ホソバウンラン

  • 2018.09.04 Tuesday
  • 05:39
信号待ちをしている間は、なんとなく周りを見回していますが、街路樹ますや中央分離帯が近くに見えると、やはり何が生えているのか覗き込んでしまいます。先日白石駅に向かって走っていて、中央署の近くの分離帯にホソバウンランが咲いていました。どこからタネが飛んできたんだろうな?と思ってしまいます。
分離帯

ホソバウンラン(Linaria vulgaris)は、ユーラシアに広く自生し、我が国には明治から大正にかけて、園芸植物として導入されたようです。かつてはゴマノハグサ科でしたが、現在はオオバコ科。繁殖力が強いので、道内でもかなり広範囲に帰化しており、全道各地で見られるはずです。この写真は、土曜日に北大の圃場で撮したもので、学生の頃から圃場内に蔓延していたので、真っ先に名前を覚えた植物の一つでした。ここから家にいろいろ植物をもってきたので、我が家の庭にもあちこちで咲いています。
園2圃場

元々のウンランは、海岸に生えるなよなよとした植物で、茎は全く立たなくて、地面を這っています。これは釧路の恋問海岸で2013年9月29日に撮したもので、海岸草原ではもうほとんど花が見られない中に、よく目立つ黄色い花が見られました。
ウンラン

先日来、近くの病院に通っていたので、その脇に大きなホソバウンランの塊を見つけてびっくり。ラベンダーの株を飲み込むように大きく繁り、無数の花を咲かせているのです。冬には地上部は枯れてしまうので、毎年の生長量は相当なものでしょう。
病院裏

でもこの丈夫さに合わせ、長い花期を保つし、無数の花はよく目立つので、夏の間に軽く刈り込んでやれば、十分園芸植物として通用しそうです。
花のアップ

この写真は、ホソバウンランのファイルに入っていたもので、花の特徴からすればキバナウンランではなく、やっぱりホソバウンランだけど、どこで撮したものだか全く記憶がありません。こんなにきれいな花で、しっかりした茎があれば、十分花壇でも利用できるでしょう。これは2002年7月6日に撮されたもので、手帳を見ると土曜日で、朝一番に滝野公園に行き、昼前に当時勤めていて東区の会社に出社して仕事をしていました。滝野公園で撮したファイルにも入っていないし、う〜ん謎だなぁ…?
園芸化?

ヒメジョオンとハルジオン

  • 2018.07.20 Friday
  • 05:52
いろんなところでヒメジョオン(Erigeron annuus)の花が満開になっています。もともとは北アメリカが原産で、既に明治維新前後には渡来したと牧野図鑑には書かれています。Wikiには「1865年に観葉植物として導入…」とあるけれど、本当かなぁ…
ヒメジョオン

種小名の「annuus」は一年生のという意味ですが、北海道では積雪下で越年して開花し、タネを飛ばして枯れる二年草の性質になります。ということは、春先には地面に貼り付いているロゼット葉があったはずで、ガーデンや庭で花が咲いていれば、秋からずっと見逃し続けてきたということになり、ちょっと問題になります。
ロゼット葉

当初は「柳葉姫菊」と名付けられたものの、いつしかこの名前になりました。「女菀」は中国産の野草のことで、姫紫苑(ひめしおん)は既に別種にあるので、あえてややこしいヒメジョオンになったもののようです。でもたいてい「ひめじおん」と呼ばれることが多いでしょう。
花のアップ

これに対して、約一ヶ月ほど開花の早いのがハルジオン(E. philadelphicus)です。同じムカシヨモギ(Erigeron)属で、北アメリカ原産ですが、こちらは多年草のため、一度侵入すると群生する傾向があります。滝野公園でも管理センター前の植え込み内や、まきばのせせらぎの橋のたもとなどに群生があります。こちらは「春紫苑」の意で、大正中期に園芸植物として導入され、牧野先生が名付けたものです。
ハルジオン

この二種は、姿も名前も混同しやすいのですが、見分け方を一度覚えれば、簡単に区別できます。花はハルジオンの方が一ヶ月ほど早く咲き、頭花はややピンクを帯びることが多く、舌状花は糸のように細くなります。(右) また、つぼみが大きくうなだれるのも特徴の一つです。(上の写真) これに対してヒメジョオンの花は真っ白で、舌状花は幅が広く、つぼみがあまりうなだれません。(左)
花の比較

葉の特徴では、ヒメジョオンの葉は、だんだん細くなって茎に付くのに対し(下)、ハルジオンの葉の付け根は、広がって茎を抱くように付きます。(上)
葉の比較

もう一つの見分け方は、茎を切断すると、ヒメジョオンの茎には空洞がないのに対し(左)、ハルジオンの茎は中空となっています。(右)
茎の比較

ヒメジョオンでは、「1個体あたり47,000以上の種子を生産し、さらにその種子の寿命が35年と長い」(Wikiより)こともあり、どちらも強害雑草として、要注意外来生物や日本の侵略的外来種ワースト100に選ばれています。一番分かりやすい今の時期に、せっせと抜き取ってタネを落とさせないことが大切なので、がんばって抜き取りましょう〜

奇っ怪な植物

  • 2017.07.15 Saturday
  • 05:54
先日十勝に行った時に、珍しい植物を見つけてしまいました。帯広から出る国道の路傍に、10mくらいオレンジ色に染まった部分があったので、ピンと来たのです。その時は停車できなかったので、帰りに寄って改めてよく見ると、本当にこれが植物なの?と思ってしまいます。
路傍

これはアメリカネナシカズラという、ヒルガオ科の寄生植物です。いろんな植物に寄生するようで、ここではコメツブツクサに寄生していました。これに絡まれると、ほとんど息も絶え絶え状態になってしまいますが、枯れてしまうと元も子もなくなるので、うまくやっているのでしょう。
ネナシカヅラ

今からちょうど10年前、いつも渡島大島に渡る時に泊まっている、松前の民宿近くの海岸で、初めてこれを見つけた時には、その場所柄てっきり漁網が捨てられているのかと思ってしまいました。どう見ても植物には見えません。(2007年6月24日撮影)
松前

北海道がまとめている外来生物のサイト『北海道ブルーリスト』などを見ると、1978年に日高で発見されたのが最初で、その後道東のの農業地帯に発生したようです。飼料や牧草種子などに混入してくるのでしょう。松前では翌年には発生がなかったので、越冬して定着するのは難しいのかもしれません。

ブルーリスト

こんなものがあちこちで猛威をふるい始めたら、とんでもなく気味悪い道路景観になってしまうでしょう。定着できないことを祈るのみです。

帰化植物と園芸植物

  • 2017.07.03 Monday
  • 05:51
トキワアワダチソウのことを調べるのに、久しぶりで帰化植物写真図鑑を手に取りました。最近図鑑類は、pdf 化したものを iPAD に入れているので、本物の図鑑をめくることが減ってしまっています。やはりパラパラページをめくるという感覚は、何が飛び出すか分からない不思議な期待感があってとても面白いのです。

第2巻には、えっ!こんなものが?というものがかなり入っています。庭先からゴミに紛れて持ち出され、家の回りに生えているものを「逸出帰化」として報告されるので、このままではほとんどの園芸植物が「帰化植物」として白い目で見られるようになることでしょう。

  エノテラ
   (「日本帰化植物写真図鑑 第2巻」 全国農村教育協会、2010 より)

この「ミズーリマツヨイグサ」は、滝野公園でも昔から植えているものですが、これがどんどんタネを飛ばし、あちこちに生えて来るということは全くありません。むしろそのくらい増えて欲しいくらいです。その株だけでなく、そこで自己増殖して定着しているところまで確認しなければ、本当の帰化とは言えないと思うのですが。

  オオキンケイギク
   (「日本帰化植物写真図鑑 第1巻」 全国農村教育協会、2001 より)

もう一つの問題は、とかく「白い目で見られがちな」帰化植物が、生態的にどれだけ悪影響を及ぼしているのか?ちゃんと検証をしてほしいのです。『外来生物法』ができた時、特に環境に大きな影響を及ぼす恐れのあるものを「特定外来生物」に指定されました。その際、オオハンゴンソウなどと共に13種の植物が指定されたのですが、その中にオオキンケイギクが入れられました。どこかの河川敷でこれが猛威をふるっているということが根拠にあげられたようですが、それが本当に普遍的な現象なのか、はっきりしなかったのです。むしろ園芸や造園に関わっているものからは、学会も含めて猛反対の意見が出されたにもかかわらず、これが特定外来生物に指定されてしまいました。滝野公園でも仕方なく、植えてあったものをすべて抜き取りましたが、本来環境省に抜き取りの申請を出さなければならないけれど、そんなもの知るか!!と、無視して抜き取りました。

  デージー
   (「日本帰化植物写真図鑑 第2巻」 全国農村教育協会、2010 より)

第2巻では、意外なものが入っているのにびっくり。デージーは道内ではタンポポと同じくらい芝生雑草として定着していますが、多分本州では思いも付かなかったのでしょう。第1巻に収録されず、ようやく掲載されたようです。ヨーロッパでは、セイヨウタンポポがあんまり定着していないのか、芝生の雑草として最も多いのがデージーだということは昔から聞いていました。北海道ならではの「帰化植物」は意外とたくさんあるのかもしれません。

外来植物との付き合い方

  • 2017.07.02 Sunday
  • 06:00
大島調査の際には、松前港を早朝に出港するので、前日は松前に泊まる必要があります。初めの頃は町中の旅館に泊まっていましたが、そのうちに、かつて渡島大島を管轄していた江良(旧大島村)にある民宿に泊まるようになりました。随分と世話になった大島漁港期成会の漁師さんが、弟が戻ってきて民宿始めたので、そこに泊まればいいべや〜となったのです。そのすぐ近くの海岸には、結構珍しい植物が生えているので毎度散策していたところが、10年ほど前に珍しい植物を見つけました。2年後にようやくその正体が、国内で数例しか見つかっていないトキワアワダチソウという帰化植物だったことが分かったのです。
図鑑
   (「日本帰化植物写真図鑑 第2巻」 全国農村教育協会、2010 より)

ところが、その後も観察を続けていると、周辺に自生している道南特有のオオアキノキリンソウと交雑し、雑種を作り始めているらしいことが分かってきました。これは遺伝子汚染という点で、極めて危険なことなのでなんとかしなければと焦ってきたのです。簡単に抜き取れる株数ではなくなってしまっており、どうしたものかと思っているうちに、どんどん生育範囲が広がって参ったなぁ…と。ところが今回行ってみると、海岸に簡単に下りられるよう、土砂を押し広げて斜路が作られ、これらの生育地がきれいに押しつぶされていたのです。
自生地

よくみると、土砂をかぶらなかった株はほんの数株で、地中深くからようやく芽を伸ばした小さな株がちらほら見つかる程度。これならなんとかなりそうだということが分かったのです。
埋まった株

そこで島から戻って再び現地に行き、トキワアワダチソウと雑種と思われる株をすべて抜き取ってしまいました。
抜き取り

造成前であればこの何十倍もの数だっただけに、ある意味とてもラッキーでした。実は北大の先生に遺伝子分析してもらおうと、それぞれのサンプル株は札幌の某所で栽培しています。今年はそれを分析してもらい、その顛末を何かに報告しようと考えています。
抜き取られた株

帰化植物を水際で発見し、それらをすべて駆除することができたというのは極めて珍しい事例になりそうです。園芸や緑化植物として大量に持ち込まれている外来種の中で、このような遺伝子汚染が発見されること自体、極めて珍しいことなので、しっかりと確認をする必要があるのです。

ビロードモウズイカ

  • 2016.07.05 Tuesday
  • 05:36
週二のペースでリハビリに通う道すがら、建物とのすき間にビロードモウズイカが咲いていました。それだけならどってことはない風景なのですが、おやっと気になったことが。
街角

背丈ほどにも伸びることのある棍棒状花序の、いろんなところから花が咲いているのです。今まで何となく見ていたのですが、考えてみればどっちかにせいよ!と言いたくなる花の咲き方です。無限花序では下から順に咲き進むのに対し、有限花序では花は先端から咲き始め、下に向かって咲き進むのが一般的です。ところがこれはランダムに咲くみたいですねぇ。
花の咲き方

病院の前には、数ヶ月前に一角が一気に更地になったマンション予定地が広がり、そこには定番の帰化植物が早くも群生しています。そこにもビロードモウズイカはたくさん生えているのですが(赤丸)、その中に既に花茎を伸ばしている個体が混じっていました。あれ?お前は二年草の筈なのに、早くタネを落とさないとすぐに工事が始まりそうだと、急遽一年草になったものがあるようです(オレンジ)。はたして間に合うのでしょうか?
空き地

こんなへんてこな咲き方をするのかといろいろ調べてみましたが、どこにもそんなことは書いておりません。その代わり、この植物には実にいろんなことがあることが分かりました。ユーラシアから世界各地に侵入して大勢力になっているものの、他の植物が繁茂していると大きくなることができず、農耕地の害草にはならない代わりに、半砂漠地帯のような荒れ地にいったん侵入するとたちまち大繁殖して、生態系に大きな影響を与えるということです。そういえば昔ある採石場で見た風景。なんだか不気味な感じがしましたねぇ。高山帯にまで侵入するということは、確かに大きな脅威になりそうです。
採石場
 (南区の採石場で  1990.7.18)

花が終わると大豆くらいの果実の中に700個ものタネができ、一つの花序では20万個ものタネができるのだそう。そんなに遠くまで拡散することはないけれど、いったん土の中に入り込むと数十年も休眠し、何かの拍子に掘り返されて発芽に適した環境になれば、一斉に発芽してくるのだそうです。最近このあたりのアパートなどの陰には、こんな風景がやたら目立ちますが、ほったらかしてしているので、たくさんのタネを落としていることでしょう。
近所のアパート

するとあのマンション予定地には、その昔まだ荒れ地や畑だった頃に既に繁茂してたくさんのタネを落とし、市街地になって数十年後にようやく日の目を見たタネから生えてきたものなのでしょうか?渡来は明治初期とあり、東北から北海道に特に多いとあるので、そんな可能性も十分にあるのかと考えてしまいました。

フランスギク

  • 2016.06.20 Monday
  • 05:50
今を盛りと咲いているフランスギク。道内ではマーガレットと呼ばれることが多いのですが、本物のマーガレットは非耐寒性のため一年草扱いされる半低木(関東以西では木化する)のため、あまり使わない方がいいでしょう。和名も木になることからモクシュンギクになります。
フランスギクは、かつてはキクと同じくクリサンテムム属(Chrysanthemum leucanthemum)になっていましたが、現在では種小名が格上げされてレウカンテムム・ウルガーレ(Leucanthemum vulgare)となっています。英名は、牛のつぶらな目に似ているので、オックス アイ デージー(ox-eye daisy)。タネで簡単に殖やすことができるため、ワイルドフラワーとして全道各地にばら播かれたために、至る所で野生化してしまいました。
フランスギク

毎朝通っている盤渓への道でも、5〜6年前にはクゲヌマランが数十本も生える法面だったのに、上の庭から下りて来たフランスギクが、またたくまに法面全体を覆い尽くしてしまいました。こんな調子で既存植生に脅威を与えるようになってきているのです。
法面

北海道では、国が管轄している「外来生物法」をよりきめ細かくカバーするために、「生物多様性保全条例」を制定し、それが昨日19日から施行されました。全国的に見ても画期的な条例となっています。その第一号の植物に指定されたのが、このフランスギクと、やはり今盛んに花を咲かせているイワミツバです。
指定外来種
(道新WEBから拝借しました。m(__)m)

じゃあ、庭やガーデンに咲いているものはどうすればいいの?となりますね。それがあるからといって罰金取られるわけではありませんが、将来的には好ましくないものとして、なくしていく方向に持っていくべきでしょう。外来生物法で特に危険なものとして「特定外来生物」に指定されている、オオハンゴンソウやオオキンケイギクだって、まだ至る所に生えているけれど、ガーデン内からはほぼ駆逐されてきました。これと同じく、私が関わっているあちこちのガーデンなどでも、時間はかかってもこれらの植物は減らしていこうと思っています。

フランスギクはわりと簡単に抜けるけれど、イワミツバは根が少し残っているとすぐに再生してくるので、かなり手強い相手です。ガーデンによく植えられている斑入りイワミツバも同様に指定対象になっています。
フイリイワミツバ

外国産の植物は、古来より園芸植物や有用植物としてわが国にもたらされてきましたが、近年では個人でも簡単にタネが輸入できるようになっているため、飛躍的にその数が増えてきています。中にはとても危険なものが混じっていることがあるので、このまま無制限な流入が続くのは問題が多いのですが、規制や禁止まではとてもできないでしょう。難しい問題です。

指定外来種

  • 2016.03.20 Sunday
  • 05:53
昨日は「指定外来種」の説明会があったので、ヒマがあれば行ってみようかなと思っていましたが、案の定全くヒマもなく・・・話は動物主体だったので、まぁいいかなという感じです。

説明会

10年前に国の法律として「外来生物法」ができ、その中で極めて危険な外来種を『特定外来生物』に指定することにより、固有の自然環境をこれ以上劣化させない方向性が示されました。植物は今のところ13種が指定され、道内でなじみ深いものはオオハンゴンソウとオオキンケイギク程度です。その次のステップとして、このたび北海道では独自に「北海道生物の多様性の保全等に関する条例」に基づいて「指定外来種」を指定しました。トノサマガエルやアメリカザリガニなどと共に、植物が2種指定されたのです。
その一つがフランスギク(Leucanthemum vulgare)。道内では誰もがマーガレットと呼びますが、正しい英名はox-eye daisyです。牛のつぶらな目に似ているということでしょう。道内至るところに分布し、最近では高山帯にまで上がり始めている点が危険視されています。
フランスギク

一時流行ったワイルドフラワーの主要構成種になっていたため、至るところにタネが播かれたことも拡散の原因になりました。危険性からは、特定外来生物のオオキンケイギクなんかより、はるかに危ないと感じます。
雑草化

もう一種はイワミツバ(Aegopodium podagraria)。舌をかみそうなアエゴポジウムとは、葉の形がヤギの足に似ていることから、ポダグラリアとは「足の痛風に効く」という意味で、事実薬草として各地に広められていったようです。
イワミツバ

こちらはまだ札幌近辺が主要生育地ですが、極めて繁殖力が強いので、いずれ全道に拡散していくのでしょう。セリ科なのでたくさんの種子を生産することもありますが、これが危険な最大の理由は、地下茎を伸ばして旺盛に栄養繁殖を行う点にあります。湿った場所を好むので、そっと抜いていくとたやすく抜けてくれ、まるでセリを抜いているようないい香りがします。実際に野菜として食べられていたようですから。
抜いた状態

ところが根のところをよく見ると、無数にランナーを伸ばしているのが分かります。これがいとも簡単にちぎれてしまい、そこからまた株が再生してしまうので、根絶することが難しいのです。もう一つ懸念しているのは、これが増え始めると純群落となり、他の植物がなくなってしまうのです。多分根から化学物質を出して、他の植物の生育を阻害するアレロパシーを引き起こしているのではないかと感じています。除草剤のラウンドアップをかければ簡単に枯らすことが出来るけれど、これを嫌がる人が多いですからねぇ…( ̄。 ̄;)
ランナー

斑入りのイワミツバもよく見かけます。こちらはなぜかアエゴポジウムという名前で売られていることが多いのですが、性質は全く同じなのでやはり危険な植物です。
フイリイワミツバ

道条例による指定なので、国の法律ほど厳しい罰則はありませんが、栽培はあくまでしっかりとした管理下で行い、むやみに野外に捨てることなどが規制されます。私たちが栽培するたくさんの植物の中には、このような危険性を持っているものが、この他にもた〜くさんあることを自覚しなければならない時代になってきました。

北海道外来植物便覧

  • 2016.02.26 Friday
  • 06:03
注文していた「北海道外来生物便覧 2015年版」が送られてきました。著者は千歳在住の五十嵐博さんで、一緒の時期はなかったものの、同じ植木屋の大先輩に当たります。はじめに の冒頭に書かれているように、「本書は図鑑ではない。北海道に記録されていた帰化植物(外来植物)を調べるための本である。」 なので、帰化植物に興味の無い方にとっては、とっても退屈な本かもしれません。私は学生の時から、自然地域よりも都市近郊の帰化植物だらけの場所の方が好きだったので、園芸植物との境界があんまりない帰化植物はずっと守備範囲だと思ってきました。なのでこの本は「待ちに待った改訂版」ということになるのです。
外来生物便覧
今回は北海道大学出版会からの刊行になったので、ある程度の販路も広がることが期待できそうです。それにしても、前田一歩園財団の助成があったから出版できました とあるように、こういう特殊な本の場合、普通のルートでの刊行はとても大変なことと思います。この元になった「北海道帰化植物便覧 2000年版」が出たのが15年前。これは自費出版として刊行したので、はたしてどれだけ出回ったのでしょうか。
帰化植物便覧
新刊の中身は、基本的には旧刊を踏襲しているといえますが、サイズがA4判からB5判に小さくなって扱いやすくなったこと、道内分布図が飛躍的に多くなったこと、なんと分類体系がいよいよAPG靴飽楾圓靴燭海、などが大きな特徴といえるでしょう。帰化植物が外来植物に変わっているのも、時代の流れを感じさせます。この分布図は、全道(もちろん北方領土を除く)を二万五千分の一の地形図によるメッシュに区切り、そこで自ら確認したものを落としているのです。なので、道内での分布情報が大変よく分かるのです。たとえば、オオアワダチソウと混同されやすいセイタカアワダチソウは、石狩低地帯に集中し、道南や道東、道北にはあまり分布していないことが一目で分かります。
セイタカ

それに対してオオアワダチソウは、オホーツク北部から宗谷にかけてがやや薄いものの、ほぼ全道に広がっています。札幌近郊でも、セイタカの方が数も圧倒的に少ないのですが、この図からは密度感覚がなかなか見えにくいのは仕方ないことでしょう。
オオアワダチソウ

その下にある682.トキワアワダチソウ には、珍しく私の名前が書かれておりますが、これは全道で唯一私がこの場所で確認し、五十嵐さんに連絡したことによるのでしょう。これの扱いについては今も扱いを検討中なので、そのうち報告できる日が来るかもしれません。
トキワアワダチソウ
 (松前町二越(ふたごえ)の海岸に生えていたトキワアワダチソウ  2009.9.13)

「今後もガーデニングブームで世界各地から新しい植物が導入され、これらが各地に逃げ出すのであろう。」と書かれているように、園芸の世界に身をおいている者にとっても、外来生物問題は避けて通れない課題であることは間違いありません。私たちにとって、決して無関心ではいられないのです。

(『北海道外来生物便覧 -2015年版-』 五十嵐 博著、北海道大学出版会 発行、2016)
(送料とも5.534円のところ、4.497円で購入できますので、ご希望の方はコメント欄にどうぞ)

キクイモ

  • 2015.12.08 Tuesday
  • 05:56
先日ある情報誌を見ていて、おやっ?!と、びっくりしてしまいました。
通販

キクイモが、5kgでなんと5,000円もするのです。キクイモごときが、こんなに高価で取引されるんだと驚いてしまいました。キクイモ(Helianthus tuberosus)は、北アメリカ原産のヒマワリの親戚で、種小名のツベローススの通り地中に塊茎(tuber)を作ります。この写真は9月に掘ったものなのでまだ小さいですが、秋遅くになると小振りのジャガイモクラスに育ちます。
イモ

江戸時代末期に飼料用作物として伝来したそうですが、戦争中に栽培が奨励されたことから一気に広がり、現在のような全国的な帰化状態を作ったといわれます。デンプン質ではないので、腹は膨れるけれど栄養分としては・・・道内では至るところと言っていいくらい野生化しているけれど、キクイモの花は霜が降りる頃でないと咲かないので、意外と気付かれないのかもしれません。
キクイモ

このイモにはイヌリンが大量に含まれているので、このように健康食品として一部では人気があるといわれてましたが、それにしてもこんなに高価に取引されるものなんですねぇ… いくらでも掘って売りたいくらいです。

道南には、キクイモによく似て開花期が約一ヶ月早いイヌキクイモが分布しています。9月半ばに道南を走っていると道端であちこちに咲いているのを見かけます。こちらのイモはキクイモほど大きくならず、食用とはされないようですが。このイヌキクイモは、キクイモの種内変異なのか、変種なのか、はたまた別種なのか?いまだに結論が出ていないようです。
イヌキクイモ

「石狩産、農薬不使用」とうたっているけれど、あんなものに農薬かけるわけないし、石狩方面の道端で掘っているのかなぁ…(^^;)

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