道央圏連絡道路

  • 2023.12.20 Wednesday
  • 05:49
毎日のニュースでラピダスに関するものはいくらでもあるのですが、こんな記事を見てちょっと懐かしくなりました。道央圏連絡道路なんて言葉を聞くことは、本当に久しぶり。確かに小樽・石狩から、札幌を通らずに千歳・苫小牧を結ぶこの道路の重要性は、これからますます高まってくることでしょう。
道央圏連絡道路
  (Yahoo!ニュースから拝借…m(__)m、2023.12.18日付け)

この道路を造り始めてまもなく、ここを担当していた道路事務所の所長から相談を受け、大事な道路だから機能的にも修景的にもしっかりとして植栽をやりたいとの話がありました。このAさんという所長は、今までで一番気持ちよく仕事ができた方で、打合せに所長が出てくることはまずないのですが、この方は土木屋さんなのに緑に関心が高く、しっかりとチェックしてくれて、とてもいい仕事ができました。1998年にやった業務なので、もう25年も経っているのですか…

報告書

JHが造る高速道路の仕事はやったことがありませんが、開発局が造る高規格道路の仕事はこれを皮切りに、このあと函館新道、留萌道、広尾道、旭川紋別道と各地の道路緑化を手がけることになりました。この時は初めてだったので、本州でやられている事例などを調べると共に、積雪寒冷地特有の事象にも配慮した計画を立てていきました。
視認性

冬季の風雪下でも分岐の視認性を確保するために、標識の背後に常緑の針葉樹で樹叢を作ったり、間隔を少しずつ狭めて列植することにより、視線誘導を発揮させるようにしたりと、いろんな工夫をしたことを思い出します。この写真は植栽後5年目の2005年に写したもので、木がまだ小さいのでうまく効果が出ていませんが、今なら相当な樹高になっていることでしょう。
分岐部

ここは空港の目の前なので、コンクリートの遮蔽植栽も求められました。今は道路内部に入れないので、上のような写真は車の中から撮すしかありませんが、擁壁部分は外から写せるはずです。JRからちらちらとは見ていましたが、こんな話題性のある道路の起点となったので、来年しっかりと見てこようと思います。
遮蔽植栽

擁壁の遮蔽

斜面林の保全

  • 2023.11.09 Thursday
  • 05:50
先日道路脇の樹木伐採の連絡があったときに、真っ先に思い浮かんだのはいよいよ「地下室マンション」か!と思ったのです。これまで開発の手が及ばなかった崖地などにある斜面林が、建築基準法の改悪によって開発が可能になってしまい、東京近郊では次々と斜面林の伐採が進んでいきました。
地下室マンション

接道している基準階から地下にどんどん部屋を作ることができるようになり、道路から見れば3階建てなのに、地下5階まであるようなマンションを建てることができるようになったのです。そのような部屋からは、遮るものがない眺望が得られるので、却って高く売れることになってしまうのです。
イメージ

札幌ではまだ開発の余地が平場にあるので、そんな無理をしなくでもよかったのですが、円山近辺など既に飽和状態といわれるようになったので、この記事のようなことがいよいよ起きたのかと思ってしまいました。
斜面林

東京近郊では、既に各都市がこの横浜の例のように開発を規制する条例を制定し、斜面林の保全に手を打っています。札幌ものんびりしていると、このようなことが起きないとも限りません。今回の事例は斜面が公有地であり、急傾斜地の保全工事ということでやむを得ないものでしたが、上の土地が接道した民有地であれば、危険性は十分にあります。

横浜市条例

中央区では、市街地に面した旭ヶ丘から伏見にかけて、比高約20mの崖線に沿って斜面林が残されています。土地所有がどうなっているのか分かりませんが、貴重な緑はなんとしても守っていきたいと思っています。
崖線

樹木の伐採

  • 2023.11.07 Tuesday
  • 05:35
先日知り合いからショートメールがあり、藻岩の山麓通を走っていたら、道路沿いの林がすっぱり伐採されていると。大切な緑地と聞いていたので、是非見ていただきたいとのこと。それは一大事と、その日の午後に現地に行って見ると、伏見にある藻岩浄水場の下のところに伐採跡地がありました。確かにこれはひどい。
伐採

単管の柵に小さな看板がついていて、来年のり面補修工事を実施するので、周辺の樹木を伐採したとのこと。上からはよく分かりませんが、のり面の一部がふくらんだか、樹木が倒れ込んだとか被害が出たものでしょう。
看板1

今回の伐採は、来年工事をするための作業場所の確保のための伐採で、実際に補修工事を行うにあたっては、更に伐採が行われると範囲が示されていました。かなり急な崖になっているため、上からはどんな状況なのかがさっぱり分かりませんでした。
看板2

のり肩に何か置かれていると思ったらソーラーパネルで、まだ仮設の電気を引っ張ってきていないため、とりあえずこれで何かの機械を動かしているようです。
ソーラーパネル

こうなると下に行ってみるしかないので、ぐるり回って崖の下あたりを探していくと、狭い路地の突き当たりに伐採されたのり面がありました。崖の真下ぎりぎりに家が建っていて、この間まで樹木が鬱蒼と生えていたなんて。これじゃ一日陽が当たらないかも…と思ってしまいました。
斜面

なんだか水中ポンプが動いているような音がするので、のり面のどこからか水が湧き出ているのかも。いずれにせよ、下の民家に被害が及ばないよう、何らかののり面工を施工するしかないでしょうが、工事的にはかなり厳しそうでした。連絡いただいた方には、危険性の除去のためにはやむを得ない措置なのではと連絡しておきましたが、こういうことにちゃんと連絡いただけるのは大変ありがたいです。
崕

現場廻り

  • 2023.03.11 Saturday
  • 05:40
ハルニレのイベントで知り合った先生から、今度施設を建て替えるので、そこにある木を移せるのか見てほしいと頼まれました。昨日午前中に見に行くと、なんと20m近いハルニレの大木で、移植するといっても莫大な経費がかかりますよ〜とあきらめてもらいました。この木は学校のシンボルのような木なので、せめてこの木の名残でもというので、6月にはタネが採れるので、それを播いたら苗木作れますと教えてあげると、今月末には工事が始まるので間に合わないと…(^^;)
ハルニレ

校内に入ったら、玄関に立派な木の円盤が置かれていました。これは初代のシンボルのハルニレで、この校舎を建てる時にどうしても切らなければならないので記念に円盤を作り、代わりに植えたのがあのハルニレだそう。それならあのハルニレからもきれいに円盤を作って、この横に展示するしかないですよ〜ということに。まだ時間があるので、3代目を植える場所のプランを作ることになりました。
円盤

午後からは手稲区との打合せで、久しぶりに星置の土木センターへ。ここは市の除雪車両の管理センターと同居なので、広い構内から集めた雪山が残っていました。月末には全市から除雪車が帰ってくるので、融けきらなければ運搬排雪することになるかもとのことでした。
手稲土木

帰り道に星置緑地の様子を見に行くと、入り口付近は押し固めた雪の壁が背丈ほどもあります。こういう雪はなかなか融けないでしょうね。
雪の壁

少し低いところから覗き込むと、木道の上の雪は30cmくらいしかなく、この調子なら月末には雪がなくなり、ミズバショウが咲いてきそうです。3月に開花宣言を出したら新記録になるし、4月16日の自然観察会はミズバショウの葉の観察になってしまうでしょう。
星置緑地

よく見ると、ヤチダモの木の回りはすっかり雪が融けて、きれいな「根開け」が見られます。ここ数日よく晴れていたので、一気に融けたのでしょう。今年はあわただしい春のスタートになりそうです。
根開け

昨日見たもの

  • 2022.06.06 Monday
  • 07:01
昨日見たものを画像だけ掲載しておきます。

登藤
トドマツに登るフジ。場所は余市町登なので、登藤。

ワインブドウ
旺盛につるを伸ばすワインブドウ ‘ピノ・ノワール’

巨大イタドリ
極太オオイタドリ

極太
幹の太さ直径4,5cm

アキタブキ
アキタブキの雌花序からまさに飛び立とうとするタネ

ガンコウラン
ガンコウランの花

アカエゾマツ
アカエゾマツの雄花序(左下)と雌花序(右)

現場の下見

  • 2022.04.08 Friday
  • 05:38
6日には、手稲区内の四つの公園・緑地の現場を確認しましたが、昨日はまず滝野公園。打合せの前に園内に出ると、ゲレンデ部分は雪割りされて、融雪剤を散布しているようでした。20日の開園まであと12日。雪が融けても芝生の緑が回復するのに時間がかかるので、一日も早く雪が融けてほしいです。
ゲレンデ

主園路部分はロータリーで排雪されているので、その断面が現状の積雪深になります。いろんな場所で測ってみましたが、60〜80cmというところ。週末からはまた気温が上がるようだけれど、滝野公園は町に比べて気温が低いので、なかなか思うようには融けてくれないのです。
積雪深

高木でもあちこちで枝が折れて落下しているし、普通冬囲いしなくてもなんともない2〜3m程度の低木が、軒並み雪に押されたり枝を引っ張られていました。手で引っ張ってもびくともしないので、なんとか折れないで踏ん張ってほしいです。
枝折れ寸前

メコノプシスなどが植えられているこもれびの庭は、北斜面の林の中なので、一番雪解けが遅くなるところ。凸凹の地形なので吹きだまった雪は1mを越しているところがかなりあり、ここの雪融けはGW頃になりそうなので、作業の予定をずらさなければならないようです。
こもれび

打合せの後、もみじ台にある熊の沢公園の様子を見ようと、真栄に向かって走っていると、道端のシラカンバが折れたりかしいだり、幹が曲がったりと、ずいぶん傷んでいました。シラカンバ湿雪に捉まりやすく、幹が柔らかいのですぐにこんなになってしまいます。
湿雪害

熊の沢公園に着くと、まだ園内にはかなりの雪が残っていますが、湿地部分はほとんど溶けて、ミズバショウが少し芽を伸ばし始めています。今年は自然観察会を24日に予定しているので、ちょっと見ごろを過ぎるくらいかな。木道がなんか変だと思ったら、重たい雪が乗っかって手前の方が少し沈下しています。星置緑地でも被害があったので、今年の積雪は恐るべしです…(>_<)
熊の沢公園

ここに一株だけあるナニワズは、二年前の最初の作業時に刈られてしまったけれど、脇芽が吹いてきて今年はようやくつぼみが着きました。無事でなによりです。
ナニワズ

住宅地をうろうろしていたら、車庫がつぶれているところに遭遇。このタイプの車庫はかなりの積雪深に耐えることができるので、変だなぁと思ったら、なんと屋根の雪が乗っかる位置に建っていたのです。普通の積雪なら大丈夫だったのでしょうが、今年の雪はとても手強いので、見逃してはくれなかったようです。
車庫倒壊

防雪林

  • 2022.03.25 Friday
  • 05:47
昨日は午前中打合せ、午後からはあちこち用足しを済ませながら、江別まで行って来ました。大きな道路はすっかり乾いていて、走りやすくなりましたが、本州ではサクラが咲いているというのに、今の時期の道内は本当に汚く感じます。北回りでR275を走って行くと、角山の防雪林が目に入ってきました。30数年前、札幌近郊で初めての防雪林として植えられましたが、林帯の幅が10mもなく、こんなチンケなものでは防雪効果は期待できないのに…と揶揄されたものです。かなり傷んでいる木が目立ちましたが、なんとか育っているようです。
防雪林

札幌開発建設部管内の道路緑化の仕事をずっとやっていたので、石狩・空知の国道はすべて走り回り、課題を抽出したカルテを作っています。ここはせっかく幅の広い中央分離帯があるのだから、20mピッチくらいにハルニレを植えておけば、冬季間吹雪いて視程障害が発生しても、なんとかハルニレを目印に走れるからと指摘しておいたのですが、結局植えられませんでした。本当にもったいないです。
中央分離帯

これは30年くらい前に植樹設計をやった札幌市管理の伏古拓北通。東区内のパープルロードの延長で、さとらんどの前を通り、モエレ沼公園の横を通ってあいの里まで行く道路ですが、ここも冬期の視程障害がひどいところでした。中央分離帯は幅が狭いのでプンゲンストウヒを、両側の街路樹にはハルニレを植えています。通るたびによくなったなぁと感激するほどの並木道になりました。
ハルニレ

所々にある交差点が分かるように、その前後にはホウキポプラを植えています。矢羽根なんかより、こういうものの方が北海道の風景にはなじむと思うのですがねぇ。
ポプラ

江別からの帰り道は、R12号から帰りました。酪農学園前では函館本線と平行しています。ここには鉄道防雪林が整備されているので、道路もその恩恵を受けて視程障害を起こすことはありません。初期の鉄道は除雪車輌が貧弱なため、時間をかけても鉄道防雪林を各地に造成しました。ちゃんと造林の専門家集団が当時の国鉄にはいて、広幅員の林帯をしっかり作っていたのです。市街地化して防雪林の必要性が低下しているため、財政の厳しいJRさんは、伐採して宅地開発したいのかもしれませんが、貴重な緑の回廊としての存在感が見直されているため、なんとか残していくことになりそうです。
鉄道防雪林

厚真の森林

  • 2021.10.22 Friday
  • 05:42
昨日事務所から帰ろうとしたら、バケツをひっくり返したような土砂降りに。ワイパーも効かないくらいでしたが、家に着く頃には上がっていました。その後も何度か降っていましたが、今朝はなんとか上がっていて、チラチラと星が。峠を越えて盤渓側に入ると、空には少し欠けているけれど、きれいな月が輝いていました。もうたっぷり降ったので、天気が回復してほしいです〜

厚真では、午後からは別の用件で山に入りました。あるところに植える木を探していて、先月町に来た時にその話をしたら、地元の林業屋さんが山で探してくれたのです。午後からはまた雨が降り始めて、林道がぬかるみ始めましたが、案内してくれる方は慣れたもの。ぐいぐいと山に入っていくと、パッと明るくなりました。この山はある会社が持っている大規模な社有林で、計画的に植林や伐採をしている生きた山林です。この様な施業地があちこちにありました。
施業エリア

トドマツやアカエゾマツ、カラマツなどの針葉樹林と、昔植林した針葉樹の中に広葉樹が進入して混交林になっているところ、ほとんど手がつけられていない落葉広葉樹林が入り交じっているのです。真っ赤に色付いているモミジがあると思えば、濡れたような白葉が独特のコシアブラもたくさんありました。
自然林

車から降りて林道を歩いていて、思わず頭の中で???とショートしたのがこの木です。なんと至るところにサンショウが生えていました。昔えりもの山に入った時に、車をはたく林道脇の草木がものすごく臭く、なにかいなとよく見れば、全部サンショウだったのでびっくりしたことがありました。サンショウは渡島半島の先っぽと、胆振日高の一体が生育地になっており、この辺りが北限かもしれません。−20℃くらい下がるというのに、全然平気なのにもびっくりでした。
サンショウ

林内に入っても、林道脇にはびっしりとサンショウの稚樹が。所有者の職員がいなかったら、数本抜いてしまうところでしたが、来年季節のいい時にゆっくり案内しますから、いろいろと教えて下さいということになったので、またお邪魔することにしました。
実生苗

ムラサキシキブもあちこちに実が付いた木があり、これも渡島半島から胆振・日高地方が自生地で、サンショウと同じ分布形態をしています。足元にはモミジガサがびっしり生えているので、きっとクロビイタヤやカラコギカエデも生えているのでしょう。胆振の森にはほとんど入ったことがなかったので、興奮のしっぱなしでした。
ムラサキシキブ

森から出て、町に向かって帰ろうとしたら、地震で崩落した山林に治山(ちさん)事業で植林が行われていました。この印が立っているところに苗木が植えられているのですが、なんとすべてがミズナラだと!植林して森を復元するのなら、どんな森にするのか目標を設定しなければなりません。広葉樹の森を復元するのなら、この地域の林相を調査し、それに近い目標値を設定すべきなのに、まるでカラマツの植林地を作るようにミズナラ100%だと。いやはや技術者の劣化なのかなんだか分かりませんが、寒気のするような風景でした。
治山事業地

植樹体験会

  • 2021.10.21 Thursday
  • 05:49
昨日は再び厚真町へ。先月基盤整備を済ませたところに、サクラの苗木を植えました。町内にある中学校から4人参加して、社会体験を兼ねての実施というので、こりゃお手伝いに行かなければと予定したのですが、あいにくというか、やはりというか、ひどい天気に。一月経つとすっかり秋も深まり、ヤマモミジの街路樹が真っ赤になっていました。スカッと晴れていれば、きっと見事だったでしょうに…(>_<)
モミジの紅葉

仕事を請けているNさんは、林業関係の仕事の他に、製材や木工など、多様な活動をしています。まずは作業場で、植樹作業の流れを説明し、現場ですぐに植えられるよう準備をすることに。
作業場

サクラの苗木をあの様なところに植えると、たちまちネズミが雪の下にトンネルを掘って、樹皮をかじりにやってくるのです。このため、ネズミ除けのトリカルネットを巻いておくことにしたのです。綴り合わせて止めるのが寒い現場では大変なので、室内で済ませておこうとしたのですが、中学生のみなさんはなかなか器用で、たちまち片付けてくれました。
ネズミ対策

苗木は耐寒性の強いエゾヤマザクラと、華やかなサトザクラの ‘関山’も4本混ぜてあります。すべては植えられないので、みなさんに1本ずつは植えてもらうことにしました。
苗木

現地に着くと、ちょうど雨が上がってくれました。珍しいこともあるものです。まずは役場の担当者から、この場所で起きたことや、サクラを植えることになった経緯などの説明が。中学生のみなさんは、町内でも南部にある学校なので、この辺りに来たのは初めてだし、あの現場だったというのを聞いて、少し緊張していました。
説明

私が1本植え方の見本をやってから、2人一組になってサクラを植えてもらいました。スコップで土をいじることも初めてなので、なかなかぎこちない動きでしたが、だんだん慣れてくると夢中になっていくのがよく分かりました。
植え込み

木を植えたことも初めてだけど、ここに植える意味が分かったので、みなさん心に残る植樹体験になったようです。来年はもちろん、そのあとも絶対に見に来ると言ってました。私も心配だから、折にふれて訪れなければならない場所になったようです。
完成

鎮魂の桜

  • 2021.09.16 Thursday
  • 05:27
昨日は厚真町へ。地震被害から三年経ち、ずいぶんニュースになりました。待ち合わせより少し早く着いたので、町中をうろうろとていると、町の入口にある花壇の手入れをしていました。これは観光協会が作っているそうで、交代で手入れをやっているそう。町内のあちこちにこんな花壇がありました。
シンボル花壇

この辺りは液状化の被害はあったけれど、建物の被害はそれほどでもなかったそうです。植えますの花壇は地域のボランティアがやっているそうで、今年の旱魃の影響を感じさせないくらい、きれいな花を咲かせていました。それよりも感心したのは、ヤマモミジの街路樹が見事な緑陰を作っていることです。地方でこんな素晴らしい街路樹を持っている町はないのでは。
植えます花壇

現場はここです。山の斜面が崩落して、山裾にあった住宅をほとんど飲み込んでたくさんの方が亡くなられた吉野地区。法面の復旧工事はほぼ完成していましたが、あまりにも規模が大きいのに圧倒されました。
吉野地区

吉野地区は、奈良県の吉野から移住してきたのかと思ったら、山の桜がきれいなので吉野桜にあやかって付けたのだそうです。たくさんの犠牲者が出たことから、復旧工事後の土地管理を目的にした緑化事業の一環として、桜を植えることになり、奈良県の吉野から送られてきたシロヤマザクラの苗木が既に植えられていました。今回はその回りにエゾヤマザクラなどを植えるものです。
吉野桜

作業を始める前に、斜面に向かって「きれいな桜の花が咲くように、精魂込めて作業をさせていただきます。少しの間お騒がせしますので、どうかお許し下さい。」とお祈りしました。この場所は、元の地盤に崩落した斜面の土が混じり、重機で造成したので土壌の構造がぐじゃぐじゃに。吉野桜は、地元の造園屋が小さな穴を掘り、黒土を客土して植えたそうですが、それでは鉢植えと同じで根が伸びることができません。そこで直径2mの穴を掘ってもらいました。
植穴

次々と掘っていくと、バックホーもてこずるほどの堅密土壌や、崩落した樽前噴出物である火山礫がザクザクしているところなど、みんな内容が違っていました。60〜70cmの深さまでよくほぐし、土壌改良材を混ぜて埋め戻し、焼き丸太の支柱を打ち込みます。
掘削

桜の植栽には少し時期が早いので、代わりににケヤマハンノキを抜いてきてもらい、植え方、水極めの仕方、支柱との結束、ネズミの食害を防ぐネットの取り付け方などを一通り見ていただきました。本番にも来た方がいいかなぁ…
試し植え

つきっきりで手順を教えていったので、午後からはすいすいとはかどりました。位置出しと掘削範囲の目印づけ、土壌改良材や丸太の配置もすべてやっておき、現場をあとにしました。それほど遠くはないので、来年以降も見に来なくてはいけないようです。
配置

火の用心

  • 2021.05.08 Saturday
  • 05:32
昨日は所用で昼過ぎに自宅へ。昼間に自宅にいることがないので、家の回りを一回りすると、エゾヤマザクラが満開を少し過ぎて、ようやく散り始めました。今年のように咲いてからの気温が低いと、円山あたりに比べて、一週間以上も差が付いてしまいます。
満開

足元ではオンファロデス・ウェルナ(Omphalodes verna)が満開に。建物の陰に植えているので、陽射しは朝の一瞬ですが、気持ちよく晴れた青空のような花色です。
オンファロデス

友人と待ち合わせて西区の山裾に向かいましたが、そのあたりからモクモクと煙が上がっていました。現地に着いてみると、なんだか慌ただしい雰囲気にびっくり。すぐ近くで山火事が発生し、みんなで消火を始めたところでした。
山火事

ちょろちょろ水では消せるはずもなく、どんどん燃え広がり始めた頃にサイレンを鳴らして消防車が到着、ボンベを背負って重たい防護服を着ているのに、さらに重たいホースを担いで山を上っていきました。さすがに鍛えている方たちです。
消防到着

上から放水を始めると、圧倒的な水量でたちまち鎮火していきました。このあたりで消せたからよかったけれど、あと30mくらい上まで燃えていれば、小屋にも火が着いてしまい、先回りして放水ができなかったところでした。
消火

もう1本のホースが伸びて来て、下から放水すると共に、ボウボウと燃え上がっていた火元とみられる資材置き場に、ドバドバと放水していました。あんなに強い風の中、なにか燃やしていたのかなぁ…危うく栃木の山火事のような、鎮火までに何日もかかる大災害になるところでした。本当にこの時期の火の扱いは要注意です。
挟み撃ち

現場検証が始まっていたので、そろりそろりと消防車の横をすり抜けながら戻ろうとしたら、下の道路の消火栓から、消防車を10台くらい連結して水を送っていたのです。瞬時にそれが出来るのですから、日頃の訓練の賜物なんでしょう。本当にありがたく、また心強く感じた現場でした。
ホースの連結

三国峠旧道緑化-2

  • 2020.11.26 Thursday
  • 05:59
この日記は、私の備忘録としての意味もあるので、昔の業務を振り返って記録を残しておくことも大切な役割の一つになっています。この三国峠の旧道緑化の仕事は、なにせ初めての対象地で、ものすごいプレッツシャーを受けながら進めた仕事だけに、私にとってはとても思い入れのあるものでした。昔の画像をようやく掘り出したので、それを振り返りながら整理したいと思います。ただ、数万枚もあるスライドを入れたキャビネットが、奥の方で少し結露していたようで、かなり画質が落ちていました。早くデータ化しておかなければなりません…(>_<)

最初に現場に乗り込んでびっくり。山はまだ雪があるけれど、道路法面の雪が消えて牧草が伸び始めているので、それを食べにシカが数え切れないほど集まって「シカ牧場」になっているのです。ここのR273は、60kmで大破、80kmで全損、100kmだと運転手は死亡と脅されるほど、当時からシカの密度がメチャクチャ高い路線でした。(93.5.20)
1993.5.20

何度も現場に入り、広い対象地を這いずり回って情報を集めていきました。誰もやったことのない仕事では、現場からしか「解」は見つからないのです。草むらにまだ生々しいクマの糞が落ちていたり、今思えば怖い物知らずというか、無茶なことをやっていたものですが、まだ40歳になったばかりの勢いがあったのでしょう。すぐ脇は原始林なので、こんなアカエゾマツの巨木があったり、高山植物の群生を見つけたり、面白いことも多々ありました。(93.7.16)
1993.7.30

このあたりで大体の方針が見えてきました。ここは国立公園内なので、外から極力植物を持ち込まないために、強固な植生基盤を形成できれば、あとは周辺から落ちてくる自生種のタネを受け止めて、自然の力で緑化を進めるという方法です。いろんな専門誌を読んでいたので、その中に植物繊維を客土と共に吹き付けて、強固な基盤を造る方法(テクソルグリーン工法)がフランスから導入されたことを掴んでいました。インターネットのない時代なので、日頃の情報収集力がものをいうのです。そこで対象地の一角に試験区域を設け、さっそく試験施工をさせてもらうことにしました。(93.10.1)
1993.10.1

旧道敷は、あちこちに堆積していた工事残土を盛り付けて、地形復元を図りました。残土を現場内で処理できるのは、現場にとってはとてもありがたいことだし、将来的にも違和感のない地形にしておく必要もありました。(95.5.1)
95.5.1

その翌年は試験区の調査を実施して、たくさんの実生苗がそこに発生していることを確認し、全面的に実施することとなりました。この無種子吹付法は、自然公園などでの緑化工事の模範例として、いつも引き合いに出されることになったのです。(95.8.2)
95.8.2

施工後も毎年追跡調査をさせてもらい、うまくいっているところと、うまくいかないところの原因究明を続けて、工法の安定化を図っていきました。こちらの仕事の方が意味は大きいのです。これは施工後5年目に実施した最後の調査の時のもので、コマクサ覆道の左にあった荒廃地にミヤマハンノキが進入定着し、既にかなり大きく育っています。(2000.7.28)
00.7.28

これはさらに5年後に、あちこちのガーデン巡りをしている途中で通った時のもの。既に旧道があったことが分からないくらい、樹林が形成されています。(2005.8.13)
05.8.13

これはさらに4年後に、道路法面に樹木を導入した事例調査を行ったときに訪れたもの。施工後14年経っています。覆道の側壁のところは現道敷なので、普通の牧草吹付が行われているため、いつまで経っても樹木は進入できないで牧草のままになっています。無種子吹付工の威力は、このようにして証明されていったのです。
09.7.30

今では Google Earth やストリートビューを使えば、いろんな角度から見ることができるようになり、本当に便利になりました。あの様に現場に貼り付いて仕事を出来たことが、懐かしく思い出されます。

三国峠旧道緑化-1

  • 2020.11.25 Wednesday
  • 05:52
先日寒地土木研究所でヒアリングを受けたあと、いろんな現場の話になりました。その中に、R273の三国峠の手前にある松見大橋で、眺めがいいものだから橋の上に駐車する車が多くて困っているという話が。確かにあそこから見る樹海は、他では見られない雄大さがありますから。その対策の検討をしているけれど、駐車帯を作ったとしても、周りの自然と同化できるような植生復元が出来るのか不安だとのこと。
松見大橋

なんだ!そんなことなら20年以上前に解決済みだよと、あとでいろいろと資料を送っておきました。実はこの松見大橋を始め、一帯の道路整備に合わせて植生復元工事を手がけたのが私だったのです。
整備対象

1993年のこと、帯広の知り合いから突然電話がかかってきて、こんな現場があるんだけれど、他のコンサルが2つも手を上げてしまった難しい仕事で、困っているからなんとかしてというのです。私だってコンサルに転身してまだ5年目で、こんな千m以上もある高標高地で仕事したことないのに、まぁなんとかやってみますと引き受けてしまったのです。くねくねとうねっている道路を、橋を架けて線形改良し、雪崩から守ることによって冬季間も通行可能な道路にする大工事でした。
拡大図

現場は大雪山国立公園内で、標高が1,000〜1,100mあり、すぐ上は森林限界で木も生えないほどの高所だし、ダケカンバとミヤマハンノキ、エゾマツやトドマツなどの針葉樹がわずかに生えている程度です。左にできたばかりのコマクサ橋があり、右の道路を廃止して、その場所に植生復元して国有林に返還するわけです。
旧道

当時は開発道路といって、かなり乱暴な工事で無理やり造られた道路は、露岩した急勾配法面が連続し、こんなところの植生を復元するといってもねぇ…と、溜息をついたものです。
開発道路

それでも何度か通って現場を見ていると、ガラガラの岩礫地でも、たくましく生育を始めている植物があちこちに見られたのです。対象地の中にある様々に異なる環境条件の場所に対して、それぞれ最適な植生工を設定して全体計画を作り上げることができました。
コマクサ橋から

詳細は次回に回しますが、上の場所の現在の姿はこんな風になっていました。Google のストリートビューから取っているので、施工後葯25年後の現在の姿です。
現況

上から見ると、確かに旧道敷の形が残っているのが分かりますが、あんな荒れ地だったところがこんな樹林になっているのですから、私としてはしてやったり!ということになります。
上空から

私にとってもものすごいプレッシャーの中での仕事だっただけに、忘れられない現場となりました。この時既に渡島大島の仕事が始まっていたので、開発局の現場で一番海に近いところと、一番標高の高いところでの植生復元を手がけることができたわけです。

とばっちり

  • 2020.07.29 Wednesday
  • 05:48
どうなるかさっぱり見通せないオリンピックですが、準備作業は着々と進められています。駅前通が競歩の周回コースになったために、中央分離帯のオオバボダイジュを1本どかさないといけなくなりました。本来は冬の間にやるはずが、コロナ禍でずるずる先送りされ、今になって実施することに。こんな真夏に樹木の移植をするなんて…!と、こめかみがひくついてしまったけれど、できるだけのことはしてやらなければなりません。8時前に現場に着くと、早朝から始めた掘り取りが着々と進められていました。
オオバボダイジュ

10年前に植えた木は、樹高約6m、幹周が30cm程度だったものが、今では樹高10m前後、この木で幹周は77cmにもなっていました。このサイズの木であれば、このくらいの根鉢が必要だというラインで掘っていたのですが、まず出てきたのが酸素管です。これをどうすれば?と私の顔を見るので、取るしかないっしょ!とゴーサインを出すのです。業者も役所も自分たちの判断では不安なので、ここの整備のいわば責任者だった私を呼び出して、一つ一つお墨付きをもらいたかったのでしょう。そりゃそうですよねぇ…(^^;)
根鉢

この酸素管は、今から35年前に東豊線の復元工事に合わせて、二番街にサクラとシナノキを植えた時に、道内で初めて導入したものでした。今では当たり前になったような資材や工法は、私が初めて入れたものが多かったのです。
酸素供給管

その次が大問題。中央分離帯の木には、すべて地下支柱が取り付けられていますが、固定するベルトはある程度経つと切断しますが、支柱そのものは埋め殺しになります。ところがその木を移植するとなれば、根鉢を固定している6枚のプレートをはずさなければなりません。
地下支柱

それを探ってなんとかはずしていくと、どんどん根鉢のサイズが小さくなってしまい、植えた当時のサイズに戻ってしまうのです。心配そうに私の顔を見上げるものだから、はずさないと木を動かせないんだから、どんどんやってよとまたゴーサイン。
鉢が小さく・・

結局のところ、植えた当初の根鉢に逆戻りしてしまいました。かなり枝葉を切り詰めたとはいえ、樹高は8mもあるのですから、活着してもかなり弱ってしまうことでしょう。来年終わってからまたここに戻すことになっていましたが、それはちょっと難しそうです。
掘り上げた鉢

大会組織委員会からも心配そうに見に来ていたけれど、彼等だって降って湧いたことに翻弄されているのですから、できるだけいい落としどころを見つけてあげなければ。根鉢が乾かないように、さっそく根巻きしていただきました。私の植木屋時代では、ワラムシロとワラ縄で根巻きをしていましたが、今では麻布を巻いて、太い麻ひもを2本使いにして巻き上げていくのです。ずいぶんとスマートになりました。
根巻き

さすが慣れたもので、たちまちきれいに根巻きが完了しました。日中は作業ができないので、21時以降の夜間作業で木を掘り上げ、圃場に植えてやることに。最悪の時期の移植ですが、なんとか活着してほしいです。
完了

現場の確認

  • 2020.06.13 Saturday
  • 05:55
昨日はニセコへ。植栽設計のお手伝いをした現場の、仕上がり具合を確認に行きました。ホテル入り口の車廻しには、立派なハルニレが。ここはいわば屋上緑化なので、根系の空間制限と重量制限との関係から、ぎりぎりの大きさの樹木が植えられています。せっかくがんばって残してくれた下枝ですが、車廻しは見通しが必要なので、落とした方がいいような気がします。
車廻し

ウェディングの会場となるチャペルがある建物。右側は水が張られた広場で、左側がシンボリックな植栽空間となっています。
チャペル

ここの植栽をどうするのか、外国人である施主や設計者の意向が今一つよくつかめず、ええい!勝手にせい!と手を引きました。するとここには本格的な日本庭園が!本州の業者の施工とのことでしたが、南国の方の意向で、本州の業者が造っても、ここは我が国有数の豪雪地帯。今冬は記録的な少雪に恵まれたものの、本来屋根まで雪に埋まる積雪圧に耐えられるのでしょうか…
日本庭園

コンドミニアムの庭園部に、ちょうど植栽工事が入っていました。ここもずいぶんとすったもんだした場所でしたが、樹木が入ると落ち着いてくるものです。
庭園

足元に植える草本類が搬入され、一気ににぎやかになってくることでしょう。ここもオーナーは外国の方が多いので、どんな風に感じるのか気になるところです。
草本植栽

ゲレンデに直結するエントランスには、大空間に相応しい大径木が収まっていました。思ったほど枝枯れも少なく、施工時の苦労が偲ばれます。
ゲレンデ入り口

スキーをしない私にとっては、ここにお客として来ることはないでしょうが、5年後10年後には落ち着いた植栽景観が展開され、正面の羊蹄山の眺望に負けない存在感が生まれていることでしょう。緑が濃くなる季節にこっそり覗きに来るかな。
羊蹄山

庭園の出来映え

  • 2020.06.09 Tuesday
  • 05:54
昨日は厚別まで行ったので、昨年久しぶりに造った庭の様子を見てきました。積雪が遅くなり、土壌凍結もかなりあったので、植物の傷みが出てやしないかとドキドキでしたが、道路際のハウチワカエデはしっかりと根付き、足元のフッキソウもきれいにカバーできていました。
ハウチワカエデ

中庭に入ると、手前のノムラモミジも真ん中に植えたイロハモミジも、全く枝枯れを起こしておらず、すくすくと枝を伸ばしていてホッとしました。特にイロハモミジは、昨年本州から急遽持ってきただけに、多少の枝枯れは覚悟していたのです。植える前にムダ枝をきれいに透かし、木の活力を集中させることが大切なことがよく分かります。
モミジ類

デッキには、ファニチャーが置かれてガーデンライフを楽しんでいる様子。ソファーは買ったものですが、ほかの家具はすべてご主人の手づくりだとか。建築家だけに器用なものです。
ファニチャー

イロハモミジの足元には、ゲラニウム ‘ロザンヌ’を植えていますが、これもすべて活着してました。あと一月もすれば地面が見えないくらいもりもりになり、たくさんの花を咲かせてくれることでしょう。
ロザンヌ

苦労して据えた4.2トンの巨石は、半分以上埋め込んでいるので、どっしりと落ち着いています。周りの植物が伸びてくれば、昔からあった岩のように感じられることでしょう。
巨石

旧庭との接続部には、坪庭風に灯籠を置き、エゴノキを添えています。残念ながら今年は花が咲きませんでしたが、将来が楽しみです〜
坪庭

骨格の樹木には全く問題がなく、あとはヤマアジサイなどの低木や、根締めの草ものなどがしっかり葉を広げてくれば落ち着いてくることでしょう。時々見に来る楽しみができました。

手直し工事

  • 2019.10.23 Wednesday
  • 05:37
今年は珍しく、庭の造成をやってきました。約40年前に造った庭を建て替えに伴って改造することになり、春から何度も通って、先月ほぼ完成しました。ところが、予算的に砂利敷きを落としていたら、やっぱりちょっと… ということになり、入れ直すことに。まずは植栽を除けて土をすき取らなくてはいけません。
すき取り

砂利は土に直接敷くと、土にまみれて無くなってしまうので、下に防草シートを敷き込みます。植栽が絡むところはシートをカットして、植え込まなければならないので、けっこう手間がかかりました。
砂利入れ

敷き込む砂利は、サビ御影を砕いた伊勢砂利です。もっと白いのが…と希望されましたが、神社ではないので、お白洲は止めましょうとサビ砂利にしてもらいました。来年植物が芽吹いてくると、サビ砂利との相性がいいことが分かってくれるでしょう。
完成

玄関を入ると正面がガラスになっており、視線が庭に抜けているため、確かに砂利を敷いた方がアクセントになってよくなりました。テキパキと作業してくれたので、ここまで2時間弱。予定より早く片付きました。
玄関から

坪庭の補植をやってもらっている間、私は旧庭部のベニシダレの剪定を。ここ何年も剪定していなかったらしく、枝が暴れてひどいことに。灯籠も隠れて見えなくなっておりました。
暴れ放題

植木屋時代、庭園管理はほとんど私がやってました。何年も同じ木の手入れをやっていると、樹種によるクセを覚えられるので本当に勉強になりました。ベニシダレはこれより大きいのが北大の圃場にもあるので、剪定は慣れたもの。ふと視線を感じて振り返ると、また仕事ぶりを監視にやって来ておりました。朝からずっと付いてきてじっと見ているのです。
監視

これも1時間ちょっとで剪定完了。全然腕が落ちてないですねぇと感心されました。これで灯籠も見えるようになり、すっきりと。
剪定完了

挨拶して帰ろうとしたら、元からあるヤマモミジが真っ赤になっているのに気がつきました。これも少しハサミ入れたいところだけれど、高所作業車使わないとできないので大仕事になってしまいます。そこまでやるとまた植木屋に戻ってしまうので、あとは後輩に託しておかなくては。
ヤマモミジ

めでたく完成

  • 2019.09.19 Thursday
  • 05:45
庭園工事もいよいよ最後の作業。草本類の植え込みだし、50数種300ポット以上苗を植え込むので、そこはゴッドハンドを持っているガーデナーSの出番です。30年を超えるつきあいなので、忙しい中手伝いに駆けつけてくれました。苗の配置の早いこと。
苗の配置

半分は現場合わせで苗を置いていかなければならないため、まごまごしていると植え込みに追いつかれてしまいます。午前中でほとんど目途が付いてしまいました。
ゴッドハンド

近くの丸亀で昼食を取っていたら、近くに梅木さんが来ているのでここで合流。三人の組み合わせも久しぶりでした。
梅木さん

さっそく現場に連れて行くと興味津々。庭園だけでなく建築の方にも興味があったようで、あれこれチェックしておりました。
チェック

ここには大きなネコが2匹おり、いつも窓の外を見ています。ちゃんと仕事しているのか、監視されているみたいだなあと笑っておりましたが、庭の工事が終わらないと外で遊べないので、早く造ってよぅと思っているらしい…(^^;)
ちょめ

苗にしっかり水をやり、土を流して無事に完成。新庭と旧庭のつなぎ部分には、かつてテラスで使われていた御影の板石を再配置し、うまく収まりました。植物がもう少し育てば、いい雰囲気になりそうです。
つなぎ部分

旧庭から見ると、灯籠とエゴノキの存在感はすばらしいもの。当初灯籠はもういらないと言っていたのですが、説得して据え付けてみると、納得してくれました。この灯籠を今買えば、何十万もする逸品ですからね。
旧庭から

中庭に入れた樹木もうまく収まってくれたし、40年前小樽の家から運んできた御影の板石の存在感は抜群で、前の庭にあった資材は全く捨てないで使い切ることができてなによりでした。
中庭

庭園の現場から離れて30年も経っているけれど、昔身についた感覚は全く消えないものだということが分かったのは、私にとってもいい経験になりました。さぁまた頭を切り替えて、ふだんの仕事に戻らなくては。

完成まであと一歩

  • 2019.09.18 Wednesday
  • 05:40
今年は珍しく個人庭園を造っています。今から40年近く前に造った庭の一部が、建て替えによって改造しなければならなくなり、また一肌脱がなければならなくなったものです。夏に石関係の造作を進め、涼しくなってきたのでいよいよ植栽工事を。昨日はまず樹木の植栽を行いました。中庭の真ん中には、イロハモミジがほしいとのことなので、春に本州から運んでもらい、畑で養生してました。剪定も私がちゃんとやってあります。
イロハモミジ

中庭はコンクリートの塀で囲われているので、印象を和らげるために、葉の色に変化があり下枝のある木がほしくて、ノムラモミジを入れることに。足元にはアジサイやヤマアジサイを植えるので、2〜3年すれば緑に埋め尽くされると思います。
ノムラモミジ

残っている日本庭園とのつなぎには、移設した灯籠を据えているので、それに添えてエゴノキを植えました。灯籠だけだとなんとも落ち着かなかったこの一角が、樹木が入るとビシッと引き締まるところが造園の醍醐味です。
エゴノキ

今日は引き続き草本類の植栽を行うので、堆肥をたっぷりすき込んで準備をしておきました。朝早くから夕方4時までびっしり動いていたので、さすがにへろへろに。先ほど体重を測ったら、一日でちょうど1kg減っていたので、かなりの運動量だったのでしょう。
堆肥の混和

敬老の日に、孫たちから「おじいちゃん、おばあちゃん、いつもありがとう〜」なんてカードもらって、なんだこれは?誰のことだ!と言ったばかりだけれど、さすがに昔のようには動けないなぁ…(>_<) でも今日は最後の仕上げなので、またがんばるぞっ!

樹名板の取り付け

  • 2019.08.31 Saturday
  • 05:58
昨日は新琴似へ。6日に作成した樹名板のうち、新琴似小学校の分はその日に子供たちと取り付けたのですが、新琴似神社の分が付けられませんでした。そこで連町の役員とまちセンの所長と共に、残った分を取り付けることに。残りはちょうど30枚。取り付ける順に整理しておきました。それにしてもよく出来ています。
樹名板

付け方は、ビス留めとひもで縛る方式にしました。釘やビスで留める方法は、痛そうだとか、傷が付くとか、いろいろと言われることもあるようですが、そんな心配は無用です。却ってブラブラして幹に傷が付いたり、すぐに切れてしまったりして、問題が多いのです。
ビス留め

一株あるヒノキアスナロは、こんもりして幹が見えないほどでしたが、一箇所だけ枝にすき間があったので、幹に縛り付けることができました。この板は、かみさんが上下間違って作ってしまったので、仕方なく穴を開け直したものでしたが、怪我の功名、却ってしっかり取り付けることができました。
吊り下げ

ちょうど石材屋のトラックが何台も来ており、作業をやっていました。一年前の胆振東部地震では、ここの鳥居も一基完全に倒壊し、他の二基も危険と判断されたものでしょう。三基とも造り直しているところだそうです。御影風の肌でしたが、鋼管に吹き付けたものでしょうか。
鳥居の取り付け

紐も、シュロ縄だと最近のものは粗悪品が多くて切れやすいので、化学繊維のものを使いました。普通なら白や黄色のものしかないのですが、たまたま自衛隊の売店に黒い紐があったとかで、一巻き買ってきてくれたものです。迷彩色なのかな?
モミジ

最後に境内一の大木であるヤナギに取り付けました。幹周が340cmもある巨大さで、シロヤナギに近いけれど完全に一致せず、ヤナギに詳しい方に確認してもらったところ、シロヤナギとなにかの自然交雑種ではないかとのこと。ヤナギではよく起きることだそうです。このため、「シロヤナギsp.」というラベルになっています。
ヤナギ

来月にはここでお祭りがあり、地域の方がたくさん集まってくるのでちょうどよかったと、役員さん達も喜んでいました。中には屯田兵の子孫の方もいて、週に3回この建物が公開される時には、交代で詰めているのです。地域のより所になる場所だけに、いい仕事が出来てなによりでした。
屯田兵中隊本部

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