越後の雪割草

  • 2017.02.21 Tuesday
  • 05:48
本場越後の雪割草を見たのは、2010年のことでした。娘が長野の会社に就職することになり、買ったばかりの軽バンに荷物を詰め込み、引っ越しがてら送っていったのです。手帳を見ると3月28日の夜のフェリーで小樽を出発し、翌日夕方に新潟港到着。その日は新潟駅近くのホテルに泊まり、翌日の30日に長野に向かったのですが、せっかくなので国営越後丘陵公園に寄ってみようと、長岡で途中下車しました。開園と同時に中に入ると、ちょうど雪割草まつりをやっていたのです。
越後丘陵公園

さすが本場だけあって、メチャクチャたくさんの品種が展示されていました。なんとなく清楚なイメージを持っていたのですが、とんでもない。このあたりの花は、ただの色違いですが、花型には本当にたくさんの変異があるのにビックリでした。
赤 青

かなり暗い場所のため写りがよくありませんが、へぇこんなのあるんだ!というものばかり。雄しべが変化したものでしょうが、なんと呼べばよいのかも分からない。
変化 八重

雪割草には花弁がなく、花弁状のガク片が八重化、万重化したり、雄しべや雌しべが花弁状になったりと、実に複雑です。これなんかガクが葉に先祖返りしたのでしょうか。
緑 白万重

販売もされていましたが、結構いい値段がついていました。百合が原公園の売店でも、500円のものもあれば1,500円のものもあるように、品種によってピンキリなのでしょう。
ピンク万重 赤一重

息が詰まってきたので、さっそく外に出て自生地を見学に。まさにオオミスミソウの自生地が園内にたくさん広がっており、国際雪割草協会が手入れをしたり補植を行っているところです。
入り口

昔は長岡でも豪雪がありましたが、最近はあまり積もらないので、雪遊びする冬季レクリエーションがうまくできないそう。温暖化の影響が一番受けやすいエリアかもしれません。
自生地

雪のない場所では、落ち葉の中からたくさんの雪割草が咲いていました。どこまでが自生もので、どれが補植株かは分かりませんでした。でも写真を見ると自生地でもかなりの変異があるようなので、この時期には山の中をごそごそ探し回っている人がいるのかもしれません。
自生株

盤渓の道すがら

  • 2016.09.04 Sunday
  • 06:06
今年も毎朝、盤渓までの道を走ったり歩いたり。急勾配のところは無理しないで歩いているので、走るのは2/3くらいでしょうか。毎朝しっかり汗をかくと、血液がしっかり循環するので、やはり気持ちがいいものです。この時期の4時台はもう真っ暗。家に帰る頃にようやく夜が明けてくる感じです。先週少し遅く家を出た時に撮った写真なので、なんだかピンボケばかりですが、道端の草花をいくつか紹介しましょう。

途中にあるお寺の前の草むらの中で、白花アカツメクサを見つけました。赤クローバーの白花を見つけたのはこれで3回目ですが、今までのものは工事現場だったために既に失われているので、これは貴重な一株になりました。せっかくなので移植するか検討中です。
白花アカツメクサ

今まで全然気付かなかったものにヤブガラシがありました。こんな嫌なものを見つけるのは全然うれしくないのですが、だんだん家に近寄ってくるのが怖いです。これを見つけたら、否応なく抜き捨てないと大変なことになりますからね。
ヤブガラシ

ヤブガラシが絡んでいるのはオオイタドリですが、これは雄株で、すぐ横に雌株がありました。地下茎で増えるため、雌雄別々に大群落を作るのが普通ですが、こんなに近くに寄り添っているのは珍しいです。
イタドリの雌雄

盤渓までの道筋には、メマツヨイグサがたくさん咲いているのですが、ここではそれと同じくらいにアレチノマツヨイグサも生えています。昔は別名くらいにしか思わなかったのに、梅澤さんのおかげでこれを区別して見るようになりました。
メマツヨイグサ

他のところでは9:1くらいしかないアレチノマツヨイグサなのに、盤渓方面では半々くらいなのが珍しいです。
アレチノマツヨイグサ

三年ほど前に落石防止工事が行われたところでは、まず一斉にヒメジョオンやオニノゲシ、ブタナなどの帰化植物に覆われていました。ところが最近では、ヨツバヒヨドリやナワシロイチゴ、オトコヨモギなどの在来種にどんどん置き換わってきています。上の林内に生えているのか、ヤブタバコまでがこんなカンカン照りの場所にたくさん生えてきているので、少し環境も変わってきたのでしょうか。
ヤブタバコ

盤渓峠を越えて戻る途中、分譲地のところから見る風景はなんともいえず気持ちのいいものでした。このブログを始めた頃、新緑前の山の木々を見て「山笑う」という記事を書いたことを思い出しました。ここの空き地も隣のお寺に買われて駐車場になっていたのに、昨年から納骨堂の建設が始まりました。来春にはすっかり風景も変わってしまうのでしょうか。
納骨堂

こうして振り返ってみると、これまでのブログの記事の中で、身の回りの植物はかなり紹介されていることに気付きます。それでもまだ新発見が出てくるし、毎日気づきの連続なのが面白いところなのでしょう。

シドケ

  • 2016.05.18 Wednesday
  • 05:43
先日いつも行くスーパーの野菜売り場に、何も名前が付けられていない山菜が売られていました。しかも誰も買わないのでしなびてしまい、ますます売れなさそうな状態に。何かいな?とよく見ればなんと「シドケ」ではないですか!一度食べた見たかった『山菜の王様』です。

さっそく買って帰り、ボウルの水に漬けてしばらく給水させてやると、少しピンとしてきました。正式な名前はモミジガサの名の通り、モミジのように切れ込んだ葉が特徴です。
シドケ

こんな写真ではなんだか分からないので、一度道内のどこかで見たことがあったなぁと、パソコン内をいろいろ探してみましたが、残念ながら見つかりませんでした。(そこで山菜王国秋田の「あきた森づくり活動サポートセンター」のページから一枚拝借することに…m(__)m)
モミジガサ

モミジガサは石狩低地帯から南に自生し、その中でも胆振から日高、渡島半島先端部などに自生があります。でも道内では山菜として流通しているのを見たことがありませんでした。これも東北から持ってきたものか、道内で取られたものか、何もラベルがなかったので不明でした。
分布図
(「FLORA OF HOKKAIDO」Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN より引用)

しっかり水を吸ったところで、軽く茹でて酢味噌でいただきましたが、キク科特有の香ばしさと、しゃりしゃりとした食感が独特の味わいでした。でも山菜の王様とあがめられるほどなんでしょうかねぇ。ちなみに「山菜の女王」は通称「アイコ」(ミヤマイラクサ)だそうです。道内でよく食べられるエゾイラクサよりも茎がもっとしっかりしているような感じですが、秋田県人は独特の好みがあるようです。
おひたし

もう一つ、「ヒデコ」(シオデ)も山菜の王様とも呼ばれるもので、東北では人気の高い山菜だそう。出張から帰ってきて、「アイコやヒデコを食べてきたけどおいしかったぁ〜」と言って夫婦げんかになったという笑い話もあるそうですが、こういう名前がつくほど山菜に対する思い入れが違うのですかねぇ…(笑)

盤渓の道すがら

  • 2015.08.24 Monday
  • 05:58
足の具合がよくなって、2週間の中断のあとまたそろそろと走り始めました。4時だとまだ真っ暗、4時半でうすぼらけ、5時でようやく夜が明けてきた感じになります。セミの声から虫の声にBGMも代わり、どんどん秋めいてきたので、出勤前に再度写真を撮してきました。

ばんけいスキー場の中には、道端にホソバウンラン(Linaria vulgaris)がクリーム色のかわいい花を満開に咲かせています。北一条通の中央分離帯でも密生して咲いているように、強い繁殖力や環境適応性、そして長い鑑賞期間を考慮すれば、ちゃんとグラウンドカバープランツに昇格させてあげてもいいと思いますが。
ホソバウンラン

あちこちでオオイタドリ(Polygonum sachalinense)が満開になってきています。花序が上を向く雄花(左)の方が鑑賞価値は高いですが、花期はあっという間で、そうなると雌花(右)の方に軍配が上がります。
イタドリ雄花 イタドリ雌花

民家の野菜畑の角に植えられた、赤と白のエキナケア(Echinacea purpurea)。この花色の組み合わせはいいですねぇ。
エキナケア

その隣ではもうシュウメイギクの花が咲き始めています。「盆花」の名のある宿根フロックスも、そろそろ選手交代の時期でしょう。
シュウメイギク

昨年落石防止柵が取り付けられたところの、工事跡地に真っ先に侵入してきたのは意外にもノゲシ(Sonchus oleraceus)でした。ノゲシはもともとはヨーロッパ原産で、古い時代に渡ってきた史前帰化植物であるといわれています。この身軽さで、簡単に大陸を渡って移動してきたものでしょう。
ノゲシ

そのすぐ近くの道端には、なんとヨモギ(Artemisia indica var. maximowiczii)が生えていました。道内でヨモギといわれるのは実はオオヨモギ(A.montana)で、こちらは全道に広く分布しています。本物のヨモギは基本的には石狩低地帯より南側に少しだけ分布している程度なので、滅多にお目にかかりません。ヨモギの見分け方は大変難しく、生育のよいヨモギと貧弱なオオヨモギの区別はなかなかつかないので、これも100%の自信はありませんが。
ヨモギ

このあたりの道端では、オオハンゴンソウ(Rudbeckia laciniata)が真っ盛り。もともと園芸植物として導入されたくらいですから、これだけ群生すればとても見事です。道内では至る所に野生化して、すっかり風景になじんでしまっておりますが、国による特定外来生物の指名手配を受けている身なので、様々な制約があります。栽培や増殖はもちろん禁止され、じゃあ抜いてあげましょうかということも、環境省の許可なくできないという面倒さ。限られた場所での抜き取りが行われている程度で、大半は我が世の「秋」を謳歌している次第です。
オオハンゴンソウ

雪が降るまであと二ヶ月あまり、だんだん植物達も見えにくくなってきますが、道端の植物達にも目を向けていきたいと思っています。

クルマユリ

  • 2015.07.30 Thursday
  • 05:42
先日ガーデンショーの会場でガイドしていた時に、ショーエリアの真ん中の林の中で、クルマユリが2株咲いていました。ショーエリアの中程にある林道より少し上、リム・インチョンさんの「人生の旅路」に向かっていく途中に、イワガラミとツルアジサイが一緒にからんでいる木(イタヤだったかな?)がありました。その真下あたりです。
ツルアジサイ+イワガラミ

クルマユリ
クルマユリ(Lilium medeoloides)は、本州中部以北から北海道、千島から樺太、沿海州地方などの寒冷地に広く分布するユリです。本州では高山のお花畑に生えているイメージがありますが、我が家のすぐ裏山にもたくさん生えており、道内では決して珍しいものではありません。森の迎賓館にも植えてありますが、こちらの方がはるかに立派でした。

輪生葉
我が国には14種のユリが自生するユリ王国ですが、クルマユリは暖地での栽培が難しいため、園芸化されない唯一の種類かもしれません。またこれだけが輪生葉をしているユリのため、他のユリとの交雑が難しく、似たような花の外国産のタケシマユリやチョウセンクルマユリ、マルタゴンリリーなどの輪生葉グループ同士でないと交雑できないので、あまり意味がなかったのでしょう。

タケシマユリ
これによく似ているタケシマユリ(L.hansonii)は、韓国鬱陵島の特産種で、昔竹島と呼ばれていたことからこの名がつけられました。領土問題になっている竹島ではありません。観賞用というより、苦みのない球根を古くから食用として栽培していたとされ、栄養繁殖が続けられたために種子の稔性が失われてしまい、普通はタネができません。

赤花タケシマユリ
ところが、北大の圃場に生き残っていたタケシマユリは、稔性が復活して種子ができること、さらには種子繁殖の結果赤花の変異株が形成されたらしく、みごとな花を咲かせています。森の迎賓館にひっそりと植えておいたものが、先日も花を咲かせておりました。

万寿錦
クルマユリはたいてい一段の輪生葉しかつけませんが、タケシマユリでは二段三段と輪生葉を重ねて、はるかにがっしりとしています。葉に覆輪斑が入る‘万寿錦(まんじゅにしき)’という品種があり、百合が原公園に昔植えられていましたが、今もあるのでしょうか。

名月とススキ

  • 2014.09.11 Thursday
  • 06:12
いやはやひどい天気。雨はそれほどでもないのですが、雷がひどくて寝られず、こまめも目をまん丸にして逃げ回っています。3時前に雨が強くなった頃から避難勧告のエリアメールがどんどん入り始め、なんと12本も。とりあえずハルニレの苗を取り込んでおきましたが、どこに逃げるといってもねぇ。南区の方がひどそうなので、被害のないことを祈りたいです。

今年の中秋の名月は、なんと9月8日だったとは。日曜日に買い物に行ったときに、やたらとススキがおかれているのでなんだろうと思っていたのです。中秋の名月とは旧暦の8月15日に見る月なので、たいてい9月中旬〜10月上旬という意識がありました。なのでこんなに早くやってくると、不意を喰らったようでびっくりしてしまいます。本州ではまだススキの穂が出ていないので、大変だったのではないでしょうか。
ちなみに来年以降は、ちゃんと元に戻っていくようです。
  2014年(平成26年):9月8日
  2015年(平成27年):9月27日
  2016年(平成28年):9月15日
  2017年(平成29年):10月4日
  2018年(平成30年):9月24日
  2019年(平成31年):9月13日
  2020年(平成32年):10月1日

ススキ
道内では8月になればススキ(Miscanthus sinensis)の穂が出始め、8月末には既に盛りを過ぎ、そろそろほほけて来る頃です。北国のススキは、芽が伸び始めてから約60日で開花してきますが、これに対して本州以南のススキでは、関東では160日、南九州では240日もかかってしまうのです。なので桜前線の逆に、8月初めに道北を出発した薄前線は、まだ東北地方を南下しているくらいではないでしょうか。
ススキ前線
 (「植物の生活誌」堀田満編、平凡社刊、1980)

生育期間が短いので、北国のススキはずいぶんと背が低いのにびっくりしました。こんなに短くては茅葺き屋根が葺けないぞ!と思ったほどです。南の方では背丈を超えるのが普通ですから。私たちの身の回りでも、本州からやってきた園芸種のススキは、まだのんびりと栄養生長を続けており、一向に穂が出る気配はありません。タカノハススキやシマフススキでは、10月上旬にならないと穂が出てこないのです。
タカノハススキ

先日見てきた植物園前に植えられている斑入りのススキは、葉の幅が広いので、多分ハチジョウススキ(M. condensatus)の園芸品種である‘コスモポリタン’ではないでしょうか。タカノハススキよりも大きく育っています。
ハチジョウススキ

さらに巨大になるススキもあります。イコロの森に植えられているものは、ススキの品種扱いになっていましたか?(メモが見当たらないのでごめんなさい) ‘ギガンテウス(Giganteus)’として出回っているものだったかな。
イコロの森

ススキの近縁種にオギ(M. sacchariforus)があります。ススキが乾燥した場所に生えて大きな株を作るのに対し、オギは湿った排水溝のような所を好み、株を作らずに地下茎を伸ばします。昔当別ダムの調査であの辺りを走り回っていたときに、随分と多いのに改めてビックリしたことがありました。同じ形の穂なので、ススキだと思ってしまうのです。ススキの遺伝子は2倍体であるのに対し、オギの遺伝子は4倍体。それを交雑することによってできる3倍体植物が「ジャイアントミスカンサス(Giant Miscanthus)」(M. × giganteus)として近年注目され始めました。
ジャイアントミスカンサス
短期間に巨大に育つために、バイオマス(バイオエタノール)資源として俄然脚光を浴びているのです。北大農学部にその第一人者の先生がいるので、農場内にはあちこちにこの巨大なススキが繁っています。でもこれは、効率よくエタノールを生産できるように遺伝子操作を行っているために、みだりに持ち出すと大変なことになりかねません。

私たちの回りには、イトススキやヤクシマススキのようなかわいいものから、ジャイアントミスカンサスのように圧倒されるほど巨大なものまで、実に様々なススキが植えられています。名月を愛で、ススキを添える感性だけは、いつまでも失わないようにしたいものだと思います。

リュウキンカ

  • 2014.05.22 Thursday
  • 05:52
北国の春の水辺では、ミズバショウと共に馴染みが深いのがエゾノリュウキンカ(Caltha palustris var. barthei)。道内ではヤチブキの名で知られ、山菜としても利用されますが、基本的には有毒なのであまりたくさん食べない方がよろしいかと。星置緑地にもたくさん自生があり、人気の植物となっています。
エゾノリュウキンカ
滝野公園でも、もともと沢筋などに自生もあったようですが、現在の平成の森などにはあとから植えられたものが大きく育ち、流れを埋め尽くしているところもあります。カントリーガーデンの造成にあたって、まきばのせせらぎにも植栽したのですが、何年かしてからどうも様子が変だということに気付きました。いろいろと特徴を見ても、エゾノリュウキンカとは全然違うのです。
リュウキンカ
あれこれ調べてみると、本州産のリュウキンカ(立金花)(Caltha palustris var. nipponica)でした。業者が本州から取り寄せた苗に紛れ込んでいたらしいのです。基本種であるカルタ・パルストリスはヨーロッパ原産ですが、エゾノリュウキンカとは区別しがたいと図鑑にはあります。本州〜九州〜朝鮮に自生のあるリュウキンカは、やや小型で花が葉腋に一花しか着かないので、そんなに華やかな雰囲気にはなりません。これに対してエゾの方は、枝分かれしてたくさんの花を咲かせるので、大変豪華な草姿になるのです。道内にはもう一種エンコウソウ(猿猴草)(Caltha palustris var. enkoso)が釧路湿原などで見られ、これは茎が立たないのではっきり分かります。
エンコウソウ
(温根内の木道から見たエンコウソウ。茎を長く伸ばして地面を這って広がる。 2002.5.13)

初めのうちは、比較して楽しめるのでいいかなと思っていたのですが、数年するとこれのこぼれ種から猛烈にたくさんの子株が増え始め、これは危険だということになりました。これが園外に流れ出し、生態系に危険を及ぼす可能性があるからです。このため5年ほど前からせっせと抜き取りをしているのですが、なかなか抜ききれずにいるのです。
滝野では、今年草花管理の作業員が大きく変わってしまい、また一から覚えていただかなければならないのが頭の痛いところ。葉の見分け方をじっくりと確認していただきました。
確認

慣れてくると、葉を見ればすぐに分かるのですが、大きく育ってくると違いが分かりにくくなるので、悩ましいものもあります。葉の艶がなく、葉脈が目立って凸凹で、黄緑っぽい葉をしているのがエゾノリュウキンカ、葉柄や葉の縁に少し赤味があり、艶々していて葉縁の切れ込みもあまりないのがリュウキンカです。
表 裏

まだ花が咲いていて、今からむしり取るのもかわいそうなので、花が終わり次第すべて抜き取ってしまいます。それでもたくさんのタネが落ちてしまっているので続々と生えて来るでしょう。根気よく続けて行く必要がある作業なのです。
池の中

フキノトウ

  • 2014.04.17 Thursday
  • 05:58
先日から何度も登場したフキノトウ。道内至るところに生えているし、雪融けと共にすぐに顔を出してくる、春の申し子のような存在です。道内など北日本に分布しているアキタブキ(Petasites japonicus subsp. giganteus)は、秋田産のものが先に有名になったので、この名前になったのでしょう。ちなみに基本種のフキは、一般的には京ブキと呼ばれることが多いようです。道内にも自生があることになっているけれど、本当かなぁ?

フキは雌雄異株なので、フキの花であるフキノトウにも雌雄があります。
♀株 ♂株
結構個体差はあるものの、全体に白っぽいのが雌株のフキノトウ、黄色っぽいのが雄株のフキノトウです。フキの花の構造はいろいろ複雑なようなのでここでは深入りせず、白い糸状の雌しべを持っているのを雌株、黄色い花粉が目立ってくるのを雄株としておきましょう。

小さなうちに雌雄が分からなくても、開花して10日もすればすぐに判別がつきます。花粉を飛ばした雄株では、大きさもさほど変わらず、先の方が黒くなってきて崩れてきます。
雄株その後
これに対して雌株ではどんどん成長し、大きなものでは腰の高さほどにもなってきます。アイヌ語ではフキノトウをマカヨと呼んでおり、むくむく大きくなるのをピンネ・マカヨ(雄のフキノトウ)、伸びないで枯れてしまうものをマチネ・マカヨ(雌のフキノトウ)と区別していたそうです。(「コタン生物記」更科源蔵・光著、法政大学出版会 より)
雌株その後
やがて山野が新緑に覆われる頃になると、巨大化したフキノトウはタンポポそっくりの白い綿毛を開き、風に飛ばされてまたあちこちに支店を出していくのです。
種子飛散

沢筋の土壌の肥えた湿地では、胸くらいの大きさになるフキも珍しくありませんが、足寄町螺湾(らわん)に生えているフキは特に巨大になり、かつては馬に乗ったままその下をくぐれたという伝説も残っているほどです。そんなフキがあちこちにあったので、コロポックル伝説が生まれたのかもしれません。現在ではそこまで巨大にならないようですが、それでも2〜3mになり、腕の太さほどになるけれど柔らかくてミネラルが豊富な『ラワンぶき』として商標登録し、株も門外不出となっているそうです。でも植物園には、辻井先生が持ち込んだ「ラワンぶき」が元気に育っています。物差し代わりになっている方は180cmほどもあるので、その大きさがお分かりでしょう。
ラワンブキ
昨年滝野公園でお会いした大阪からやってきたというご夫婦は、道内をレンタカーで走りながら、つい大きなフキのところで何度も写真を撮してしまったと笑っていました。私たちには見慣れてしまっているものにも、意外な話題性が眠っているのかもしれません。

シダの魅力

  • 2014.02.24 Monday
  • 05:41
土曜日には、滝野公園のフラワーガイドボランティアの研修会がありました。ボランティアの手で管理したり新しく作っている「こもれびの庭」から「疎林の小径」の見どころについて、簡単な講習を行うことになったので、前日から現地の画像をずっと見直していました。たくさんの植物の写真を見ていると、やはり気持ちが安らぐというか、それぞれの植物に思いをはせてしまってなかなかまとまらず、時間ぎりぎりに会場に行く羽目に…

そのなかで、おっと思ったのがシダの魅力です。
シダ3
花人の隠れ家から上に上がっていくと、両側にイングリッシュブルーベルが植えられており、その中に人工のものですが、小さなせせらぎを作っています。もともとの火山灰を土壌硬化剤で固め、護岸には羊蹄の山石を使っていました。初めのうちは少しごつごつしたせせらぎで、護岸回りに特に植栽もしていなかったので、今から見れば随分と殺風景なせせらぎでしたねぇ。
2001年9月5日
(護岸の石も丸見えだし、植栽も特にないので、かなり殺風景  2001.9.5)

そんなせせらぎに、知らぬ間にシダが生え始め、一度生えると急速に増加していき、やがてせせらぎがどこにあるのか、見えなくなってしまいました。どこからタネが飛んできたのか、エゾノリュウキンカも点々と生えてきているし、自然の営みのたくましさには、本当に感激してしまいます。
シダ1

一番多いのはオシダで、さらに大きくなるイヌガンソクが数株、緑が鮮やかなクサソテツもちらほらあります。でもシャキッとした草姿はオシダが一番で、ピンと揃った葉並びがとても魅力的です。
シダ2

なかなか家庭で楽しむサイズではないけれど、日陰でじめじめしたシェードでは、一株でもその存在感は空間を支配できるでしょう。クサソテツは地下茎でどんどん増えるので、我が家では除草対象種。もちろん若芽はコゴミなので、有効に使うことが出来ますが。道内には魅力的なシダはまだたくさんあり、豊かな自然の恵みに感謝したいです。
クサソテツ
(地下茎で増殖して群生するクサソテツはグラウンドカバープランツに好適)

雪の下

  • 2014.02.08 Saturday
  • 06:08
毎日凍てついた天気が続きます。今のアメダスは−13℃を下回っています。これだけ寒いと、雪像が融ける心配がなくて祭り関係者も安心でしょうが、ガードマンとか外に立ちっぱなしの人達は大変なことでしょう。
白いものは見飽きて来ているので、たまには緑の話題にとネタ探ししてみました。誕生花も全然季節と関係ないのではと思ったら、今日8日の花はユキノシタ(雪の下)。開花期は春ですが、まぁこの名前に免じて採用してあげましょう。
ユキノシタ

ユキノシタ(Saxifraga stolonifera)は道内には自生がなく、本州以南から中国大陸にかけて自生があります。道内でも育つようですが、あんまり植えられているのを見かけません。常緑の葉を持つので、積雪下で傷みやすいのでしょうか。松山の実家では、建物の陰のじめじめしたところにひっそり生えていました。ちょうどこの時期に、この草にはとても世話になった思い出があります。というのは、子どもの頃の暖房装置といっても火鉢とコタツ程度で、足の指はしもやけだらけになり、むず痒くて大変でした。そこでこの葉を火鉢で炙り、よくもんでその汁を霜焼けに塗るのです。すると血行がよくなってますますむずがゆく、うまくいけば治ってくれるのです。
もう一つの思い出は、この葉の天ぷらを作ってもらったことが。少し風味があり、肉厚の葉には少し甘みがあったような気がします。

道内で最も近いのはダイモンジソウ(S.fortunei var.alpina)。ユキノシタの花は下の2弁が長く上の3弁は退化しているのに対し、ダイモンジソウではほぼ同じ長さなので、大の字に見えることからこの名があります。毎年行く渡島大島にはこれがたくさん生えている場所があり、秋に行くと花が満開でとてもきれいです。
ダイモンジソウ
(渡島大島の日方泊方面の岩隙地に自生するダイモンジソウ  2008.9.17)

ユキノシタの葉には銀色の模様が入りますが、ダイモンジソウの葉は普通の緑色で、特に面白みはありません。花も野生のものではただ白いだけ。それから一体どうやってこんな園芸品種を作っていくのか、日本人の根気強さが生み出した品種群には目を見張らされます。以前は秋に豊平公園で行われていたダイモンジソウ展。これにはびっくりさせられました。
展示
(ダイモンジソウ展は、最近はやっていないようですね。  2006.10.4)

自生のものに、いくらか赤味がある花があるのでしょうか?一体どうやってこんな品種を作っていくのか本当に不思議ですが、端正な自生種の花と共に、こんな世界があることも知っておいてほしいです〜
舞扇
(赤花の品種‘舞扇’  2006.10.4)

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