きな果実をたくさん付けているのが、ホウガンノキ(Couroupita guianensis)。英名の cannonball tree を直訳したもので、これはピッタリの名前でしょうか。南米ガイアナが原産で、世界各地の熱帯地方に植えられているそうですが、砲丸ほどもある大きな実が、頭上から落ちてきたらとっても怖いです…
ホウガンノキ

枝から長〜く伸びた果柄(かへい)の先に、白瓜くらいの大きな果実がぶら下がっていました。右にはまだ小さなものも。どこかで見たことあるなぁと思ってラベルを見たら、アフリカバオバブ(Adansonia digitata)でした。星の王子様に出てくる、何千年も生きる神秘な木が、こうやって間近に見られるなんてと、ちょっと感激でした。
バオバブ

サボテン室の真ん中に、1mくらい石積みして井戸のようになった中に、我が国では『奇想天外』と呼ばれるウェルウェッチア(Welwitschia mirabilis)が植えられていました。この名前は多肉植物名として名付けられたもので、多肉の世界は、奇抜な名前ばかり付けられています。アフリカ南部のナミブ砂漠に自生する、1科1属1種の希少な植物で、裸子植物のため、松笠みたいな果実が着くのだそう。何千年も生きる大変長命な植物なのに、一対の葉しか伸ばさず、延々と葉を伸ばし続けるという不思議な性質があります。この株はもう50年近く生きているようだけど、せいぜいこのくらいの大きさしかありません。
奇想天外

出口に近いところに、鉢に植えられた、かわいいツバキの仲間がありました。花は全くツバキだけれど、葉はずいぶん雰囲気が違います。ラベルを見ると、カメリア・アンブレクシカウリス(Camellia amplexicaulis)という、ベトナム原産のツバキでした。種小名は「茎を抱く」という意味だけど、葉は素直に着いているしなぁ…?でもきりっとして、かわいい花でした。
カメリア

こういう熱帯産の植物は、かつてはここでしか見られないと人気があったけれど、ハワイだグァムだと海外旅行にどんどん行き始めると、珍しい存在ではなくなってしまいました。室内が暖かくなり、こういう植物を身近に置くことも可能になっています。アジア系のインバウンドにとっては、全然珍しいものではないので、観光の面からもインパクトがなくなり、熱帯系の温室はますます衰退していくことでしょう。そうなると、このようなベーシックなコレクションくらいしか、生き残るのは難しいのかもしれません。

湯の川 熱帯植物園

  • 2018.11.22 Thursday
  • 05:50
札幌は真っ白に雪が積もったようですが、函館にもうっすらとですが積もっていました。函館は昨冬に史上最高の降雪量があり、都市機能がパンク寸前になっただけに、みなさんドキッとしたことでしょう。でもその後は日差しがあったので、どんどん融けていきました。
初雪

午前中は、湯の川にある熱帯植物園を見学してきました。ここの目玉はなんといっても温泉入浴猿ですが、ずっと入りっぱなしにすると毛が抜けてしまい、余計かわいそうなことになるので、お湯が入るのは12月になってからなんだそうです。このため、ふさふさとした毛に包まれて、暖かそうでした。
サル山

この熱帯植物園ができたのは、1970(S45)年なので、まもなく50年にもなります。当初はここにある湯の川温泉の源泉から引き湯して暖めていましたが、現在ではいろいろ問題があり、ボイラーを焚いて暖めているそうです。老朽化も著しいので、そろそろリニューアルの検討を始めないといけないようです。
熱帯植物園

ここに植えられている植物は、館の名前の通り熱帯系の植物が中心で、道内では今や貴重な存在です。それだけに、室温を維持するための費用も、かなりのものになってしまうでしょう。入り口には、株分けされたり増えすぎたものが小鉢に分けられ、一鉢百円程度で売られていました。どうせ捨ててしまうものならば、手間の方がかかるかもしれないけれど、このような心遣いはうれしい取り組みだと思います。
苗の売り場

以前来た時に見事な花を咲かせていたクンシランは、すっかり小さな株に分けられて、しかもなんだか元気がありません。これでは今年の花もあまり期待できないでしょう。こうなると回復には時間がかかりそうです。
クンシラン

小さなステージの両脇に植えられているエンゼルストランペットは、花後に一度切り戻され、吹いてきた芽にたくさんのつぼみが着いてきました。12月のイベント時には、たくさんの花がぶら下がっているそうです。
エンゼルストランペット

木立の中に珍しい実が成っていました。ピンポンの木(Sterculia monosperma)という、アオギリ科の植物で、実が成っているのを初めて見ました。そんなにたくさんは成らないけれど、今年はたった一つだけだそうです。白い実ならともかく、黒い実にピンポンと付けられてもねぇ…と思って調べて見ると、原産地の一つ中国では「蘋婆」といい、音が「ピンポー」なんだとか。ピンポーノキでは貧乏に聞こえそうなので、ピンポンの木としたとか。うーーん。
ピンポンの木

2mくらい伸びた枝先に、真っ赤な花を咲かせているのが、「ナンヨウザクラ」として流通しているヤトロファ・インテゲリマ(Jatropha integerrima)という、西インド諸島原産のトウダイグサ科の植物。葉の形がバイオリンに似ているので、和名はテイキンザクラ(提琴桜)というのも苦しいですねぇ… 五弁の花に○○ザクラと名付けるのは、ちょっと止めてほしいです。
南洋桜

今や貴重な熱帯植物の温室。案内いただいた園長さん以下、苦労しながらとても熱心な管理を続けてこられた様子が窺えました。リニューアルするとしても、どのようにこれらを活かしていくのかが課題になるでしょうねぇ…

京都植物園の花壇

  • 2018.11.17 Saturday
  • 06:00
広い植物園の中には、あちこちに花壇が設けられており、11月だというのに、どれももりもりに花が咲いていました。正門を入ってすぐの所には、長方形の大きな花壇が二つあります。手前の花壇は赤・オレンジ・黄色のホットカラー。中央のカンナは、まだもりもりと花を咲かせていました。その手前のオレンジ色の花は、チトニア(メキシコヒマワリ)で、黄色いアフリカンマリーゴールド、真っ赤なジニアと続きます。
入り口花壇

その次の花壇は、サルビア・レウカンサ(メキシカン・ブッシュセージ)の紫に、クリームイエローのアフリカンマリーゴールドが強烈な補色関係。手前のオレンジはフレンチマリーゴールドです。その彩りに目を奪われてしまい、ふと見上げた木に成っているのが、パパイヤなのにびっくり仰天。なんと、パパイヤを花壇に植えるなんて!北山門の近くにもたくさん植えられていたけれど、まさかこのまま冬は越せないよなぁ…(^^;)
パパイヤ花壇

鑑賞温室の前には、やや小振りで不整形の花壇が二つあり、オフィシャルパートナーとしてタキイ種苗の看板が立っていました。締結したのはちょうど4年前と新しく、意外と遅かったんだなぁという気がしました。昔は役所と民間企業が提携するなんて、とんでもないという雰囲気があったのでしょうねぇ…
タキイ花壇

温室が10時からだったので、大芝生地を横切って、菊の展示を見に行くと、その前には菊人形ならぬ、菊のネコバスが飾られていました。もちろん根付きの株を植え込んで誘引し、一斉に花を咲かせるのですから、大変な手間がかかっているはずです。でも、菊を見に来るじじばばに見せるのではなく、もっと目立つ場所に置いてやればと思ってしまいました〜(笑)
ネコバス

菊を見てから南側の洋風庭園に入っていくと、コスモスが見事に育っていました。どう見ても滝野公園のコスモスの二倍はありそうな大きな花で、同じタネでもこんなに違うものなのか、タキイのタネだからなんでしょうか?クサントスとおぼしき黄花コスモスも、ずいぶんと色が濃かったです。せっせと花ガラを摘んでいる方たちは、みなさんボランティアで、百人以上いるそうです。
コスモス

その奥には沈床花壇があり、真ん中には噴水がありました。ちょうど保育園のちびちゃんたちが、何班もやって来てましたが、噴水を怖がってぎゃん泣きしている子供が何人も。うちの孫たちなら飛び込んで行きそうだけどなぁ…なんてにやにやしてしまいました。左に見える痛々しいヒマラヤシダーも、台風によって幹や枝を折られてしまったもので、一番南側にあるこの辺りが特に風を受けて、被害が甚大でした。
噴水

それにしても、ここにも植えられているカンナの素晴らしいこと。関西以南なら地植えで冬を越せるので、根張りがしっかりしているから、これほど力強く咲いているのでしょうか。足元にはフレンチマリーゴールドやジニアが、まだもりもりに咲いているけれど、あまりにも季節感が違うので、頭がくらくらしてしまいました。
カンナ

この植物園は、保有植物種数が日本一と、世界中から様々な希少種も導入展示している一方で、このような花壇修景でも来園者の心をしっかりつかんでいます。入園料が200円なんて、今どき信じられない価格でもあり、本当に身近な存在であることがうらやましい限りです。

府立植物園の花

  • 2018.11.16 Friday
  • 06:00
京都府立植物園は、公立の植物園としては最も古い歴史を持っており、5年後には開設百年を迎えることになります。(大学付属には、江戸時代から続く東大の小石川植物園や、札幌農学校が造った北大の植物園などがあります) これまで3回くらい行ったことがあるけれど、あまりにも見どころが多くて、毎度回りきれません。今回は11月ということもあり、あまり期待はしていなかった割には、さすが!!と脱帽するところが多々ありました。魅力的な植物たちを、何回かに分けて紹介することにしましょう。

この時期なので、紅葉には期待していました。大阪方面は、夏の台風による塩害で葉がみんな傷んでしまい、あまりきれいではないとのことでしたが、京都までは塩も来ていないだろうと思っていたのです。ところがまだ少し早いのか、園内のモミジはようやく色付き始めたくらいで、池の回りのイロハモミジが、それなりの風情を見せてくれました。やはりイロハでないと繊細な雰囲気にはならないものですねぇ。
イロハモミジ

池の回りは桜の見本園になっていて、その中に秋に開花する桜が集められている一角が。これは一番たくさん咲いていたシキザクラ(四季桜)(Cerasus × subhirtella ‘Semperflorens’)。四季といっても春と秋の2回咲きで、エドヒガンとマメザクラの交雑によって作られたものだとか。近くには、同じ二季咲きのジュウガツザクラ(十月桜)やコブクザクラ(子福桜)があるので、この一角だけが賑わっていました。
四季桜

その奥に水車があり、サザンカが咲き始めていました。その足元にシクラメンの花があり、ヘデリフォリウムかと思ったら、普通のシクラメンほどもある大きな葉を持っています。ラベルを探すと、シクラメン・アフリカヌム(Cyclamen africanum)とあり、アルジェリアの地中海岸が原産だとか。北海道では越冬できないのかなぁ…?
シクラメン

その奥の「四季 彩の丘」というロックガーデン風のエリアにも、まだまだたくさんの花が咲いていました。その中で感激したのが、このラパゲリア・ロゼア(Lapageria rosea)。チリの国花のため、英名はChilean bell flower となっており、和名はツバキカヅラだそうです。これを見たのはもう30年近く前、チェルシーの温室の片隅に一輪だけ咲いているのを見つけ、感激して以来のご対面でした。
ラパジュリア

その近くでは、なんとスノードロップが咲き始めていて、いくらなんでも早くないかい!と、思わずつぶやいてしまいました。札幌だって、まだ雪が降っていないのに。
スノードロップ

大阪からの移動中、屋根にブルーシートがかかっているお宅がまだたくさんあるのにビックリでした。修理の手が間に合わないのでしょうか。京都は内陸なので、そんなに被害はなかったのかと思いきや、あちこちで倒木や、幹や枝を折られた木がたくさんあるのです。来園者に聞いてみると、倒木だけで200本近くあり、どこもかしこもスカスカになってしもてるんよ〜とのことでした。
倒木

北山門(口ではなく門というところが、いかにも京都らしい!)近くには、ベンチの後ろにイチゴノキ(Arbutus unedo)がずらり植えられ、満開の花と、いろんな熟れ方をしている果実が見られて面白かった。ツツジ科というより、ヤマモモの親戚のような果実で、見た目は美味しそうだけれど、種小名の unedo は「一回食べる」との意で、一回食べればもう食べたいとは思わないところからだとか。
イチゴノキ

園内では、ウェディングの写真撮りをしているカップルに3組会ったけれど、みなさん和服でした。確かに紅葉にしろ竹林にしろ、和服の方が似合いますからねぇ。電車に和服のカップルが普通に乗っていたり、あの市長の努力が実を結びつつあるのでしょうか。
竹林

温室再び

  • 2018.03.20 Tuesday
  • 05:53
道庁周辺で会議のある時には、事務所から札駅行きのバスに乗り、西7丁目で下りるとすぐなのでとても便利です。今年北1条通は渋滞がほとんどなく、毎度すいすい走れるので早く着きすぎてしまい、植物園温室でちょこっと時間つぶしができるのです。先週も20分ほどの駆け足でしたが、前回から変化のあるものをさっと見てきました。

花や実が付かないと、なかなか気付かないものだぁと毎度思ってしまいます。入ってすぐの所に、ミラクルフルーツ(Synsepalum dulcificum)が少しですが実っていました。これ自体は全然甘くないけれど、これを食べてから他のものを食べるととても甘くなるのだそう。一度やってみたいと思っているけれど、他に食べるものがなかったので断念しました…(>_<)
ミラクルフルーツ

ちょうどマンゴー(Mangifera indica)が花盛り。その昔沖縄に材料仕入れに行った時に、あちこちの庭先にあるマンゴーにみんな網がかかっているので、通る人が盗んでいくの?と聞いたら、夜にコウモリがやってきて食べてしまうんだよ〜と聞きました。開花はだいたい冬なので、ミツバチよりもハエなどの方が効果的なんだとか。ハウス栽培では、中に魚のアラを放り込んでおくと、銀バエがたくさんやって来て効果的に受粉できるそうです…(^^;)
マンゴー

シチヘンゲ(七変化)の和名があるランタナ(Lantana camara)が咲き始め。開花して間もないうちはカロテノイド色素で黄色っぽく、日が経つに連れてアントシアン色素が増えてきて、赤紫色になっていきます。受粉済みの花は色が変わって昆虫には見えにくくなる変化もあり(例えばウコンウツギ)、単に時間の経過による変化なのか、いまだはっきりとは分かっていないとありました。
ランタナ

独特の大きな花が咲く、ツユクサ科のコクリオステマ(Cochliostema odoratissimum)も咲き始めているので、しばらく楽しめそうです。
コクリオステマ

奥の部屋では派手なエリスリナの花が。本当に花が咲かないと気付かないものです。和名はカイコウズ(海紅豆)(Erythrina crista-galli)だけれど、普通はアメリカデイゴと呼ばれます。四国や九州ではよく植えられ、南アメリカ原産だけど、鹿児島県の県木になっているそうです。
エリスリナ

南側の3部屋は相変わらず寂しいもの。見るものがないので、モウセンゴケの粘液をどアップに接写してみました。いつも何かくっつけてやりたいと思うのですが、小バエも飛んでおりませんでした。
モウセンゴケ

ピンギクラ(ムシトリスミレ類)の花もほとんど終わってました。この葉のどこに虫を捕るほどの粘液があるのか、触ってみてもさらさらだし、虫を捕らない種類もあるのかなぁ…?
ピンギキュラ

ネペンテス(ウツボカズラ類)の捕虫袋は、ほとんど干からびていて、寂しい限り。むしろ隣の部屋で裂いているパフィオペディルムの花の方が食虫植物らしく感じます。
パフィオ

夜明けもぐんと早くなったし、昼間の日差しが強くなっても、木々が芽吹くまでにはもう一息。本州以南の花の便りが本当にうらやましくなる日々ですが、こんな息抜きをやりながら乗り切りたいです〜

植物園温室再び

  • 2018.03.01 Thursday
  • 05:57
今朝は久しぶりに暖かかったです。このところずっと−10℃前後の、顔が痛くなるほどの低温が続いていたけれど、プラスになったかのような生暖かい風が吹いていました。これから道内は大荒れになる予報ですが、各地に被害がないことを祈りたいです。

一昨日町に出かけた時、バスがすいすい走って道庁に早く着きすぎたので、時間つぶしに植物園の温室を駆け足で見てきました。2月初めに見たばかりだったので、何か違う花が咲いているかなと見ていくと、いかにもキツネノマゴ科の植物である、サンケジア・スペキオーサ(Sanchezia speciosa)というものでした。ペルーからエクアドルにかけて自生しているとのこと。ジャングルで見つけた時に、美しいと思ったからスペキオーサ(美しい)という種小名が与えられたのですから、改良されていない素顔の美しさのままなんでしょう。大柄すぎて鉢物には難しいので、出回らないのかもしれません。
サンケジア

相変わらず咲き続けている熱帯スイレンの前では、コンロンカ(Mussaenda frondosa)がひらひらと白く色付いた葉を広げていました。「ハンカチの花」という別名があるほどです。昔は花屋さんに売られていたけれど、最近はどうなんだろう?
コンロンカ

奥の部屋ではダンドク(檀特)(Canna indica)が咲いてました。カンナの原種となった植物で、もともとは熱帯アメリカの原産ですが、コロンブスがいち早くタバコなどと共に持ち出して広めたものだそうです。インドなどアジアの熱帯各地に広まっていたので、誤認して種小名も indica になったのかな。ダンドク(檀特)とはなんだろう?と牧野図鑑を見ると、「梵語であろう」とありました。中国名は「美人蕉」なので、誰がどんな意味で梵語の名前を付けたのでしょうね?
ダンドク

花もなにも咲いていない鉢物に、サキシマスオウノキというラベルが。板根(ばんこん)で有名な木だけど、こんな小さなうちからそれらしく根を張ろうとしているようです
サキシマスオウノキ

ネットから借用してきましたが(m(__)m)、西表島に行けばこんな木が見られるのですから、一度は見てみたいですねぇ。
  サキシマスオウノキ3

ハイビスカスもいくつか咲いていましたが、鉢物で邪魔して奥に入っていけないので、間近に見られたのはこれだけでした。‘綾姫’という品種名がついていたけれど、鉢物として売られていたものかな?開いた時はかなり白く、日を追って色が濃くなっていくようです。
綾姫

奥の食虫植物質は、管理がよくないのかネペンテスの捕虫袋がほとんど干からびていました。もったいないなぁ。真ん中のラン室も、ただあるものを置いているだけで、ほとんどが‘○○○の一種’という、札落ち品ばかり。なんだかわびしくなってきます。
シンビ

珍しく種小名まで付いていたのがセロジネ・クリスタータ(Coelogyne cristata)。ヒマラヤからベトナムの奥地にかけて自生している着生ランだそうです。
セロジネ

館内には私以外に一人も来ていなくて、受付の職員に聞くと、雪祭りが終わると外国人や観光客もあまり来なくなるんですよね〜とのこと。この内容では地元の人も見に来ないだろうし、せっかくの施設がなんとももったいなく感じてしまいます。

植物園温室

  • 2018.02.06 Tuesday
  • 05:46
土曜日には、かなり駆け足で植物園の温室を見てきました。土曜日は10時から12時まで2時間しか入ることができません。けっこうぎりぎりで飛び込むと、観光客が数組入っていました。地元の人はまずいないです。今回のお目当てはタベブイア(イペー)。昨年は1月末でまだつぼみだったので、ちょうど咲いてるかな?とまっすぐ近寄ると、ばっちり満開になっていました。鉢替えもしていないので、ようやく1つ花を咲かせるのが精一杯という風情。本当に気の毒です。鮮やかな黄色の花は国花だけあって、ユニフォームはこの花の色に合わせているのでしょう。
タベブイア

あんまり花が咲いているものがなく、窓際でブルンフェルシア(ニオイバンマツリ)(Brunfelsia australis)が次々と花を咲かせている程度。珍しいナス科の低木で、花が咲いた時には紫色で、日が経つにつれて薄くなり、やがて真っ白になっていきます。最近鉢物で売られているのかなぁ?全然見かけなくなりましたが。
ブルンフェルシア

シダ室の入り口に、グンネラの鉢物が2株置かれていました。一昨年株を掘り上げた時に、大株は滝野公園と動物園にもらわれ、小さな株がポットのまんま放置されていたので、上川町から移譲願いを出してもらいました。首尾よく許可が出たので、今年は森のガーデンに植える予定ですが、温室育ちになっているので、いつ持っていけばよいか悩んでしまいます。風邪引かせないようにするには、かなり暑くならないと難しいかも…(>_<) うまく定着できれば、我が国最北の株になるはずですが。
グンネラ

奥の部屋では、パボニア(Pavonia intermedia)がちらほら咲いていました。和名はヤノネボンテンカというのですが、梵天に似ているといわれても、どんなものだか分からないんですけど…
パボニア

同じくアオイ科の小低木であるアブチロン(Abutilon megapotamicum)。和名ウキツリボク(浮釣木)もあまり使われない名前かも。花はとてもかわいいけれど、とにかくオンシツコナジラミがつきやすいので、あまりいい印象がありません。
アブチロン

食虫植物コーナーはなんだか干からびたものばかりで、ちゃんと灌水してるのかなぁ?真ん中のラン室もほとんど花がなく、大輪トキソウが唯一たくさんの花を咲かせていました。隣のご主人が、秋にせっせと花壇に植え込んでいるので、なにやってんの?と聞いたら、チューリップみたいに春に咲くんでしょ!!安かったからたくさん買ってきたのよ〜といわれて真っ青に…)^o^( これを見るといつもそのことを思い出してしまいます。
大輪トキソウ

一番奥の多肉植物室に入ると、改装されて周遊できるようになっていました。よくも棘だらけの株ばかりなのに、これだけ移植とかできたものです。狭い通路で人とすれ違おうとすると、とっても危険だったので、周遊園路になったのはとてもいいことです。
改装前 改装後

通称金の成る木(正式名フチベニベンケイ(縁紅弁慶))(Crassula portulacea)は、一時のブームは去ったけれど、まだあちこちで大株になっている鉢物を見かけます。こんなに丈夫でよく増えるものもないですからねぇ。花は満開を過ぎて少しピンクがかっていましたが、株元をよく見ると巨大な幹が横たわっていました。
クラッスラ

町中の散歩

  • 2017.09.11 Monday
  • 06:10
昨日は町中にあちこち用事があったので、自転車こいで出掛けました。日向にいると暑く感じますが、日陰に入るとひんやりする、この時期特有の清々しい陽気でした。ちょっと時間調整に植物園に寄ってみると、温室の入口でフランクリニアがたくさん花を開いていました。
フランクリニア

温室の担当が変わったので、どんな風になっているのかと思ったら、どこの部屋もかなり殺風景に… この壁にはビカクシダがもりもり育っていたのに、一体どこに行ってしまったのでしょう…? 木性シダのマルハチは、水やりを忘れたのか立ち枯れしたまんま放置されているし、あまりの変貌振りにがっかりしました。
シダ室

高山植物が植えられているロックガーデンは、この時期の花はほんのわずかで、唯一目を惹いたのがアクシバの真っ赤な果実です。これは一斉に花が咲いて実がなるのではなく、かなり時間をかけて次々と赤くなっていくようです。
アクシバ

せっかく駅前通まで来たので、北3条広場のイチョウの様子を見てきました。南側の木はビルの影になっていたのでもともと成長が悪く、しかも病気に冒されて弱っている木が多く、ずっと心配していましたが、新梢の伸びに勢いがついてきたので、ようやく安心できそうです。
元気なイチョウ

これに対して元気のよかった北側の木のうち、何本かがほとんど枝を伸ばしていないのにびっくり。何が原因なのでしょうか、ちょっと心配です。
元気のないイチョウ

道庁の北側に移転した斗南病院の回りは、ボランティア団体の「ときめき倶楽部」のみなさんが花を植えて管理していると聞きていました。時々車の中からは見ていたのですが、間近でじっくり見たことがありませんでした。(注:横のコンテナはそのようですが、この植えます部分は、ときめき倶楽部さんの管理ではないようです。)
斗南病院

東側の植えますはリシマキアが植えられていただけだったのに、大きなプランターがランダムに配置され、花がもりもり咲いています。かなりこまめに管理されているようで、花がらもなくみんな元気に育っています。こういう場所が少しずつ増えてきているのは、本当にうれしいものです♪
ときめき倶楽部

北5条通を走っていると、隣がなんか賑やかなので寄ってみたら、北4条のミニ大通で、「お散歩まつり」が開かれていました。あちこちの駐車場にはいろんな店が出たりステージまで設けられていて、かなりの賑わいでした。普段はひっそりとした場所で、始まりの頃は数軒の店が集まってやり始めたと聞いていましたが、こんなに人出のあるイベントになったのですね。
お散歩まつり

真夏の植物園

  • 2017.08.10 Thursday
  • 05:56
昨日も、かでる2・7で委員会がありました。さび付いた頭がぷすぷす煙を吐きそうになったので、終わってから目の前の植物園に。歩道際の細長い花壇には、燃えるような真っ赤のコリウスが植えられていました。今年は雨も多いので、特に元気よく育っているようです。
植物園前

時間があまりなかったので、左回りのショートコースで回ることに。ヌマスギの足元に赤い花が群生していると思ったら、エンビセンノウ(Lychnis wilfordii)です。これが自生しているのは胆振・日高の限られた場所で、稀に見つかってもポツンとあるだけという希少さ。そんな自生地に建設されたのが日高自動車道で、数年前にその予定地から2株が植物園に持ち込まれ、それを増殖していったものがこの群生です。この仲間の多くは茎がピンと立つことがなく、他の草に寄りかかってぐだぐだ伸びるため、これだけ植えるとなんともだらしない姿になってしまいます。
エンビセンノウ

燕尾仙翁の名の通り、ピンと細く尖った花弁が特徴的で、野生植物とは思えない強烈な色彩です。看板にはシレネ属を採用していましたが、センノウはやっぱりリクニス属だよなぁ…
花のアップ

ロックガーデンに入ると、ほとんど花がない中に、流れに沿ってタチ(ムラサキ)ギボウシと、全く同じ草姿で白花のギボウシが咲いていました。どこかに偶然白花品が出現したものを栽培しているのでしょうか。シロバナムラサキギボウシではなんともややこしいか。
白花タチギボウシ

ロックの中は植え替え中なのか、ほとんど植物がなくなっており、ハイマツや低木性のナナカマド、キンロバイなどがある程度。葉に鋸歯(きょし)がほとんど入らないので、ウラジロナナカマドのようです。
ウラジロナナカマド

植物園の園路が歩きやすいのは、宮部先生が開設前に学生たちを自由に歩かせ、自然にできた踏み分け道通りに園路を設けたことに依っているという「伝説」が伝わっています。かつてこの赤い舗装は「焼けズリ」という、自然発火によって焼けたズリ山の砂利を敷いていましたが、今は手に入らなくなったので、レンガくずを粉砕したものを敷いているようです。ぬかりそうでぬからず、しっくりと歩きやすい抜群の園路素材です。
園路

アカナラ、ユリノキと並んで巨木に育っているヒメトチが、今年もたくさんの果実を付けていました。その手前にあるハンカチノキもずいぶん大きくなって来たので、だんだん花が見づらくなってしまうのでしょうか。
ヒメトチ

宮部記念館の横を通ると、昨年春に伐採された三姉妹の長女?の切り株が、すっかり土に戻ってしまったようです。このこんもりした盛り上がりを削ってしまえば、ここにハルニレがあったことすら忘れられていくことでしょう。マップもただの姉妹に書き換えるのでしょうか。
3姉妹

じわりと春が

  • 2017.04.08 Saturday
  • 05:47
朝方は小雨ながらかなり暖かかったのに、明るくなるにつれて風が冷たくなり、どんどん気温が下がりました。それでも昼近くになってようやく日が差し始め、この時期らしいきりっとした寒さに戻ったかな。あんまり馬鹿陽気にならなくてもいいです。町中に数件用足しがあったので、今年初めてチャリで出かけた帰り道、せっかくなので植物園を覗いてみました。あちこちまだ雪が残っているものの、池のほとりではミズバショウの花が。
ミズバショウ

辺りをよく見ると、小さな株ながらエゾノリュウキンカも咲いており、やっぱりこれらが一番乗りを競っているようです。
リュウキンカ

温室に入ると、珍しくお客さんが誰もおらず、貸し切り状態でした。市内の方はほとんど来なくて、最近ではむしろ観光客、それも外国からのお客さんの方が多いのです。微妙に時期が違うのか、いつも青々してなんの草かいな?と思っていたものから派手な花が。ラベルを見るとネオマリカ・ノルチアーナ(Neomarica northiana)、和名がアメリカシャガというのはちょっと無理があります。英名が walking iris というのは、花の付け根に子株ができ(写真の花の下)、花茎が倒れるとそこから発根して広がって行くのでこんな名前になったのだとか。
ネオマリア

植えたものではなくて、多分雑草化したマルバアサガオが、あちこちつるを伸ばしながら満開になっていました。こんなのを見ると、やっぱり冬が終わったんだなぁと実感させられます。
アサガオ

奥の方にビタンガが赤く色づいてました。ブラジリアンチェリーとも呼ばれるそうですが、アブラムシやカイガラムシでべたべたになっていて、つまみ食いする気がおきませんでした。
ビタンガ

池の中では相変わらず熱帯スイレンが満開に。色の濃い方にはラベルが付いておらず、やや淡い方は ‘ペンシルバニア’となっていました。本当に一年中、花を切らさずに咲き続けるものです。
スイレン

昨年初めて花を見たツユクサ科のコクリオステマ(Cochliostema odoratissimum)が、たくさんの花を咲かせていました。花を見ると、とてもツユクサ科とは思えない造りをしていると思います。
コクリオステマ

奥の部屋にはゲットウとパボニアくらいしか花がなく、窓際で地味にリュウキュウアセビ(Pieris koidzumiana)が満開に。アセビに比べるとさらに葉が細くなっています。園芸用の採取のため、野生では既に絶滅させられてしまっているとか。島の生態系は、面積が小さいこともあって極めて脆弱なので、こんなことになってしまうのでしょう。
リュウキュウアセビ

桜前線は既に関東を通り過ぎたようだけど、ここまで来るのにはまだまだ先のこと。こんな花を楽しみながら、じっくりと待つことにしましょうか。

植物園温室の見どころ(2)

  • 2017.01.23 Monday
  • 06:03
昨日の昼間にも10cmほど積もり、明け方にはさらに10cm以上積もっていました。でも除雪はかなり早く入ったようで、どっさりそのままに…昨年も判断ミスで町中がひどいことになったことがありましたが、天気予報見れば何時頃に積雪があるか分かるのだから、なんでこんなにことになるのでしょうねぇ…(^^;)

大温室の奥の小部屋に入ると、上の方にバナナが成っているなと見上げたら、パパイヤ(Carica papaya)が真上に大きくパラソルのように葉を広げ、真ん中にたくさんの実が成っていました。光を求めお互い邪魔をせず、きれいに葉を広げるものだと感心します。数年前に重みでポキリと折れたけれど、無事に脇芽から再生できたようです。
パパイヤ

部屋の真ん中あたりに、どこかで見た果実だな?とラベルを見ると、一年前にわしたショップで買い求めたカニステル(Pouteria campechiana)でした。かなり熟しているようなので、「金捨てる」ほどまずくはなさそうです。
カニステル

窓際に、花も咲いていない普通の木だけれど、変な根っこだなぁとラベルを探したら、板根(ばんこん)で有名なサキシマスオウノキ(Heritiera littoralis)でした。若い時からこんな根の出方をするのですね〜
サキシマスオウノキ

北側のシダ室は、あんまり見栄えがしないのでいつも素通りしますが、トクサのお化けのような草に気付きました。ラベルが見当たらなくて戻ってから調べたら、トクサの仲間で中南米原産のエクイセツム・ミリオカエツム(Equisetum myriochaetum)というものでした。自生地では草高が4〜8mもあるというのにビックリ。恐竜時代の名残みたいなものでしょうか。
  エクイセツム

ベゴニア室もほとんど花がなくて殺風景でしたが、この葉を見てハルニレそっくりだと思ったら、名前がベゴニア・ウルミフォリア(Begonia ulmifolia)なので、「ニレの葉をしたベゴニア」という名前でした。
ベゴニア

もう一つの部屋が改装中では入れないため、いったん外に出て奥の展示室へ。建物脇のモウソウチクが年末の湿雪害でたくさん折れて通りにくいのに、そのままなものだからひどい状態に。温室担当が変わると、こんな風になってしまうのですかねぇ。
モウソウチク

食虫植物コーナーは、みんなもりもりとよく育っています。あんまり虫が飛んでいないため、これに引っかかっている虫がいつもいないけれど、一度ハエでも試してみたいものです。
ナガバモウセンゴケ

ウツボカヅラの仲間もたくさん種類があり、これなど25cmもあって最大級。しまった!さっきのゴキブリを捕まえてここに放り込んでおくのだったと。今度来るときには、採取瓶みたいなものを持ってこなくちゃと思いました。
ウツボカズラ

植物園温室の見どころ(1)

  • 2017.01.22 Sunday
  • 05:56
大温室の一番奥に、ピンクの花を1つだけ着けた花木がありました。おやっと思った通りタベブイアでした。ラベルにはタベブイア・インペティギノサ(Tabebuia impetiginosa)とありますが、今は分類が変わってハンドロアンサス(Handroanthus impetiginosus)なんて属に変わっているようです。英名はピンク・イペー。
ピンク・イペー

すぐ近くに、枯れているのかと思った木の枝先に、わずかに黄色の花びらが見えているので、ラベルを見るとコガネノウゼン(Tabebuia chrysantha)とありました。こちらはタベブイア属のままのようです。こんなところにもあったのですね。初めて気付きました。ブラジルの国花でイペーと呼び、まさにカナリアイエローの鮮やかな花を咲かせます。以前ホノルルの街角で見たことがありました。この材はものすごく堅くて、木製遊具やデッキなどに輸入されていたこともあります。どちらも小さな鉢に入っているのでもったいない。地植えにして大きく育てれば、素晴らしい花が見られるのになぁ…
イペー

その下には、目立たない花が次々と咲き進み、真っ赤な苞葉が目立つコエビソウ(Justicia brandegeeana)があります。昔の学名がベロペロネ・グッタータ(Beloperone guttata)だったので、園芸屋さんはベロベロと呼んでいました。最近鉢物で出回っているのを見かけませんねぇ。
コエビソウ

熱帯スイレン池の脇に、まるでクサギの果実と同じ株がありました。同じクレロデンドラムの仲間で、ラベルにはクラリンドウ(Clerodendrum wallichii)となっていましたが、どういう意味なんでしょう?
クラリンドウ

隣には、これも同じ仲間のベニゲンペイカヅラ(C.×speciosum)が。ほとんどが温室植物として扱われるのに、なんでクサギだけがこんな寒い所までやって来たのでしょうね?
ベニゲンペイカヅラ

ベニヒモノキ(Acalypha hispida)は、同じトウダイグサ科のアカメガシワにそっくりです。道内でも函館周辺には野生化しているらしいので、やがて広まってくるかもしれません。
ベニヒモノキ

池の縁にカニバサボテンが咲いていました。今は葉先の尖るシャコバサボテンばかりですが、子供の頃にはカニバしかなかったなぁ。ばあちゃんとこれを植え替えて夏にいじめ、縁側に作ったフレームで冬越しして花を咲かせていました。なので思い入れの強い植物です。
カニバサボテン

鉢をちょっと動かしたら、その下から現れたのがなんとチャバネゴキブリでした。ここにはうようよいるという話でしたが、真っ昼間に顔を合わせることはありませんでした。我が家にだけは持ち込みたくないものですねぇ。(つづく)
ゴキブリ

今日の午後から雪マークで、明日明後日は荒れ模様とのこと。年末のドカ雪以来、まともな積雪がなかったので、久しぶりに積もるのかな。お手柔らかに。

植物園へ

  • 2017.01.21 Saturday
  • 05:46
いろいろ気の滅入ることが続いたので、早くお昼を食べ、気分転換に植物園まで行って来ました。冬の間には2〜3回は行っているでしょうか。運動不足の解消を兼ねて、いつも片道は歩いて行きます。北3条通は歩道も広く、信号にあまりかからないので歩きやすいのですが、日差しがなくてちょっと寒かったです。
北3条通

DESK:Kの前を通ると、店先に巨大なヤドリギが置かれていました。強風で枝が折れたものをいただいてきたのでしょうか?日本では単に珍しいものくらいにしか意識されませんが、ヨーロッパでは古来より霊力のある植物として扱われており、この下で出会った二人はキスをしなければならないので、玄関の上に飾っておけばよかったかも…(^^;)
ヤドリギ

大通高校のところで北2条通に回り、ハルニレ1号の様子を見てきました。樹高が1m近くになっているので、現在の積雪でも少し頭を覗かせていました。今年枝を払って上長生長を促してやれば、あと二年で積雪の影響を受けなくなるかもしれません。
創成高校

植物園南側の北2条通は、都心部で最も起伏のある通り。東の方にはピシクシメムが、西の方には大通9丁目の鯨の森あたりから湧き出た小川が流れ込み、挟まれた間はかなり高くなっています。このため外周のフェンスは、少しずつ高くなっていき、真ん中あたりからまたどんどん下がっていきます。こういうところにタモリを連れて行かなくちゃ。
フェンス

30分弱で植物園に到着。西25丁目からここまで、一度も信号にかからないで来ることが出来ました。これにはびっくり。冬季間は温室しか開いていないので、温室横の小さな門から中に入ります。今は道庁の余り水を補給しているだけのはずだけど、かつてのピシクシメムの名残の池は凍結しておりませんでした。
池

温室に入るとさすがにむわっとして、たちまちカメラも曇ってしまいます。やっぱりかっこ付きの温室とは違いますね〜♪ここは見慣れた風景だけど、やっぱり生き生きとした緑に囲まれると、気持ちが軽くなっていきます。
温室

温室といえばやはりバナナ。こちらは草丈の低い三尺バナナで、奥の方には普通のバナナも大きな房を付けていました。完熟のバナナはキリン温室で何度か食べましたが、普段食べているものとは全然風味が違うのでびっくりします。暑いところは嫌いだけど、毎朝完熟のバナナが食べられるのなら、南国もいいなと思ってしまいました。
三尺バナナ

その前にクンシランが咲いていると思ったら、ラベルにはクリビア・×キルタンシフロラ(Clivia x cyrtanthiflora)となっていました。確かにキルタンサスの花にそっくりです。あとで調べてみたら、普通栽培されているウケザキクンシラン(C. miniata)と、本来のクンシラン(C. nobilis)との交雑種とのこと。クンシランとどこが違うのかよく分からないなぁ…? (つづく)
クリビア

ハルニレ3姉妹

  • 2016.09.06 Tuesday
  • 05:52
日曜日に母を連れて植物園に行って来ました。車椅子を押して宮部記念館の横を通り過ぎる時、芝生の中にこんもりとした場所が。とうとう伐られてしまったんだなぁと、ちょっとしんみり。
痕跡

ここには、辻井先生が園長時代、ハルニレ3姉妹と名付けた立派なハルニレが3本、きれいに横に並んで立っていたのです。3兄弟にしなかったのはさすが辻井先生。アイヌの世界では、ハルニレは暖かい火を提供してくれる女神なので、女性でなければならないのです。
マップ

そんな3姉妹の長女?が、伐られそうだという話は春から聞いていました。安全第一に考えれば、このような「危険木」は真っ先に伐られても仕方ないのです。そこで開園して間もなく、この木にお別れを言いに行ってきました。一度は台風でへし折られながらも、よくここまで持ち直したなぁ…と感慨にふけってしまいました。
3姉妹
 (在りし日のハルニレ3姉妹。赤丸部分の枝が、新たに伸びた枝です。  2016.5.3)

というのは、12年前の2004年9月8日の台風18号によって、道内の樹木は大被害を受けてしまいましたが、このハルニレも上から1/3くらいのところからへし折られてしまいました。これだけの被害を受けたのに、すぐに伐採されなかったのは、辻井先生がまだご健在だったからなのでしょうか?
台風直後
 (台風の被害直後のハルニレの様子   2004.9.11)

さらに、あろうことか記念館前にある札幌で一番古いライラックを直撃し、重たい枝葉で押しつぶしてしまいました。この頃はまだ「日本で一番古くて大きい」と自慢のライラックだったのです。
ライラック

そんなハルニレは、残った幹からたくさんの枝を伸ばし、ほとんど元通りの大きさまで新しい枝葉を伸ばしてきていたのです。それでもこの幹の状態を見れば、いつ倒れてもおかしくない!とびびってしまうのでしょう。枝を軽く切り詰め、不要な枝を強めに透かして風圧を軽減すれば、風で倒れることもなくなるのですが、高所作業車を入れて作業をするのは結構お金がかかるのでしょう。あっさりと伐採されてしまったのです。
空洞

園内を一回りして博物館の前に戻って来た時に、メタセコイヤの隣に立っていたハルニレが、先日の台風の強風で倒れてしまったのでしょう。メタセコイヤの枝を巻き込んで、どっさりと横たわっておりました。この木もついでに伐っておけばよかった…と思ったことでしょう。
倒木

でもその幹を見てびっくり。中に大量のコンクリートが詰められていました。半分くらいで折れていたので、合わせれば2トンくらいのコンクリートになりそうです。こんな乱暴な「治療」が、植物園でもまかり通っていたのですからびっくり。ちゃんと正しい治療をしておけば、こんなことにはならなかったろうに… 冷たいコンクリートを腹一杯詰め込まれていたハルニレがかわいそうになってしまいました。なんとも情けなくなるような出来事です。
コンクリ詰め

春を迎えた植物園(2)

  • 2016.05.05 Thursday
  • 05:51
植物園の中をゆったりと流れる川には名前がありませんが、北5条通でせき止められるためにしばらくすると大きな池のようになります。これは昔から幽庭湖と呼んでいましたが、園内のマップにはなぜか書かれておりません…
幽庭湖

この横にあるミズナラの枝は、誰かのいたずらなのか自然にこうなったのか分かりませんが、お互いの幹を繋ぐ形に枝が渡されて『連理の枝』になっています。もっと宣伝すればたくさんの入園者が来るようになるのに、今の植物園は学術以外には興味を示さなくなってしまいました。
連理の枝

エンレイソウ園もかつては見事だったのに、ほとんど植えますも空っぽになり、寂しいかぎりです。これならもっと公開園地を増やしてもいいでしょうに。辻井先生が作った北方民族植物標本園は、狭いところに高木から草本までを桝形に並べているので、とてもへんてこな雰囲気になってしまいました。植えられているものよりも、回りから進出してきたプリムラの方が勢いがあります。これはアコーリスタイプ(花茎が伸びないタイプ)のポリアンタ種なので、湿った場所のグラウンドカバーには最適かもしれません。
プリムラ

バラ園に出ると、ハクモクレンが満開になっていました。奥の樹木園から出てくる園路の両側に対に植えられていたのですが、西側の木が2004年の18号台風によってへし折られてしまい、東側の木にのみ込まれて一本の木のようになっています。
バラ園

約30年前の写真を見ると、西側の木の方が大きいくらいでした。GWにはこれを目当てにやってくる人がたくさんいた名物木だったのに、すっかりバランスが崩れてしまいました。
880511ハクモクレン
(28年前のハクモクレンの様子  1988.5.11撮影)

自然林の中を通り抜けて南ローンに出ると、右手に名物木の一つであるグイマツの大木が、緑の芽を広げていました。若木の時ならなかなかカラマツと区別がつかないけれど、老木になるとこんな樹形になると教わりましたが、滅多にグイマツの老木がないので、樺太に行って見ないとなんともいえません。
南ローン

ロックガーデンでは、早くもチョウノスケソウが咲いていました。ロシアの植物学者マキシモビッチの助手として多大な貢献をした須川長之助氏に因んで名付けられました。名付けたのは牧野富太郎ですが、人が間違ったことをいえば激しく抗議するくせに、木なのに草なんて間違った名前付けていいのかしらん。
チョウノスケソウ

流れの縁に赤い茎を伸ばしているのはエンコウソウ(猿猴草)。長く伸びる茎がテナガザルの腕のようだと名付けられたとのこと。全道に分布があるけれど、釧路湿原など道東に行くほど多く見られるように思います。
エンコウソウ

ここの池に注がれている水は、道庁で汲み上げている水の余りだったけれど、いまでもそうなのでしょうか。ここは元々ピシクシメムの湧いていたところ。湧水こそ無くなってしまったけれど、昔の地形がそのまま残されている貴重な空間です。これから花の数もぐんと増えてきますので、のんびり散策を楽しんで下さい〜
ピシクシメム

春を迎えた植物園(1)

  • 2016.05.04 Wednesday
  • 05:56
ようやく暖かくなったと思ったら、札幌の最高気温がいきなり24.1℃と、ちょっと極端なほどの暖かさ。しばらく円山公園で過ごしていたエゾヤマザクラ前線が、ようやく我が家にも到着し、昨日午後からぱらぱら咲き始めました。事務所の辺りでは葉桜になった木もあるのに。
そんなポカポカ陽気に誘われて、昼の散歩は植物園まで行ってきました。北3条通を自転車で東に進んでいくと、14丁目で人だかりが。裏千家茶道会館前ののソメイヨシノが満開になっていました。歩道脇の狭いところにありますが、樹形は本当にきれいです。電柱や信号柱がなければもっといいのですがねぇ…
ソメイヨシノ

植物園の東側にあるハクモクレンの街路樹も、もう少しで満開というところでした。東側の木がまだつぼみなのはどうしてなんでしょう。
ハクモクレン

植物園前には自転車がずらりと並んでいたので、市内各所からチャリをこいできた方が多かったようです。門を入ってすぐ右にあるギャップは、ロックガーデンのところにあるかつてのピシクシメムから湧き出た流れが、ここを通っていったん道路の向かい側に流れ、その先でまた植物園に戻ってきた名残の地形です。向かい側にはかつて大きな屋敷がありましたが、今はS不動産によってマンションになってしまいました。
入り口

いつものように右手に回り、反時計回りに歩いて行くことに。どうしても逆回りができないのです。灌木園ではヒュウガミズキやトサミズキ、タカネザクラやオオカメノキなどが満開になっている中に、異彩を放っていたのがこのオオバクロモジの花です。道南に行けばごく普通に見られる低木で、この枝から楊子を作る香り高い木です。
オオバクロモジ

姿は地味ながら、なかなか他には見られない花を着けるハナイカダ。花序の軸が葉の主脈と癒合した様子が、この時期であればよく分かります。雌雄異株の木で、実が付いたのを見たことがないので、これは雄株なんでしょう。
ハナイカダ

北5条通の歩道のすぐ脇を通って、ライラックウォークの北の端から北ローンに入ると、カワシロナナカマドの隣に真っ白な花を咲かせているのがミドリザクラ(リョクガクザクラ)です。普通サクラ類の萼や花柄(かへい)は赤くなるのに、これは緑色のため特に花の白さが引き立ちます。
リョクガクザクラ

大学に入って植物園に初めて来たのも多分この時期だったのでしょう。芝生の緑色が全然違うのと、芝生を踏んでもいいことに感激しました。内地の芝生はながめるもので、中に入ることができないのです。北ローンのちょうどこの辺りで、芝生に座って思わず飛び起きました。芝生が濡れていると思ったのです。日本芝はいつも乾いてチクチクするほどなのに、西洋芝はしっとりと濡れているような柔らかさ。いろんなカルチャーショックの一つでした。サクラ園にはいろんなサクラが満開で、静かに花を楽しんでいました。円山公園の馬鹿騒ぎとはえらい違いです。
北ローン

樹木園に入ると、林内に生えていた稚樹から柔らかいブナの若葉が開いていました。ブナの新緑は水が滴るようなといわれるのがよく分かります。落葉広葉樹林では、一番気持ちのいい季節がやってきました。
ブナ

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