街路樹の受難

  • 2016.12.22 Thursday
  • 06:02
昨日の昼間は、ずっとバタバタしていて、冬至の瞬間を味わうヒマもありませんでした。まぁとにかく、これから日が長くなっていくことだけは確かです。いただいた香り高い柚子羊羹を味わい、いつも食べているけれど、ちょっと神妙に冬至南瓜+小豆も食べたので、今年の冬も元気に乗り切って春を迎えようと思います。

ゆずかぼちゃ

昨日プラタナスの話をしたら、イチョウの街路樹の伐採話が仙台から入って来ました。数年前に、札幌の街路樹の多くが傷ついて弱ってしまうため、すぐに伐採してしまうと道新に叩かれた際、取材を受けた仙台市は「杜の都仙台市では、街路樹は景観上極めて重要なので、計画的な伐採など行っていない。」と豪語していたのになぁ…

仙台
 (朝日新聞デジタルニュースから拝借… m(__)m 2016-12.21)

この春に12本すべて伐採しようとして、さっそく市民から猛反対を受け、あれこれ検討した結果、1本はそのまま残し、1本を移植して、残り10本の伐採をいよいよ始めたようです。どういう検討をやった結果なのか分かりませんが、なんとかならなかったのでしょうか。

こんな話はあちこちで起きていて、今まさに話題になっている東京オリンピックに合わせ、マラソンコースの一部に電柱が立っているのが見苦しいので、さっそく電線地中化事業に手を付けました。これによって樹齢70年のイチョウが相当数伐採されようとしています。

白山通
 (東京新聞 Tokyo Web より拝借… m(__)m 2016.12.9)

東京では、オリンピックのどさくさに紛れて、都内ではいろんなことが起きているようです。単純に「木がかわいそうだから守れ!」というものではありませんが、しっかりとした説明を地域に提示してこなかったようにも思えるので、しばらくこじれてしまうでしょう。それにしても思うのは、各自治体にある緑の部局の力のなさです。おそらく土木サイドでどんどん話が進められ、最後の最後に緑の方で後始末やってね〜とほり投げられたものではないかと。札幌だけかと思っていたけれど、全国どこでもこんな話ばかりです…

ニセアカシアの強度試験

  • 2016.12.18 Sunday
  • 05:56
都心の現場の記録も、ようやくこれが最後になりそうです。m(__)m
駅前通の街路樹については、いろいろすったもんだがありましたが、引き続きニセアカシアを植えることになりました。外来種だからダメだとずいぶん批判を受けましたが、札幌の町自体が我々「外来種」によって造られてきたわけですから、その歴史性を象徴するものを遺しても全然かまわないと思います。

それよりも、ニセアカシアを植えた場合の危険性の方が心配でした。2004年の18号台風では、北大のポプラ並木を初め、たくさんの樹木が被害を受けましたが、もちろんその中にニセアカシアもたくさんありました。台風が通過した直後に、カメラの電池が続く限り市内各所の被害状況を見て歩きましたが、ニセアカシアの街路樹もたくさん倒れていました。浅根性樹種なので、風害によって根返りしやすい樹種であることは間違いないのです。
台風被害
 (台風18号による、ニセアカシア街路樹の風倒被害  2004.9.8)

でもよく見ると、その根は腐朽してボロボロになっていました。その原因は、頻繁に行われている道路工事によるものだと、かねてから目星が付いていたのです。景気対策だかなんだか分かりませんが、しょっちゅう舗装や縁石を取り替える工事が行われていますが、その際に邪魔になる根はすべてぶつ切りにされ、ちゃんと傷の手当てしておけばまだ発根してくるものを、ぶつ切りにされたまま埋められるのですから、腐って当たり前なのです。
植えます工事

ところが駅前通では、30年以上いじられていない植えますだったので、根に傷が付いていない可能性が高く、それであれば本来の強度が分かるはずだと、さっそく試験を行うことにしました。農学部の木材工学科の先生をよく知っていたので話を持ちかけ、撤去されるニセアカシアの街路樹を使って引き倒し試験を行いました。2006(H18)年10月18日の夜です。
木材工学研究室

隣の木の根元に支点を作り、ウインチで負荷をかけて、どのくらいの力で倒れるかを調べていくのです。
ウインチ

地下に張り巡らされている根が、ものすごい音でブツンブツンと切れていきます。けっこう怖いくらいの地響きと音でした。先生もびっくりしていましたが、なかなか倒れてくれなかったのです。50m近くの風で、ようやく傾くくらいの強度を持っていました。
引き倒し

試験した3本のうち1本は、幹に傷があったので、根返りする前に幹が割れましたが、この音もものすごいものでした。根の方がびくともしないので、幹の方がもたなかったのです。結局のところ、健全な根系と腐朽していない幹であれば、相当の風に対しても抵抗力があることが分かりました。
建て割れ

これらの木から材を取り、曲げ強度やせん断強度の試験も行われていますが、ニセアカシアの強度はびっくりするほどで、堅い木の代表であるクリやナラの3割以上、柔らかい材のポプラやイチョウなどの倍程度もの強度を持っていました。こんな堅い木であれば、製材してもっと使えばいいのに?と聞いてみたら、ノコの歯が欠けてしまうほど堅いので、嫌われるのだそうです。
せん断試験
(「ニセアカシア街路樹の耐風性」 北海道大学 演習林研究報告 第六十四巻 第二号より)

この結果を受けて、健全な根系が大きく張れるよう、「根系誘導耐圧基盤」という特殊な植栽基盤を道内で初めて導入するとともに、ある程度に育つまでの支柱をがっちりと、しかし傷が付かないような工夫を施すことにしました。ニセアカシアは極めて成長が早いので、根系に比べて頭でっかちにならないよう、剪定にもかなり気を使っています。何気ない風景に見えますが、ここに至るまでには、いろいろな検討や工夫が凝らされているのです。
駅前通

ハルニレの試掘

  • 2016.12.16 Friday
  • 05:48
現場の記録シリーズが続きます。昔の現場も、このような形で記録に残しておかないと、私自身忘れてしまいそう…という思いがあるのです。

創成川のシダレヤナギは、移植ができないためにコースターとして形を残すことになりましたが、駅前通にあるハルニレとニセアカシアはどうしようということになりました。中央分離帯に植えられているハルニレは、札幌オリンピックが終わった翌年、1973(S48)年に植栽されたものです。千歳ICの周辺にある伊藤組山林から、根回しをかけて移植したものだと聞きました。
植栽直後

一度だけ、枝がぶつかったとねじ込まれ、その担当者の独断でかなり強い切り詰め剪定が行われたことがありましたが、回りから大顰蹙を買ってしまったので、以来ほとんど手をかけない自然樹形で育っていました。こんな素晴らしい樹形の木なので、いったん移植して養生し、工事が終わったらまた元に戻すという方向に進んでいたのです。それは絶対に無茶なので、どこかいい場所に移植して余生を過ごさせる方向を想定していました。
駅前通

そもそもこれだけ大きく育った大木を、この狭い中央分離帯から抜き取って移植することができるのか、その可能性を探るための試掘調査を行ったのです。記録では、創成川の試掘の3日前、2003年9月16日のことでした。
仮設

ハルニレは何度も移植したことがあるので、どんな根なのか想像はついていましたが、やはり網の目のようにびっしりと根が現れ、とてもスコップなんかでは掘ることができず、バリで土を崩して移植ごてで運び出すという、発掘現場のようになりました。
手掘り

ハルニレの根は、幹と全く同じで極めて強靱な樹皮に包まれています。ムチのような根が絡み合い、試掘は難航を極めましたが、なんとか深さ1mまで掘り進むことができました。
試掘

ハルニレは浅根性の樹種ですが、好湿性なので地下深くに垂下根を下ろして水分を吸収しているようです。これが深いところから現れてきました。このため移植にあたっては、一発移植を行うとダメージが大きくなるため、根回しといって、あらかじめこの根を切断して根をふかさせる作業が不可欠だという結論になりました。
垂下根

ハルニレの根の動きは、6月と9月に二つのピークがあるという調査結果があるので、翌春早くに根回しを行い、樹を支える支持根を切断することから、打ち込み式の地下支柱を取り付けました。このようにして、南大通から北4条通までのハルニレは、さらにその翌年掘り上げられ、大通公園西8丁目に3本、北大構内北キャンパスとリサイクル団地に残りが移植されていったのです。
根回し

大通公園のものはいつも見ていましたが、残りは最近見ていないので、来年は様子を見に行かなければなりませんね。

ヤナギの試掘調査

  • 2016.12.14 Wednesday
  • 05:55
創成川のシダレヤナギについては、幹のサンプル採取の前に、根系の試掘調査をやっていました。昨日写真が見つからなくて変だなと思ったら、違うフォルダの中に入っていました…m(__)m
とんでもない移植費の見積が出ていたけれど、そもそもシダレヤナギの大径木を移植できるのか?これは、私が植木屋時代にさんざん樹木の移植をやって来た経験から分かることですが、よくもそんないい加減な見積出しやがったな!ということなのです。いろいろ理屈でいうよりも、実際に試掘してみれば、単なる机上の見積だと言うことがすぐに分かることですから。

こうして当時の創成川の中を歩いていると、とても大都市のど真ん中にいるという気がしなかったです。こんな場所で試掘調査が行われました。
都市内の秘境

シダレヤナギの植えられている場所は、道路と創成川の護岸の間の狭い空間です。そこにどのような根系が張り巡らせているか、トレンチを掘ってみることに。作業をやってもらったのは、私が昔働いていた会社なので、阿吽の呼吸が通じる人たちでした。
対象木

一般にヤナギの根系は、地下深くまで水分を求めて伸びていくことが知られています。水湿地ではそれが浅くなり、乾燥地では水分を求めてどんどん深く伸びていくのです。このような場所であれば、創成川の水を求めてかなり深く伸びていることが推測されます。樹木の根系については、苅住(かりずみ のぼる)さんの「樹木根系図説」を見ると基本的な根系が分かるので、実際に掘った情報と併せて検討することができます。
根系図説
 (「樹木根系図説」  苅住著、誠文堂新光社、1987 より)

ただでさえ狭い空間に育っているのに、一体どうやってこの木を掘り上げようと思ったのか?誰が見ても無理なことは分かるでしょうに。さらに、根の張り方が粗く、土壌の保持力が乏しいと図説に書かれている通りなので、これではとても根鉢を付けて掘り取ることは難しいでしょう。
掘り取り作業

浅いところにはそれなりに根が伸びていましたが、とても土を掴んでいるほどの細根の密度がありません。10数メートルもあるある大木を確実に移植するためには、しっかりした根鉢の中に細根をたくさん保持されていることが不可欠なのです。
細根

さらに深く掘り進んでいくと、予想していた通り、深いところに伸びている垂下根(すいかこん)と呼ばれる太い根が伸びていました。これは樹木を支持すると同時に、根の先で川底の水分を吸い上げているものと考えられます。これを切断して移植することは不可能なので、1億円の移植見積はなんの根拠もないものだということがはっきりしました。この時は、私の厳しいチェックが働いたので、こんないい加減な仕事が発注されることはありませんでしたが、世の中にはこういう無駄な工事がたくさん行われているのでしょうねぇ…
垂下根

創成川のシダレヤナギ

  • 2016.12.13 Tuesday
  • 05:55
この時期はひたすら業務の成果品づくりに追われる日々が続き、気晴らしに雪かきするほかには、外には出ないことも結構あります。そんな中、ちょっと理由があって昔の仕事を整理する必要があり、画像を見直したりレポートをめくったりすることがちょっとした息抜きに。そんなことから、昔の現場をあれこれ振り返ってみようと思います。

今回は創成川です。整備前の姿は、もう忘れてしまった方も多いのではないでしょうか。創成川通にアンダーパスができたのは、今から40年以上も前の札幌オリンピックの時でした。それまでは川に蓋をかけてサーカスをやったり、この時期であれば歳の市が立ったりと、賑わいの空間だったようです。それがこの工事によって東西が分断され、川岸に植えられたシダレヤナギが大きく育ったことにより、緑の壁ができてしまいました。狸小路から二条市場に渡るためには、遠回りして横断歩道を2回渡る以外には、暗くて気味の悪い地下道を通っていくしかないので、二条市場はそれで寂れたと言われました。川縁を歩くこともできないので、真ん中に川があることすら気付かなかったかもしれません。
020708創成川
 (昔の創成川の姿  2002.7.8)

今回の整備によって東西の行き来が昔のようになるのでは?という期待が、創成川東の人たちにはものすごく強かったのです。その基本計画を検討する委員会に、私は参与という、技術的なアドバイスをする立場で参加していました。その中で一つ問題になったのが、それまで緑の壁を作っていたヤナギの扱いでした。木を伐ることに異常なほど反応するクレーマーがいるものだから、結果的に枯れてもいいからすべての木を移植したいというのです。その見積もあるというので提出してもらってびっくり。約200本ものヤナギの移植に、なんと1億円もかけるというのですから。

その金はみんなから集められた貴重な税金ではないか!ふざけるのにもほどがあると、そこからが私の出番。移植する価値があるのか、きっちり調査して正確な判断を出しておけば何も怖くないので、ある方法を提案したのです。林業でよく使う道具に成長錐(せいちょうすい)(Increment Borer)があります。スウェーデン鋼の極めて鋭い刃で、直径5mmほどのサンプルをくりぬくことができる道具です。多分この会社の製品が、世界中の独占品ではないでしょうか。
040924成長錐
 (成長錐でサンプルをくりぬいていった。 2004.9.17)

ヤナギのような柔らかい材であれば、30cmくらいなら簡単にくりぬけるので、特に幹の芯の部分に腐朽が入っているかどうか、これでサンプルを取れば一目瞭然に分かります。外観では判断できないような健康そうな木でも、意外と芯がダメになっているものが多く、それで絞り込みをかけようと提案しました。
サンプル

その仕事に入る直前に、忘れもしない18号台風が襲来し、創成川のヤナギも15本が倒れたり折れてしまいました。その切り株を見れば一目瞭然。これを細いサンプルで再現できるわけですから、説得力が格段に上がることになったのです。
040917年輪

対象木204本をすべてくりぬき、正確に記録しながら移植対象にふさわしいか判定していきました。右の数字は成長錐を入れた方角と地上高を示しています。この結果、移植可能と結論づけたものはなんと5本しかありませんでした。成長は早いけれど、材がもろく傷つきやすい特性から、ほとんどの木の幹が腐朽していたり、空っぽになっていたりして、移植に耐えられないと判断されたのです。5本も後から補植された小さな木ばかりだったので、なんとまるまる1億円もの貴重な税金を、無駄にしなくで済んだのでした。
041105最終報告
 (2004年11月5日に提出した最終報告より)

この結論の後、直ちにヤナギは伐採され、足元にあったライラックなどの低木は、すべて他の公園などに移植されました。いよいよ工事が始まる直前にこれを見ながら、ヤナギにはかわいそうだったけど、こういうことはきちんと割り切って仕事を進める必要があるからなぁと思いました。
050129創成川

実はこの提案をしたときに、伐採する木はゴミにしないでぜひ活用して欲しいとお願いしていました。ヤナギの材は柔らかいので、まな板にピッタリだから、健全な部分を切り取って創成川という焼き印を押し、市民に還元すれば喜ばれるし、伐採した木の供養にもなるはずだと。ところが、あまりに腐朽が進んでいるので、まな板にするだけの材が取れませんでしたと、出てきたのがこのコースターでした。いろんなイベントで配られたので、持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、こんな経緯で生まれたものだったのです。
コースター
 (この文字は、当時の上田市長によるものだそうです…(^^;))

イチョウの試掘調査

  • 2016.12.12 Monday
  • 06:01
北3条広場の整備では、イチョウの街路樹の保全が最大の目標だったため、絶対に試掘調査が必要とお願いしてありました。ようやく許可が出たのが、今からちょうど7年前の2009年12月です。当時の植えますは、2m角ほどしかなく、本当にかわいそうな状態でした。こんな狭い空間で、どんなに根が伸びているのか確認する必要があったのです。12月15日だけどまだ雪は積もっておらず、とっても寒い一日でした。
植えます

根が張り巡らされているはずなので、小さなスコップとパリで掘り進めていきました。表面の5cmほどは凍り付いていましたが、その下はサクサクと掘り進むことができ、すぐにたくさんの根が出てきます。イチョウの場合、根元を埋められるとすぐに途中の幹から発根して、いわゆる二重根の状態になっていきます。
試掘

コンクリートガラなど、昔のずさんな工事によって埋め殺されていたものがたくさん出てきましたが、約60センチほど掘り進めたところで、元の地盤面とおぼしき土の層と、横に広がる太い支持根が出てきました。ここにイチョウ並木が植えられたのは、1925(T14)年のことですが、当時の地面がこのあたりだということになります。
二重根

車道側は通行に支障が出るからと夜間作業しか許可が下りず、翌日の夜9時過ぎからの作業となりました。とっても寒かったことを思い出します。自分で穴掘りでもやれば暖まるのですが、見ているだけというのは寒いものです…
夜間作業

道路に敷き詰められているコンクリートブロックを剥がしていくと、その下の砂の層のさらに下に、もともと敷き詰められていた木塊(もっかい)れんがの舗装面が出てきました。札幌初の舗装道路は、なんとアメリカ産のブナ材からなる木塊れんがの舗装だったのです。これについては、別の委員会でそのまま埋め殺してしまうという方向性が出ており、この試掘では最小限のスペースだけ穴を空けさせてもらうことになりました。
木塊煉瓦舗装

昔やられた試掘調査では、半分くらいは原形を留めていることになっていましたが、掘り上げてみると確かに形はあるものの、ほとんどがボロボロと崩れてしまう状態で、腐朽していないものは一割程度しかありませんでした。少しでも栄養分を吸収しようとしていたものか、イチョウの細い根がわずかに伸びていましたが、とうとう太い根は見当たらなかったのです。
木塊れんが

大正時代の施工というので、せいぜい砂利の上に木塊れんがを並べたくらいかと思ったら、しっかりと練られたコンクリートの層があり、これがブレーカーでもなかなか突破できないくらい硬いものでした。よほど丁寧に練れられたものだったのでしょう。この層のおかげで、この下にはイチョウの根がほとんど伸びなかったのでしょう。車道側には根系の分布はなさそうだということが分かったのです。
試掘抗

これらの情報を整理し、現況の模式図として示したのがこの図です。小さな植えますながら、二重根の根系が密生しているので、これを拡大することにより、新たな根系を大きく張らせることが最も大切になります。このため、数本まとめて大きな植栽ますを作り、間はデッキ構造として根系に無理がかからないような、現在の整備内容を設定することができました。このような具体的な根拠を元に計画を進めれば、あとで何が起きても対応が可能だし、お金がかかりすぎるとか、文句言われることもなくなるのです。
模式図

整備後二年目の今年は、かなり枝葉が繁ってきたので、来年以降イチョウの生育の回復が楽しみです。

土木学会デザイン賞

  • 2016.12.10 Saturday
  • 05:49
朝起きてびっくり。外は一面の雪原状態になっていて、ひざの高さまでしんしんと積もっていました。除雪も来なければもちろん新聞配達も来ないし、私の車は除雪車じゃないので、はたして下りていけるかどうか… 今日は一日雪かきに追われそうですねぇ。

北3条広場の整備が、今年度の土木学会デザイン賞の優秀賞を受賞しました。最優秀賞4点は逃しましたが、優秀賞6点の中に入ったので、まずはよしとしなければ。
その1

私がこれに関わったのは2009年からで、すでに駅前通と創成川通の整備が佳境に入った頃でした。札幌の都心部の大改造に関わっていたこと、道路を廃止して広場にすると共に、札幌で一番歴史ある街路樹を保全しながら活用するという、高いハードルがあったことも、私の出番になった理由の一つだったようです。私としては、これまでいろいろと関わってきたランドスケープの仕事の中でも、「都市と緑」というテーマの集大成いう気持ちで取り組みました。

その2
その3

保全するだけであれば、樹木医に頼めば済むことでしょうが、保全と活用のバランスをとりながら、質の高い空間を創り上げていくことは、まさに本来のランドスケープの醍醐味のような仕事でした。単なるプランニングにとどまらず、植木屋として高い木の梢まで登ったり、このイチョウより大きな木の移植を行ったりした経験が、こういう時に役立ってくるのですから、有為転変した私の職歴が、ようやく実を結んだとも言えたのです。

その4

この仕事は、設計を担当した事務所の質の高さ故に、とても気持ちのいいものだったことも特筆されます。いろんなハードルが次々と現れてくるのですが、その解決方法をいろいろ提案していくと、次の打合せまでにしっかりとした答えが用意されていくので、小気味がいいというか、感心させられることが多々ありました。そのことが今回の受賞に繋がったわけですから、心より感謝したいと思っています。
この講評に、反対側にすでに整備されていた日本生命ビルの整備との協調のなさが惜しまれると書かれています。確かに「都市と向き合おうと」光井戸の設置などを行っているものの、せっかくのイチョウ並木との対話が何も感じられない、見事なすれ違いのデザインだったことへの、反発心みたいなものがずっとありました。このあたりが、このイチョウの保全に長年心を痛めてきた地元の技術屋としての、意地の見せ所となったのかもしれません。

その5

胆振海岸

  • 2016.09.01 Thursday
  • 05:51
記録的な四つ目の台風による被害は甚大で、特に十勝地方の被害が大きいようです。十勝はほとんど孤立状態になっているようで、JRも高速も止まり、国道も狩勝、日勝、三国の各峠や天馬街道も止まってしまったので、襟裳岬を回っていくしか方法がなくなりました。農業王国なので、農地そのものの被害も心配な上、これから収穫の時期を迎えるにつれて、物流の復活は急務になります。一日も早く復旧することを祈るばかりです。

そんな中、胆振方面に調査に出かけました。高速道路には、吹き飛ばされた木の葉が落ちている程度で、回りの林にもそんなに倒木被害は起きていない様子。現場でも数本の木が傾いている程度で、まずは一安心でした。
まるでオブジェのようになっているのは、イチイの木。どうしてこんなになっているかというと、シカの届くところの葉がみんな食べられてしまい、全部食べられたものは枯れてしまいました。届かない枝が残っているものは、それより下がみんななくなるので、こんな風になってしまうのです。シカの被害は、全道的にますます深刻になってきています。
シカの食害

ここに植えられているエゾヤマザクラは、約30年前に植えられた立派なもの。でもその中には、テングス病に侵されているものが混じっているので、その確認をやって来ました。上を見上げるのには不安がありましたが、急に見上げなければくらくらしなくなったので、めまい症からはかなり回復したようです。
エゾヤマザクラ

エゾヤマザクラにはテングス病はあまり発生しなかったのですが、最近は普通に発症するようになりました。これも温暖化と関係があるのかしらん。このようにぶらりと枝が垂れ下がり、起き上がろうとして丸みを帯びた固まりになるのが最も一般的な姿です。
ぶら下がり型

もう一つのタイプが、細かい枝が竹ホウキのように無数に伸びるタイプで、英名「Witch's broom (魔女のホウキ)」は、まさにぴったりな名前です。
直立型

たくさんの病巣を発見しましたが、実際に切除するのは休眠期になる10月以降。葉が落ちればさらに確認しやすくなるので、徹底して取り除かなければなりません。札幌に限らず、各地の街路樹や公園樹にもたくさん発症しているのに、いまだに放置されたまんまになっているのは考えものです…

帰り道、海岸の様子を見に行きました。山の中の現場にいても、ず〜〜んず〜〜んと地響きが聞こえるほどの荒れ模様。ここの海岸保全の仕事をやっていたこともあり、どんな様子が気になったのです。すると緩傾斜護岸と、その前面に消波ブロックを組み合わせた保全施設が整備されていました。
胆振海岸

台風の余波はかなり収まっているはずですが、それでも3m近くの波浪が押し寄せています。十波に一つくらいビッグウェーブになるものがあり、これがブロックに当たって砕けると、地響きとともに大量の飛沫が吹き飛びます。かつての自然海岸時代には飛沫による塩害はほとんど起きなかったのですが、護岸の整備とともに塩害が相当内陸まで及ぶようになりました。これは全国的な課題の一つになっているのです。
ビッグウェーブ

道南の植物探し

  • 2016.06.12 Sunday
  • 05:48
昨日は道南の仕事のため、またまた特急の旅。指定が全然取れなくて自由席になりましたが、かえって少し空いているくらいでした。こんなに早くから、みなさんどこへ行くのでしょう??
道南

朝からよく晴れて暑いくらい。大沼の湖畔ではミズバショウが「ベコの舌」状態になっている横で、キショウブが満開になっておりました。オオハンゴンソウの駆除は始まっているそうですが、キショウブまでは手が回らないのでしょう。
キショウブ

この辺りにいると、どこからでも駒ヶ岳の特異な山容が望めます。先日の事件ですっかり有名になりましたが、あの辺りの森をよく知っている地元の方に聞いても、普通ではあり得ない不思議な話だったようです…
駒ヶ岳

車窓から見ていると、あちこちでカンボクの白い花が満開になっており、随分自生が多いんだなぁと感心するほどでした。
カンボク

午後から行った畑では、オオバクロモジにも出会いました。ムラサキシキブと共に道南独特の低木です。香りがよい材なので、高級品の楊子が作られます。
オオバクロモジ

もう一つ、これも道南にしかないハナイカダに、ちょうど花が咲いていました。この木には実が成るそうなので雌株のようです。花よりも真っ黒い実が葉に乗っている姿を、一度見てみたいものです。
ハナイカダ

さすがに週末の出張は疲労困憊… 帰りの特急では一時間以上爆睡してしまいました。車内はガラガラなので、朝あんなに混んでいた人達は、新幹線で東北や関東に出かけていったのでしょうか??ようやく室蘭を通過する頃、数年前に景観審議会の現地視察で話題になった巨大3本煙突(JX日鉱日石エネルギー室蘭製造所)の新しい塗色が見られました。地元の方の人気投票では、7,500票のうち3,000で室蘭マリンブルーに決まったとか。とても上品だけれど、夕暮れの空の中ではちょっとインパクトには欠けるかなぁ… 夜中になればもっと浮き出てくれそうです。
3本煙突

白石駅から豊平へ

  • 2016.05.20 Friday
  • 05:42
このところ朝からよく晴れていますが、黄砂なのか朝日が不気味なほど真っ赤になっています。昨日は白石駅花壇管理のボランティアがあるので、町中を抜けていきましたが、あちこちでライラックが満開になっていました。創成川公園で28日に行われるライラックガイドツアーの頃には、もうかなり終わってしまいそうです〜(>_<)

いつも作業の前に、現場の下見を一回り。北口に回ると、先月みなさんが悪戦苦闘して剪定と誘引したつるバラが、新しい枝を伸ばしてもりもりになっていました。今年の花はきっと見事でしょうね。
つるバラ

作業はいつも南口花壇から始めます。こちらは昨年秋に土壌改良材を投与したので、少しは生育が回復してくるかと思いきや、どうもその中に雑草のタネが混じっていたようで、見慣れぬハコベのようなナデシコ科の雑草が一面に発生していました。最近の堆肥には、このような雑草混じりのものが多いのが困りもの。みなさんでせっせと抜きとっていただき、一通り退治できたようです。
南口

北口の花壇では、雑草はほとんどないものの、タネから周囲に猛烈に拡大しているダイヤーズカモミールと、根茎から一面に広がり始めているシュウメイギクが問題児。まずはダイヤーズカモミール退治から始めました。周囲の株を覆い尽くさんばかりに実生株が生えてきているのを、ていねいに抜き取っていただきました。
北口

せっかく白石まで来たので、豊平の緑のセンターを見てくることに。いよいよ7月には新しいセンターに引っ越すので、今のセンターもあと2ヶ月で閉館になります。こんな時期に来たことなかったなぁと、園内を歩いていると、地下鉄の入り口近くにウワミズザクラが満開になっていました。まだ2mほどの小さな木なので、わざわざこんなもの植えたのかなぁ?
ウワミズザクラ

バラ園の南には、オープン時からリンゴが3本植えられていましたが、この花を見たのも初めてでした。1本は真っ白な花なので食用のリンゴのようですが、あとに2本は赤とピンクの花なので、マルス(花リンゴ)の品種だったようです。
ハナリンゴ

山草園の入り口では、カメラおじさんが這いつくばってスズランの写真を撮していました。日当たりのいいものが少し咲いて来ているくらいで、何気なく見ていると「ドイツスズラン」というラベルが…えっと思ってよく見ると、葉の陰に花が咲いているし、葉の裏を見ると白っぽく、こりゃ「(日本)スズラン」じゃないか!!ということに気付きました。ドイツスズランの葉の裏は、濃い黄緑色で艶々しています。今まで花の時期に見たことがなかったので、全然気付きませんでした。やれやれ…
スズラン

緑のセンターに入ると、本棚に空きがあるので聞いてみると、少しずつ引っ越しを始めているのだそう。新館は却って狭くなる筈なので、以前鑑定したように不要と判断したものは整理されることになりそうです。展示室では、暖かい日差しを浴びてハーブ展が開かれていました。
ハーブ展

右側では野菜展となっており、よく見ると、展示しているポット苗をどんどん買ってもらうようになっていました。なので人気のあるものは既に空っぽになっているものがあるけれど、こういう展示はこの時期ならではのものでしょう。変にかしこまらずに、分かりやすくていいかもしれません。
野菜展

ハーブ展は22日まで、野菜展は29日までとなっています。いよいよ緑のセンターも見納めになるので、園内の花を見にぜひお出かけ下さい。

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